予期せぬ告白の余韻
シエテが、ウーノに最初に好きだと気持ちを伝えたのは、酒の席だった。
二人で街のバーに入って、隅のテーブル席に座り、情報交換をしながら酒を楽しんだ。
シエテも酒に強いのだが、ウーノは所謂ザルだ。その小さな体でよくもまあそんなに飲むものだと思う。
久しぶりに二人で酒を楽しんだせいか、シエテは少し理性が緩んでしまっていた。だから、楽しく酔っ払った結果、楽しく気持ちを告白してしまった。
「ウーノ。俺ね、ウーノが好きなんだ」
シエテが頬をゆるゆるにしながら伝えると、ウーノはほんの少し驚いた顔をしたものの、「それは嬉しいね」とまるで子どもに対するかのように微笑んだ。この時点で冷や水を浴びせてくれればよかったのに、と翌朝のシエテは思う訳だが、このときのシエテは単なる酔っ払いであった。ウーノが微笑んでくれたことが嬉しくて、彼の片手を取って、その手の平にちゅっと口付ける。そのまま舌を出して、ペロリと舐めた。僅かに汗の味がする。
「シエテ、やめなさい」
流石に戯れが過ぎると思ったのか、ウーノが手を引こうとする。その声は、子どものいたずらを叱る親のようだ。それを不満に思って、シエテは捉えた手を離さないまま、自身の頬に当てる。
「好きだよ。ウーノは?」
そう尋ねると、彼は若干呆れた顔をした。シエテはぶすくれて口を尖らせる。
「……君のことは嫌いではないよ、シエテ」
それは断り文句のような言葉であったが、シエテは満足したのか、ウーノの手を離した。それから、テーブルのグラスに手を伸ばそうとして、そこにグラスがないことに気付く。
「マスター。チェイサーをもらえるかい?」
そう言ったウーノの手元には、シエテのグラスがあった。
「シエテ、君はこれ以上飲まないでほしい」
酔っ払いの自覚のないシエテは、ぷくっと頬を膨らませて不服を表す。もうその時点で完全に酔っ払っている訳だが、シエテは気付けない。
マスターが水のグラスを持ってくる。シエテが不承不承といった様子で手に取ったのを見て、ウーノは自身とシエテの酒のグラスを手に、そのままマスターとカウンターの方へ歩いて行ってしまった。
残されたシエテは、水のグラスを傾ける。冷たい水は体に染みこんでいくようで、とても美味しかった。あっという間に空にしてしまう。
ちらりとウーノの方を見ると、どうやら会計をしているらしい。
お金を払って戻ってきた彼は、シエテに呼びかける。
「歩けるね?」
「うん」
「では、宿に戻ろうか」
そうして、二人は宿への帰路についたのだった。
シエテは酒で記憶を飛ばすタイプではない。だから、もちろんあの時のことは覚えていたし、翌朝に起きて昨晩の記憶を思い出し、あまりの恥ずかしさに枕に顔を埋めてしまったほどだ。
「……いやいや、無いでしょ」
改めてベッドの上に胡座をかき、鈍痛のする頭を抱えて呻く。
ウーノのことが好きな自覚はあったが、昨晩の行動は完全に悪手だ。よりにもよって、酔っ払って告白して返事を強請るとか最悪ではないか。
「情けなくて泣いちゃいそう……」
ほんのり涙腺が緩むのを感じる。そこへ、ドアをノックする音。
「入るよ、シエテ」
シエテが何か反応するより早く、ドアが開いてウーノが入ってくる。彼が手に持ったトレーには、グラスと水のピッチャーが乗っていた。
「う、ウーノ」
動揺して正座し、姿勢を正すシエテを気にすることもなく室内に踏み込んだウーノは、ベッドサイドテーブルにトレーを置き、グラスに水を注いで薬と共に差し出した。
「胃腸薬だ。飲みなさい」
「ありがとう……」
二日酔いであることを当たり前のように見抜かれていることに、シエテは頭が上がらない思いになって、大人しく薬を飲む。グラスの水もすべて飲み干して、空になったそれをトレーの上に置いた。それから、深く頭を下げる。
「昨日は大変なご迷惑をおかけしました」
「記憶はあるんだね」
「はい」
「君があそこまで酔ったところは初めて見たよ。随分幼くなるんだね」
「申し訳ございません」
「子どもと違って体が大きい分、宿に連れ帰ってベッドに押し込むのも大変だったよ」
「う……はい……ごめんなさい」
淡々と喋るウーノに、平謝りし続けるシエテ。
ベッドの上に正座して頭を下げ続けるという非情に情けない構図ではあるが、本人はなんとか許してもらおうと必死である。
彼が、小さく息を吐いた。それから、仕方が無いといったように続ける。
「今後は飲み過ぎないことだ。昨日の件はそれで忘れてあげよう」
忘れる、といわれて、シエテはとっさに顔を上げて否定した。
「それは駄目」
「何故だい?」
不思議そうに訪ねるウーノの目を、真っ直ぐ見つめながら言う。
「あんな形で伝えたけど、俺がウーノを好きなことは事実だから、忘れないでほしい」
その言葉に、新緑色の瞳が驚いたように見開かれたのはほんの数秒だけで。すぐに落ち着いた声で、ウーノが言った。
「……その言葉に、私は答えたはずだよ」
「ああ、うん。覚えてる。……でも、嫌われていないなら頑張ってみようと思ってさ」
両手を顔の高さまで上げて、へらっと笑ってシエテが言う。それから、足を崩してベッドから下ろし、腰掛けた状態で彼の片手を取る。それを両手で包んで、ウーノを見つめた。
「好きだよ、ウーノ」
開き直って、昨夜をやり直すかのように微笑むシエテに、二度目の告白を受けたウーノは小さく息を吐いた。
「君は、言い出したら聞かないところがあったね」
「うん。流石ウーノ、俺のことよく分かってる~」
「それは、褒められているのかな」
「もちろん」
シエテがにこにこしながら応えると、もう一度、ため息。
「手を離しなさい」
「ん。返事をもらえたら」
醜態は昨晩十分に晒したせいか、もう怖いものはないと言わんばかりに返事を乞う。
「君のことは嫌いではないよ。……そう、伝えたはずだけれど」
少し怪訝な声を出すウーノに、シエテはパッと彼の手を離した。
「昨晩の件があっても、嫌われてなくて良かった~」
胸元に手を置いて、安堵の息を吐く。そんな彼を見て、対処に困ると言わんばかりに、ウーノがこめかみに手を当てる。それから少しして、気を取り直して言った。
「私はもうここを立つよ。女将さんに話は通してあるから、君はもう少し休んでいなさい」
そう言って背を向けた彼を、元気よく送り出す。
「ありがとう、ウーノ。たまにデートのお誘いするね! 今後は飲み過ぎないように注意するから!」
「…………善処しよう」
振り返ってちらりとシエテを見たウーノが、なんともいえない顔でなんともいえない言葉を返して去る。
彼の姿がドアの向こうに消えるまで、シエテは手を振っていた。
たまにデートのお誘いをする。そう言ったのをいいことに、シエテは定期的にウーノに連絡をつけては、二人の時間を作って楽しんでいた。正直に言って、シエテはウーノと一緒に居られるだけで充実する。声を掛けて、答えが返ってくる。そんな風に言葉を交えるだけで、こんなにも嬉しいのだ。まるで、初めての恋人に浮かれている若者のようだと思う。
それ以上を望む欲がないと言えば嘘にはなるだろうが、先へ踏み込むのは現状ではリスクの方が大きい。
シエテはウーノとの時間を作るときは必ず理由をつけた。それは、断られたら流石にショックを受けてしまうという、シエテの意気地のなさでもあった。
そうしたことを何度か繰り返したのち、なんの因果か、二人はジータという少女が団長を務める騎空団に所属することになった。お互い常にグランサイファーに身を置いているわけではないが、顔を合わせる機会は格段に増える。特に理由もなく、偶然ウーノに会えることを、シエテは喜んだ。
そんなシエテに声がかかったのは、騎空艇の甲板でウーノと顔を合わせ、少し会話をして船内に戻る彼を見送った後のことだ。
「シエテって、好意を隠したりしないんだね」
「急にどうしたの、ジータちゃん」
「頬、少し緩んでる」
ウーノと入れ替わりで甲板に現れたジータは、シエテの元まで歩いてくると、その口元を指差して指摘した。それを受けて、小首をかしげてからっと笑う。
「隠す必要があるなら、隠せるよ。これでもジータちゃんのことは信用してるからね」
「ふーん。じゃあ、ウーノは知ってるんだ」
シエテの言葉に気のない返事をしてから、少女は興味津々な瞳を向けてきた。
「うん。子細については突っ込まないでほしいな。ちょっと恥ずかしいから」
「そう言われると聞きたくなるんだけど」
先手を取って質問を封じると、ジータは唇を尖らせる。それに、「はは、黙秘するよ」と胸の前で両手をクロスさせれば、彼女は仕方なさそうに引き下がった。それから、少し考えるように視線を上にやってから、シエテに戻す。
「ねえ、気を使った方が良い?」
「ジータちゃん!? どうしたの、ジータちゃんがお兄さんに優しいだなんて!」
「今後の戦闘のメインメンバーにシエテとウーノを固定します」
極端に驚いて嬉し泣きをしだすシエテに、ジータは真顔で告げてから船内へ向けて踵を返す。
「ちょっと、待って!」
慌てて制止の声を掛ければ、振り返った少女は半眼で視線を投げ、「シエテが悪い」と言った。
「ごめんね。特に気は回さなくて良いから」
両手を顔の前で合わせて謝ると、仕方ないといった様子で、ジータは謝罪を受け入れる。それから、親愛を込めて、「上手くいくといいね」と笑ってくれた。
ある日のこと。シエテは、ジータがウーノへ申し訳なさそうに頼み事をしている場面に遭遇した。どうしたのかと思い、歩み寄りつつ聞き耳を立てる。
「ごめんなさい、ウーノさん。どうしても外せない用事が出来ちゃったんだ。これを街の交易所にいるシェロさんに渡しに行って貰えないかな。……ここにいる、暇そうなシエテを荷物持ちに付けるから」
二人の側までやってきたシエテの顔を見ることもなく、ジータは両手で持った箱をシエテに渡した。
「って。ジータちゃん、ちょっと俺の扱い酷くない?」
反射的に受け取ってから、その言葉の内容に、お兄さん傷付いちゃうっ、と訴えると、ジータはやっとこちらを見た。それから、有無を言わせぬ綺麗な笑顔で「この時間にふらふらしてるんだから、暇だよね」と言う。それに対して、シエテが言葉を返す前に、ウーノが口を開いた。
「ジータ、そのくらいなら私一人でも平気だよ」
「そう?」
「ああ。シエテにも一人でゆっくり過ごす時間は必要だろうからね」
そう言って微笑むウーノが荷を受け取ろうとすると、シエテは慌てて箱をしっかりと抱きしめる。
「え、何この流れ。俺がウーノと一緒に行くのを嫌がってるみたいじゃん。行きます。行かせて下さい。……ウーノ、それなら君に任せようかとか言ったら、拗ねるからね」
荷物を抱え、なんとも情けない言葉を口にするシエテに、ウーノは仕方なさそうな笑みを浮かべ、「頼まれたのは私だからね。君に押しつけたりはしないよ」と言った。それを見て、ジータがにっこりと笑う。
「じゃあ、正式に二人にお願いします!」
そう言って、シエテの背を押してウーノに並ばせ、ジータは「楽しんできてね」と小さく囁き、二人を送り出したのであった。
「……気を使わなくて良いって言ったのになぁ」
公園の側に出ているクレープの出店で、丸い鉄板に薄くのばされるクレープ生地を見ながら、シエテは小さく独り言を零した。
滞りなくシェロに荷物を届けた帰りに、せっかくだからちょっとゆっくりして行こうと提案して寄った公園。そこでクレープの出店を見つけて目を輝かせたシエテに、呆れることもなく、「では、私は飲み物を買ってこよう」と言ったウーノと二手に分かれた。これはもう、ジータにデートのセッティングをされたと思っていい。自分より十も下の子に気を使われて、シエテはなんとも言えない気持ちになっていた。
とはいえ、せっかくの機会である。もちろん、シエテは当然のように公園デートを実行に移した。
「ジータちゃんには後でお礼をするとして、今は楽しんじゃお!」
気持ちを切り替えて、出来上がったクレープを受け取ると、ウーノの姿を探す。そうして、少し離れたベンチに座っている彼の姿を見つけ、足早に歩き出した。
「お待たせ~。はい、どうぞ」
「ああ。ありがとう」
シエテが差し出したツナクレープを受け取って、ウーノは礼を言う。それから、アイスティーの入ったカップをシエテに手渡した。それを、「ありがと」と言って受け取ったシエテは、そのままウーノの隣に腰掛ける。
「クレープを食べるの、久しぶりだなぁ。意外と食べる機会が無いんだよね」
「言われてみれば、そうだね」
「若い子に人気のカフェで出るクレープと、屋台のクレープって違う食べ物だと思わない? 俺はどっちも好きだけど」
そう言って、手に持ったチョコバナナクレープを一口囓り、幸せそうに頬を緩ませるシエテ。それを見て、ウーノは少し笑った。
「どうしたの?」
「いや、随分と幸せそうな顔をしていたものだから、ついね」
問いかけに、彼は目を細めて微笑んだ。その優しい表情に見惚れつつも、答える。
「そりゃあ、幸せだよ。……ウーノとデートしてるんだから」
「……は?」
その言葉を受けて、ウーノは寝耳に水といった様子で瞳を瞬かせた。そんな彼の様子に、シエテは首を傾げ、「どうしたの?」と尋ねる。その問いを受けて、少しの思案の後にウーノが尋ねた。
「よろず屋に荷物を届けることを、デートと言うのかい?」
「ウーノと二人っきりで出掛けられるなら、それはデートも同然かなって……んん?」
そこまで言って、シエテの内に焦りが生まれる。もしかして、デートだと思っていたのは自分だけではなかろうか。一人で浮かれていただけなのではないかと言う焦りが。
そしてそれは、続いたウーノの言葉で確信に変わった。
「……そうか。そういえば、君に告白を受けた日以降、何かと呼び出されることが多くなっていたね。なるほど」
そう言って一人納得したウーノを見て、意味の無い言葉を叫んでここから走り去りたいような気分になる。それを何とか堪えていると、彼がシエテに向き合って、とんでもない言葉を口にした。
「すまない、シエテ。私は、君が告白自体を無かったことにしたいのではないかと思っていた」
「そんなこと一言も言ってないんですけど!?」
あんまりと言えばあんまりな言葉に、シエテは吃驚して力加減を誤り、片手に持ったクレープを握りつぶしてしまう。あ、と思う間もなく、クレープの具の一部が膝の上に落ちた。それを見たウーノが、さっとハンカチを取り出して差し出す。それを受け取って、続ける。
「ありがと、ウーノ。後で新しいものを買って返すね。でも、流石にその認識はショックなんだけど……」
「それについては、謝罪しよう。すまなかった。しかし、君は妥当な理由でしか呼び出さなかっただろう? こうやって共に案件に当たる事を、デートを称されたのも今日が初めてだ」
確かに、断られたらショックだからと理由を付けて呼び出したのはシエテで、ウーノに面と向かってこれはデートだと言ったこともなかった。
「それは……そう、です」
「私が、一度もデートに誘われていない認識であっても、おかしくはないだろう?」
「……ごめん!」
諭すような声でそう言われ、シエテは頭を下げて謝罪した。それから、一つの可能性に気付いて、そわそわとしながら顔を上げる。
「あの、さ。もしかして、デートのお誘いを待っててくれてた?」
その言葉を聞いたウーノは、真っ直ぐに見つめてくるシエテから、ほんの少しだけ視線を逸らした。
「たまに誘うと言ったのは、君だよ。シエテ」
その頬に僅かな朱が差しているのは気のせいだろうか。嬉しさのあまり、シエテは空いた手でウーノの手を強く握る。
「……ウーノ! 俺、今すっごく感動してる!」
「……」
「今度からは、ちゃんとデートしようって誘うからね。デートだけ断ったりしないでね」
沈黙してしまったウーノに、シエテはウーノの手を握ったまま、満面の笑みでそう言った。
すると、ウーノは手元のクレープに視線を落として、一つ息を吐く。
「……善処しよう」
そう言って、この話は終わりとばかりに、ウーノはクレープを小さく囓った。
十天衆の面々は所在が掴めない者が多い。
そんな彼らが、それぞれの理由でジータの騎空団に身を置くことになってからというもの、急ぎでない要件は彼女の船に言伝られるようになっていた。
グランサイファーの、シエテの私室。ノックの音に、「どうぞ~」と声を返せば、扉が開いてルリアが現れた。
「シエテさん、こんにちは。お手紙が届いていますよ!」
手紙の束が入った手提げの籠を片手にやってきた彼女は、元気な笑顔で挨拶してから、籠から一通の手紙を手に取る。それをシエテに差し出した。
「ありがとう、ルリアちゃん」
礼を言って受け取り、その手紙の差出人を確認する。そこには、柔らかな文字でウーノのサインが入っていた。
それを見て、シエテが優しく目を細め、僅かに口端を上げる。
「……シエテさん、ウーノさんのことが、とっても好きなんですね」
優しい声に、シエテが視線をルリアに戻すと、少女は嬉しそうに微笑んでいた。
「あ──、うん。秘密だよ」
軽口を返すことも出来ず、ただ認めると、彼女は優しい目で見つめて言った。
「なんだか、嬉しいです」
「どうして?」
「好きってすごいんですよ? その人と一緒にいると、心が温かくなるんです。それはとーっても幸せなことだから」
シエテの問いに答えながら、胸元に手を当てて、ルリアは目を閉じる。
「だから、シエテさんにも好きな人がいて、嬉しいんです」
真っ直ぐに「貴方が幸せだと私も嬉しい」と伝えられて、シエテは困ったようにはにかんだ。目の前の少女に眩しさすら感じながらも、伝える。
「ありがとう。もちろん、俺はルリアちゃんの事も好きだよ~」
「えへへ、ありがとうございます。私も、シエテさんのこと好きですよ」
そう言って、二人でしばしニコニコと笑い合う。それから、シエテが言った。
「皆に手紙を配っている途中なんでしょ?」
「はい、そうなんです」
「引き留めちゃってごめんね。お仕事頑張って」
「はい!」
そう言って送り出すと、ルリアは元気に返事をして部屋を出て行った。それを見送って、シエテは手元の封筒に視線を落とすと、ペーパーナイフを使い開封する。そして、内容に目を通した。
どうやらウーノは、シエテとほぼ入れ違いでグランサイファーを発ったらしい。近況と、追伸として一文が添えられていた。
──先日立ち寄った街のカフェが、美味しいクレープを提供していたので、今度連れて行ってあげよう。
それを見て、シエテは心底から幸せそうに微笑んだのだった。