第1話 はじめまして。私は…ネコだ。それも子猫!人間がみれば「あぁ~可愛い~♡」というような目が真っ黒でおっきくて、真っ白の毛並みをした超絶可愛いネコ。
まぁネコ界の中ではとっても人気あるしね。それにお金持ちの家に飼われていて…もお自慢しかない!
そんな私は、知りもしなかった。いくら可愛くてもしていいことと悪いことがある.....ということを。
私はおふざけ半分で家中の花瓶を割りまくった。家の主人は家の中に入った途端悲鳴をあげた。今にも怒り出しそうな主人に向かって私はごめんなさい…というような感じで目を潤わせた。これでいつもは許された。けどその日は違った…よほどストレスがたまっていたのか、日本語ですか?と思うような怒鳴り声をあげて私を遠くの町の公園に持ってってほったらかしにした。しばらくあっけにとられていて、気づいた時にはもう夜で誰もいなかった。
「な、なによ.....。この超絶可愛い私を公園にほったらかしにするなんて…!!」
としばらくそんなことをにゃーにゃー叫んでいた。
少しすると、人が近づいてきた。
私に気づいたのかしら!そう思って目を輝かせながら待っていると..........ゴッ!
.....え?
お腹にものすごい衝撃が伝わってきた。痛い.....痛い痛い痛い!!
倒れて動けない私に向かってその人間は
「にゃーにゃー夜中にうるっせぇんだよ!少しは黙っとけこのくず猫が!!」
そういうと走ってどこかへ行ってしまった。
くず猫.....?どういうこと.....?あぁ.....そんなことより痛い!!
誰か!助けて!そう言おうとしたのにお腹に力が入らず、声を出すことができない。
私.....死ぬの?
意識が遠のいていく中、さっきとは別の人間が私の前にしゃがみ込んでいた。
「…自意識過剰猫さん、大丈夫ですか?」
その言葉が聞こえた直後に目の前が真っ暗になった。