エルフさんに女子高生は無理っぽい黒雲が垂れこめ雷鳴がとどろく空の下。
それにピッタリなイメージの邪竜の城。
たまには晴天でもいいと思うけど悪の城ってなぜかいつも天気が悪い。洗濯物乾かなくて大変だ!
姫をさらった邪悪なレッドドラゴンが住むこの城の中で、悲鳴の後になにかを砕くようなボリボリという音がひびく。
テレビ「キャーッ!!!」
エルフさん(以下エ)「うわぁ…メッチャ怖いわ…」
邪竜の城、台所脇のリビングでテレビを見ながらエルフさんがボリボリとポテチを食べていた。
画面は週末の洋画だろうか?
かなり低予算でチープなホラー映画だが、エルフさんの表情を見るとそれなりには怖いらしい。
本当に怖かったら「メッチャ怖いわ」とか言えないけどな!
エルフさんはさらわれた姫を助けるためにレッドドラゴンを倒しに来た冒険者だ。
髪長くてヒラヒラした服を着てるから女の子みたいに見えるけど「男の子」だぞ?
ドラゴンさん(以下ド)「何、人の城でくつろいでんだよ…。」
と注意しに来たものの、気がつくと自分も一緒にテレビを見ていたりするのがこの城の主。
邪悪な竜ことレッドドラゴンだ。
その手に汗握る死闘は
こちらにあるのだが、訳あって討伐は中断。
しばしの休戦期間を寝転がってのテレビ鑑賞で過ごしていた。
ところがエルフさん、容赦なく城の備蓄であるお菓子を食う。
既にポテチだけでも3袋目。
そんな遠慮の欠片もないエルフさんには我慢強くて温厚なドラゴンさんもそろそろ限界だ。
エ「邪悪なのに、なんで我慢強くて温厚なん…。」
至極もっともなツッコミを入れつつ振り返ったエルフさんが最後に見たものは、16トンと書かれた巨大なおもりの底だった…。
ズズーン!
-----終了-----
ええっ!?マジ?
うそ♡
お話はもうちょっとだけ続くんじゃ。(←この書き方もなんか嘘くさい…なぜだ?)
エ「はっ!?」
ド「目覚めたか…。あ、死んでないから。失明もしてないから。ただのスリープだって。」
エルフは元々睡眠呪文効きにくいし、エルフさんはスリープが効かないレベルだけどさ、16トンのおもりへの耐性はないよね流石に。
あんなん当たったら普通は永遠に寝ちゃうよ。
で、目が覚めたエルフさんは自分が縛られていることに気がついた。
それもちょっとエッチな感じの縛り方だね♡
胸のところとかおっぱいが強調されるようになってたりする。あれば…だけどね。
こんな縛られ方を見るとドキドキしちゃうけど、極めて残念なことにエルフさんは一応男だ。
当然おっぱいもない。ショボーン。
エ「…なんで一応ってつくのさ…」
ド「解説に突っ込まないの。なぜ縛られたのかわからないという顔だな。ふっふっふっ。」
よくある展開だよね。教えてほしければ云々ってやつ。
…でもドラゴンさん、変態だからただ縛りたいだけかもしれない。その可能性も大。
それともひょっとして自分の胸に聞いてみろってやつか?
エ「…冷蔵庫の中の限定プリンを食べたから?…とか?」
ド「ちが…なんだと!?犯人はおまえか!」
ドラゴンさんの悲憤で比較的和やかだった場の雰囲気が凍り付く。冷蔵庫だけに。
我ながらギャグも寒い。
でも人を縛り上げておいて和やかな場ってなんだ?
ド「いずれこのことは決着をつけねばならぬであろうな。だが、おぬしのテレビ鑑賞を中断し縛り上げたのは…やってもらうことがあるからだ。」
エ「いや、頼みごとがあるからって、いきなり縛らんでしょ?普通は…」
ド「余は邪悪なるレッドドラゴンである!ゆえに何かを頼むのではなく使役するのだ!そして何をやらせるか、だが…!」
そういうとドラゴンさんはポーズを決めてサンプリングマシーンのスイッチを入れた。
ババーン!衝撃的なクライマックスを告げる効果音!
外の雷鳴と稲光、そしてドラゴンさんの決めポーズ、映像音響ともに効果抜群だ!
ついに明かされる衝撃の真実とは?
ド「おまえに女子高のイベントで薄い本を買ってくる任を与える!」
エ「はぇ?」
そりゃ縛らんと逃げられるわな。
一般人にはかなりな羞恥プレイ。
そっちの趣味がない限り上級冒険者でも困難なクエストだ。
-----次回、ドラゴンのクエストをお楽しみに♪-----
さらってきた姫に影響されて、最近そっちにも目覚めはじめたドラゴンさんのたっての望み。
それは18禁表現のある腐女子向けの薄い本を女子高のイベントで買ってくることだった…。
その困難な任務を達成するため、エルフさんに白羽の矢が立ったのだ!(刺突系)
ビジュアル的には16トンのおもりが直撃したんだけどね。(打撃系)
エ「で、ボクに女子高生に化けて買いに行けと…姫に買いに行かせたらいいじゃん。」
ド「姫はサークル参加なので忙しく、自前の買い出しは難しい。」
エ「…姫って…そこまでハマってるんだ…」
前回、姫にそう言う趣味があるとは聞いていたけれど、そんな深く沼にはまっているとはね。
それをさらってくるドラゴンさんと、助けに来たエルフさんの立場ってなんだろうな。
かかっていたのは王国の平和ではなく、次のイベントの新刊だったとは…。
ド「しかも余は人間に化けるとダンディな紳士になるのだが、厳格な女子高ゆえ男というだけで入場を断られるのだ。」
エ「え…と、厳格で薄い本のイベントやる女子高と、それを欲しがる紳士のどっちにツッコミ入れたらいいんだ…?」
どちらかを選ぶ必要ないだろ。どっちもおかしいぞ。
ド「とうわけで、まずはビジュアルからだな…おまえ、女っぽく見えるから姫から入手したセーラー服に着替えさせれば行けるだろう。」
ドラゴンさんは邪悪な笑みをうかべて低くうなった。
どう見ても男の子に女装させて喜ぶ変態さんの笑顔に見えるのは…気のせいではない気がする。
あ、爬虫類系の笑顔がどんな顔なのか悩んだらダメだ。ラノベ読めないぞ!
エ「なんかとってもピンチな感じ…。」
絶体絶命のエルフさん。
このままでは無理矢理セーラー服を着せられてしまう!
エ(でも、セーラー服ってかわいいよなあ…)
エルフさん、実はかわいいものが大好き。
城に乗り込んできたときもリボンついてたしね。
でもそれだけなら男にしては軟派な好みで済むけど、その一線を越えたら変態まっしぐらだぞ?
この危機をどう乗り越えるのか!?
ド「ふはははは…エルフよ!暗黒面に堕ちるのだ!」
エルフさんの心中を見透かしたようにドラゴンさんが勝ち誇る。
悪…いや、変態に染まらぬ者などいない。
さあ、エルフさんよセーラー服を着るのだ!
エ「でも、縛られてたら着替えられないよ…」
ド「あ。」
-----次回、エルフがセーラー服に着替えたらをお楽しみに♪-----
ド「…というわけで仕切り直しだ。縄を解いても逃げられないように呪いをかけておいた。」
エ「呪い?」
ド「逃げると一生、靴下の片方が裏返しになる呪いだ。」
エ「…地味に嫌すぎる…」
縄は外してもらえたものの、エルフさんの表情は本当に嫌そう。
昼寝中にピンポン鳴ったので玄関に出たら訪問販売だったときの顔。
そんな恐ろしい呪いかけられたらちょっと逃げられんよな。
だからといって、簡単に女子高生にされていいのか?エルフさんよ?
エ「わかった…。とりあえずはこれ着たらいいんだな?」
…あっさり着るんかい!
エルフさんは用意されたセーラー服と小道具一式を確認する。
エ「ストッキングまで用意してある…ルーズソックスとかじゃないの?」
ド「いつの時代の女子高生だよ!?それに流行関係なく黒ストッキングは余の趣味で譲れぬ!」
ドラゴンさんって割と正当派♪
エ「M3機関銃はないんだ…。」
ド「別に薬師丸ひろ子になれとは言っておらぬが。」
エ「このメッシュのパンティみたいなのは?」
ド「スイムサポーターだ。そいつを下着の下に履け。これで股間のモノは目立たん。」
エ「胸はカップを縫い付けたブラジャーか…なんかストップ‼ひばりくん!みたいだね。」
ド「それな、さっきから気になってなっておるのだが、お前のネタ…ちと昭和すぎぬか?」
エ「え?」
ド「さっきの”最後に見たものは”だって戦場漫画シリーズだろ?化けるからにはもっと現代のJKしろよ。バレるぞ?」
エ「え?16トンのおもりを使う奴に人のネタを古いとか言われたくないわ…。」
悲しいほどに昭和レトロな会話を交わす一人と一匹。
どっちも長命種だからね。話題もネタもインド人もビックリなレベルで古い。
ちなみにエルフさんのキャラクターシートは赤箱付属の新和版だ。
だが、今回はドラゴンさんの言うことに一理ある。
身バレして困るのはドラゴンさんではない。
潜入するエルフさん自身なのだから。
-----次回、エルフさんの生着替えをお楽しみに♪-----
さて着替えだ!
レッツお楽しみタイム♪
エルフさんの着替えが始まった。脳内BGMは
TABU(タブー)でお願い。
※しばらくおまちください NHK※
終わった。
え?着替えの描写?男の着替えなんて文章にしてほしいか?
ほどなくして、赤毛で耳が尖っている以外は程々美人の女子高生が出来上がった。
ちょっと背が高い気もするけど、このぐらいならクラスに一人ぐらいはいるレベル。
顔を赤くして涙目で恥かしがってるのがやけにかわいい。
エ「どうして着替えてる間、じっと見てるんだよ…。」
ド「うむうむ。上出来上出来♪背は…しょうがないとしても耳は何かで押さえて髪の中に、髪は黒に染めるとして…」
まずまずの出来にドラゴンさんは満足げ。
じっと見てたのは…まあ、そういう趣味のせいだろうな。
恥かしそうにすると更に喜ばせることになるぞ?
ドラゴンさん邪悪だよな。変態ともいう。
ド「あれ?そういやお前うしろ髪もっとパーマかかったみたいにモコモコしてなかったか?」
たしかにエルフさんの
イメージイラストだとそうなってるね。
エ「ああ、あれは少し前に火球の呪文に巻き込まれて…元はストレートなんだ。」
ド「あの髪形って、ドリフ的な爆発の演出だったのか…」
現代の女子高生は爆発でパーマになったりはしないだろうねぇ。
ド「ひょっとして稲妻の呪文受たら…ガイコツ見えたりするの?お前?」
エ「え?普通そうじゃないの…?それも骨の本数とか形がいいかげんなやつ…。」
ド「と、いうことはコレで殴ったら☆出たりするんだろうな。」
ズズーン!
ドラゴンさん得意の16トンのおもりが落ちた。
おもりの下敷きになったエルフさんの頭部付近では黄色いヒヨコが数羽、ピヨピヨいいながら回っている。
どこから出てきた?
☆は?…もちろん出ましたとも。
そして目はぐるぐるうずまき。
ド「…どうする?見た目はそれっぽいが…今どきこんな昔の漫画みたいなJKおらんぞ…。」
ドラゴンさんが不安に思うのも無理はない。
このエルフさん、見た目はともかく一々ネタやリアクションが古臭すぎる。
本当に女子高のイベントで怪しまれずに薄い本を買えるのだろうか?
ドラゴンさんに秘策はあるのか?
-----次回、銀河英雄伝説第76話 祭りの前-----
銀河の歴史が、また一ページ。
ごめん。一度でいいからあの次回予告やってみたかったんだ。
ちゃんと屋良有作さんの声で読んでもらえてたらとっても嬉しい♪
さてドラゴンさん。
見た目で全部をごまかすことにした。
エルフさんの髪を黒く染め、エルフ耳はヘアバンドでおさえ、目もコンタクトで黒にしてみた。
するとビックリ!
なんでこんなにセーラー服が似合うのか?
そしてエルフさんも鏡を見てご満悦なのはその気があるのかひょっとして?
エ「というわけで、Jょsえs、女子高生でぇす。ふふっ。」
ド「なんか文字列化けてるし…ノリも変になってるし…16トンの当たり所が悪かったか?ま、これはこれで今風に見えなくもないか。」
ドラゴンさん!それは今のJKにあまりに失礼だろ。
ド「で、当日の作戦だが、連絡手段は持っておろうな。」
エ「抜かりなく。joし校正といえばコレでしょ!ピッチ!」
ビッチじゃないぞ?説明しよう!ピッチとはPHS、簡易式携帯電話のことだ!
みんなでポケベルを出さなかったエルフさんのトレンド力を褒めてあげよう!
はいっ!パチパチ。はぁ。
ド「ワーウルフあたりを女子高生にした方が今風な気がしてきた…。止むを得ん。余のNOKIAを貸しておこう。」
ワーウルフはドラゴンさんの城の四天王の一人だ。見た目はだいたいウォーでがんす。
そんな厳つい男にセーラー服着せてもポチョムキン号の叛乱にしか見えんと思うよ?
ドラゴンさんの機種選びのセンスがいいのは意外だ。
マトリックスでネオが使ってた奴だね。
ド「よし、それ持ってJK風にしゃべってみろ。」
今はスマホなんであんましゃべらんけどね。LINEかメール。
まあ、NOKIAじゃしょうがないけどさ。
エ「しもしも~?」
ド「お前、わざとやってんのか?」
ドラゴンさんは怒りでビジュアルが洋ゲーのパッケージ風に怖くなった!カッコイイ!
たいがい洋ゲーで一番怖いビジュアルはヒロインだったりするんだが!
イモエンとかのことだぞたぶん。
エ「え?あれ、あかんの…?メンゴメンゴ。普通にやる…。」
16トンの気配を察してエルフさんの声が小さくなる。
冒険者のお調子者は死亡フラグだぞ。
エ「はい、こちらポール・マッカートニー取調係の菊池です!」
だからネタが古いって…。
ドラゴンさんの目が白目になった。怒りで目じりから炎出ちゃってるし。
洋ゲーとかアメコミに良くある表現だけど、どこ見てるかわからないのって怖いよな。
ド「…一つ、聞いておく。」
エ「何?」
ド「”ぴえん”とはなんぞや?」
エ「え?…と…三式戦闘機?」
ズズーン!
解説しよう!
ドラゴンさんの怒りが常に16トンなのは、ドラゴンさんが猫舌で炎のブレスが苦手だからだ。
ブレスを吹くと口の中はあつあつおでんを一気に3個口に入れたぐらい熱いらしい。
そらぁ…猫舌でなくてもキツイな。
え?そこじゃない?
三式戦闘機は川崎のキ61「飛燕(ひえん)」だ。
Wikiのアドレスはこちら→
三式戦闘機
もう既に女子高生とか全然関係ない話になってるのは皆さんお気づきの通りだ!
-----次回、旅立ちのバラードをお楽しみに♪-----
イベント当日早朝。
地方の小規模イベントとはいえ、収穫を確実に得ようと思えば朝一から列に並ぶのがセオリーだ。
ドラゴンさんの城の前には黒髪の美少女…にしか見えないエルフさんが立っている。
ワーウルフ(以下ワ)「化けましたねぇ…。」
ド「どうも16トンを使いすぎて、変なスイッチが入ったらしくてな…。」
エ「これでよろしいかしら?」
元々スタイルは悪くないエルフさん。
男ゆえに肉感的ではないものの、足の長さや体の細さにはエルフ的な美しさがある。
その上、変なスイッチが入って今朝は化粧までバッチリ。
細くて長くて、こりゃもう少女漫画に出てくる美少女そのまんま。
ド「…ちょっと古風なのが気になるが、昭和臭さを誤魔化すにはいいかもしれんな。」
エ「ふ…。こんな完璧な女子高生を前に不安などありませんわ。」
なんかエルフさん言葉遣いもお嬢様っぽくなってるし。
だが、そんなことでごまかされるドラゴンさんではない。
ド「ワーウルフよ、念のためボディチェックだ。あれがあるかもしれぬ。」
ワ「イエッサー!なんかセーラー服のボディチェックってドキドキしますねぇ…。」
ワーウルフ純情だな。そいつ男だぞ?
エルフさんも顔を赤らめて耐える顔しない!
しばらくパタパタとセーラー服を叩くと、ワーウルフはエルフさんの背中に隠された四角いものを取り出した。
ワ「…やっぱありました!食パン!こいつ、”遅刻、遅刻ぅ~”をやるつもりだったようですぜ。」
エ「バレた…。」
ド「やっぱり…な…。」
ドラゴンさんもだいぶエルフさんのキャラがわかってきたみたいだね。
でもそのネタは今でも通用する数少ない昭和ネタなんだけどな…エルフさん、残念!
ド「いや、誰かと恋のきっかけを作らんでいいからな?任務忘れるなよ?財布持ったか?」
ドラゴンさんも不安のあまり初めて泊りの合宿に行く学生を見送るお母さんみたいになってるね。
邪竜の城の前でホームドラマしても全然似合わないけど。
そしてワーウルフが用意した小道具を渡す。
ワ「これが偽造した学生証っす。…それを昨日渡したパスケースにって…既になんか入っとるし!」
地球←→アンドロメダ
経由(オリオン・プレアデス)
無期限
これ…銀河超特急に乗れる奴だ。
ド「一体お前はどこまで薄い本を買いに行くつもりだ?火星か?タイタンか?」
エ「いや~からっぽのパスケースあったらとりあえず入れたくなるんだよこれ。」
昭和の子供あるあるw
すんません。解説の中の人もやったことあります…。
ド「…学生証の名前はメーテルじゃないからな。」
エルフさんの細身の体格なら金髪に黒いコートも似合ったかもしれないね。
でもそろそろ本題に戻らないかい?
グダグダやってるとヘビーメルダーの酒場で海賊に牛乳飲まされちゃうぞ?
こうしてエルフさんはドラゴンさんの不安の眼差しに見送られ列車の人となった。
次の停車駅は~
----次回、エピローグ、セーラー服を脱がさないで!をお楽しみに♪----
ド「定時連絡、途絶えたな…。」
ワ「途絶えましたね…。」
邪竜の城ではドラゴンさんとワーウルフがエルフさんの帰りを待っていた。
しかし、入るはずの定時連絡はもう2時間も途絶えたままだ。
計画では30分ごと連絡が入るはずで、最初の数回は連絡があったのだが…。
エ「こちらエルフ、ついたけど他との合同イベントで男も普通に入れるんだけど?」
エ「こちらエルフ、みなもと太郎先生の新刊みつけたけど買っていい?」
エ「こちらエルフ、目的のサークルを発見。姫のサークルの両隣だけど…僕、来る必要あった?」
エ「こちらエルフ、ブツは入手できた。でも姫に見つかった。」
その連絡を最後にNOKIAからの着信はない。
みなもと太郎先生の新刊とは目が高いね。ぜひ欲しいのだが無事に買えたのだろうか?
ド「やむをえん…。こちらから連絡を入れるか。」
ドラゴンさんが城の固定電話のダイヤルを回す。
回すってわかる?プッシュ回線以降の人は何のことだかわからないって人も増えてるそうだね。
電話が通じると、ドラゴンさんは丁寧な態度で頭を下げて受け答えをする。
ドラゴンさんって受話器持って頭下げるタイプなんだね。
あんた邪悪に見えないよそれ。
電話の相手はエルフさんではないらしい。
ド「ワーウルフよ。どうやら目的のものは手に入ったようだ。姫が城に持ってきてくれる。」
ワ「それはようございました。電話の相手は姫でしたか…しかし…」
ワーウルフはちょっと困ったような顔をした。
ド「どうした?何か問題でも?」
ワ「実は個人的にエルフさんにケモホモ系の漫画を頼んでおりまして…」
ワーウルフよ…おまえもか!
ド「安心するがよい。余のチェックでは今回のイベントでケモノ系まで扱うのは姫のサークルだけだ。故に姫に頼めば入手できる。」
ワ「え?あれって姫のところの本なんすか?」
姫の守備範囲広すぎだろ…どんな趣味してるんだ?
ワ「で、エルフさんは、どうなったんで?」
ド「うむ。次の新刊のネタ&資料として姫たちのサークルに押収された。」
ドラゴンさんが少し寂しそうな顔をする。
思い出されるエルフさんの面影…線が細くてちょっと小奇麗な顔、なめらかな肌…。
ムキムキマッチョじゃない、女の子の感性で美化したらこうなるであろう「きれいな」男の子。
ワ「ネタ&資料…ですか。あの人ビジュアルが薄い本向きでしたしね…。」
そんな受けネコ適正100%なエルフさんが化粧して女装なんかしてきたら…
アブノーマルかつ危ない関係を妄想させて倍率ドン!篠沢教授並みの高倍率!
そういうの好きな人には最高だろうね。お持ち帰りされるのも当然か。
ド「今頃はセーラー服を剥かれて、あんなことやこんなことを…」
想像するとなんか楽しそうだし自分も混ざりたい。
スク水着せて触手攻めする予定だったのもまだやってないし。
ちょっと惜しいことしたな…とか思わないでもないドラゴンさん。
ド「ま、いっか。あいつ限定プリン食っちまったしな。」
ドラゴンさんは悩むのをやめた。
だって邪悪な竜だし。これ以上ポテチ食われても困るしね。
その日の夕方、ドラゴンさんは城に帰ってきた姫から目的の本を手に入れたのだった!
…姫、帰ってくるんかいw
あんたさらわれてきてたんじゃ?
まあ、なんだかんだで、めでたしめでたし♪
いいのか?こんな終わり方で?
-----終了-----
今度は嘘じゃないよ?
ここまで来たんかい!
じゃ、せっかくなので、以下スタッフロールでも。
-----登場キャラクター-----
ドラゴンさん
名称不明。レッドドラゴン。自称紳士。猫舌。
邪悪と書いて「へんたい」と読む。姫に汚染されて性癖フルコンプも近い。
エルフさん
名称不明。種族エルフ。赤箱ルールなので職業もエルフ。
職質されたらどう答えよう?一応男。
拉致された姫を助けにきて、姫に拉致される。
ワーウルフ
名称不明。
ウォーでがんす。姫の影響を受けつつある一人。
-----未登場キャラクター-----
アミバ
まあ、一応ね。
姫
名称不明。腐女子。ボインでぷりぷり。
さらわれてきた上に話題の中のみの登場。でも事実上のラスボス。
キャプテン・ハー〇ック
あのままグダグダしていたら本当に会えたのだろうか?
モノマネ番組の本人登場!ぐらい期待通りに現れるよね。この人。
四天王
1人を除いて謎の存在。現在のビジュアルは黒い影。
でも登場すると形が違うんだなこれが。
ワーウルフのみ登場。たぶん四天王最弱だとか面汚しだとか言われてる。
-----Special Thanks!-----
創作意欲をチャージしてくださった
優パパさま
オリキャラ伝道師
tajimanokamiさま
読んで「くだらねぇ!」と鼻で笑ってくださった読者の皆さま
こんなところまで見ているあ・な・た♡