谷垣さんと鯉登さんと動物園。「谷垣!出掛けっど」
「え、どこにですか?」
ニコニコとしながら目の前に仁王立ちする鯉登さんをみて首を傾げる。今日は特にお互い予定はいれてないはずで
「パンダ見に行っど!」
彼が手にするスマホの画面にはパンダが映っていた。きっとテレビでみたのだろう
「動物園デートですか」
「ち、ちごっ!決してそげんわけじゃなか!!」
顔を真っ赤にして叫ぶ鯉登さん今日も可愛いです。
「…凄かしじゃな」
動物園につくとパンダを見ようと並ぶ人の列に鯉登さんがげんなりとした顔をした。のでそのまま園内を散策することにした
「谷垣あっちに行っど!」
鯉登さんのテンションが上がってきて俺の手を引いて足早になる。こういう時は恥ずかしがらずに手を握ってくれるのが嬉しいんだよな。
猿を見たりキリンに餌をやったりしながら園内を巡ればお昼の時間になる。人が少ない道をのんびり歩きながらお昼はどこで食べようか頭を悩ませる
「はぁ~パンダは見れんかったばっ楽しかね」
「俺も鯉登さんとデートできて、嬉しいです」
「そうか」
ふにゃっと笑う鯉登さんが可愛くて握っていた手を引いてギュッと抱きしめる。あぁ幸せだな…
「源次郎」
「なんですか」
ちゅっと唇に柔らかい感触、キスをされた
「ッ…!」
完全に不意打ちだった。狼狽える俺を余所ににんまりと笑う。
「…帰ったら覚悟しといてくださいね」
「忘れんかったやな」