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GALLERIA[ギャレリア]は創作活動を支援する豊富な機能を揃えた創作SNSです。

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    MOONEYES――Ladera――・モルドゥオン・カタクリは旧天照国へ行く準備中。
    ・使者に調査を命令するが形式のみ。ヒルメ云々よりもまず、サームの顔を治したい。サームは自分の元を去った。――必ず、ここに戻ると信じている。
    ・彼の表情は、家来が昨日見たときと同じように暗く翳った。彼は身のまわりの世話を家来に任せた。

    ・モルドゥオンは国の法を改正する。
    ・モルドゥアに蔓延る悪事を成敗する。リャカか仲間かが監獄にヒーローを閉じ込めていた。監視者はレイダーだった。カタクリはそこでミケイラを見つけて戸惑う。ミケイラはレイダーになっていた。
    ・ヒーローを見いだし、解放し、支援する。のさばっていた悪党は地下監獄へ送る。
    ・一方でモルドゥアがスイーツの国へ様変わりする。

    ・リングディンドンからCBがモルドゥアへ下りてきて、ゴルゴルに新しい街をつくらないか提案する。CBはゴルラートと地上に通じるポートキーを持っている。譲ってくれるそうだ。
    ・牛耳る連中。元々悪事を極めていた犯罪者連中が興味をもちはじめる。監獄内で噂に。我らの『王を』動かしたいな♪



    ・ストーミは書都ヒースにいる。――何か情報を得られるかも。
    ・ストーミはサームの顔を治したかった。アノルと再会する。精霊契約のために各地を旅する彼ならば、なにか知ってるかも。彼に彼女の顔の症状について詳しく述べ調査の協力をあおいだ。モルドゥア国王から褒美がもらえると聞いた彼は快く引き受けた。
    「僕たちは会うべきして会ったのだと思うよ」
    ・彼はわずかながらにヒルメに関する情報も持っているがどうでもよかった。
    「彼女は君に会う機会はもうなくなったことを嘆いているのだと思う」
    「これからが試されるときだといえる」
    ・ストーミは鏡の中のサームの瞳を見つめ、いま何を見ているのか探った。



    【サーム】
    ・二人の戦神の心を揺さぶる渦中の人は呑気に南方の街道沿いからそれないように遥か遠方ヒース方面へ旅をしていた。酷使で足を引きづる。
    ・道がふたてに分かれていたが道標はどちらも村の集まりと書いてある。
    村の集まりは4つの村が寄り集まってることから名づけられた。__の原野に__という小さな村があった。


    ・面倒なことに突っ込んでいく女。
    ・赤髪の小男が座って弓の手入れをしている。あれには見覚えがある。シセロだ。
    「おや、こんにちは」シセロから艶のある声で挨拶してきた。
    「こんにちは。あなたを月宮殿でお見かけしました。__を選んだんですね」
    「シセロは__を無駄遣いしている愚者である」シセロは微笑を浮かべた。
     シセロもサームに好意を持った。※誰かが可愛く作り替えたから
    ・シセロは額に皺を寄せ、目を丸くし愚かな表情を作った。「シセロは待ってる。英雄には戦う場所が必要だ。でなければ用なしということになる。」
    「シセロもモルドゥアに興味あるぞ!」
    ・サームは「書都に行くのです」と言った。「私は弱く、援護が必要です。まとめますと、私はまったく役立たずのひと」「尻尾を巻いて隠れていなければ……殺される」
    ・シセロの顔は雇ってくれと言っている。大きな仕事をくれと。
    「お金を出します」サームが財布から取り出した硬貨を渡す。シセロは頭を下げた。

     村の集まり南西と南に街道がのびている。しかし南は旧街道で、ずっと遠方の大地の皺と大地の裂けめや地底湖、それを避ける長い長い古びた橋がはだかっているという。
    比較的安全な南西の街道沿いは西部大砂漠の南端と険しいカラルタン山脈の間を通っており、獰猛な野生動物やドリミア盗賊団の根城が近くにあるという。街道に盗賊はつきものだった。『クック・ロビン』の気配はない。
    しかし、険しい山脈の先にある割れ山からも長い平原を渡る街道を歩かなければならないし、そのまま南西の港に伸びる漁村に頼んで船でヒースまで運んでもらうか、平原を南東へ伸びる街道を歩き続けるか……南西街道は旧街道の倍はある距離だという。
    旧街道唯一の問題は古びた橋が使えるかどうかにかかっている。大地は横に大きく避けているらしい。引き返して結局は南西の街道にぶつかるまで歩かなきゃいけなくなる。

     南西の街道を選んだ。結局、危ない目にあいそうなら親指の王冠へ逃げてしまえばいい。そう思った。

    早くも肥えた土を風が吹き流してしまった地表が現れた。
    ひどい砂漠はかなり乾燥している。なだらかだった砂丘が険しくなってくる。多肉植物を手に入れる。水……
    「あの先でドリミア族が待ち構えているかもしれません。根城を構えてるそうです」
     西部の背の低い山脈の間を街道が抜けている。目の前には驚きほど背の高い山脈が聳える。西部の背の高い山脈の始まりに近づく。

     山脈のなかへ入っていた。上空では、あたかも絶え間なく空を流れる風が単調にうなっていたし、空の底を山脈のほうへ流れる河のように唸っていた。
     サームはふいに全身がガタガタ震えだした。
     シセロが街道沿いに宿があると聞いたそうだ。立ち寄ることにした。砂漠の乾燥した風のせいで喉がカラカラだった。
    「ドリミアは寿命による死はない……」かすれた声でサームにささやいた。
     疲れた足を動かして、消えかかった谷沿いの街道に沿って歩いた。
     口は完全にカラカラになり、一滴の唾液も残っていないように思う。

     シセロは嬉しそうに舌を鳴らした。
    「すくなくとも屋根はついてる……」
    【オキリスの宿】
     宿には酒で一杯の樽が置かれていた。
     宿には粗野な風貌のゴロツキが数人座っていた。男の不機嫌な顔に傷があった。
     ビールの匂いが充満する中、シセロは蜂蜜酒とジャガイモパンを注文した。サームはアップルパイと蜂蜜酒を注文した。水は危険だった。
     手始めは、__の深皿で焼くアップルパイ。
     シセロが不思議そうな顔を浮かべ顔を近づけてまでしてサームのゴーストのほうの瞳を覗きこんだ。「……やっぱ、気のせいだ……」

     サームは落ち着かない様子で、ときおりその場で体を震わせる。
     男は舐め腐った面持ちで剣に手を置いていた。

    ・サームはごろつきから【ゴルゴル】に街を創ることを要求される。拒みつづけた場合、拷問されうると判断したので素直に応じることにしようとした。
     シセロが相手の喉仏を黒檀の短剣で引き裂いて声を塞いだと思ったら、頭に突き刺した。鮮やかな手捌きだった。テリオンカードが落ちる。
     サームはアップルパイを咥えて宿を出るはめになった。
     シセロを親指の王冠に連れていくのは気が引ける。
    「テリオンカードの__は」
    「土地を召喚する者も」
     シセロは根拠もなくサームがモルドゥオン・カタクリの妻になると信じていた。

    割れ山の手前に大地の裂けめがあるが、街道は割れ山の背を迂回する。割れ山を抜けたときに、裂けめを初めて目の当たりにした。裂けめの端にすぎない。裂けめ端の北にも背の高い山脈が北へ伸びていたし、南西にも南西のほうに比較的なだらかな山脈がのびていた。そのなだらかな南西山脈手前に沿うように街道がのびているらしい、噂の平原がどこまでも続いている。
    「シセロは……」
    「__を道なりに進んでいけば、ヒースに着くはず」
     ヒースの北に森が広がっている。
    ・シセロが従者になる。
     アノルとすれ違う。
    「君、ひょっとしてチビリ?」
     書都では、書院に入る必要がある。
    ・顔半分がゴーストなのですぐばれる。戦神グワイマーカーの顔半分がサームなのだから。彼はなんと説明したのかもわかってしまう。それに彼は来ている。書院のなかに入っている。わくわくする。

    ゴロツキと遭遇する。ゴラルートに繋がる道、金をとる、地上に繋がる道をつくる話をする。
     誘拐されそうになり親指の王冠へ逃げる。魔法の指輪はモルドゥオンが持っている。

    ・何が起こりかけているか悟ったがなにもかもが遅い。
    「?」水中だった。閉じ込められた。シセロも一緒に。シセロは泣いてはいなかったが、極めてそれに近い状態だった。網の中の魚だ!!
    ・船に放り出される。シセロともども地に伏せ海水を吐き出し、空気をむさぼるように吸いこんた。網からは出して貰えないだろう。



    大きく賑やかで、色々な匂いに満ちた騒々しい街。時代に追い越された。いや、シセロが追い越そうとしてる?背の高いビルや通りに沿って街を歩いた。
    ・誰かがモルドゥアの牢獄から囚人を解放する。ジョーカーなどヤバイのがいる。(シセロ)出口へなだれ込む囚人。


    どこかに囚われたサームは好き放題にされた。
    ――これくらい何ともない。もっと酷いこともされてきた……
    ――オーク女からリンチにされた挙げ句に片目をくり貫かれたことが……!
    ――オルクスに利き腕をもがれて食べられた挙げ句に左腕も食べられたことがある………!!
    ――マスターテリオンの材料にされたことも、魔物にされたことも、石にされたこともある……!!………………!
    ・ヒーローがくると部下が騒ぐ。
    ・ヴィランとヒーローが戦う街になる。ヴィランが住み着く理由は環境と金、腐敗の匂い。


    ボスはカタクリと敵対している。サームがそっちにつくなら、婚約破棄。「俺たちは終わりだ」



    ・ストーミが異変に気づく。顔半分の彼女の表情が状況を物語る。彼女は怯えきっている。脅されている。助けが必要だった。モルドゥアへ行く。モルドゥオン・カタクリに彼女の顔を見せた。瞳に映りこむ景色を。
    ・モルドゥオンはこの時点ではじめて異変に気づいた。看守は伝えなかった。やはりこの国は腐っている!
     モルドゥアの地下監獄はいくつか派閥がある。ジョーカーに支配されていた。そのジョーカーはいない。奴隷扱いされた看守から話を聞く。カタクリは看守を牢獄に閉じ込めた。
    ・サームはいない。ヒーローもいない。

    ・サームと主従は傷だらけだったと聞く。ストーミが問い詰める。


    ・ごろつきどもの夢の街『新しい街』シンシティが生まれている。シンシティ……
    ・モニターの中のジョーカーが言った。逆に彼がシンシティから救ったのだとか。


    ・どんなに優れた人間が首領でも絶対に統制できない街。悪者の街。シンシティ。カタクリの写真に赤い紅が塗られた。

    ・モルドゥアにてジョーカーはサームを人質にした。モニターに映る。摩天楼の屋上からサームの映るモニターを投げ捨てた。ジョーカーにいま宿敵バットマンはいない。
    「CBが持っていた神のテリオンカードと最強の白昼夢と云われるヴァララを掛け合わせたら、なにが起こるかな?」
    「あれはオマケだ。トゥーフェスとおんなじだ。あいつのほうこそ救済が必要だろ?」顔半分を軽く叩いた。ストーミのこと。
    ・ヒーローたちとヴィランが戦う。レイダーも。ミケイラはなり行きで敵側についている……がヒーローと戦った。


    ・カタクリがジョーカーに怒鳴りながら飛びかかる。
    「ウッ、やめろっ!記憶が飛ぶじゃねえか」牙が並んだ大口を開けて怒鳴る姿を見たジョーカーはにたついた。

    ・着いた先は別の場所……つまり、ストーミが最後の元に行った。ヴァララは強い。グワイマカルごときでは勝てない。
    ・モルドゥオンのほうは、部屋を開けるまえに知る。小男がいた。

    ・彼女の容態は最悪だった。シセロは命乞いした。彼女を盾にされた。自分が敵の言うことを聞かなければ彼女はもっと酷い傷を負ったはずだ、と。
    関係を問うと主従だと言った。その場に残してストーミを気配を頼りに探す。
    ・ヒーローが場所を知らせた。

    ・ヴァララは桁違いの強さを誇る。ビッグ・マムと同列かもしれない。グワイマカールは風を纏って疾走しながら斬りつけていた。効果は薄い。カタクリを信じてストーミが離れる。
    ・サームは神のテリオンカードとマスターテリオンをしようとしていた。
    ・間一髪のところでカタクリがヴァララの手を押し退け、サームを宙に放り投げ柔らかい餅で救出した。その意味は……
    ・カタクリがヴァララ、神のテリオンカードとマスターテリオンをしてしまったということだった。
    「そんな、そんなっ!!!」ストーミやヒーローたちがどよめいた。

    ・ジョーカーも吃驚した。他のヴィランも引く。
    「ほら!見ろ!!結局、あいつも民を守れなかった!!へへっ」
    ・急激に空気が冷えた。ジョーカー自身もヴィランも咳き込むと血がでてくる。
    ・ギアッチョが氷づけにする。マイナス100度。数回咳き込んだだけで肺が出血。死に至る。
    「ジョルノ・ジョバーナがぁ……ブルーノ・ブチャラティに『殺られる覚悟は出来ているか』っつってるのを最近、漫画で読んだぜ……」
    「ギアッチョ……っつーのは俺の名前で間違いないが、苗字なのか名前なんかわからん。そんななの……オレの名前。なぁ……、納得できるかっつーのよ!」ジョーカーの腹を粉々に殴り割る。
    「オレの名はーーっっ💢!!!平等に名前つけろっつーのよー💢!!!」
     一時冷却を解除する。
    「オグフッ……!!グハァッッ!!ァハハハハハハ、は、は、は、は」
    ・紫色のコート内側をひらり捲ってみせた。不発弾と化した手榴弾が仕込まれていた。ピンをすべて抜かれた状態だった。ジョーカーはそのひとつを握りつぶした。
    「ホワイトアルバムッ!!」
    ・爆発炎上し、そこにあるものすべてが吹き飛んだ。
     ミケイラは黄色い眼帯の男の盾になった。「ううっ……!」

    ・炎上するビルを背景に戦う。
    ・モルドゥオンは悲哀と怒りと惨めさとを同時に感じながら、彼はこの__をなんとか__したいと願ったが、__。4軸を揺るがす大災害にまで発展した。3人の性格が混ざり会う、ヴァララ
    ・それは派手に暴れに暴れた。誰にも止めることができず、ストーミはトラパニアマイティのタイザルティに頭を下げに行こうとさえ思った。CBがポートキーを使い地上へあがらせた。テレポーテーションをしたモルドゥオン。月読国は大変なことになった。キャスリンに緊急号令がかかり、
    軸が乱れ均衡が崩れた土地に集うと云われる戦神たちが現れる。
    サングドールの戦神、グワイマカール、グリティリスの戦神が総力をあげて挑んだ。それでも叶わなかった。なぜなら、戦神は死ぬことを許されていない。
    だが、最終的にカタクリと思われる意志が海へ自ら沈めた。
    暴れたのはヴァララの意志、破滅をのぞむは神の意志、解放をのぞむはカタクリの意志。
    「サファイア海へ潜る気よ!!」つむぎが叫んだ



    ・少年王がCBを連れてくる。裁判だ。裏切り者や鮮やかに活躍したヴィランを処刑する。処刑台が設置される。

    ・月読国にモルドゥアの悪事!。モルドゥオンは信頼を損なう。
    ・グワイマカール、つむぎ、リング・ディンドンのシャーリーが演説をする。サファイア海のカタクリの信頼を回復させるために伝達の脇に立つ。
    「誰か……助けて」
    ・サームも意識不明だ。月読国の城にいる。サファイア海の彼の顔が見える部屋で眠っている。


    【モルドゥオン】
    ・彼女の主従シセロは扉の側で微動だにしない。
    「ん、……」
    ・彼女の容態を見守るモルドゥオンが優しい声で名を呼ばわった。
    「オレのサリム……」
    「ミリ・ディル・サリム……モルディベレティ」
    「アモン・ティリ……ロス・ルイン=ディル……ミリ・ディル・サリム」
    「…………」サームは微かに微笑んだ。
    モルドゥオンは眠そうに目を閉じて眠った。



    ・CBは処刑された。それは木偶の坊だった。彼は北の聖堂で目覚めそれっきり姿を眩ました。
    ミアは毎日、トリーに会いに行った。トリーの部屋じゅうに伸びた髪をとかさなきゃいけないし慰めたい。流行りの恋愛小説を朗読した。

    帰りは、サファイア海に身を沈めた戦神と白昼夢と神レベルのマスターテリオンを拝みに行く。
    これが地下迷宮を破壊しつくした。ヒルメ物語はまた一段と深い闇に葬られた気がしてならない。
    モルドゥオン・カタクリは友達の敵……だからミア私の敵でもあった。
    三角関係はすっかり有名になった。ウィリアム・マンダリーの冒険が評価された愛雛が3人の恋愛小説を書いている。
    ミアはストーミから話をきいており、実話に近いまた実話のため、これまた人気を博した。もちろん、ミアとトリーは読者。
    トリーは未だにトーマのことを気にかけている。ミアは『大丈夫よ』くらいのことしか言えなかった。ミアが地下へ潜るなんてあり得ない。死にに行くようなものだもの。

    グワイマカールがちっとも城に入ろうとせずに蜂蜜農場へ足を運んでいるのを知っている。嫉妬しちゃうほど仲睦まじい。だからミアはこっちと結婚すると思ってる。
    いまミアが読んでいるページは……サームさんがうきうきして水都へ行くところ。そう、あれからだいぶ時が流れた。

    「ミア……!」アレックス

    でも、誰が倒すのかしら?
    嘘でしょう?城の入り口から小走りに出ていくのって……




    『ミリ・ディル・サリム…………』


    時は残酷だった。ストーミはすっかり愛雛の夫になっている。
    愛雛がゾクッとした。「彼女が目覚めた!」驚いたストーミは鏡を見た。ところをサームに見られた。彼は気配に気づいて鏡を置いた。
    __することによってふたりの友情を揺るぎないものとした。
    そして愛雛を心底びびらせてしまった。戸口には赤髪の小男が立っていた。
    後ろからサームが現れる。口を開いた。
    「竜になったとされる錬金術師のことでお伺いに来ました。その竜なんですが、サングドールにいるんですよね?」
    「ストーミさん、ウィルムを貸して!」
    「あの人を戻せるのは彼しかいない!」
    「トア・モータを戻したんでしょ?」彼の心が揺らぐのがわかる。
    サームは断られた。

    「お願いがあるの……。私が竜を連れてこの地に戻るまで、誰も彼に触れさせないで……」
    「待て!俺も行く……」愛雛
    「愛雛?!」ストーミ
    「俺は、ああいうヤツと話をつけるのはまあまあうまいほうだ。間違いなく。あんた独りじゃあ、あの頑固なオークをひとりも説得できない」
    「子どもはアンに見てもらう。アンは私たちの子どもを可愛がった。いいだろ?ストーミー君」
    「えっ、私は……」ストーミ
    「ま、アンだけじゃ気苦労も大変だろう。あんたの子供なんだし。傍にいてやってくれ」固まるサームを意に介さない。
    彼女たちは連れだって出かけた。


    「ミアって子。月宮殿にいた」サーム
    「シセロ?!」ミアは目を丸くした。
    「行きたい!私も!」ミア
    「お役にたてるはずよ!ウェアウルフなの!」ミア
    「まあ、おなじ夢を持つ仲間は大勢いたほうがいいもんねえ」シセロ
    「いや待て、ミア、パパの許可がないと駄目だ」シセロ
    「わかった!小一時間まって」ミア「フィタの噴水広場にいるから!」駆けていった。

    「わかった。……私は、あの人の容態を見る」サーム
    「わかった」愛雛
    「あのこにとって、あれは数時間前の出来事なんだろう」愛雛
     シセロは頷いた。
    ・ミアはトリーの部屋に行き経緯を話す。もちろんアレックスにも話をつけた。


    城の顔に接近できる部屋に戻り窓を開けて乗り出した。大声で話す。
    「アモン・ティリ……ロス・ルイン=ディリ……ミリ・ディル・サリム」
    モルドゥオンは薄目を開けた。
    「あなたの気持ち、胸に響きました」
    「私は、あなたを救いたい」
    「テリオンを解体できる錬金術師が遠い地にいるそうです。彼は自らの体をテリオン族、竜に変え、この地から遥か遠方の地サングドールへと飛び去ったそうです。なかなかに手強そうな相手です!」はっきりとカタクリは目を開いた。未来を見たに違いない。
    「無知だなってお思いでしょうね」
    「今度の旅はかなり賑やかになりそうですよ」
    「あなたが……!元の姿にお戻りになられたら……!」
    「あなたが、私の指輪をお選びに……なって」
    ……
    「アモン・ティリ……ロス・ルイン=ディリ……ミリ・ディル・サリム」
     モルドゥオンはニマッとする。ふたりも融合しているとは思えない。恐ろしいほどに見た目が変わらない。背丈と腕の数だけだ。あと、赤い髪が伸び、あと数日のうちに眉にかかりそうだった。
    幻覚ではなかった。下の方で観光客が騒いでいた。画家も必死にこの瞬間を捉えていた。
     モルドゥオンはサファイア海から顔をだして言った。ふたりの強者を制している、彼は覇者だ。
    「俺の胸を借りていけ……」手を差し出しサームを手のひらに乗せた。口元まで持っていく。見物人は食べられてしまうのでは?!とはらはらさせられた。
     カタクリは魔法を扱えないのでこれは神の力だろう。サームに4獣の軸の力を授けた。解けることのない『ダイヤモンドの騎士』の魔法をかけた。
     さらに人々が駆け寄ってくる。フィタの噴水広場からミアと愛雛が走ってきた。
    「……行ってきます」サームは牙に唇に口づけを落とす。
     画家の慌てる容姿が見える。一心不乱にスケッチを描いている。


    モルドゥオンは昼の間は起きて待った。月読国の人びとはロマンチックでこういう話が好きなのだ。
     ストーミは顔の片方を手で塞いだ。子供が涙で濡れた片方の頬をなでた。



    サーム、シセロ、愛雛、ミアは北のエスリマ大平原を渡る街道を歩き、大平原を抜け、船着き場まで行き、船に乗るために。途中、北聖堂へ続くの南に縦穴が
     長いエスリマの北と西を挟む街道を歩きに歩いた。高くなり低くなりを繰り返した。果てしなく歩き続けているような気がした。
     足を引きずってストライダーとは縁のなかった盗賊の森を抜けた。そこを越えた。霞む西の山脈を眺めた。
     西山脈を貫く街道はドリミア盗賊に荒らされた。不吉だ。
    サングドールは実は内陸の湾岸都市だ。浮浪児時代のミアは浮浪民の立ち話に聞き耳をたてていた。
    ・秘密の扉を開けて秘密の通路を通り港へ。船を拝借して海へでる。

     サームは書院の青年アノルの考察、ヒルメは大陸の外にいる可能性を話した。月神誘拐説。
     オークの海賊船が遠方に見えた。外国からオークの海賊船が帰航してきた。誰も知らなかった。いや、愛雛は知っていた。カプリコーンには海賊船が停泊していた。
    ・愛雛は独自にバダ山脈の景気を調べさせた。オーク街を偵察した商人は……行方不明になったが、使い鳥を寄越してきた。彼は広場に王族貴族の装飾品を積んだ箱を見たんだ。
    ミア「でも、窃盗事件なんて起きてないわ。少なくともチャールズがドリミアを追い出してからは……」
    「さあな」

    オークがこんなに……

    北海岸をちょっと進んだところで捕まった。白旗の常識はオークには通じなかった。愛雛が説得を試みようとしたが、いきなり戦闘がはじまる。そうだ、オークとはそういう輩だ。サームを殺めたらどうなるか知ろうともどうでもよい。モルドゥオン・カタクリがどんな人物か知っていたとしても。幸い、似たような奴が一人いた。ミアが獣人へ変貌を遂げた。
    だが愛雛は知っている。オーク族の誇りは屈しない。
    常に自分のグループがカリストの上位だと思い込む輩だからな。
    海賊はカプリコーンの連中とは訳が違う。ひとりでも戦闘能力が高い。気を抜けば殺られる。全く。ストーミがいないときにこれだ。
     唯一の救いがオーク族は戦う意志を持たぬ者は傷つけないことだった。サームが斬られたら旅をする意味がない。
    「!!」愛雛
     ミアが突進する。シセロが放つ矢はオークの頭を貫いたし、愛雛も頑張った。大半はミアが倒した。全員ミアに感謝をした。

    宝庫に入ると、動けなくなったミアの隣に愛雛が立った。
    目の前には女性が手にしたいと望む、ありとあらゆるものがあった。金、銀、装飾品や宝石の山がテーブルや床の上に山積みになっていた。
     ミアは放心状態に陥った。心臓も鼓動を打つのを忘れそうになっていた。
    「王族貴族のものだ」愛雛
    ・愛雛とシセロは策略を立てる。
     海賊船は船体に穴を開けて沈める。燃やせば余計な情報を敵に与えることになる。遠い浜辺に宝を隠すことにする。


    「金や財宝やら……どこぞの領主から奪ってきたんだろう」愛雛
    「好きなのを持っていけ。ほら」愛雛
     おどけるが、シセロは何か企んでいる。
     シセロは、ツルハシとシャベルをしっかり抱えてる。シセロはシャベルを皆に渡し、皆は空いているほうの手でそれを受け取った。
    「……」埋蔵金。
     穴を掘っている。
     穴は掘り出した土だけでは完全に埋め戻すことができないと言った。そんなのウソだ。きっと。浜辺の奥に隠す。

    拿捕船からR指定の本がでてきた。何やら海外で巨人が流行っているようなので便乗しました的な巨人族と人間の交わり方について記載されていた。図案が印された頁をミアがひろげた。
    「ね、彼とエッチした?」ミアが純粋な表情で訊ねてくる。
     サリムは固まった。「…………」
    「……そのようなことを彼としたこともありません」

    「でも、将来性を感じるでしょ?」
    「……っっ」
    「彼と結婚したらモルドゥアの妃になるのよ」
    「それは……ごめんなさい。やはり、自分の感情に嘘はつけない」「嬉しくない」
    「どうして?」
    「あの人は立派な戦神になりました。月神の誰ぞの手札に加わった……それは喜ばしいことではありません」
    「それは私達が戦神を目指した理由にあります。もとはといえば、オルクスがもたらした災いを祓うため、神々との謁見への近道に戦神への道を進んだまで……」
    「いまこの瞬間にも、12柱の月神が興じている遊戯【戦神と魔女】……その内容とは、月神が手持ちの駒である戦神を手塩をかけて育成し、大地の均衡を崩す元凶を伐たせることにつきる」
    「この枠をこえることができる戦神を私は知りません」
    「彼は、モルドゥオンではあります。ですが……いまこの現状では胸を張って国を治めていると言えますか」
    「私には、神々が、彼のそういった間違った私情を赦さなかった。彼の体や魂に戒律を刻むために、彼自身の運命の風向きを意図的に変えてしまったように思えるのです……」

    「……あの人の絶望を感じる……」
    ……………………………………………………………
    「夢にまで見た未来を叶えられない望めない……だからミケイラやサームのいる世界は、諦めてしまった……」「彼は古い記憶のなかにこもってちっぽけな想い出を生き甲斐に、いまを生きている……」
    「『アモン・ティリ……ロス・ルイン=ディリ……ミリ・ディル・サリム……』……嗚呼、あなたは、もっと大きな夢を成せる人なのに……」
    「彼を愛しています。結婚をしたい。彼の子を成したい」
    「ミケイラも同じ願いを望まれているはず……しかし、月神は彼女にも辛くあたっています……」
    「…………」愛雛が複雑な顔をする。
    「月神に挑むことになるでしょうか。不穏な風の流れを変えたい。いいえ、止めたいから……」
    ミア「あなたはネガティブね。不幸の連鎖をつくるのもあなた
    連鎖を断ち切るのもあなたよ」
    「行こう」愛雛
     船に乗る。航海中は常に風を読まなければいけない。風を絶つとは……淀みや停滞を意味するが。愛雛とシセロはそこのところを意識させられた。それにグワイマカールは風の戦士だ。

    船上で薄切り肉を干し肉に

    「ストーミーのこと、ですか?」サーム
    「あの人の世話はあなたにお任せします」
    「もちろん。……任せてくれ」愛雛


    「ヒュージブルはこの世界にはいないらしい」愛雛
    「それはいます」「生命の解体屋と私達は呼びます」サーム
    「ん?」

    「私の、あくまで考察ですが、海の魔物ヒュージブルの使命は、絶望の処理だと、私は感じました」

    「数多に存在する世界に始まりも、終わりもない円環がとり憑くことがあります」
    「まさにストーミーの世界がそれです」
    「彼は、世界を司る、リムから生命を自在に操ることができる界王の専属ポーンでした。自分たちは、世界の円環に囚われ……世界の転換を何千回と繰り返し体験したと私に語ってくれました」
    「リム」
    「あらゆる物象の素材となるリムに時間概念はありません。過去から未来へ渡ることもないので、すべてが同時に存在する場所のようです……」
    「私は、難しいので想像できませんが、リムは、全べての世界の生命のイベントを見ることもできるかと」
    「私たちと共にあるのに……時を渡らない存在……」
    「では、過去より未来へ渡るものが同時に存在する場所に、終わりはあるのでしょうか?その場所に……数多ある生命の意識も集まるのでしょうか?」
    「宇宙とは別のもののような……なんか恐い存在……」
    「……………」愛雛はお前どうしたんだ?的な顔を浮かべた。
    「えっと、話が逸れました。つまり、この世のモルドゥアの最下層、アンノンの下から遠望できる深淵の底で意味ありげなヒュージブルを見たので。……それは命を解体してしまいましたが霊体は解体しませんでした」サームを私を見てと言わんばかりに手を広げてから自分に指差した。愛雛は眉を潜めた。
    「恐いわ……わたし、宇宙が恐くなったわよ」ミア
    「いまの話は秘密にしてください。人は世界の理を知る必要なんてありませんし」サーム「ストーミにもです!………笑うでしょうから」
    「あなたって、チャールズみたい!すっげえおしゃべり!」ミア


    「この香りはひとの?」ミア
    「うっ、崖の裏に海賊船!!」愛雛
    「……オークめっ」シセロ
    「え、待って!この香りはドリミアよ?」ミア
    「あれは……クック・ロビン?」愛雛「なるほど……」


    「追ってくるか、……くそっ、これは商船だからな。もうちょい近づかれたら威嚇の大砲を撃ち込んでくるぞ……!」愛雛
    「だが、冷静に!慌てるな……動きを読むはずだからな……」
    「黙ってくれ……」

    「……顔が割れたら終わり」サームは自信のなさそうな顔をした。
    「伏せて!火薬が燃えた匂い!」ミア
    近場に大砲が落ちた。わざとだ。
    愛雛が白旗をあげていた。


    ドリミア盗賊団『クック・ロビン』のヴィックと会う。妖精めいた目を持つ文句なしの美人ども。
     髪が風になびいていた。その色は、信じられないほど美しい金色だ。妖精めいた目をサームに向けた。ヴィックは知っていた。海路を使うことを。
    ドリミアと稀人のクォーター、カトラー一族は航海時代に名を馳せた海賊だ。オークよりも地理に詳しく航海に長けている。ヴィックもその船に一時期は乗っていた。

    「あんたを一目、見ておきたかった」ヴィック
     彼の冷淡で鋭く切りつけるような目は、__していた。
    カトラーの蜘蛛の糸は切られた。情報網に穴が空いた。修復は困難。散々になったかもしれないがドリミアはそれでも情報を知ってる。
    でも、いずれここにCBの息がかかるかもしれない……。
    何を企んでいるか……。
    「へぇ、シン・シティを創造したのはあんたか……!一体どんな秘術を使ったんだい?」ヴィック
    「CBはモルドゥオン・シーリンに脅されていた臆病者だったが」「あんた、脅されただろう?CBから」いま彼は遠回しにサームにさらっと黒幕を教えた。

    「俺は金が欲しい。だから単刀直入に言わせてもらう」ヴィック
    「シン・シティだ」
    「俺は、あんたのフィアンセが派手にぶっ壊したと訊いているが、街はCBの秘術で修復されたそうだ」
    「いまはあいつが通路の管理者だよ」
    「そうなると、気になるのは、モルドゥアだけど……」
    「こういう情報はただじゃくれてやれないな。それと捜しているヤツがいるんだろう?」
    「本気かよ。そいつは羽が生えてるぜ。本気でサングドールにとどまってると思っちゃないよな?念のため先に言っとく、とっくに飛び去ってんぜ」
    「オーク海賊とつるんでるな」愛雛
    「そうだ。情報を金で買えるヒューマノイド型で助かった」ヴィック
    「それも運次第だ」ヴィック
    「さ、どうする?」
    「連中の話、信じてやるほうが身のためだと思うか」愛雛
    「頼りにしないほうがいいわ」ミア
    「俺は、そちらのレディに訊ねたんだ」ヴィック
    「買うわ」サーム

    「じゃあ、よろしく」ヴィック
     ヴィックは船を拿捕した後、荷物検査をして燃やして沈めた。というわけで四人の『クック・ロビン』の船上生活がはじまることを意味した。盗賊との接触は月宮殿以来だった。一時的とはいえ同業者だったが。
    「大丈夫。俺たちは手荒な真似はしない」ドリミア
     そして、一人ずつ個室をあてがわれた。
     愛雛が船長室へ連行される。その意味は、愛雛にもミアにめサームにもシセロにもわかった。

    「金は」「埋めただろう?」ヴィック
    「……」愛雛
    「金だ」「オークから奪った金はどこにある?」
    「シセロは」シセロはわざとらしくぎゃーぎゃー叫んだ。

    「サームがだすと思うわ」ミア

    「……知らないと言った人がいるなら……謝らせて」サームはリムを操り金塊をだした。「情報を……ください」サーム
    「あの国は新聞王に支配された」ヴィック
    「それだけ……?」サーム
    「遠い昔、俺は、カルラタン山脈で金持ちを標的に強奪を繰り返した。若い女、有力者に分け前を与えていた。見返りに俺がサングドール戒律国やカルラタン王国に摘発されそうになると逃がしてくれる」
    「カトラーが手を回してくれてたんだ。だが甘えきった俺はすっかり………
    盗む生活から抜けだせねぇ」「一族に従った結果だった?言い訳だな……」
    「これくらいにしよう。大丈夫、このお話には続きがある……また今度だ……この話疲れるんだ」ヴィックという男はなんて蠱惑的な顔をするんだろうとサームは思った。

    「なぜオークが」愛雛は目の前が暗くなった。オークが乗り込んできた訳は
    「うっ……くっ」愛雛は手酷い暴力を振るわれた。
    「知らないか。」
    「カトラーがよろしくと」愛雛はオークの船に乗せられた。
     騒ぎを聞き付けたシセロは暴れに暴れて脱出した。
     ドリミアとの因縁がなんにもないミアは目隠しをされたまま檻に。そのまま小舟にのせられた。「一緒にここまで来たんだから、出ていくときも一緒よ!」ミアは大声で叫んだ。ここまでか。



    ミアはなんとも、もやもやとしたふっきれない心境にあった。
    物音だった。
    「ヴィック……なにを……」苛立ちに似た失望を覚えた。
    「あてにできるほどでもないわね」
     サームは武器になりそうなものを手に取った。ワイヤーに足を引っ掛ける。転倒しそうになるサームをヴィックが支えた。
     サームは掴まれた体を解こうとした。ヴィックはサームを掴む手に力を入れた。
     いまだにシセロとミアの双方の声が反響していた。

    「俺が必要になる」挑戦的な眼差しでサームを見た。
    「だってよ、あれは結構昔の話になるが、あの女は奴隷商人の首を取ったよな」

                   §§§§
    蜂蜜蝋燭を作る作業アンの手が震える。手が爛れている。目眩がする、足取りがおぼつかない。部屋に戻ると子供が口から泡を吹いて倒れている。父親に抱かれている。
                   §§§§

    「残念なことに快く思わない者がいる」

                   §§§§
    ストーミの顔半分が爛れている。
                   §§§§

    「……追われる身の癖に。戦神物語のおかげで身元が割れた」
    ヴィックは手を緩めた。
     サームは船長室の窓辺から満月を見つけた。
    「神……が」声が震える。「彼女に辛くあたる……」
    「そうだ。あんたは夢物語の舞台から降ろされる。間違いなく夢舞台へ上る梯子を外したのは神々だ……」
    「あんたは神々が嗜む『戦神と魔女』という花形を飽きさせぬためにいる……こんなのはまだましなほうだ。姉妹には人に生を能えるべからずと声高に主張する奴もいる」
    ――『なんて理想的な人の姿なの!』――
    「俺は」
     ミアの咆哮が船内じゅうにこだました。咆哮が遠退いていく。船は動いている。
    「約束をしています」
    「なら、約束が守れるよう、全力を尽くせ」
    「なにをさせたいの?」
     まだ教えない。
     背を向けるとヴィックは歩き去った。サームは__の船長室に取り残されたが、こぼれた木くずが目についた。



    シセロはミアを崖の岩に引き寄せた。
    なんとか、檻からは救出できた。際どかった。主の元へ行きたいが、船はもうなかった。ちょっぴり泣きたいような気分だった。
     後は運次第だった。見知らぬ土地の海流の流れなど知らない。
     愛雛の身に何が起こったのかわかっていた。
     愛雛よりも主のことが気にかかる。
     月読国へ帰るとミアが言う。お使いの行きの途中なのに膝を擦りむいて早くお家に帰りたいと泣く子供のようだった。
     __ながらも、目で浜辺の残留物の中にサリムの手がかりを捜した。
     シセロはあきらめて月読国まで付き添うこともできるが。何日かかることやら。
     うまくことが運ばない。彼女は自分の夢の足掛かりになるのに……



    サームは羽毛と上掛けをはねのける。両足を毛むくじゃらなラグの上におろしながら。監禁では?ほとんど永遠に続くかとも思われた。
    ・船の探索をしようなんて気を起こして通路に迷った。
    ・一日のうちにヴィックと話す機会が数回はある。
    ・ヴィックはサームを見たところ、決して怯えてはいなかった。

    ・数日が経過した。下っ端が水を運んでくる。サリムは疲れきり、いらだった。刺々しい気分になっていた。問題は山ほどあるし、どれも簡単じゃない。
    ・船は姿を変えている。停まっている。

    屈託ありげな面持ちでヴィックのところへやって来たのは、ナイトガウンを来たヴィックが船長室でバレッタを彫ってるときだった。
     サームはこの趣味を諦めをもって眺めている。そのなかには軽蔑もまじっている。
    「……あんたは知らなくてもいい」ヴィック
    「あいにく興味ないの」サーム

    ・扉の内側には4軸の獣が彫られていた。左上から右上へ天使、鷲。左下から右下へ牛、獅子。 
    ――絶対的な安全……そういったものへの憧れの現れ。
     ひと息いれているヴィックをちらり見やった。
    「タロットカードの最終地点【世界】にはこれとまったく同じ4つの動物が描かれています。四代元素をあらわしてる」
    「風は精神、天使。水は愛、鷲。地は物品、牛。火は知識、獅子って具合」
    「葉っぱの円環の中心には、これらをバランスよく手にいれた人が全裸で描かれている。軟らかいけど。草の円環にまもられてるから傷つかない」
    「私たちはそうはいかない。欠けたものを得ようと獣の周りをぐるぐるしてる。円環の柵の向こう側に行ける気がまるでしない」
    「ドリミアは一度、世界を手に入れた」表情の読み取れない顔で「俺たちは、もう、用なしだということか」
    「?」
    「俺たちドリミアが、この惨めな生活から逃れるために必要なのは……」ヴィックはサームに向け顎をしゃくる。サームは自信のなさそうな眼差しを向けた。
    「それで……いつ情報を教えてくれるの?」サーム
    ・ヴィックの手からは木の香り。
    「いまは身を潜める時だ。藪のなかでじっとじっと待つ」
    ・椅子から離れたヴィックは船長室のバルコニーへサームを案内する。
    「ここはどこ?」サーム
    「四ツ国」ヴィック
    ――とんでもないことになった。
    ――月神は私を、見事に弾いた。あの人に希望をあたえられない。絶望しか……あたえることができない。
    「なにもない……町はある?」
     __方へ顎をしゃくる。声を張り上げて部下に命令した。「__!」
    「来い」

    ・クックは馬に跨がって指示を待つ。ヴィックが言った。
    「領地はどこも破綻しかけている。長きにわたりオークが大陸を荒らしまわってきたからな。なんでもありだ」ヴィック
    「……連中は物品を根刮ぎ奪う。だから見ろ。何も育たない。種を買う硬貨もうばっちまうせいで」
    「この四ツ国は、水を育むあの山を祀ってる。鉱脈は手つかず。そこにオークが目をつけた。はじめは交渉の余地があったんだ。素直にオークを信じて貿易路を開拓すればよかったんだよ」
    「連中の故郷バ・ダ山脈は水を生む聖地だ。山脈をどう弄れば災害がもたらされるか知っている。残念なことはここが鎖国だということさ」
    「王国は……」
    「オークは金鉱脈を既に押さえてやがる。国王は対応してきたが、種族の差というやつか。多くの領地を手放すはめになった。すっかり疲弊させた後は、オークの国になるな」
    「そろそろ王国が陥落するころだ」
    「レディ、馬に乗れないみたいだな。後ろに乗れよ」
    「俺達は街を奪いに行く」
    ・馬に乗るのに手伝ってもらう必要があった。
     ヴィックのはわずか50センチほどの細い腰だ。

    「功績次第で俺達ドリミアの土地が決まる」
    「……オークは」
    「私は、それとどう関係あるの?」
    「俺は土地がほしい」
    「モルドゥオンの治療には必要だぜ。ちっぽけな金塊じゃ割に合わないからな」
    「次々と困難を押し付ける、糞世界め」サーム

    「彼、大海賊の次男だってことを教えておきます。モルドゥオンが目覚めたら、少年王は船を提供してくれるでしょうね。私に手荒なことをす――「もうしない」
    避難民がちらちら見える。ドリミア盗賊を睨みつける。唾をとばされても堂々としていた。
    「おこぼれがなかったら私を使う気ね!」サーム
    「そうだな。先ずは自分の頭を使うさ。見ろ。オークは考えなかったらしい」

    馬が足を止めた。はじめは息が切れたのかとサームは思ったが。
    草を刈られた小道づたいに一行が長い列をつくって__。小道の向こうに王宮が見てとれた。
    ・ドリミアの馬が王宮に到着。
    「国が脅されたり、戦争が起こった際に、王族たちが身を守るために建てられた」
    ・ヴィックは、この王宮には、王族が身を隠していると言って侵入する。
     階段の天井は国が誇る画家達の絵で覆われ、部屋は天井から床まで、どこも極上のカーテンと壁で覆われ、調度品の数々は美術館のようだ。
    ・王は数人の近衛兵士と従者や側近を従えでてきた。
    「戒告を聞くのはあんたらの方だ」ヴィックは本物の王に言った。宮殿に連行すると。宮殿にいるのは影武者だ。


    宮殿の庭には海賊が攻めてきたと聞きつけた大勢の民が押し寄せていた。みな襤褸(ぼろ)だった。王が海賊に斬殺される瞬間に立ち会うはめになった。赤い外套のオークに民の疲弊した絶望の眼差しが寄せられる。
     民がいなければ、太陽が芝生や宮殿の荘厳な姿を更に美しく映しだしていただろう。窓がきらきらと輝いた。
     かつて見る者の感嘆を集めていた数々の彫像は壊れている。そのような豪華さをオークは嫌った。それよりも、城壁や城砦を愛した。この赤い外套のオークも、その昔、堅固な城塞として建てられたものである名残を感じ、それらを慈しんだ。暇潰しに。

     入り口のまえでは、離れ宮殿から王族を連れた『クック・ロビン』が宮殿に到着。ヴィックが本物か影武者かどちらかの王の腕を引いている。民は影武者が無惨に斬り殺された直後に来た本物の王に疲れきった顔を向けた。
    「ヴィックめ」地面に届くほど長く赤い外套は、彼自身を、不吉な予兆のように感じさせていた。
    「城主を連れてきてやったぜ」ヴィック
    「盛り上がりに欠けるだろ」

     オークが国を破滅に追い込んだ瞬間を見た。
    「オークにふさわしい相手は、どこにもいない!」さっき聞かせたばかりの台詞だ。
    「…………」サーム
    ・オークが国王の首を大衆の前ではねた。
    ・領主の旗が引摺り落とされる。
    「隣国の軍隊が来てねぇな」ヴィック


     城内の宝物庫の鍵をヴィックが開ける。
    「指輪……」サームの頭にモルドゥオンの微笑みが浮かんだ。
    「なんだこれは……罠か」オーク
    「かもしれん」指輪の元へ行こうとするヴィックをオークがひき止める。
    「待て、もったいない」オーク
    「おい、人間の女!」オーク「財宝をくれてやる。指輪を5つ選べ」
    「……っ」ヴィック
    「早くしろっ!!」サームはオークに突き飛ばされた。
    「モルドゥオン・ミリ・ディル=サリム!」サーム
    「…………」ヴィックは例の閉ざされた表情で、戦況を分析していた。※利用価値は土地浄化
    「選べ」オーク
     サームはむしりとるように指輪をひとつ取った。
     カチリと嫌な音がした。
    ――罠ッ!!
     鋼鉄の爪が飛び出してきた。壁に突き刺さる勢いだ。サームは吹っ飛んだ。サームが爪と壁の間に挟まった。苦痛に顔を歪ませている。

    「チッ」ヴィックが救助しようとするがオークが横からヴィックを突き飛ばす。
    「なんともない!ヴィックは解除を……!」サーム
    「…………」ヴィックは罠解除をしたあとサームの罠を解除する。

    隣国の援軍がくる。オークが急かす。ドリミアとオークが口喧嘩をする。
    罠を解除する。ヴィックが罠にかかるがかわす。
    軍に囲まれる。
    オーク海賊、ドリミア盗賊が隣国兵士オラクルと戦う。オラクルはヴィックをクック・ロビンから引き離す。
    ヴィックが槍の小隊オラクルに囲まれた。オラクルは厄介だが、ここで一番厄介な奴は戦神だったやつだ。おちょくるようにして飛び越えるくらい造作もない。
    「オラクルは隣国の強みさ、こいつらは『オラクル』無敵の精鋭部隊だよ」
    ヴィック独りでオラクル数人を倒す。
     オラクル隊長は自身の仲間ごとヴィックを背後から弓矢で撃ち抜いた。ヴィックは血を流し路面に横たわった。隊長を睨む。クックの仲間が隊長を斬り殺した。

     オークはここを採掘拠点にはできない。目星のつけた場所へ行くと言う。
    「__する功績だった。王国は全部くれてやる。その約束だからな」オーク
    「あと小一時間……いや、数分ってところか」鼻に笑いのこもった声だった。
    「女、ひとつ思いだしたぞ。おまえはエ・ンのペットだったそうじゃないか」「彼は蛇口を壊すのがうまかったようだな」
    「あなたの顔を覚えておくわ。私を傷つけたことモルドゥオンは知るでしょう」
    「噂の巨人族のことか、俺の先祖は__の巨人族の群れを一夜で壊滅させた。それが唯一無二、地図から巨人族が消えた理由だ」
    「サングドールの酒の肴といえばこれなんだ」
    「サングドール南西に巨石郡があるだろう?あれらは元々は巨人の家に使われた丸石なんだ」
    「おお、そうだ。手土産にチャッター・フェイスの巨人頭を贈ろう。俺にふさわしい相手かどうか」
    「身の程知らずとは、まさにこのこと」サームは唾をはきそうになるのを堪えた。

     ヴィックは放置された。財宝を担いだ海賊に置いていかれる。
    「あの人……噂の人かいな?」人形好きの街のおばさん
    「巻き込まれちまったんだねぇ……」人形好きの街のおばさんが涙する。
     サームは5つの指輪をおばさんに持たせ、国に戻らぬようにと言った。


    「………………」意識があるのかないのか判別できないくらいに容態が悪い。ヴィックは手の施しようがない。ヴィックは呼吸が遅く、息を大きく時間をかけ吐き出した。……………
     ふとヴィックは息を吹き返した。何か言いたげにサリムを長すぎるくらい見つめた。サームは決めた。※ロスフェンデルの力
     腕をのばしてリムを召喚する。クック盗賊たちが仰ぎ見る。
     リムの道を渡りリムの川がおりてくる。
     川がヴィックの体を修復する。
     
    「情報を頂戴」サーム

    「きっと、あなたは__を統治できない。とても、残念だけど……」
    ・ヒュージブルを召喚して街を浄化する。
    「避難民が戻ったあとも、あなたが上の立場を維持できますように。力が上から下へ流れますように」
     ヴィックはおぞましい光景を目の当たりにした。死神のカードと審判のカードを合わせた力。
    「あんたを漁村へ連れていく」ヴィック「馬を用意しろ。俺が同伴する」
    「いいえ、私はここに残る」サーム
    「……軍隊はまたくるから。オークもくる。きっとまたくる」サーム



    ・短い船旅。ヴィック率いるドリミア盗賊の一行が漁師の元へ向かう。
    「誰がブラック・バードとブラック・ウィドウを葬ったか忘れたか?ストライダーの残党だぜ?」クック仲間
    「ウィリアム・マンダリー率いるほとんどの者はゴルゴルで散った。奴隷商人殺しは彼らの報復をうけたが……ヘイルは」ヴィック
    「細切れの四肢が農場にばら蒔かれていたことは知らないみたいだな」
    「ブラックバードみたいな真似はするな」ヴィック
    「サームに辛く当たるのはよせ」ヴィックは暇潰しに木を削って髪飾りをつくる。
    ・錬金術師を拐うために漁村へ向かう。
     錬金術師のオークは漁村で活躍してた……。オークではなく醜い人の姿をとっていた。髪はぼさぼさ、洗わず、くしけずらず、もつれっぱなし。ひどく落ちくぼんだ眼窩は虚ろな穴でしかない。肌はむくんで、たるんでいる。ヴィックは面白がった。

    「テリオンに関する知識は本物だな」ヴィック
    ・錬金術師は乗り気だった。確かに文明が恋しくなっていた。
    ・ヴィックは帰りの船でも髪飾りを掘っている。裏に古い文字を刻む。



    サームは落ち着かない時間を過ごしていた。食べ物が喉を通らない。
    「近頃食が細くなっているから……」頭がいっぱいだった。
    ・ゴーストのほうの顔を見て魔女呼ばわりするドリミアがいることにきづいた。
    ・ヴィックが削って作った髪飾りをつけている娘を見つけた。鼻が低すぎると思った。華がある。
    「素敵なバレッタ。お気に入りなのですね」彼女は鏡の中にサリムの姿をみとめながら、髪を整えている。満足げだ。
     サームは鏡の中の女の視線に答え、モルドゥオンとの関係をはかられる。

    ・隣国の兵士がくる。クックは兵士を捕虜にする。
    「私は、隣国と和平交渉を進める気はない」サーム「騙されるわよ」

    嫌いなオークもくる。これ見よがしに酒場の窓辺に巨人族の頭蓋骨が飾られていた。「まだ襤褸を着ているのか」すれ違い様ドリミアが言った。
    「ずいぶん偉そうに話すんだな、小娘」

     酒場から聞こえる。

    「謁見をしに月読国まで行ったそうだ。頭はモルドゥオンにこう言った。『お前は女にまともな服も贈ってやれないのか。あの女はあの国に虫のように馴染んでいるが、女の顔や身嗜みは汚く貧弱な体を襤褸で飾っている。ドリミア娘の髪飾りを指を咥えて羨ましげに見つめている。とても見てられない』」
    「その通り!」
    「サームが持ってくる金塊は偽物だから硬貨に替えられないことも伝えていた。そしてルペス・ニグラは金塊の宝庫!金でできたトライデントを献上した」

    ・サームは丘から巷の様子を眺める。オークは本物の金塊を持って貿易交渉。成立。あそけはドリミアとオークの港。サームは仕方ないことだと思いながらも納得。気にくわない。


    深夜の湯浴み中にオークとドリミアがくる。誰もが湯浴みのサームを野性動物のような扱いをした。
    ――虫のように馴染んでいるが……
    サームはさすがに屈辱感を味わった。
    バレッタの女だって、こちらから話しかけないと話してはくれない。挨拶もしないじゃない。
    私の相手をまともにしてくれるのはヴィックだけなの?彼は賢い。


    宮殿の中庭ですれ違ったバレッタの女の髪に新作が飾られている。それがヴィックの帰還を知らせた。すれ違うのが怖い。すれ違いたいのに。
     隠れて海を眺めた。噂に怯えた。想い人のことをずっと考えた。自分は妃になんてなりたくない。急に怖くなった。自分には婚約、結婚なんかできそうにない。ふさわしくない。


    「あなたの部下は私の頼みを聞いてくれる?月読国まで行ってほしい。錬金術師の航海を手伝って」サーム
     ヴィックは驚いた。想定していた順序が乱された。
    「あんたは、月読国へ戻ったほうがいいんだよ」ヴィック
    「安全なドリミア王国をつくるためだと言ったら?」サーム
    「四ツ国すべてを征服し、あなたに領地をあたえると話したの。どう?考えが変わる?」
    「国王たちはあなたが力をつけていくのを見たくないと思う。野心にあふれる国だから尚更」
    「敵を蹂躙しなければ、あなたは破滅に追い込まれる」
    「土地神を殺しに行「なにも知らないバカ女……」サームの表情が固まった。顔を赤く染め恥ずかしそうにする。
    「傲るなよ」ヴィック
    「じゃあ、私に秘密を打ち明けて」サーム
    「駄目だな。……船に乗れ」サームの手がヴィックの華奢な背中に触れた。ヴィックは肩越しにサームを見た。恥と悲しみが入り雑じった顔だ。目が涙ぐみ頬が赤い。唇を引き結び、目は恥をしのばせているが涙をためている。
    ヴィックの背中を握り手に力をこめる。
    サームが前へでて囁くよう言った。「それじゃわからない」顔が近い。ドリミアの妖精じみた瞳を見つめる。
     ヴィックはサームの顔に息を吹き掛ける。爽やかな息だ。サーム傷ついた顔をして顔を引いたが背中を握る手は放さなかった。ヴィックが手ではらうまで。

     ヴィックの木彫りに目がいく。
    「あなたは何か隠してる」泣くサーム「気にしないで」
    「なぜ、お前を痛めつけるドリミアをお前は気にかける……誹謗中傷の内容は全て俺の耳に届く」ヴィック
     まっすぐヴィックの目を見つめる。ヴィックは読みとった。閉ざされた表情からは、うかがい知ることはできない。
    「それへの答えの持ち合わせがない」

    「対価が必要なんでしょ?だけど金貨を稼げない……」サーム
    「もう必要ない」ヴィック
     サームは後ろから抱きついた。涙が清潔なブラウスに滲んでくる。
     ヴィックの手はサームの腕を掴んだ。温かい指だ。

     空がリムに覆われた。建物が建っていく。
    「今度は、私のためになにをしてくれるの?」サーム
    「最も信用できる者を使わそう。もう、モルドゥオンの心配はしなくていい」
    「もうひとつ」
    「ラデラの解放にあんたが必要だったらしい」
    「ラデラの解放にロスフェンデルが深く関わってきた」
    「ラデラの封じたアーティファクトをあんたに解かせたんだ」
    「十分に気をつけろ。定められた運命に抗うことなんか誰にもできない」
    「ラデラの国だ。ここは」
    「ヴィック……ありがとう」
    「待て……」
    「あんたはいずれ俺の敵になる」
     ヴィックはサームの腕をほどいて出ていった。



    「お釣りが欲しいって?」オークもついてくる。
    「ヴィック、一体、何を狩るつもりなんだ?」
    「白獅子」クック仲間
    「狩りごたえないな」オーク
    「幻獣討伐頼まれないか。どうだろう?なあ、承けてくれないか?」オーク。発掘隊の邪魔をする怪物がいる。

    「俺の耳に入る頃には噂はこされる」
    「魔女狩り場に連れていく気だろ?」ヴィック
    「俺を誘った理由か」
    「悪いな」オーク
    「この大地の均衡はとうに崩れてる。幻獣が跋扈する山に勝手に入ったのはあんたらだ」ヴィック
    「女が原因だ。女が来てから山から殺気を感じるようになった」オーク
    「なぜまだ匿う」クック仲間
    「用はすんだはず」クック仲間
    「まさか、惚れた?もの好きはカトラーだけで十分だと思ったね」クック仲間
    「そう思うか」ヴィック
    「頼むよ。しっかりしろヴィック!」クック仲間
    「白獅子を狩る」ヴィック
    「ふん、色恋沙汰につき合うなんて御免だ」オーク女は去る。「木を伐るほうがマシさ」


    ・バレッタの裏には古代文字が刻まれている。物語をバレッタの女に送っているとよんだ。読み物。
    「物語?あなたこそロマンチスト!これは噂よ」
    「古のドリミアの習性ってやつ」彼女はウインクした。

    「とても立派よ、ヴィック!」バレッタの女が褒めた。包みを渡す。
    ――なんだか、モルドゥオンのこと、はやく忘れてしまいたいとしか思ってないみたい。ミケイラがふさわしい。
     サームはヴィックに近づきたい。彼は何か大事なことを隠している。なかなか近づけない。遠くから恨ましげに見る。ヴィックはバレッタの女と船に戻ったらしい。

    鍛治屋を覗く。サームは白獅子をヒュージブルで解かす。ドリミアの見物人が引く。ひと悶着する。襤褸のおまえに見かねて贅沢な服をあたえるつもりだったのに!なんてやつ!
    サームは逃げる。


    サームは隠れた。
    王族紋章のタペストリーが風に
    王族の避難場所はきらびやか。
    ・オーク野伏と遭遇する。服を作るのか?タペストリーでと訪ねられる。
    「隣国に攻めに行きたいらしいな」
    「気が合うんじゃないか?」
     岩壁に激しく叩きつけられ、それから数日は緑の日だった。サームは葉っぱだった。オークは尿意をもよおすとサームに放尿した。虫をいたぶるみたいに。


    人びとからするととんでもないことがオークの間では心のちょっとした悪戯にすぎない。ヴィック相手に軽口を叩くようになった。「尿意をもよおしたら……虫にかける」サームがオークに連れまわされている。
    「とうとう裸か」クック仲間「さすがに見捨てるだろ?」

    ・ヴィックが前触れもなく口走ったオークの若者を斬殺した。クックは頭が捕らえられたと騒いだ。ひと悶着。

    ・ヴィックとサームは、間近で互いの扱いを垣間見る。
    ・刑罰をうけると頭が言った。

    サームはひたすら謝り続けた。ヴィックをかばった。モルドゥオンの妃にはならないと言わされた。しかしヴィックは後に月読み国から帰還した仲間から、モルドゥオンからサームに伝えるように命じられた言葉を教えた。
    ・彼女に自分の飯を食べさせ、自分は木の枝を折り樹液を啜った。移動したところを見つかり暴力をふるわれた。サームは騒いだ。
    ・ある日、ヴィックはアザまみれになるところがならないんだ?とオークが疑問を口にした。オークですら泣くのに泣かないと。反省すらしてねえな。

    ・眠っている。寄り添う頭がサームの肩にもたれ掛かった。オークの木の棒がサームの腹を突いた。彼女は我慢しと身動ぎしないようつとめた。
    ・一週間耐えたヴィックは解放された。サームも一緒。


    ヴィックが自分の船へ誘った。ヴィックは街ではいい居心地はしない。
    ヴィックが船にもどった夜からサームには召使いがついた。
     フードを目深に被った彼女は一言も喋らず坦々と沸いた湯を浴槽に流し込み、サームの体を綺麗にするためとりかかった。
     髪をとかし、結わい付ける。シーツを取り替えて去る。

    無口な毛皮の縁取りフードを目深にかぶった召使いはサームのために熱い湯を浴槽に満たす。浴槽の側面は鏡張りになっている。
    「穢れる体なんかさわりたくないでしょう」サーム
    「あなたはとても無口ね」
     小箱を眺める。召使いはサームから服を脱がせる。
     __は足元へずり下がって____の中へ落としこまれた。
     召使いはオリーブ石鹸を手に取るとサリムの全身に摩りこみはじめた。驚くほど丁寧に。
    油まみれ。足や臍の油を落とす作業にはいる。無意識的に息を鋭く吸った。
     間違えれば、サームの体は恥ずかしい音をたててしまう。それをしないように息を殺した。

     召使いはサームのひと束に結わい付けた髪をほどいた。肩に垂れた。それから体を浅い湯船に横たわらせた。ゆるやかに扇状に水面に揺蕩う、ランタンの光のもとではオレンジに見える。
    『あなたは美しい』と言わんばかりの紳士的な手ほどき。


    数日後
    「貴女の指は温かい」眠ってしまう。

    「木彫りの髪飾りを手にとってみたことがあります。彼女以外の女には似合わないけど、1度は飾ってみたいと思いません?」
    「……」召し使いはくすりともしなかった。

     浴槽のなかでまどろみかけている。いつものマッサージがほどこされる。

     目が覚めたときには、まどろみの最中に召使いがしたことにより唇の間から甘い吐息がもれている。




    「何用だ」ヴィック
    「久しぶりです。同じ船にいるのに、なかなか会わないものですね」サーム
    「まあな……」
    「私は戯れ言を言いたがり、心と体は穢れるでしょう。これでも、あなただけは私を避けないで、願いを……」
    「……神嫌いが誰に」ヴィック
    「やっと神になる夢を諦めたか」
    「なりたい」サーム
    「傲るなよ……」
    「……何用だ」
    「夜について、あなたに訊ねたいことが」
    「施しを受けると深い眠りにつくのです」
    ・ヴィックは眠りに抗える小瓶をサームに渡す。

    「あの方に、あなたの3本指がほしいのだと伝えてほしい」
     ヴィックは戸惑う。
    「あの方の指は、温かい……」


     召使いは体を擦り寄せてきた。
     彼女の指が軽くサームの乳房と踊り、彼女の舌はサームの口のなかで跳ねる。
     ゆっくりと気をそそるようにおおききな円を描いた。色褪せた赤薔薇のようだ。
     その手が、サームの赤薔薇を摘まむ。召使いの唇が軽く首を舐める。背中へくだり、尻っぺたを噛んだ。
     それからサームのなかに言いつけ通り3本指が滑り込まれた。どう言いつけたのだろうか。
    「お願いがあるの。時間はたっぷりあると思うの。時間をかけて、」
     毛皮のついたフードを目深にかぶっていて口元しか見ることができない。召使いが、言いつけ通り事に及んだ。



    完全に軌道に乗るまで私はここにいる。
    ドリミアのなかからいろいろ決める。
    ヒュージブルを嫌うドリミアもいる。魔女呼ばわりした。
    「奇跡で金塊はだしたりできる」ヴィックは__から__を睨んでいる。
    サームはドリミアの立場をもっと悪くすると。若いクックが言った。
     ヴィックは口を一文字に結んだ。
    「その通り。女が土地神の注意を引いた」若いクック
    「お前たちに、この穢れた地に根づく伝説を伝えたほうがいいだろう」ヴィック
    「オークの出生をお前は隠すくせに」古いクック
    「オー「手元に置く理由があるか。追放しないのは?ヴィック」若いクック
    「俺が欲しいカードを配る気がする」ヴィック
    「……俺たちに寿命による死はない。きらびやかな日常から切り離された人生は長ったらしく穢らわしい」ヴィック
    「ああ、そうだ。ヴィック、お前ほど穢らわしいドリミアはいないよ。オークの便所になッ――」古いクックはヴィックの手刀をまともにくらい息が詰まった。



    毛皮を縁取るフードつきの外套を羽織る。ランタンを腰にかける。熱い湯を浴槽へ運ぶ。
    「あの方に伝えてほしい。誰かがあなたを裏切るかもと」召使いはサームの唇に口をつけた。目から頬を伝い落ちる滴のように召使いの艶かしい唇はサームの色褪せた赤薔薇をかすり、腹を下った先にある茂みへ行った。

    事が終わる。召使いは背中をキスする。されながらサームがうつぶせに。眠る。少しのあいだ、キスする。召使いが外套を壁にかけて船長室へ戻る。服を脱ぎ捨てる。肩から腰にかけてタロットの絵柄が書かれている。世界がない。
    「……」


    「ヴィック」
    「まだ襤褸を?サーム」
    「……あなたに直接伝えたほうがいいだろうと思って」
    「……サーム?」
    「どこかでお前は、自分はあだ名で呼ばれる人だって言ったそうだな。石という意味を持つ名前で呼びたくない」
    「サリア……」
    「……あるいは星」
     サリアは固まった。召使いの口元から上に、彼女の正体に気づいてしまったかもしれないと思った。部屋で焚いたお香にオリーブの匂い。
    ――あなたを――「知っている」
    「あなたは女性?」

    ベルトが外れ、ズボンが落ちる音。サリアの生唾の音。サリアはヴィックの肩を引き寄せ、見つめた。男だった。
     サリアはぞんざいに、しかし優しく細腰に触れて、ベッドへ誘った。彼に押しつけられ、美景を見た。
     ヴィックのものは、サリアのものとまじりあった。
    「私を愛してるの?」
     ヴィックは首に顔をうずめゆっくり息を吸った。
    「ロスフェンデルがあたえた夜だ」答えながらゆっくり息を吐く。
    ――俺が、どうしようもなくアーエレンに憧れている理由とおんなじだ。※ラデラの予言のひとつ。星王になるのは自分だと。


    木材の激しい軋み音、跳ねる水音、男と女の艶かしい喘ぎ声に部屋が満たされた。
     ヴィックは全身に汗が噴き出しきてきた。滑らかな腰の動きなのに力強い。ヴィックのテルコンが彼女を突く度に、彼女は体をひねり、口を覆いたくなるような切羽詰まった嬌声をあげた。
    ――
    ・何度も達しそうになる。その都度、サリアのなかのテルコンは動きを遅くする。止まりそうで止まらない。
    ・ほとんど堪えられないほどの刺激をサリアにあたえる。

     ヴィックから抜けでてゆくのが感じられた。

    鮮やかな緑色の寝具に裸で絡み合って横たわっている。ヴィックはサリアの頭髪を撫でる。その後、サリアは襤褸に着替えた。ヴィックは後ろから近づき腕を腰にまわした。着替えたばかりの服を脱がせた。
    「綺麗な服を着ないのか」ヴィック
    「……オークが来たら襤褸になる」サリア
     背中を撫で丁寧に編まれた髪の束を撫でる。頭を反らさせ額にキスをする。それからヴィックは彼女の唇を長いキスで塞ぎながら、テルコンを彼女の体の中に押しこんだ。
     

    ・隣国がいつ攻めてくるかわからない緊迫した状況。
    ・サリアは隣国をヒュージブルで浄化したがった。
    「お前は『オラクル』を舐めすぎだ……本当に人ならざる者になりそうで怖い」ヴィック
    ()
    ・ドリミア王国の頭首を決める。
    ・ヴィックは、クック・ロビンを統率してきた。クックの王国の首領には、選ばれない。あたらしい頭が誕生する。ヴィックにとってかわることを意味する。頭がヴィックを封牢にぶちこめと命じれば取り巻きはそうする。
    ・頭がサリアを魔女と呼ばわる。
    ・頭はヴィックがサリアが本物の魔女になってしまうと恐れているのを知っている。このドリミアは魔女の起源を知っているが実際には見ていない。
    「お前は見たか?俺が見たんだ」ヴィック
    「あなたも、にこにこしていた時間を送ってた日常があると思うの」
    ・ヴィックは笑顔を作らない。サリアの頭髪を櫛でとかす。「落ちつかない」
    ・手先が器用なヴィックは色々な結びをサリアに教えた。彼が当たり前のように知っている編みの種類を知らなすぎた。
    ・ヴィックは悩んだ。隣国と交渉はできないな。

    「月読国へ送ってやる。ここにいるとまずい」
    ・ヴィックは彼女を月読国に還したい。
    「四ツ国すべてをドリミアのものにすれば」
    「隣国は取り込むつもりだった。力をつけられては面白くないから潰したい。野心とはそういうもの」
    「残りの国を滅ぼす。土地神を殺す」
    ヴィックは凍りつく。
    「あなたを破滅に追い込む敵を」サリア
    「魔女がどう誕生するか知りもしない」ヴィック
    「私は、そんなもの目指してないわ。私は神に成るのよ」サリアはぎこちない笑顔を作った。
    「あんたは何もわかっちゃいない」ヴィック
    ・ヴィックと口論をしてサリアは船を飛び出す。


    低くお目木叫ぶ風の音、暗い夜空に__を撒いたかのような星ぼし。動くものはなにもない。王国から南西の山々から街の灯りを眺める。東には小森がある。動く灯りが遠くに見える。隣国の巡回兵士だ。

    ・サリアは隣国の領地へ踏み込む。避難民を装い……サリアは灯りを見失う。ヴィックの声がした。
    「……ヴィック!来てくれたのね、嬉しい!」振り向いたとき槍を腹に突き立てられる。羽交い締めにされた。「うっ」
     ドリミアに扮した巡回兵士だった。人間の長身の少年だった。
     何度も突き立てられる。ダイヤモンドの騎士の魔法が効いているから。何百回も。
     走って子供の巡回兵士たちから逃げる。神のお告げか。
    崖から落ちた。落ちた先の傾斜に転がっていった。必死に掴もうとした。
    サームは痛みにたまらず泣いた。彼に編んでもらった髪が崩れている。バレッタがない。解きながら痛む足を引きずって歩いた。
    ――自分ではあのように編めない。
    隣国は山に野犬を放つだろう。
    王国から北は湿地。不快な湿地。湾岸沿いの街道まで行き北へ行けばアスマイダス大陸に繋がる橋がある。
    オーク海賊が頻繁に使っている。

    尻で斜面を滑りおりた先は檻だった。オラクルには抗えない。入ってしまった。檻のなかではリムが使えなかった。隠れていた兵士が姿を現した。運ばれる。


    四ツ国大陸の中心に山脈がある。山脈の北にある街は
    人が消えた街を檻を担いだ男たちが歩く。毛皮のフードを目深にかぶったサリア。魔女!の罵声を浴び、汚いものを投げつけられた。サリアは思った。ヴィックは本当のことしか言わない。

    ・王国は南端の山脈に抱かれる。

    ・国王は野心に満ち溢れる。サリアは献上されたのか。謁見ではない。

    「残念ね。違うの。あなたは神に成らない。あなたは母になるのよ」
    「魔女の」
    「オルクスは私が産んだの」ラデラ
    「神殿に奉られる山神は偽りの神。ここにあのような神などいない。いるのは私」「ラデラ」
    ・彼女の領域に拐われる。世界が赤く塗りつぶされる。「私は魔女にならない!」サリアが叫んだ。
    ・突如宙吊りにされた檻。赤い壁と赤いマグマの床からマグマのヘビがのびてきた。
    ・サリアはマグマのヘビに呑み込まれようとしていた。走馬灯を見る。二人、三人が自分を犠牲にしてまで救ってくれた体を、私は手放すの?あのときに感じた生への執着は――?
     水蒸気があがる。サリアは蛇に抗えず飲み込まれたが蛇のおがあるはずの場所にある蛇頭から吐き出された。サリアがマグマに落ちる前にラデラが掴む。ラデラはもう片方の手を差しのべる。
    「諦める?」ラデラ
    ・サリアはラデラの手を掴まない。ラデラはマグマに突き落とした。サリアは蒸発した。
    「魔女なんかつくらない!!」今度こそサリアはヒュージブルでマグマの床を埋め尽くした。
    ・ラデラは言った。「あなたは子を成すわ。私、夢に見ているの。あなたが私の膝元で子作りに励む姿を」「水の神殿で」
    ・「変な想像をしないで!」サリア

    ・ラデラとサリアを戦わせる。
    ・ヒュージブルを盾にするがラデラはヒュージブルを造り変えることができた。サリアはヒュージブルに噛られ喰われた。「ストーミー!!……ストーミー!!」
    ・サリアの魔女が誕生する。水の怪物。巨大なヒュージブル……
    ・ラデラは呆れる。またそれ?と


     あなたは水先案内人になりたいの?残念だけどなれないの。










    【ヴィック】

    ヴィックに逆らっていたクック・ロビン頭が一足遅れて隣国に辿り着いた。ラデラを探す。

    ・ラデラの領域へヴィックは既に入っている。門番に勝たなくてはならない。ヴィックは力を取り戻していない。
    ・ヴィックが門番を倒す。

    ・クックの若いドリミアがヴィックに訊ねた。「あんた、何者なんだ?」
    「俺はアーエレン」
    ※厳密には違う。星王は彼の夢。




    ・ラデラからサリアを盗む。
    ・サリアを担いで逃げる。始終サリアの造った(ラデラ改造)柱のような太い触手ヒュージブルがでてきて追いかけてくる。

    ・サリアとヴィックは力をあわせて怪物をつくりながら領域を脱出する。

    ・最後にラデラ自身が道を塞ぐ。
    ・サリアは生への執着を捨てた。ラデラを抱き締め、あのヒュージブルのみが待ち構える深淵。漆黒の深い渦へ閉身を投げた。


    ・ヴィックとクックはラデラの領域から命からがら脱出する。頭に言った。
    「ストーミ・ヴェナブルス・ヴァーノン=ハーコート=ホールとモルドゥオン・カタクリを連れてこい!!」あまりの気迫にクック頭ははじめて神を恐れ、ヴィックを恐れた。


    ドリミア王国は、オーク海賊の区域を持っていた。オークは山に鉱石を掘る。だかその区域は直ぐに廃れた。
    ・多くのドリミア族が新大陸へ航ってくる。
    ・新しい海路を開拓しなければいけなかった。

    ヴィック率いる【クック・ロビン】は二つに分断された。遠からずの山脈に集落をつくってひっそり暮らすヴィックと行動を共にするグループは、一人しかいない自分たちの頭を尊重する。
     
    ・その頭が言った。グワイマカールやモルドゥオンが街に来ると。

     オークの奴隷商人どもがグワイマカールの子供を殺しちまった。愛人も殺してる。月読国では『クック・ロビン』から運よく生き延びた小男と女がドリミア盗賊団クック・ロビンに囚われ利用されたと主張し、実際に、この街をドリミアが制服した後に、錬金術師が来た。幸い、その後、モルドゥオンは、サリアが指輪を渡した避難民から詳しい経緯を聞いた。
    ・モルドゥオンのテリオンの怒りはドリミアからオークへ向けられた。
    ・キレたモルドゥオンを間近で見たくない。





    ・モルドゥオン・カタクリの元に絵巻が運ばれた。四ツ国を襲撃するサームが魔女のような姿で描かれている。顔半分ゴーストだ。無慈悲な表情だ。

    ――ギルの快晴はたちまち暗雲に覆われた。水面には得たいの知れないものがのたうち、人々は水面に呑み込まれた。クックは黒魔術を恐れ、魔女を追放した――
    ――×日、隣国が黒魔術によって殲滅した。クックが駆けつけた時には自然豊かな土地へ変貌していた。民の姿は見受けられず王国は地図から消えた――

    ・ドリミアの商人は警戒心が高く、取引相手としか顔を合わさない。
    ・四ツ国大陸があるのに見えない。またポートキーのような、魔法の作用が必要なのか。モルドゥオンは思った。
     水夫が言った。「駄目ですね。口を割りません」捕らえたオーク海賊は口を割らない。
    「俺がやる」モルドゥオンは蹴りつけるような覇王色の覇気を感じさせつつ、活力の失った冷たい眼差しをオーク海賊に向けた。
     オーク海賊頭を鷲掴みにして目前に。頭蓋骨が割れるが、意識がとばない程度に。海賊は喋る気がない。次はもう少し強めに握る。パキペキ音が鳴った。喋る気にならない。オークは潰されて頭を無くした状態で海に投げ捨てられた。眼前に広がる海のもずく……
    「……」水夫とオーク海賊はガタガタ震えた。
    ・「厄介な仕掛けがある」とモルドゥオンは言った。

    ・神々のテリオンカードは月読み国が処分した。
    ・意図せずともサリアは月神に貢献している。
    ・ミアから聞いた。彼女の想いを。
    ――彼女は何者になろうとしている?恐らく神が望む者だ。

     無言で捕虜の頭を鷲掴みにする。
    「ひぃっ、す、こ、すっ、そ、す――」突然握りつぶした。甲板に立ち並ぶオーク海賊たちが死の恐怖に満ちている目を浮かばせた。
     モルドゥオン・カタクリが言った。「西へ舵を取れ!」残りのオークを土竜がなぎはらう。
    「進め!」モルドゥオンの後に水夫が続いた「進め!」



    ・シン・シティ

    ・仮面が通路を歩む。
    ・部屋の中を逃げ惑う悪党。
    ・弓矢に倒れるオーク。背中に戒律を刻む。彼の刃は骨を断ち切る。
    『ぎゃあ!ストーミだ!』居合わせたオークでない悪党は胸を撫で下ろした。そして静かに逃げた。
    ・モニターから謎の声が聞こえた。オークの声だ。
    「お前の女は生きたまま四肢を切断された。その状態で何をされたと思う?強姦された。生きたまま串刺しにされ、最後は顔を斬られ海鳥の岩場に破棄された」
    「お前が狩りを始めたと聞いてな。あれを取りに行ってきたんだ」
    ・愛雛の髪の束を見せた。ストーミの短剣を持つ手が震えた。
    ・肥えすぎのオークは火をつけ床に捨てた。燃えていく。

    ・現場の写真がモニターに映る。ストーミは膝をついた。息ができない。苦しい。次に子供の現場。

    「……ま……えらは……ど…の…………え……て」

    ストーミは雄叫びをあげモニターを破壊した。泣き叫んだ。部屋中を荒らした。顔半分の魔女の顔は泣いておらずつまらなそうな表情を浮かべていた。
    ・さっきの悪党にようのあるヒーローが入ってくる。ドン引きする。
    ・ストーミはふらふら部屋を出る。

    ・シンシティの腐った景色。モル・ドゥアより退化していて暗く酷い社会。富裕層(特にCB)にしかメリットのない社会システム。


    ヒーロー共同部屋へ帰る。素顔のヒーローがドン引きする。
    シャワールーム。シャワーが壊れたらしい。シャワーヘッドを壁に投げつける。部屋から出て、悲痛な雄叫びをあげる。2回、3回。

    ビルのへりに立つ。とても悲しい。

    手摺りにふと映りこんだ彼女の顔も悲しみに溢れていた。
    幸せとは程遠い場所にいる。そんな顔だ。


    「復讐したら余計に辛くなる……」平たい顔をしたやや肥満体の子供が呟いた。暗い声だ。
    自分かカタクリか彼女のファンだ。愛雛の小説を持っているし、最新の情報が描かれた絵巻もある。ここは少女の根城だ。
    「人様の部屋に勝手に入ってしまったようですね。申し訳ありません」子供のまえだ。平静を取り繕う。
     少女は不器用に微笑んだ。
     ノートが散乱していた。少女は耳の取れたクマで隠した。
    「ちゃんと食べてますか?」
     少女はうなずいた。
    「いつか読ませてください。ハッピーエンドがいいな」
     少女の頬は赤く染まった。はにかんだ笑窪が可愛らしい。
    限界だ!
    「ちゃんと戻ってきてね!ヒーロー!」
     ストーミは階段を下りるなり口に手を当てて涙を流した。
    ・車に乗る。無免許だが。シンシティを去る。限界だ!!!
     




    「船がとられる?」カタクリ
    「……か、舵が重い!」水夫
    「ふ、船がとられる!!」水夫
    「引き返せなくなりますっ」水夫
    「!!」海水の縦渦
    ・戦神というヤツは、均衡が崩れている土地を肌で感じることができる。
    「違う……そっちじゃない!」進路を強引に変える。

    ⚠️⚠️⚠️⚠️⚠️
    🐱🐥🐹🐶以後気に入らない展開なので消去。加筆中
    ⚠️⚠️⚠️⚠️⚠️


    ・モルドゥオンは彼女の気配のする山へ歩を速めた。ドリミアの一団を見かけた。先頭にいるやつは件の。
    ・モルドゥオンはヴィックの目の前に降り立つ。
    ・クックはモルドゥオン・カタクリを実際に見て想像以上にでかいのと陰こそ差しているものの威圧感たっぷりの眼差し、覇王の貫禄に圧倒されている。ヴィックはなに食わぬ顔で彼らの前に立った。
    ・サリアは女神になりたいそうだな。とモルドゥオン。
    ・ヴィックが案内する。サリアは隣の大陸地下に宮殿を拵えた。
    ・モルドゥオン・カタクリは驚いた。海楼石の宮殿なので、『悪魔の実』の力は使えない。
    ・迷宮の通路が自分にはあまりにも狭すぎたため周囲を餅化して進もうと思ったが。――サリアが自分を拒絶している。

    ・モルドゥオンは手紙を書いてヴィックに持たせた。いまでは貴重なスマホを持たせ写真をとるように言った。――茶会を開くので来て欲しい――
    ・戻ったヴィックからスマホを受けとる。サリアの後ろ姿が写っている。返答だった。ヴィックは言った。彼女はすっかり自信をなくした。四ツ国全てを……制覇するまで続く。だから……先に奪っちまおうか?
    ・諦めずに招待状を送り続けた。


    【ストーミ】
    月読国の広場の演説者がモルドゥオンの安否を報じた。広場がざわつく。オーク海賊残党が息を吹き返した。同時に新大陸の情報をもたらした。

    二人は再会を果すか。モルドゥオンは四ツ国の魔女を滅ぼす運命にあるのか?絵巻にはふたりのロマンスの情報が載っていた。体を絡めている図を見た貴婦人が恥じらい赤く染めた頬を両手で覆った。心配する婦人たちに絵巻を隠され事情のよくわからない乙女たちが集い情報収集をする。
     ストーミの姿を見て気を悪くするもの。 顔半分を見るもの。ミア。

    ・ストーミはとりあえず、私室へ戻り、風呂に浸かり体の穢れを取った。
    …………心の穢れを取り除けなかった。
    背丈5メートルのモルドゥオンと小柄なサリアが、果たして子を成す作業に満足できるのか不思議で仕方なかった。※ストーミ自身はサリアを一度も抱いてない。
    ・部屋にドアを叩く音。アレックスだった。「ミアを知らないか!」



    ミアは「シセロが実は優秀よ……。水先案内人を救助したいの。彼女はストーミを連れていくために月神様が拉致したのよ!」って言った。
    シセロは吃驚するほど従順なやつだ。ストーミはきつく言ったかも知れない。ミアは自分のやりたいことがわかったら、引き止めるのは難しい。

    ・ストーミは言った。今度こそは駄目だ。「命を粗末にしないで」と言った。
    ・シセロとバイバイさせてアレックスが待つ部屋まで送る。
    ・ミアはストーミがサリアを切り捨てたことをよしとしない。
    ・少女が言った「そうだよ!ハッピーエンドじゃない!」シンシティの少女。正気を取り戻したストーミが引き返して保護をした。いまはアレックスが面倒を見ている。
    「……そうかもしれない」この顔半分を消すことは不吉だと世間では云われている。

    ⚠️⚠️⚠️🐈⚠️
    🐱🐥🐹🐶気に入らないので消去。加筆中!
    ⚠️🐈⚠️⚠️⚠️

    ・モルドゥオンは無理をして海楼石の迷宮を進む。

    ・サリアは再会を拒むようにくねった太い幹の樹木を生やし、歩を阻もうとした。モルドゥオンに簡単に引きちぎられる。
    ・モルドゥオンは甘くなく翔ぶように幹を蹴って進んだ。むしろ歩は何倍にも早まった。サリアはリムで行く手を塞ごうとした。
    ⚠️⚠️⚠️⚠️
    🐱🐥🐹🐶加筆中
    ⚠️⚠️⚠️⚠️
    ・サリアを見かける。※ロスフェンデルはサリアを作るさいにチャプター・イレブンの【ブルー・オイスター・カルト】みたいな効き目。贈り物をサリアに入れた。チビリを嫌っていたストーミ、興味がないモルドゥオン、ヴィックがサリアを好きになったのもこの贈り物のおかげ。
    ・力ずくで幹を押し退ける。幹の隙間から覗く。サリアと目が一瞬合った。
    ・サリアは生成した湖の中に身を投じ逃げた。彼女は怖がった。モルドゥオンは水中に潜った。そして湖の水ごと地底に落ちた。サリアの行き当たりばったり生成のせいで。
    「おまえが、望まないことはしない……」

     岩の上で彼女は倒れている。彼女は強く目をつむった。フィアンセでありながらとんでもないことをしたので、怒られると思っていた。モルドゥオンはそっとつぶさないように覆い被さった。岩が落ちて背中に当たる。ガラガラと転がる大岩。
    ・ドリミアに着せてもらった毛皮のドレスがあっという間に埃まみれになった。お互いの埃まみれの顔を見つめる。モルドゥオンが手のひらをサリアの顔にそっとあてる。息を吹きかける。
     まだ大岩が落ちてモルドゥオンに直撃する。
    「指輪を持ってきた」
    「考える時間が必要というなら待つ……」モルドゥオンが柔和な表情を見せた。サリアはどきりとした。
    ・出会えたこと、青い丘で幸せな一時を共にしたくらいで満足した。彼も心の片隅で神には敵わないと感じ、先がないことを諦めている。
    ・サリアは振る。

    「あなたは、どれ程の罰を受けたと思う?」

    「…………いいことを思いついたと思ったの」
    「あなたたちの駒じゃないって言うためよ……」



    ⚠️🐈四ツ国の最後の砦を奪う話。
    ・モルドゥオンは誘拐してでもサリアを連れて戻りたい。









    ねず🌚 Link Message Mute
    2024/11/25 2:01:14

    MOONEYES――Ladera――

    先に『VIXI』と『Power Artifact』をある程度まで進めないと『Ladera』の加筆はできないだろうなと思っています。
    この物語は加筆まえの段階にあります。
    まえのふたつの物語の展開次第でおおきく改変されるのだろうと思っています。
    『VIXI』は〘R18G〙でのみ閲覧可能です。右上から変更可能。

    more...
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