〇伝短文ログ■お花見日和 暦の上ではもう春。
暖かな気候の中平和が訪れた天宮の住人達も和やかな日々を過ごしていた。
「さあ、今日も修行に励むぞ!」
そんな中、暑苦しい武者が一人。NEO鉄機武者の鉄板丸である。
彼の相棒である武侍丸を修行に誘う姿はもう毎日の恒例行事である。和やかな春とて例外ではない。
「平和になった天宮を守るのが我ら武者の使命。修行を欠かすわけにはいかない。さあ、行くぞ武侍丸」
「ちょ、ちょっと待て鉄板丸!……えっとその、花見に行かないか!」
「花見……?」
「そうだそうだ!零弐丸零参丸を連れて花見に行こう!今日は一段と桜が美しい!」
「桜か……」
周りを見渡すと春の花達が美しくその花びらを咲かせていた。鳥達の鳴き声が囁き、どこか甘い匂いがする。
優しい雰囲気だ。
(具和殿輪亜駆守にいた頃は外の風景をゆっくり眺めることは無かったな……)
具和殿輪亜駆守にいた頃には鉄板丸に外の風景を見る精神的な余裕はなかった。過去を悔やみ鍛錬を積む日々だった。
しかし、今は違う。
平和になった天宮と、守りたいと思える大事な友がいる。それはとても喜ばしいことだ。
「……たまには修行を休めて花を見るのもいいかもな」
「だろう?!早速零弐丸零参丸を呼んで出掛けよう!」
「ただし明日の修行はいつもの二倍だ」
「……はい」
お団子と親友と友に、春を満喫しにいざゆかん!