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  • まくら④(浅草ジョイジョイカムカムホールにて)浅草寺(せんそうじ)付近で、白髪でシワシワで杖をついた、羽根つき帽子の怪しげなおじいさんに出くわしまして。「ご存知!浅草名物、絵葉書クイズおじさんだよ!」
    言葉の力は恐ろしいものですね、見たことも聞いた事も無くても、「ご存知!」とか「名物!」などと言われると、知らないこちらが悪いような気がしてきます。後で伺ったら町会の元役員だった人で、最近始めた趣味だそうですね。
    浅草寺や五重塔、雷門などを自分で描いた絵葉書を作ってたが、浅草区域内の「ココどこだよ!」という所を描いて、それをクイズにしたら面白いんじゃないかという事で頂きましたのが、右側に桜の木、左に赤い門と「伝」の文字の絵葉書。初心者向けという事で、確かにこれは簡単でございましたね。
    伝法院(でんぽういん)通りの入り口の門、右手に桜の木ですから浅草公会堂のある方ではなく、仲見世(なかみせ)がある方の門ですね。絵葉書片手に行って参りました。場所についたらおじさんが先回り、正直に言いますと、浅草寺から仲見世は目の前ですから、杖をつきながらフラフラと歩いて行ったおじさんが、遠くで待機しているのがスタート地点から見えてましたので、まああそこが正解の場所なんだろうなと思っておりました。
    「ココが正解ですか?」「正解!簡単過ぎたかなあ、ご褒美にその絵葉書あげるよ!」「わからなかったら絵葉書はどうするつもりだったんですか?」「どうもしないよ?趣味でやってるだけだから!」「気前がいいんですね、おじいさん」「照れるなあ、おじさんね」あっ、ごめんなさい!と言ったら、「気にしないでいいよ!でも、おじいさんになるまでにはまだまだ先だからね!」
    年齢を伺ったところ、「82歳」とおっしゃってました。おじさんからおじいさんになるまで、あと何年かかるんでしょうかね・・・。

    ・・・・・・久保田万太郎(くぼた まんたろう)『浅草風土記』の、抜き読みでございます。
    「「古い浅草」とか「新しい浅草」とか、「いままでの浅草」とか「これからの浅草」とか、いままでわたしのいって来たそれらのいいかたは、畢竟(ひっきょう)この芥川氏の「第一および第三の浅草」と「第二の浅草」とにかえりつくのである。改めてわたしはいうだろう、花川戸、山の宿、瓦町から今戸、橋場・・・「隅田川」のながれに沿ったそれらの町々・・・。(了)

    #オリジナル #舞波千景 #講釈 #講談
    #浅草名物絵葉書クイズおじさん
    玉本秋人
  • まくら(芸談劇場二階小ホールにて③) #オリジナル #舞波千景 #講釈 #講談 #夕月葵
    (まくらより抜粋)
    友達と一緒に帰った小学校時代、帰り道に外国人の牧師さんに会ったことがありましてね。
    ペデストリアンデッキ、というんですか。広場と歩道が一緒になったもの。私は途中で曲がって家に帰るんですが、曲がらず歩いて行った先に教会がありましたので、そこの牧師さんだったかと思います。
    夕月葵(ゆうづき あおい)さんという、今も一緒に野球に興じたりする人と一緒で、ご存知の方も多いと思いますが、我が芸談協会頭取(とうどり)、海遊亭ほん鮪(かいゆうてい ほんまぐろ)の娘様でございます。
    お父様譲りでしょう、芸に対してもとても厳しい人で、時々私の講釈を聞きに最前列に陣取り、後で楽屋で私に、
    「思ったより。最後まで寝なかったしな」
    と、彼女にとってこれ以上のないお褒めの言葉をかけてくれます。
    私も彼女の得意とする、野球の試合に一緒に出る時は
    「同点タイムリー、さすがだね。やっぱり自分で打たれた分は取り返さなきゃね」
    とエールを送ります。
    その葵さん、当時覚えたばかりの英語、いや単語を声に出して面白がってましてね。授業中の男の子達もそうでした。日本語とは違う響きが面白かったのか、意味がわかってなくとも、とにかく英単語の連呼をする。
    葵さん、ディクショナリー(dictionary)とパハップス(perhaps)の二つがお気に入りだったみたいで、口に出してはニヤリと笑い、また口出してはアハハと笑い、とても楽しそうでございました。そんな帰り道、葵さんと牧師さんは出会ってしまったんですね。
    自分が発する英語を自在に操る外国人の方を目の前にして、好奇心が止められなかったんでしょう。ディクショナリーとパハップスを交互に叫びながら、牧師に突入する葵さん。恐れおののく牧師さん。イーライ・ロス監督のキャビンフィーバーという作品に、「パンケーキ!(pan cake)」と叫んで噛み付いてくる女の子が出てきますが、知っておられる方は思い出して頂けたら、当時の葵さんの怖さがわかってもらえると思います。葵さん、あそこまでは珍妙な動きはしてなかったんですけれども。
    調べましたところ、エクソシスト、悪魔祓いは18世紀ごろにはすでに廃止されているとの事なので、現代の牧師さんが怖がるのも、悪魔祓いのノウハウがなかったからで、致し方ないのかなと思います。葵さんも今は悪魔が抜けたかのように、すっかり落ち着いた女性になって、女子野球部のエースとして、練習に試合に頑張っています。そろそろ葵さんに怒られるのでこれくらいで。

    さて本日、皆様にお聞かせしたいのは、悪魔ではなく幽霊のお話。どう違うと申しますと、悪魔は人間ではない異形のもの、それに対し幽霊は元は生きていたものの魂と言われております。
    いずれにしても目には見えないものの恐怖、 幽霊の正体見たり枯れ尾花、気の持ちようとは言いますが、目に見えないはずの幽霊は足のないものだと、初めて絵に表したのが江戸時代の画家、円山応挙(まるやま おうきょ)で・・・。(了)
    玉本秋人
  • 2豆腐教授お皿の上に乗って、蓄えたタンパク質の如き教養を学生達に惜しげもなく与えます。
    愛用のシルクハットは片手に持っているだけ。
    玉本秋人
  • バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3 #金曜ロードショー 
    #バックトゥザフューチャー  #映画 
    #イラスト  #illustration

    ドクの
    「未来は自分で切り開くものなんだよ」、
    年齢を重ねていくにつれ重く感じ、だが改めて素晴らしいセリフだなと思った。

    ラストの「未来にはもう行ってきた」、
    『バック・トゥ・ザ・フューチャー』だよな!

    この金曜ロードショー3連発の間にイラストを都合4枚。

    やっぱり俺この映画が大好きだね。

    メイキング↓
    https://youtu.be/EhuQpMmlznQ

    良かったら高評価&チャンネル登録してくれよな!

    ドク役のクリストファー・ロイドさんの近況という記事を読んだが、御年81歳!
    さすがに映画は年に1本出るかどうかになっているがいつまでも元気でいて、あの時から本当に30年後になった現代に生きる科学者達に対して、
    「なぜまだタイムマシンができておらんのだ!」
    って言って怒って欲しいな(笑)。
    ちょっと前に出た番組でドク役になってのジョークのヤツね。
    スマホの登場やトランプ大統領誕生にはドクも大いに驚いたらしいな。
    玉本秋人
  • 梅雨時くノ一 〜アリス〜 #蓮華  #くノ一  #不思議の国のアリス

    「くノ一たるもの、晴れの日は鍛錬、雨の日は勉学に勤しむべきであーる」

    ヒゲをつけた先輩くノ一が言っていた。
    誕生日に贈った高級つけヒゲが大層気に入ったようで、心にもダンディズムがほんの少し芽生えた・・・みたいであーる。

    別に雨の日だからと言って晴耕雨読と言うわけではなく、雨に打たれながらの任務や訓練もあるのだが、どちらもお休み。
    近所の図書館に来てみた。

    「あなたは露出の激しい装束を着て、さらに猫耳をつけると言う恐ろしい事までしているのに、言動が固すぎますね。パーツは豊富なんですから、もっとカワイコぶってくださいね」

    ただの仕事着と、索敵用のセンサーなのに何を言っているのだ、あの食いしん坊は。
    それなのに、カレー屋で頼んだ大盛りを食べ切れず、
    「私は食いしん坊だけど食べる量は常識的ですよ、えっへん」
    などと言って、スマホでケラケラ笑いながら私達を応援に呼んだと思ったら、
    「引退して、ココイチの横にクノイチってカレー屋出したらウケますかねぇ?」
    とか言い出して、後ろの席の敵を追跡中というのを知った時に、私と蓮霧(れんぶ)の血の気が引いたのを知っているのかっ。

    そっちこそ、頭領に次ぐ「桃忍(ももにん)」の二番手という自覚を持って欲しい。

    嗚呼、ダメだ。
    せっかく子どもの頃に読んだ『不思議の国のアリス』を、懐かしいなと思って読み始めたのに、仕事が気になってあの魅力的な世界に行けないや。


    私は心も大人になってしまったみたい、アリス。
    玉本秋人
  • ザ・デストロイヤー(The Destroyer) #プロレス  #白覆面の魔王

    日本プロレス黎明期にアメリカから来日した、”白覆面の魔王”の異名を取る覆面レスラー。
    丸太のような太い足から繰り出す「足4の字固め」で力道山を苦しめ、馬場や猪木のみならずブッチャーやミル・マスカラスとも名勝負を繰り広げる。
    主に全日本を主戦場とし、レスラーとしてだけでなくテレビタレントとしても活躍した世界的スーパースターである。
    2019年3月に逝去。
    玉本秋人
  • とってもサンシャイン2020③〜海辺でシュワッチ!ヤツデだよ!〜 #とってもサンシャイン2020
    #イラスト  #illustration
    玉本秋人
  • ジョヤノカネゴン #怪獣  #除夜の鐘  #カネゴン

    とりあえず、うるさいと言った人の元へ話をつけにいく。
    玉本秋人
  • センター矢車翔子(やぐるま しょうこ)東京花菱大学附属女子高等学校野球部(東花女子)のレギュラーで、中堅手(センター)。

    打順は主に一番、俊足巧打の持ち主。
    足の速さは部内一で進塁の際、減速せずに回れる走塁技術を持つ。

    彼女が出塁すればその回に得点できる確率は極めて高くなるという、走力による攻撃の要である。

    普段はいささか自らを無理なキャラ付けをして、周りを置いてけぼりにしたりする癖があり、手近なところでは一人称を「あちき」や「我」と呼んだり、ツンデレキャラになろうとして、相手を罵りながら頭をポカポカ殴っていたら泣かせてしまったり、クールなキャラになろうとその日一言も喋らずにいたら先生に注意されたり、どれも定着した事がない。

    本当の彼女はというと、練習は一生懸命、分け隔てなく先輩後輩と仲良くなれ、試合でミスしたらそのミスを全力で取り返そうと闘志を燃やし、敗けたら声を上げながら悔しがる。

    ・・・それでは嫌だと、今はお嬢様キャラに挑戦中である。

    「セーフっしょ?あ、いや、セーフですよね!?あ、違いました、ち、違いますわ、セーフでよろ、よろしいじゃなくって!?ゴメンあそばせ!・・・このキャラも、なーんか違うなあ」

    #イラスト  #矢車翔子 
    #東京花菱大学附属女子高等学校野球部
    玉本秋人
  • とってもサンシャイン2020⑤〜ようこそおいでくださいました〜 #とってもサンシャイン2020
    #イラスト  #illustration
    玉本秋人
  • かぼちゃ #ハロウィン
    ずっしり両手にパンプキン♪
    玉本秋人
  • 神田松之丞山藤章二さんの描かれた談志さんの絵が好きでね。

    松之丞さんも談志さんが好きなんで、思い切り意識して描いてみた。
    まあ・・・こんなもんさ。
    一朝一夕で真似できるもんじゃないな。

    今日と明日、東京2days。
    まずは今日、講談の日。

    #講談
    #六代目神田伯山
    #YouTubeデビュー
    #イラスト
    #drawing
    #芸術同盟
    玉本秋人
  • まくら④(銀座お好み焼き屋八八八八ッ八八〜(ぱぱやぱっぱぱ〜)にて) #舞波千景  #講談  #秋ナスは姫に食わすナス

    ところで皆様は寄席に行かれた事はございますか?
    我々講談師に落語家、漫才やコントに浪曲、さらには手品などが一度に観られる素敵な場所でございます。 

    一度にと言っても皆で一斉にやるわけではありませんよ?

    横に並べて一斉に芸を披露したら、誰が一番印象に残るんでしょうかね。
    開口一番に鳩を飛ばせば手品師が最強のような気がします。
    講釈師も張り扇でスパーンと叩けば注目されると思いますが、その後はどうしましょうかね・・・。

    寄席はおおよそ演者の時間配分というものが決まっていまして。
    芸人、話を途中で終わらせる切れ場というものがございます。

    噺を終わらせる際の決まり文句、例えば落語の方では、
    「お後がよろしいようで」
    実は「お後がよろしいようで」は、寄席演芸場が有に100を超えていた明治時代の言葉でして。

    馬車などが現役のバリバリだった時代ですから、あちらこちらの演芸場に引っ張りだこの真打ちが到着をする際の時間計算をするのが非常に難しかったんですね。

    真打ちが来るまでの間、前座が噺を引っ張って時間を稼ぎ、到着した頃を見計らって言う言葉で、今ではほとんど使われなかったりします。

    今のは落語家さんの話。

    講釈師さん・・・フフフ。

    失礼しました、講釈師の場合は、
    「本日は読み終わりとさせて頂きます」と言います。

    元々釈台の前に本を置いて喋っていた芸能ですから。
    開いていた本を閉じるという事で、
    "読み終わり"。

    人によっては、
    「失礼つかまつります!」
    とカッコ良くおっしゃる方もいたりしますね。
    鶴々(つるつる)師匠がそうですね。
    昭和を生きた名人のレコードでは結構良く聞いたりしますが、こちらのセリフはまだまだ現役だったりします。

    私もこの場をお借りしてキャラクターを変えてみましょうかね。

    皆様から尊敬の眼差しを獲得する、
    "すたいりっしゅ"な講釈師になりたいなと思いまして。

    お好み焼き屋の場を借りず、寄席でやれよと言われそうですが、「御免(ごめん)」なんか最後につけるともっと良いかもしれませんね。

    (パンッ!パパンッ!)

    「そこを離せ〜!」
    袖振り払った安兵衛がっ!
    (パンパパンパン)

    千里一時虎の子走り、
    バラバラバラバラっ!

    駆けつけてくる高田馬場!
    此方の方より上方から戻りし者に聞くと、
    浪人一味戻りしという、

    怒りを発した安兵衛がっ!
    (パン!)
    高田馬場十八番切りに及ぶという!
    (パン!)

    これからが面白いのですが〜!
    (パンパンパン!パパンパン!)

    これにて失礼つかまつる、御免!
    (パン)

    実はこちら!(パンパン)

    この間(パン)

    小学校でやりましたら〜
    (パンパパンパンパンパンパ〜ン!)

    「お姉さん、何で怒ってるのに謝ってるの?」
    と言われました。
    (パン)
    玉本秋人
  • 紅しょうが姉さんと。『やろうか』
    『まだ早いか』、
    少々悩んでいる。

    「千景姉さん、おはようございます!」
    「ご苦労さまです、千景姉さん!」

    楽屋に入るなり、
    見たことの無い2人に挨拶をされた。

    1人はメガネ、もう1人は髪がボサボサの切れ目の男子。

    「バカヤロ、初めて会うんだから名前を言いやがれ」

    阪神タイガースのキャップと着物姿。
    そして近くにくると香ってくるおでん出汁の匂い。

    辛子家おでん兄さんである。
    となるとこの2人は・・・。

    「失礼しました!辛子家じゃがいもです!」
    「辛子家いかぼーるです!」

    メガネがじゃがいもで、ボサボサがいかぼーるか。新しく入った兄さんの弟子2人、なかなか真面目そうである。

    本日は我々が所属する芸談協会の定例寄席。
    スタッフカードを首に下げた関係者が通路でバタバタしている。
    最近オンライン上で寄席演芸の人気が急上昇中という事で、演芸チャンネル運営会社に我々芸談協会の面々もガッツリと協力する運びとなったのだ。

    『オンライン上での公開生中継!あなたのお家が寄席になります♪』
    という事で、やり直しの利かない一発勝負である。

    収録は2日あり、今日は初日。
    明日2日目は頭取や鶴々先生、ほくほく亭じゃがばたあ師匠、山椒斎こ粒大先生と、協会の大幹部が一同に集結する。

    アプリでも視聴できますので、良かったらダウンロードしてくださいね♪

    楽屋入り。
    私が脱いだ履物をいかぼーる君がすぐに整えてくれた。
    悪いなあ、なんか。

    お礼を言おうとしたら、逆に深々とお辞儀され、じゃがいも君と2人で楽屋から出ていった。
    前座の時分はやる事が沢山あるからね、懐かしいな。

    私のように歳の近いスタッフと浅草の人気スイーツの話で盛り上がっていたら、出番の先輩を呼び出すのを忘れて大目玉を喰らった、なんて事のないように気をつけて欲しい。

    畳の楽屋。
    奥には今にも死にそうな顔のいも太郎兄さん(体調は良さそう)と、紅しょうが姉さんが机に肘をついて大きなビンを眺めていた。

    山椒斎(さんしょうさい)紅しょうが姉さんは、真打講談師になって10年の人。
    年齢は聞いた事はないが、
    「人間(じんかん)50年って、そのぐらいが生きるにはちょうど良いかしらね、色々ともう疲れたわ」
    と以前お酒の席でつぶやいていたので、何となくぼやけた数字が頭に浮かぶ。

    主に江戸時代の遊女や、吉原を舞台にした話。
    怪談物だと『妲己のお百』など、女性が噺の肝となる読み物を得意とする人だ。

    姉さんの講談は男性ファンが多い。
    美しくも怪しい江戸の遊女に惑わされた後は、姉さんのサイン会には目もくれずに帰っていくのだ。

    ため息をついているので擬音にするとスススっと、姉さんの横に座りビンの中を覗きこんだ。

    大きなビンはハブ酒だった。
    黄色く濁った酒の中に、大きなハブが沈んでいる。

    ほほお、これはこれは・・・、こんなに間近にハブを眺めるのは初めてかもしれない。

    身を乗り出してもっと良く眺める。
    そんな私に横目で気づいた姉さん。

    おっと、挨拶を忘れていた。

    「姉さん、おはようございます」
    「飲む?頂きもの」
    「飲めません、未成年ですので」

    コレは姉さんが仕掛けるちょっとした「試し」である。
    相手が未成年と知ってて、酒やタバコをやるかを敢えて聞いてくるのだ。

    今のように挨拶がてらいきなり聞いてくる事もあれば、楽しく話が盛り上がった所で間髪入れず聞いてきたりする。

    仮に未成年でコッソリやってしまっている人の場合、不意打ちで
    「やります」
    「"今日は"結構です」
    などと答えてしまう場合があるのだ。

    「ビール専門です」とクールに答えた若造もいたとか。

    ソレを師匠や先輩、時には頭取に報告する事で協会の秩序を保つという、姉さんの燃えるような正義感からくる言動である。

    ちなみに念を押すが、私は今の所本当にやっていない。

    勇ましいなあ!
    ハブ酒のハブに目を戻すと、何とも厳かな形相をしていた事に気づいた。

    確か、ハブ酒を作る際には生きたままのハブをビンに入れ、焼酎などを注ぐと聞いた事がある。
    酒の中でハブがもがけばもがくほど、美味しいダシが取れると言うのだ。
    飲めないが、以前おでん兄さんが美味い美味いと言ってたから、味を想像したりして羨ましいとは思った。

    ただ、ハブ酒の味を想像したりするのはもちろん人間側の事であり、当のハブにとって正に今際の際である。

    さぞかし苦しみ、あるいは我々を睨みつけて死んだのだろうと思っていたのだが、このハブはまるで眠りについたかのように静かに佇んているようだった。

    きっと酒を注ぎ込まれた瞬間、いやもしかしたらもっと早く、それこそ野生の大地を元気に這っていた所を捕らえられた時だったのかもしれない。

    早々に己の運命を悟り、見苦しく足掻くのは却ってハブの恥と想い、堂々と
    『我はハブ酒なり!』
    と言って昇天したのではないだろうか?
    それくらい堂々とした死に姿だ。

    このハブ酒の銘柄は「は武士(ぶし)」、
    うむ!名前に偽りはなし!
    まるで忠臣蔵の主人公、大石内蔵助(おおいしくらのすけ)の魂が乗り移ったかのようである。

    「忠臣蔵にしよう」
    ハブを見ていてインスピレーションが湧き起こる感覚を私は覚えた。
    実は今日来る前に悩んでいた事として、最近覚えた赤穂浪士伝を高座に掛けようか迷っていたのだ。

    その中でも大石内蔵助が出てくる、
    『大石東下り(おおいしあずまくだり)』
    という、忠臣蔵の噺の中でも取り分け面白い部分がある。

    仇討ちを果たすため、京から江戸へと向かう大石内蔵助達赤穂浪士。
    ちなみに、江戸時代の地図では今では言う西の方角が北側となっていたため、東は南側だから「下る」と言うわけだ。

    道中、垣見左内(かきみさない)という近衛兵の親玉みたいな人が待ち構えている。
    大石さん、よりによってこの垣見左内に対して、
    「私が本物の垣見左内です、通してくれ」
    と言う。

    「ふざけた奴だ!」
    と刀を取ろうする左内だったが、
    『大石内蔵助 行年(享年)四五』
    という奉書を見つけた瞬間、この方は亡き忠君への義のため、命をかけて江戸の吉良邸に討ち入りに行くのだなと悟る。

    そして何と本物であるにも関わらず、
    「私が偽物でした」
    と言い、左内は大石さん達赤穂浪士を通す・・・という筋である。

    噺の筋は覚え稽古を重ねたのだが、やはり人前で大石内蔵助を演じるとなるとハードルが高いなあと思って、高座にかける事に足踏みしていたのだが、今日演る事にしよう。

    仮に不評だったとしても、批判も自らの不出来も飲み込めば良いじゃないか。

    それは苦しい事かもしれないが、酒が口に入り命が絶たれたハブほどの苦しさではないだろう。

    まさかハブを眺めた事で、今悩んでいる事に対する光明が見え肝が据わるとは思わなかった。

    視線に気づいて顔を上げると、紅しょうが姉さんと目があった。

    「何十年も演るもんなんだから、難しかろうが大ネタだろうが早い方が良いよ」

    そして姉さんの黒目はまた私から離れていった。
    まさか私のためにハブ酒を持ち込んで・・・。

    ・・・私も弟子を取ったら、
    さり気なくこういう事ができる人になりたいな。

    「千景姉さん、お願いします!」
    じゃがいも君が入り口から現れて私を呼んだ。

    演る噺は決まった・・・、このハブのように勇ましく行くとしよう。
    「いっちょカマしてこい!」
    いも太郎兄さんと話し込んでいたおでん兄さんが威勢良く私に声をかけてくれた。

    いも太郎兄さんは・・・えーと、うつむきながら何やらブツブツと。
    確か今日のトリだったな。
    目に怪しい光を宿しながら、両手を刀に見立て何やらズブリズブリと言っている。
    『お富与三郎』でもやるつもりかな?
    あんな暗い噺をオンライン中継のトリに・・・、まあいいか。

    通路に出て振り向くと、片手にハブ酒を抱えた姉さんが手を振ってくれていた。

    そんな姉さんに

    「お先に勉強させて頂きます」

    と頭を下げると、
    私はじゃがいも君といかぼーる君に案内され、小劇場の袖へと向かったのだった。

    (6月某日)


    #講談  #舞波千景
    #イラスト  #illustration
    #山椒斎紅しょうが
    #ハブ酒
    玉本秋人
  • まくら⑤(銀座お好み焼き屋 八八八八ッ八八〜(ぱぱやぱっぱぱ〜)にて)銀座と言えばやはり三越に行きます。

    北海道物産展がありまして、ウニイクラ丼が食べられると聞きましてね。
    この話をしますと怒りがぶり返して参ります。

    どういう事かと申し上げますと、私の後輩にあたる講釈師に無塩亭バタビン(むえんていばたびん)という奴がいまして。

    アメリカ人の父を持つハーフの男で、歳は25ですが芸歴は5年ですので、11年目に入ります私は年下の先輩という立場になります。

    年上ながら私を姉さん姉さんと110キロの体格を小刻みに揺らし、重戦車の如く近づいてくる人懐っこい奴でしてね。

    そのまま抱きついて倒れこもうなら死の危険を感じますので、車間距離をとって接しております。

    話が外れましたが、そのバタビンにウニイクラ丼の話をしますと顔をしかめまして。

    脂肪タップリの油っこい顔ですから頬の肉で目や鼻がめり込むくらいクシャクシャで。

    バタビンは大変に偏食なものですから、魚介類全般がダメなんですって。

    好きなものは肉とご飯と甘い飲み物。
    懐石料理のお店で、
    「とりあえずコーラ!」
    と叫んだのは我々の中のちょっとした伝説であります。

    そうか、魚介類は嫌いだから食べられないかと聞いたら、途端にニタニタ笑い出しましてね。

    「だって姉さん、そういうビデオがあるんだよ、観た事があるから気持ち悪くなっちゃって。裸の姉さんが全身ウニとイクラに塗れて笑っているのを想像したらさあ」

    旧暦12月14日は赤穂浪士が吉良邸に討ち入りした日でございます。

    バタビンの家へ向かうハチマキ姿の私を見かけた際には、暖かく見守って下さいね。
    玉本秋人
  • 45振り向けば、夕やけ #振り向けば夕やけ  #漫画
    #松本小虎
    「A scarlet sky ahead of the left line. You have received the sunset on your back. You are holding a grab and waiting for the ball. So I threw the ball towards the "it".」
    「talk more ...」
    玉本秋人
  • 青ちゃん健ちゃん(全日本プロレス) #2020最強タッグ
    #プロレス  #ajpw  #青柳優馬  #宮原健斗
    #全日本プロレス
    玉本秋人
  • とってもサンシャイン2020その② #とってもサンシャイン2020
    #イラスト  #illustration
    玉本秋人
  • 殿村直弘(下町ロケット) #落語  #立川談春  #佃製作所
    #ちょっと待てよ  #アンタそれでいいのか  #俺が皆に嫌われてるのはわかってる
    #俺はこの会社が好きだ  #会社を思う気持ちは誰にも負けてない
    玉本秋人
  • 上野辻講釈〜雪ぼたん〜辻講釈の合間に上野東照宮、
    入り口横の牡丹園に。

    八千代椿。
    葉牡丹。
    聖代。
    篝火花。
    花王。
    島錦。

    などなど、今がまさに見頃である。


    そう言えば、去年は上野東照宮入り口にコーンがあったが、工事は終わったようだ。
    五重塔では作業服のお兄さん達が忙しなく動いていた。

    入り口の工事は何だったのか。
    あるといえば、石階段。

    割れた石階段、
    「都合の悪い割れ方」だったのを
    「都合の良い割れ方」に直したのだろうか。

    うん、まくらには・・・やめておこう。

    ヒラヒラ、雪が振り始める。
    ヒラヒラと、雪振り始める。

    ふと頭によぎった一文がある。

    好雪片片別処に落ちず
    (こうせつへんぺんべっしょにおちず)
    署長は今 どちらに落ち着かれているでしょうか。
    〜山本周五郎「寝ぼけ署長」より〜

    舞台は上野ではないが、
    雪の含んだ禅語(ぜんご)では、
    小説「寝ぼけ署長」のラスト、
    「私」のこの言葉が好きである。

    空から降る雪のひとひらは、
    一見何の意味もなく落ちているのではなく、朝になればその地は平らに、まんべんなく降り積もっている。

    不規則に変化しつつも、実は規則性を持っているという。

    雪も、人も。

    私はこれからの人生、どこに向かい何のために生きていくのか。
    迷いなく講談と言い切れるが、ふと自らを見つめ直すのは不安だからなのか。

    不安という事を認めたとして、その不安を感じてどうしたいのか。
    無駄だと思う先に何かあって、今私はある種の心の探求を図っているつもりなのか。

    行き着く果ては恐怖だろうか。

    そこまで考えてしまうのはただの言葉遊びで、
    実は人生なんてこの雪のように落ち着く先に落ち着くと思っているのだろうか。

    これくらいにしておこう。

    牡丹園の通り道の間に間に、立て札があるかすれた字で何か句が書かれてある。
    調べればわかるのかもしれないが、人の言葉が形を成し、時を経てもこうして残るというのは、言葉を仕事にする者としては一つの自信がある。

    実は最近書かれたもので、「昔っぽい字」にしてあるだけだったら、今こうして思っている事は全てに無駄になるが・・・。

    こんな事を考えるのも、夜に上野で独演会を控えるからである。
    そうかそうか。

    今日のお客はどんな人達だろう。
    今日の体調はすこぶる良いが、だからこそ油断をしてはならない。
    その場で思いついた面白いをただ出して、話を壊さないようにしなくては。

    今日話すつもりの忠臣蔵。
    「卍巴(まんじどもえ)と降る雪の・・・」
    と始まる、雪の降る日の赤穂義士のお話。

    不安というほどでもないが、こうして色々と考えていたのも高座が控えていたから。

    ただそれだけなのかもしれない。

    様々な気持ちを抱えつつも、高座に上がれば全ては目の前の人達に芸を披露するだけである。

    やはりこの雪のように、私の身も心も落ち着く所に落ち着くのだろう。

    出口には黄色いミツマタが匂いを放つ。

    後ろ髪を引かれるような、少し名残惜しい思いである。

    (舞波千景 2/10上野牡丹園での雑感)



    #舞波千景  #講談
    #山本周五郎  #寝ぼけ署長
    #イラスト
    #drawing
    玉本秋人
  • とってもサンシャイン2020① #とってもサンシャイン2020
    #イラスト  #illustration
    玉本秋人
  • トバイアス・グレグソン(大逆転裁判) #大逆転裁判
    Twitterトレンドで死んで欲しくなかったキャラを晒すというのが話題なので、パッと思いついたのがこのオッサン。
    『大逆転裁判』というゲームに登場する刑事。
    手に持っているのは好物のフィッシュアンドチップス。
    玉本秋人
  • 満月はスライダー? #舞波千景
    #中秋の名月

    かっ飛ばしてもセーフティーバント。
    いや、うさぎが捕りにくるまでに、ダイヤモンド一周回れるか。


    創拡
    玉本秋人
  • ア・ゴストロイヤー #アゴ男  #プロレス
    Hey!

    Lockup! Come on!

    さあ、行こうぜ!
    猛者達が集う四角いジャングルへ!

    なーんてな♪
    玉本秋人
  • アゴ男からのお知らせ「よう!久しぶりだな!
    誰だお前はだって?
    #アゴ男
    で検索してくれ。
    2/14、モテない奴らのためにバレンタインイラストを5枚投下するぜ!
    内訳は、

    #とってもバレンタイン×3
    #川田裕子
    #アゴ男

    だ!
    それじゃあまた2週間後!
    楽しみにしててくれよ!」
    玉本秋人
  • ブラックめんそーれ(全日本プロレス)中島洋平というレスラーが消息を断った後に、入れ替わるようにして全日本プロレスに現れた、頭にハブを乗せた謎の覆面レスラー。
    手をヘビに見立て入場、試合中、Twitter等で「シャー!」を言いまくり、自身のファンである蛇バディ(へびばでぃ)を増やしている。
    2/11に後楽園ホールで開催されたアジアタッグ戦に、先輩大森隆男とのワイルドめんそーれで挑戦。
    非常にスリリングな良い試合だったが惜しくも敗戦。
    しかし、その奮闘ぶりとヘビのような執念は、ファンだけでなく王者組からも評価された。
    皆からバカにされ、「バカにすんな!」と言い返すのが恒例だったが、そう遠くない未来、彼をバカにする者はきっといなくなるだろう。

    生観戦しましたが本気で勝つと思いました。
    ブラックめんそーれ選手、次こそは悲願のアジアタッグベルトを獲って下さいね。シャー!!

    #ajpw  #プロレス  #全日本プロレス
    #蛇バディ
    #シャーしかいない
    #イラスト
    #drawing
    #芸術同盟
    玉本秋人
  • いえいっ! #イラスト #drawing
    #オリジナル #女の子  #いえいっ


    いえいっ!
    玉本秋人
  • ピロクテーテース何か描かねば!という強迫観念みたいなものがあって、ぶっつけ本番でギリシャ神話の英雄に挑戦するという、文字通り神をも恐れぬ罰当たりな所業。

    #ギリシャ神話
    玉本秋人
  • 私はバターです。こんばんは、昼から出勤の幽霊です。夜にいつも出るのでこんばんはって言ってしまいました。訂正はしません。
    最近は暗ければどこでも出るようになりみした。舌が絡まってなりみしたと言ってしまいましたが、これも訂正はしません。
    いつもより回っております。クックック。

    #オリジナル #舞波千景?
    玉本秋人
  • 田上ちゃん その③「力仕事なら任せてね」

    #田上ちゃん  #イラスト
    #illustration  #ファッション


    田上ちゃん その③メイキング

    傾向としてジーンズが多いから、次はちょっと変えてみようか。

    https://youtu.be/DbIX6T0K9e4
    玉本秋人