SS ゲーセンデートキュラド「この間から思っていたが俺にいろいろやらせて楽しいか?」
SP「え、あ、お……お、おもしろい……」
キュラド「そうか……エスも研究の楽しさに気がついたか。そうだ、そこが第一歩だ」
SP「え、べ、別に、そういうわけではないけど……」
キュラド「俺はお前の研究をし、お前は俺の研究をする……なかなか良い案ではないか。面白いぞ」
SP「そ、そういうわけじゃ、ないんだけどなあ……」
キュラド「つくづくお前という人間は面白い」
SP「…………あ、あの、じ、実は、今日は、連れて行きたいところがあって……」
キュラド「ん、出掛けるのか。これがひと段落したら付き合ってやろうではないか」
SP「あ、えっと……22時までに行かないと……」
キュラド「何だ」
SP「あの、高校生は22時までしか入れなくて……」
キュラド「そのような規制がかかっている場所は治安が悪いのではないのか?」
SP「そ、そうかも……」
キュラド「まあ良い。今から行けば十分間に合うだろう。それで、どこなんだそれは」
SP「ゲームセンター…………」
キュラド「ゲームセンター……」
*
『太鼓の達人〜!!』
キュラド「何だこれは……」
SP「バチを持って」
キュラド「バチ……」
SP「それでこう、叩く……」
キュラド「……」ドンッ
SP (なんだろう……ものすごく面白い…………)
*
SP「じゃあ、まずはチュートリアルから……」
キュラド「あ、ああ……」
SP「…………っていう感じなんだけど、わ、わかった?」
キュラド「なるほど。理解した。やってやろうではないか」
SP「じゃあ…………本番いくよ?」
『むずかしさを選ぶドン!』
キュラド「むずかしさ……だと……?」
SP「え、えっと、むずかしいにすると…………いっぱい叩かないといけない……むずかしい……」
キュラド「どれくらいむずかしいのだ?」
SP「わ、わからない……」
キュラド「なるほど…………」
*
キュラド「なかなか楽しかったぞ」
SP (音ゲーは凡人レベルだったな……)
キュラド「これは何だ」
SP「これは、ワニワニパニック……」
キュラド「ワニワニパニック……」
SP「えっと……ワニが、出てくる……」
キュラド「ふむ」
SP「出てきたら、叩く……」
キュラド「それで?」
SP「えっと……叩けた数を、競う……」
キュラド「なるほど。こんなものは吸血鬼にかかれば朝飯前だな」
SP「ほ、本当に?」
キュラド「疑うのなら見せてやろう、この俺の実力を」
SP (お金払うの、我なんだけどなあ……)
*
キュラド「フフフ……」
SP「す、す、すごいね……1位だって……」
キュラド「ふむ。ゲームセンター……なかなかの場所だな……」
SP「楽しそう……」
キュラド「今の人間にはいろいろな娯楽があるな。良いことだ」
SP「今の、人間……?」
キュラド「何かおかしなことを言ったか?」
SP「い、いや、別に……」