惑星国家間戦争してる世界観BLワンクッション‼️
腐女子、腐男子向け。
耐性ある方どうぞ〜
戦況は絶望的。最後の決戦は明日。それでも、何故か心は不思議と晴れていて。
「司令官、私はこの戦艦に配属される以前よりずっと昔より貴方を存じ上げておりました。
貴方は覚えてはいらっしゃらないでしょうが…。
それでも、私はあのひと時の交わりを、貴方に救われた、あの瞬間を忘れたことはありません。
貴方について行きたい。貴方の盾となりたい。貴方にいつかのご恩をお返ししたいと、ずっと、ずっと、それを胸に心の頼りに、ただひたすらここまで走り掛けて参りました。
たとえ、この想いが一生叶わずとも、伝えられずとも、この気持ちを秘め留め、貴方のお傍に最期の時まであれたならば…と。
しかし、もう、こうして明確な死を目の前にどうしても…自分を律することが、抑えきることが出来ませんでした…。
どうか、愚かな私を軽蔑してください。
ーーー貴方のことを、心より、愛しています。
この身が、瞬きの間であったとしても、貴方の、この戦艦で共に戦っている戦友たちの盾となれることが…何よりも誇らしくうれしいのです。
…ッ!
お先に旅立つこと、失礼致します…ッ!
どうか!戦友たちの!貴方の勝利への礎とならんことを…!!敵艦を1隻でも道ずれにしてご覧になります…ッ!!
…貴方の後ろで、貴方の観る景色を、その御姿を、その武勇と偉業を共に眺めることができて良かった…ッ!
どうか、ご武運を!!!」
ザッと席を立ち、一斉に敬礼をする武官や技術者、指揮官一同。
中には涙や嗚咽の声も。しかし、決して俯きはせず途絶えた映像回線を見つめ続ける。
無言を貫く最高司令官。
若くして今の地位まで上り詰めた天才にして英雄。常勝無敗を貫き、幾度の戦場を乗り越え、國を守護し、敵国に名を轟かせ畏れられてきた怪物将校。
その後ろには常に控え、彼を支え、戦場を共にし、時には戦略をめぐり激論を交わしたり、束の間の安寧を酒を酌み交わした無二の友。
その奥に秘められた熱情を、最後まで知ることは決して無かった。少しの気配すら感じさせなかった。隠し通した。
敗戦濃厚な最中、まさしく背水の陣。後方には味方なし。護国最後の砦。
しかし、決して沈みきった暗い空気ではなかった。
君が変えてくれた。君がその身をかけてその命で持って稼いでくれた、この時間。
決して無駄にはしない。
必ずや賊軍のその喉元に喰らい付き、その身を喰い破って見せよう。
私たちが誰なのかを賊軍に知らしめてやろう。
熱が伝わってゆく。恐怖感や悲壮感を抱く者など、そもそもこの艦には1人とていない。
高揚感はあれど、恐ろしく冷え切った頭脳と心を遠くより眺めている自分がいる。
あぁ、そうか。そうだったのか。そうだったのだ。今更。君を。
ーー左様なら、我が愛しの友よ。愛する君よ。
言えずにいた、その言葉を噛み締めて。
冷静でいて、冴えきった、良く通る低く、そのいっそ威厳と人情味を含んだ鋭い一声で。
ずらと並び立つ直属の部下一同、リモート映像画面先の属艦司令官たち、その全ての視線を物ともせずに。一人一人の顔をじっくりと見渡しゆっくりと頷くと、腕を振り上げ指揮を取る。
【全艦隊に告ぐ】
ーーーいざ、血戦の鬨だ。
あとがき
なんやかんやあって、すっごいどんでん返しがあって勝っちまくって戦況ひっくり返して壊滅寸前までに追い込んだり。
なんやかんやなんとか生きてた主人公。影の大活躍者。めっちゃくちゃ吉報なのに、この後どんな顔で会えばいいのかとか、俺って本当にどうしようも無いやつだ馬鹿阿呆間抜け今更どう取り消せばいいんですか?!?いや取り消さないけれど?!?いやむしろ取り消し用がないけれど?!?(いろんな感情が混ぜこぜになった涙)
って死亡フラグの行動を振り返ってもんどりうってる。
もんどりうってるって言葉あってる??
違う気がする。
周囲はみんな暴露しちゃったせいで知っちゃってるし、もう口止めしようにもできない広範囲に色んなところに知れ渡ってるし、上司の顔色とか声音とか雰囲気とか関係性が全然前と変わらないし…
私どうすればいいんですかッ!?!?!状態になる話。(公私別)
おわれ