第8話 【はじまり 其の8】 せかへい 外伝24
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第8話
【はじまり 其の8】
グラオスに襲いかかるモンスター。それを止めたのはヤマブキであった。
「貴様、なんのつもりだ!!」
グラオスが聞くとヤマブキは腕を元に戻しながら答えた。
「ココハ共闘スベキト判断シメシタ。ソレダケコノモンスターハ脅威ニナリマス」
グラオスは嫌そうな顔をしたが、すぐに決断した。
「仕方がない。手を貸せ!!」
グラオスはヤマブキと共に戦うことを決める。
「イングリッド、こいつの手も借りる」
グラオスがイングリッドに伝えると、
「聞こえている。足を引っ張らせるなよ」
そう答えた後、手のひらに小さな魔法陣を手のひらに展開すると、小さな竜巻を作った。
重力で作られた磁場の竜巻。風ではなく、引力がぐるぐると回転しており、真ん中では電気が発生しているのかバチバチしている。
イングリッドはそれをモンスターに向かって放った。最初は掌サイズだったが、モンスターに向かって飛んでいくにつれて大きくなり、最終的にはモンスターを覆うほどの大きさになった。
しかし、モンスターはダメージを受けている様子はない。
そしてモンスターはその攻撃を受けていたというのに、その竜巻から簡単に抜け出して、イングリッドの方へと飛んでいく。
イングリッドは空中を浮遊して逃げようとするが、モンスターの動きの方が早い。
モンスターが追いついて、イングリッドに攻撃をしようとするが、モンスターの背中をミサイルが直撃する。
ミサイルはモンスターに当たると爆発して、そのままモンスターを地面に叩きつけた。
グラオスはモンスターの元へと走ると、モンスターの頭上に飛び、空気を固める。そして長方形の空気の塊を作ると、モンスターに落とした。
その数は二つ。グラオスはその二つの空気の塊に足の乗せて立つ。体重でモンスターを抑えた。
だが、グラオスの体重だけで抑えられるはずもなく。モンスターが立ち上がろうとすると、グラオスはふらつく。
「おっとっと……」
グラオスはジャンプして地面に着地した。
モンスターは立ち上がる。やはりダメージを与えられている感じはない。
「何か弱点を見つけないと、どうにもならないな……」
グラオスはモンスターを見ながらそう言った。
「弱点デスカ……」
「弱点だな」
ヤマブキとイングリッドも考える。しかし、このモンスターにはどれだけ攻撃しても手応えがない。本当に弱点なんてあるのだろうか。
「しかし、やるしかないよな……」