第3話 【はじまり 其の3】 せかへい 外伝24
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第3話
【はじまり 其の3】
ヤマブキは身動きが取れない。しかし、地面に寝そべったまま、イングリッドとグラオスに向けて弾丸を放った。
二人は弾丸を防いだり回避している。
「無茶しやがる……」
グラオスはマントを高質化させてヤマブキのことを睨んだ。
イングリッドは重力魔法を使い、空中を飛び回りながらヤマブキの弾丸を避ける。
近くの木も倒れ、二人が近づけずにいると……。
森の奥から巨大なモンスターが現れた。それはゴブリンをそのまま巨大化させたようなもので、人型であるが緑色の皮膚を持ち、牙を持っている。
だが、身体の大きさはゴブリンの十倍以上、一階建ての家と同じくらいの大きさである。
「こいつは……」
グラオスはそいつを見ると驚く。イングリッドはグラオスに近づくと、
「このモンスターが討伐依頼とあった巨大モンスターだな」
そう言った。
ヤマブキもそのモンスターの登場で攻撃を止める。
グラオスはモンスターを警戒すると、
「その女は後だ。先にこいつを討伐する。手を貸せ、イングリッド」
「分かっている。このために来たんだ」
二人はモンスターと対峙した。
巨大なモンスターは手に金棒を持っており、それを持って襲いかかってきた。
イングリッドは空へと飛び上がる。グラオスはその場でマントを広げた。
モンスターがグラオスに向けて金棒を振り下ろす。グラオスはマントを広げて、マントで自分の身体を覆い隠す。
布で金棒が防げるはずがない。しかし、
金棒はマントに弾かれた。
だが、この光景はさっきもあった。グラオスはマントでヤマブキの弾丸を防いでいたのだ。
「俺のマントは鋼鉄よりも硬い」
モンスターは金棒が弾かれて、身体をよろける。その隙にイングリッドは空へ飛び上がると、ふわりふわりといつも間にかモンスターの頭上にいた。
モンスターの顔をイングリッドは二度蹴る。
蹴られたモンスターは顔を金棒を持っていない手で抑えて後ろによろめいた。
イングリッドは一度グラオスの側に降り立つ。
そしてグラオスに聞く。
「こいつ、私たちが出るほど強いか? 私たちが出るほどでもないと思うが…………」
グラオスもそれに賛同したようで、
「ああ、これなら水晶(クリスタル)でも対処できる」
そう言った。
冒険者にはランクが存在する。冒険者としても貢献度によってそのランクは上がる。
下から
水晶(クリスタル)
翠玉(エメラルド)
紅玉(ルビー)
蒼玉(サファイア)
白金(プラチナ)
剛金(ダイヤモンド)
だが、その称号を得ることができるものかなり難しく。70パーセント以上が称号を得られない。
選ばれた30パーセントの冒険者が称号持ちとして戦っているのだ。