カッコイイ生き様って、惹かれ合うもの俺はな、足立。
千里が死んでから、菜々子を一人前に育てるだけが生き甲斐だった。
それが終われば、もう俺の役目なんて、何も残っちゃいないと思っていたんだ。
だがな。
そんなとき、お前がやってきた。
本来は存在しちゃいけないはずのお前。
ふとした神のイタズラで生を受けてしまった、死神だったお前。
生を受けたには何かしらの意味がある。
その意味を作ってやりたいと思い、酒、煙草、美味い飯…色々紹介してみた。
すると、お前から初めて笑みが零れた。
そうして、お前は、俺と生きるのが楽しいから、少し生きてみたいと思ったと。
そう言ってくれた。
俺に
新しい生き甲斐をそのとき与えてくれたのは、まぎれもなくお前なんだ。
…だから。
俺はお前のためにこの世界を護ろう。
お前が生きてみたいと思えたこの世界を護ろう。
お前の笑顔を。
お前の気持ちを。
命尽きる最後のトキまで、その気持ちを創ろう。
生きてはいけないと。
そう言われた。
じゃあ何で僕は生まれたんだと。
そう問い続けても、答えは出ないばかり。
フラフラと目的もなく、ただ食べて、寝て…たまに欲を満たして。
それだけの日々を送っていた。
そこにあなたが現れた。
あなたは生きていくならこれくらいは楽しみを持てと。
酒に、煙草、美味しい食べ物。
そして自分の愛娘を紹介して。
生きてはいけないと言われた僕に、楽しみをくれた。
挙句の果て、僕を好きだといった。
何もない、生きてはいけないと言われた僕が好きだと。
一緒にいて、空気のように安心するのだと。
そう言ってくれたのだ。
そんな気持ちを与えてくれたのは、あなたが初めてだったから。
そんなあなたの生きる世界なら、もう少し生きてみたいと。
そう思ったんだ。
だからね、堂島さん。
どうか生きて。
僕のために。
この世界と共に、最期の一瞬まで僕と生きてください。