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    或る人の手記 私はあの人を殺しました。
     そう、昨晩まで共に食事をしていたのに、です。
     これで私の目的は達成されました。この呪縛が解けると思うと清々します。あぁ、今日はなんて佳い日なのでしょう。思えば今日は私の誕生日でした。今日という日をこんなにも佳い日にしてくれた神に賛美を。そこで私はここに、今日までの日々の出来事を書き記します。どうかこの雑文が神の目に留まりますように。

         *

     彼との出会いは私がまだ九歳の時です。立っているだけでも汗ばんで喉が渇いてくるような日のことでした。風が乾いた土が巻き上げながら、夏を急かしているようでした。私と父が難民キャンプに来て一週間ほどのことです。
     広場に大人の人だかりが出来ていました。好奇心を持った幼い私が、人混みを縫うように前に出ていき大人達の腰の間から中核を覗くと、そこにはひとりの男性が立っていました。白い肌と赤い髪で、一目で異国の人だとわかりました。それが彼です。
     あとから分かったことですが私と彼とは十も離れています。しかし、その半分ほどの年しか違わないような容姿をしていました。
     大人がここへ来た目的を尋ねると拙い発音で「力になりたい」と言いました。皆が奇異な存在だと思い、警戒しました。彼はガイジンです。いきなり手助けしたいと名乗り出て、あまつさえ見返りを求めないガイジンなど警戒心を抱かれても不思議ではありません。
    「あの赤い髪は不吉を呼ぶ」
     来た当初から彼は人々から避けられていました。
     しかし、大人達に煙たがられても彼はそれでもめげずにいました。大人たちから煙たがられていることを自覚していたのでしょう。キャンプの広場に行き、子ども達の無邪気で残酷な遊びの相手をしていました。私もそれらの子どものうちの一人でした。
     彼が来られないような木の高いところに行ったり、彼の脚を蹴ったり飛びかかったりして遊んでいました。中には彼が、言葉が分からないことをいい事に暴言を投げかける子もいました。けれど彼は何をされてもニコニコとしています。そんな彼に私は子どもながら呆れました。そして彼も出来るようなことをして遊ぶことにしたのです。
     私と友達はごっこ遊びが好きでよく彼も交ぜて遊びました。それまで話し相手のいなかった彼は嬉しそうに私と友人の話を聞き、次々に言葉を覚えました。
     私たちが遊んでいる間、彼があまりに真剣に会話を聞いているので、わざとヘンなイントネーションで話したことがあります。それでも真面目に聞き取ろうとしている彼の様子と、ヘンに話すお喋りがお互い可笑しくなって、遂には友人と私は笑いが止まらなくなりました。急に笑い転げた私たちを見て、彼は戸惑った表情を見せた後、からかわれていることに気が付いたようでした。しかし、なお怒る素振りは見せず、それどころか優しく微笑んでいる。彼はそのような人でした。
     幼いながらも私は彼の善性を感じ取っていました。知りうる大人の中で最も“やさしいひと”だと思ったのです。そしてそれはこの場所では必要ないものだともわかっていました。
     私達のいる難民キャンプは比較的規模が小さく、近くに川があります。他の難民キャンプに比べて水不足や疫病が蔓延する可能性が低いので、支援の優先度が低いところです。よって最低限の食べ物や衣服のみが供給されました。
     食べ物と衣服が供給されても、近くに川があっても、貧困が癒される訳ではありません。みんな生きるのに必死で、大人は常に気を張っている人か無気力な人ばかりでした。その中で彼の優しさは、時に神経を逆撫でする。そんな予感がしたのです。その予感は直ぐに的中しました。
     ある日のことです。いつも通り彼が子ども達に混ざって追いかけっこをしていると、誰かのお父さんが来て彼を呼び止めたのです。それまで大人の誰かが彼に話しかけることなど滅多に無かったので、私は嬉しくて話を盗み聞こうと、小屋の裏へ行った二人の後をついて行きました。
     ふたりが角を曲がり日陰に隠れた瞬間、鈍い音がしました。
     彼は殴られていました。
    「子ども達に悪いことを吹き込むな」と罵られながら何度も何度も殴られていました。
     急に体温が下がった気がしました。その場にしゃがみ込んで、耳を塞いで、ただじっと乾いた土の上を動く蟻を見ていました。耳を塞いでいても怒鳴り声と友達の騒ぐ声が遠くから聞こえました。一度、もたれかかっていた壁が大きく震えました。
     恐る恐る手を耳から下ろしてみると、遊ぶ友達の高い声だけが鮮明に聞こえました。そうしたら忘れていたまばたきができるようになりました。
     土と布が擦れる音。土を踏みしめる音が近付いてきます。
     しばらくすると男の人の大きな足が、私の視界の地面に入ってきました。そのまま私の前を通り過ぎると思ったら、一度立ち止まり、私の方に近づいてきました。
     気が付いたら私は長い腕に包まれていました。
     どうして。殴られていたのは自分なのに。私は彼が無抵抗に殴られていたのも、最後は壁に打ち付けられたのも、わかっていました。わかっていたのに何もできなかった。何もかもがわからなかった私の目には涙が溜まり、それを見た彼が
    「もう慣れているから大丈夫。」
     と言い、そして
    「すまない。」
     と繰り返すので、遂には目から涙が零れました。
     それから溢れ出す涙を抑えきれず、彼の肩に顔を押し付けていました。私はすっかり時間の感覚を失くしてしまいました。
    長い一分二分が過ぎて行く中で、彼はずっと私を抱きしめてくれます。少しきつく通されたその腕の温かさには、安心感があり幼い私に微睡みを与えました。泣き疲れた私はそのまま眠ってしまったのです。地から脚が浮く感覚の後から記憶がありません。目を覚ますと、布と木の骨組みが見えました。友達の遊ぶ声は遠くの方に聴こえ、冷たい土の匂いがしました。そこは自宅でした。彼がそこまで私を運んでくれたのでしょう。
     私は起き上がり膝を抱えて、先程起こったことを反芻しました。
     もう慣れている。彼はそう言いました。つまりこれまでも知らない誰かに殴られていたのでしょうか。何度も。何度も。
     彼はどれほど理不尽な理由で殴られていたのでしょうか。ここへきた当初から?
     彼は老人が荷物を運ぶのを手伝わなくなっていました。彼は水汲みをしなくっていました。彼は大工仕事をしなくなっていました。
     彼が辞めた事は──「二度とするな」と怒鳴られ殴られた事は、あといくつあるのでしょう。
     そこまで考え至って私は恐ろしくなりました。
     子供達と遊ぶことすらできなくなった彼は、次は何をするのだろう。何をしてまた殴られるのだろう。
     幼い私には、彼に残された選択肢など見当もつきませんでした。しかし、確実に彼は二度と私達と遊ぶことはしないだろうことは予想できました。そのことが悲しくて私は膝に顔を埋め、一人でまた泣いていました。
     果たして、それから彼は子供達と遊ばなくなりました。それどころか、いつどこにいるのかわからなくなり、子供達の間では既に存在を忘れられつつありました。
     私は友達と遊ぶことを退屈に感じるようになり、いつも少しだけ遊んではあの小屋の横でぼぅっと考えごとをする時間が増えました。
     どうすれば彼を救うことができるのだろう。
     そのとき私は母から日頃言われていた言葉を思い出したのです。
    「自分の正義を全うしなさい。」
     この言葉を噛み締めました。やさしいひとが評価されない世界なんて間違っている。この世界が彼を評価しないのなら、私がそれを変えてみせる。
     母の言葉を思い出したことをきっかけに彼と私の運命は動き出したのだと思います。

         *

     私がまず初めに行ったことは、とにかく多くの人と話すことでした。キャンプにいる様々な人と話しました。遠い村から来た人、別の難民キャンプから移ってきた人、子ども、大人、老人。沢山の人と話すことを通して、彼らしい人物が別のところへ現れていないか情報を集めました。
     その活動のうちに、文字の読み書きが出来る人がいれば教わり、物語やお祈りの言葉を聞かせてくれる老人がいればそれを聞き覚え、そしてそれらを他の子どもに教えました。キャンプの子どもはみんな私を知っていて、大人達も私を子ども達のリーダーとして認識するようになりました。
     人々から信頼を置かれるようになっても、目的の情報はなかなか得られません。それでも彼の情報を掴みたい一心で情報を集め続けました。
     彼に繋がる糸の端を手繰り寄せることになったのはその三年後の春のことです。快晴が続く気持ちのよい時分でした。
    「人助けばかりする変わり者のガイジンがいる。」
     という噂を金物商人から聞きました。その商人が来た町はこのキャンプから車で二時間ほどかかるところに位置する町です。その町は金物が名産で、彼はある刃物職人の元で手伝いをして、そこでも煙たがられているとのことでした。
     私はすぐさまその商人に「文字を子どもたちに教えられる人を探している」と伝言するよう頼み、ただ彼が再びこのキャンプに訪れるのを待ちました。
     それから一ヶ月足らずで彼は再び私の前に現れたのです。白かった肌は土色に焼け、背丈が以前より高くなっていました。邪魔な存在として近隣の小さな町をたらい回しにされていたからでしょう。少しやつれていて、疲れている様子でした。だからこそ、昔よく遊んだ子どもが成長し自分のことを覚えていることと、しかも子どもたちを手助けする役割が与えられたことを心底喜んでいたようです。
     私も彼と再会できたことを喜びました。なにより彼の精神が、よそ者への風当たりや悪意の捌け口とされても、変わらないものであった事実が強烈に私の心臓に響きました。
     やはり彼は私が見出したように真の善人だったのです。
     私は人々との間に築いていた信頼関係を全て費やして彼に居場所を作りました。子どもたちには“尊敬に値する大人”。大人たちには“子どもを預けられるほどの信頼を置ける人物”というように認識されるように話したのです。
     なかには、なぜあんなガイジンをなぜ信用するのか。と批判してくる人もいました。しかしそんな言葉など気にもとめず、情報を広めることに尽力しました。ただ私は、やさしい彼が突き進む道を歩きやすいものにしたいと思っていたのです。
     子どもたちにものを教えているときの彼は常に柔らかく微笑んでおり、眼差しは日の出前の白んだ空の色で、声色は深い泉を思わせる穏やかさでした。
     幸せそうな彼を見ることが私の幸せでした。理想に向かって進んでいる彼は誰よりも強くて尊敬できる存在でした。私は彼の背中を見ているだけで良かったのです。
     その微笑みに翳りが見え始めたのは再会してから二度目の夏のことです。
     この地にだいぶ慣れてきていた彼ですが相変わらずの痩躯でした。話を聞くと最低限の食事しか摂っていないようだったので、私のうちで夕食を摂るか提案しました。
     しかしそれは口実に過ぎず、本当は近頃の考え込んでいる表情のわけを聞こうと思っていたのです。
     その日の夕食は私と父と彼の三人で食卓を囲みました。彼は食事に呼ばれるのが初めてだったようで緊張していました。強ばった表情をしていて、一度手に持っていた食器を落としてしまったのです。その時の慌て様が面白く、思わず笑ってしまいました。
     そうしたら少し緊張が解れたようで、一口も残さず食べ料理の腕前を褒めてくれ、真剣な顔でまた食べたいと言ってくれました。
     その言葉が本当に嬉しくて、毎日ご飯を食べに来たらどうかと提案しました。それから毎日、彼は父と私の家で食事をするようになったのです。
     いつも二人きりで囲んでいた食卓に一人加わったことで新しい風が通ったようで、一日の終わりの楽しみとなりました。父も彼との会話を楽しんでいて、当初はガイジンだからと持っていた警戒心も、彼の善性に触れて次第に解けていったようです。
     そしてフォークを置いた頃、何か悩み事があるのか質問した私に、彼が打ち明けてくれた話を聞いて、彼らしいなと思いました。
    「泣いている子どもがいた。」
     と彼は切り出しました。紛争が激化して家族を亡くした子どもが泣いているのを見たそうです。
     国同士の争いなど民衆にとっては迷惑な話です。戦火がすぐそこに迫っているという怒号、沢山の脚が駆ける音、誰かを探す声。その中で母とはぐれてしまいました。
     すぐに帰れると思っていました。一時的な避難だから何も持たずに早く逃げろと言われここまで来たのです。安全な隣国へ逃れるために、父は幼い私を数時間も背負って進みました。
     未だ私は故郷の家の鍵を大切に持っています。混乱の中で唯一持ち出したものです。いつか帰れると、そこに母がいると信じて。
     母は賢くてやさしいひとでした。こころのつよいひとでした。しかしあの混乱の中で女ひとり生き延びられた可能性はどれほどあるでしょう。兵士が混乱に乗じて、一人残った女性に何をするかわかりません。
     私はやさしいひとが報われないことが耐えられませんでした。そして人々の心を荒ませ、負の感情ばかりを生み出す紛争の終結を望んでいました。
    「紛争が終わったら、きっと大勢の人が笑顔になる」
     と言葉を締めました。
     この言葉を聞いた彼はまるで、夕靄の中で道筋が見えたような表情をしていました。その時の私は、自分の考えと熱意が彼に伝わったのだと解釈したのです。しかし今から思えば、その表情は私が母の言葉を思い出したときと同じものだったのです。そのことに気がついていれば、彼がどんなに猛進していくかわかったことでしょう。

         *

     一週間ほど彼が姿を見せなかったことがありました。
     彼の住居の詳しい場所は知りませんがキャンプより外にあるようで、いつも彼は外からやって来ていました。そのことを別段、不思議に思ったことありません。親切な彼は、何かと頼み事をされては手伝いに行って姿を見せないことがあったのです。あちこちへ行って人々に手を差し伸べる彼にとっては、キャンプの外に住まいがある方が都合良いのだと考えていました。
     しかし一週間もいなくなることは初めてのことだったので、彼の身に何かあったのではないかと思い、どうか彼が無事であるようにと、いつもよりも一層思いを込めて祈りました。
     再び姿を見せたとき、彼の服には血が染み込んでいました。血は乾き土と混ざって変色していて、彼の全身から生臭さと鉄の臭いがしました。土に塗れているのは頭から足までに及び、目は充血していて、手脚にところどころ擦り傷がありました。
     いつも以上に姿を見せなかった上、そんな有様だったので私は相当に動揺したのです。動揺するがまま即座になにがあったのか問いただしました。
     そうすると彼は力なく微笑み、この紛争を激化させる一端となっていた人間を殺したのだと、これは彼らの返り血だと、途切れ途切れに言葉を継ぎました。
     私は戦慄しました。紛争を激化させるような存在だとはいえ人を殺すだなんて。あんなにやさしい人間である彼がそんなことするはずがない。にわかには信じがたく感じました。なぜ、と口を開こうとして直ぐに奥歯を噛み締めました。
     握られた彼の拳が微かに震えていたからです。
     彼はなにも悪くない。この紛争が善良な人にこれほど酷いことをさせているのだ。初めて人を殺したとき、彼の心はどんなに痛んだでしょう。それを想像するとこちらの身体の芯までもが痛むようでした。彼にもう前線へは行って欲しくない。なぜこんなやさしいひとがつらい思いをしなくてはならないのか。ますます私はこの紛争と彼に厳しい世界を憎みました。
     けれど一方で、それから子どもたちの笑顔が増えたのは事実です。この地に入地する危険度が下がったお陰で支援団体の手が多く入るようになり、ご飯をお腹いっぱい食べられるようになりました。子どもたちの笑顔を見て彼は頬を緩ませました。
    「また頑張れる」
     と言いました。
     だから彼の行いを黙認しようと決めたのです。私がすべきことは、彼が生きやすいように道を整えること。彼の歩む場所が明るいところであるよう、神に祈りました。そして私は人々に、彼こそが戦況を好転させた立役者なのだと言い広めました。
     実際、戦況が好転していった信憑性も相まって、瞬く間に彼の評判は人々に知れ渡ります。彼がいれば我が陣営こそが勝利すると叫ぶ者、彼こそが救世主と言う者もいて、子どもが大人に、大人が大人へ、大人が子どもへと彼の話をしました。各地からきた商人が別の土地の人々へと伝えました。彼の話は小さなキャンプを越え、周りの地域にも広がっていきました。遂に彼は勇敢な戦士の一人として認識され、子どもたちの憧れの的となったのです。
     しかし彼の成す事は変わらず、ただ淡々と悪を排除することでした。むしろ以前よりその数は増え、そのたびに戦況が良くなりました。
     彼の体躯は戦いのうちで鍛えられ、肌は太陽の下で照りつけられる土のように焦げてゆきました。炎のようで綺麗だった彼の髪は前線へ行くたびに色が抜け落ちて行き、もう出会った頃の面影は微かに残るのみでした。
     温かかった食卓では、一人での食事が増えました。
     彼は数日単位で帰ってこないことが多く、父も仕事が忙しくて帰れないことが度々あったからです。しかし、父の仕事が上手くいっていることと、彼への贈り物がたくさんあったことで食卓は華やかになりました。
     たまに彼が故郷の料理を作ってくれることもありました。そのたび私と父は異国の味に舌鼓を打ちました。一人暮らしの期間が長かったから料理は作り慣れているのだと言っていました。けれど近頃は私の料理ばかり食べていたから、故郷の料理以上にここでの料理に舌が慣れてしまったと笑っていました。
     その笑顔には嘘偽りなどなく、本当に美味しいと言ってくれて嬉しかった。身体にも心にも酷烈なことを一日中していて、それでも一日の最後に私の料理で笑ってくれるのが嬉しかった。
     夕餉の時間は、彼が人間らしくいられる唯一の時間に思えて、私は以前にも増して料理に腕を振るいました。
     けれどやはり一人になったときにどうしても考えてしまいます。自分はこのままでいいのだろうか。
     彼の苦痛と引き換えに豊かになる生活が苦痛でした。これで平穏な生活に戻れるかもしれない。父と共に故郷へ帰ろうと希望に満ちたことを語る自分と、彼のしていることを見過ごしていいのかと煩悶する自分が頭の中に同居していました。
     いくら正しさがあるとはいえ、彼のしていることは人殺しです。彼の努力の上にこの豊かさがあると思うとどうしようもない気持ちになりました。やさしい人に押し付けるばかりで何もしていない自分が情けなくなります。彼にこんなことをいつまでもさせたくないと強く思いました。
     しかし葛藤するたび子ども達の笑顔と、それらを見て笑顔になる彼を見て、この道は正しいのだと自分に言い聞かせたのです。
     そんな生活が続いたのも一年足らずです。それから数ヶ月の間に多くのことが起こりました。
     まず、味方側の最高指導者が暗殺されました。軍の最高司令官を兼ねていたトップを亡くしたことで、優勢だった戦況は揺らぎました。権力者たちは後継者争いを始め、その間に相手国は勢いを増し、戦況はひっくり返りました。取り急ぎ立てられた代理指導者は直ちに総兵力を戦地に投入。数では相手国に勝っていましたが、経験豊富な指導者を失い内政が乱れたこちらが、士気が上がっている隣国を相手に、戦況を立て直すことは難しいことです。
     これまでにないほどの戦禍に見舞われ、もはや敗北宣言をするまで秒読みとなりました。影響は私たちのキャンプにも届きました。周辺地域までもが危険区域とされたことから支援団体が次々と撤退し、配給が僅かとなりました。
     私は九年前にキャンプへ辿り着いたときを思い出しました。無気力で沈鬱とした表情の人々は当時の再現のようです。
     そしてもう一つ、個人的なことですが大きな変化がありました。父が亡くなりました。
     しかも彼の手によって。

         *

     分厚い雲からいつ雨がこぼれるか分からないような空でした。その日も、私はいつも通り子ども達に文字や神の教えを教えて帰宅し、テントの布を捲ると一人の男が床に倒れていました。
     その人は何度も会ったことがある父の仕事仲間です。額や腿から出血をしていて、床の半分ほどの土が黒く染まっていました。あまりの事態に慌てふためく私の腕を掴んでその人は言いました。
    「お前の父はあの男に殺された。」
     その言葉で息が止まりました。
     わけがわかりませんでした。よりにもよってなぜ彼が。よりにもよってなぜ父を。
     真偽など、今にも死にそうな状態で倒れている男と、その男の腿に深々と刺さっている矢を見ればわかります。見間違えようがありません。
     その矢は幾度となく彼が試作した末に作った矢です。彼は刃物職人の元で働いていた経験を生かして、自分で使用する武器の研究していました。私は完成品しか見せてもらえませんでしたが、その形状はよく覚えています。
    人を殺すことに特化した、矢。
     鋭い矢尻は足の根元の太い血管を突き抜けていました。抜こうと動かしたら血が溢れてくるはずで、どんな処置を施したところで、男の命はあと数刻も持たないのは明らかでした。
     数々の疑問。そのどれもが言語化することができずに喉の奥に詰まりました。しかし、こんなことがいつか起こるのではないかと頭の片隅で思っていたのも事実です。
     父の仕事は武器を自他国に売ることでした。友敵の関係無く武器は売れるそうで、その頃は相手国に大量の武器を売っていたようです。
     父の仕事は戦争が無くては成り立たないものでした。だから紛争を終わらせようとする彼が悪だと見なすのも無理はありません。
     しかし、彼はこれまで何度も、何年も私と父と対話をしてきました。だから彼は、父の行っていたことまでは知らずとも、動機は故郷へ帰ることであるとわかっていたはずです。そのためのお金が必要でやむなく始めた仕事でした。父は善人でした。それなのに、なぜ。
     もう訳がわからなくなりました。気づけば頭を地に擦り付け嗚咽を洩らしていました。意味がわからない。何もわからない。思考を止めてしまいたい。しかし願っても止まらない思考は勢いを増していきます。ひたすら何かに問いを投げかけ続けていました。いくら問うてもいくら問うても答えは出ないことはわかっていました。わかっているのにそれでも止められず、ただ、頭の血管が切れるのではないかというくらい頭痛がしていました。
     巡る血が頭に溜まりどんどん熱くなっていきました。すぐ近くから鉄のにおいが湧き上がってきます。目を開くのも閉じるのもつらく、床の細かい砂が汗と涙と鼻水に濡れた身体に張り付き、髪に砂が絡もうとも構わず地に伏せていました。そして力の入らない身体を床に投げ出し、呆然と壁のまだらな穴を見つめました。
     雨がテントを打ち始める音が聴こえます。
     彼はこれまで共に働き、食事し、対話し、笑ってきました。これまでずっとです。そしてこれからもそうなのだと思っていました。それなのになぜこんなことができたのでしょう。彼は標的であった父の顔など見えていたはずです。つまりそれでも狙撃するという決断をしたということです。
     彼には心が無いのか疑いました。でもそれは違っていた。
     ある考えに至りました。
     上半身を起こし座り直して、もうすぐ死ぬだろう男の顔を見つめながら、私は恐ろしくなりました。彼の中にあると思っていた善悪の概念が覆されたからです。
     彼に無いのは善悪の判断。彼には善か悪か両極端の価値判断しか認められないのです。彼の正義には弱い人の犯した罪は容認されない。生きるための罪であっても悪は悪であって、決して人の心の濃淡など理解しないのだと思いました。
     彼は悪を悪だと排除してきました。それで善を助けられることならば仕方のないことだと、心を押し殺していたのだと思っていました。しかし彼は悪人の中にもある善性を見ていなかったのです。つまり一度でも悪だと見なした相手は絶対的な悪として排除してきたのです。そこには躊躇など無かった。いえ、初めこそ躊躇いはあったでしょう。しかしそれを「仕方のないこと」としたのです。それが彼の恐ろしいところでした。
     人は善悪で完全に区別できるものではありません。だからこそ私は、やさしい彼が人を殺していてもそれを悪だと断定することはできなかった。それまでは共に同じ志を持っているのだと思っていました。けれど彼は弱いひとが悪へ走ることを容認しなかった。弱いひとが虐げられるのが許せない私とは相反していたのです。
     彼に抱いていた“やさしいひと”という偶像が崩れた瞬間でした。
     自分の中にある失望を自覚したその後、それまであった感情の中でも一際大きな怒りによって飲み込まれました。
    なぜ父を殺したのか。そして憎しみが噴き出してきました。あんなに話したのに。あんなに一緒だったのに。あんなに信じていたのに。なぜ。
     ふと幼い頃から聞かされてきた母の言葉を思い出しました。
    「自分の正義を全うしなさい。」
     その通りだと思いました。
     外では雨が地面で跳ね返る音がします。日の入り前なのに暗くなり、空気が冷えてきました。熱くなっていた私の肌を空気が撫ぜ、気持ちを張り詰めさせてゆきました。
     男の口から漏れ出す温かな息の音が止まった時、私は復讐を決意しました。

         *

     とはいっても私はすぐに大きな行動に出た訳ではありません。私は、ある時を待っていたのです。
     間もなく来た初夏のことです。故郷ではオリーブの花が咲く頃だったでしょうか。
     今日も商人たちがこのキャンプへと流れ来ていました。私はその中で特に話好きなひとを懇意にしていて、その日も見つけると長い間雑談をして情報交換をしていました。今年の不作の話や、近くのキャンプでの噂、そして話題が時勢の話に移った時です。
     このときを待っていました。どうやって切り出せば自然か、どうやって話そうか考えると、喉が渇きました。顔が熱くなり、手が冷たくなりました。足元が不安定になった気がして足の指が地面を掴むように踏ん張りました。心臓が脈打つ音ばかりが聴こえるけれど、子どもたちがはしゃぐ声は鮮明に聴こえました。それが実際に聴こえていたのか、私の記憶の中での声だったのか分かりません。
     少し立ちくらみが起きて目の前が揺れ、唇が震えそうになりながらも、
    「元凶となった人間を知っている。」
     と、いかにも自分だけの宝物を見せるかのように、その言葉を耳元で囁きました。

         *

     彼の評判が初めに広がった時と同様に、その噂は瞬く間に伝わってゆきました。勢いだけでなく内容の改変までもが私の予想以上でした。
     アイツはなぜこのキャンプの人間の手助けをするのか。なぜ見返りを求めないのか。なにが目的だ。敵国のスパイではないか。民衆に紛れ込んで諜報活動をしていたのではないか。確かに誰もアイツのねぐらを知らない。元々ガイジンで得体が知れない。アイツは弓使いだという。見えないところからこっそり狙い撃つのがお好みってことだ。もしかしたら自分たちのことも狙っていたのかもしれない。元々アイツは怪しいと思ったんだ。やっぱり得体の知れないガイジンなんて信用するんじゃなかった。
     人々は口々に彼への疑いの言葉を吐き、彼のことを貶しました。好き勝手に飛躍していく噂で私のついた嘘が真実味を増していきます。中には、自分がもと居たキャンプは彼の襲撃に遭ったのだと主張する人まで出てきました。
     噂は混沌を極め、もはや私もコントロール出来ないほどでした。そしてどれもが彼を敵視する内容です。
     たった数週間でこんなにも民衆の心は変わってしまうものかと内心驚きました。
    何も知らない彼にとっては、突然人々から向けられる視線が変わっていたことになります。そのとき、彼はどのような感情を顔に表していたのでしょう。記憶の中で彼の顔だけがまるで霧がかかったようです。
     ただ、彼がまたしばらく姿を見せていなかったことと、石を投げつけられても抵抗を見せない反応が更に人々の不興を買ったことは確かです。
     皮肉なことに、それまでは貧しさで無気力だった人々は、“正義の味方”だった彼を敵として設定することにより活力が溢れ、一丸となっていました。
     それから、彼を捕え粛清しようという意見が噴出するまでの期間は長くありませんでした。
     彼に一番近い人間といえば私でした。だから私は彼をおびき出す役を買って出たのです。そんなことしなくても彼が逃げ出しはしないひとだとわかっていましたが、確かな結果を出すためには必要なことと、私から提案したのでした。
     実は一つ、確かめたいことがあったのです。あんなにも酷い仕打ちをした彼は、どんな顔をして私と最後の晩餐をするのかと興味があったのです。
     私はこれまで通りに振舞おうと思っていました。いつも通り最近あったことを話して、いつも通り笑おうと思っていました。だから何も知らないふりをして、父の訃報を伝えたのです。
     私はおおよそ彼がどんな動きを見せるか分かっているつもりでした。悪を排しただけのつもりの彼にとって父の死はそれまで殺してきた人間と大して変わらないに決まっている。きっと平然として悔やみの言葉を伝えてくるのに違いないと思っていました。しかし実際の彼の動きは理解し難いものでした。
     彼は関節が白くなるほど拳を握り締め、その前髪は微かに震えていました。どんな表情をしていたのかは思い出せません。どうあれそれは、自らの意志と自らの手で私の父を殺した者がするべき反応だとは到底思えないものでした。
     久しぶりに食卓を共に囲みましたが、お互いの口数は少ないものでした。私はずっとこれまでのことや、これから起こることについて考えていました。彼は何を考えていたのでしょう。
     ほどなくして二つの皿は空になりました。視線を右に向けると、テントの布と骨組みの僅かな間から光が差し込んでいました。出会った頃の彼の髪や瞳を思い起こさせるような色でした。ふと正面を向くと、彼もそちらへ頭を傾けていました。顔は逆光でよく見えません。
     そしてその光をふたり無言で眺めていました。数分かあるいは十数分だったかもしれません。光が遠い地平線に消え入るまで夢中で眺めていました。その夕焼けが特別きれいだったわけではありません。ただ私は、その光を最後まで見届けなくてはならないと不可思議な使命感があったのです。それを見ている間の私は意識がまるでそちらへ引っ張られていました。彼が声を掛けてこなければ身体に意識が戻って来なかったほどです。
    「私の故郷では、綺麗な夕陽の次の日は晴れると言われている。誕生日にはぴったりな天気だ。きみの歩く道に祝福がありますように。」
     彼の言葉を聞いて私は、明日が自分の誕生日だと思い出しました。そして彼は次いで言いました。
    「今まで世話をかけてすまなかった。そしてありがとう。私はこれで満足だ。」
     私の目をまっすぐに見て言った彼の表情を思い出そうとしても、ぼんやりとしてどうしても思い出せません。しかし酷な明日が待ち受けていることなど無いかのように柔和で慈しみ深い声色だったことはよく覚えています。そして同時に自分の身に何が起こるのか理解していて、まるでそれを受け入れているかのようでした。

         *

     その後のことはほとんど記憶が抜け落ちています。次にはっきりと思い出せることは彼が処刑された直後からです。
     前の晩に彼が言っていたとおり、あの日は立っているだけでも汗ばんで喉が渇いてくるようでした。乾いた風が肌に痺れをぶつけてきます。
     太陽の下に沢山の人が集まっていました。騒がしい、話し声。がなり声。罵声。歓声。多くの人が集まっていました。その中心には太い縄にぶら下がった彼がいました。
     そのとき私はどんな表情をしていたでしょう。わかりません。ただ、やり遂げたと、達成感がありました。ようやく彼を殺すことができた。
     指先一つ動かさなくなって、風と人々の歓声の間で揺れている彼。
     解放感のままに叫びたくなりました。思わず手を打ち、周りの人々と抱擁しそうになりました。しかし心のどこかが渇いている。こんなにも喜ばしいと思っているのに大声で祝う気持ちになれなかった。
     昨日の彼の様子が引っかかっていたのです。まるで自分には明日から先が無いとわかっていたような物言いや表情。もし彼がこの計画を知っていたとして、どうして逃げ出さなかったのでしょう。
     聞けば彼は、絞首台に上げられ縄を首に掛けられるまで抵抗していたそうです。捕縛され、男たちを罵り、引きずり回され、石を投げつけられ、この世を呪う言葉を吐いていたそうです。それほどの抵抗を見せたことが意外に思われました。彼が本気で逃げ出そうとしたならば、腕を縛っている縄など簡単に引きちぎることが出来たでしょうし、気付いた時点で身を隠すことも出来たでしょう。
     人々を掻き分けて、力なくぶら下がる彼に近づいてみました。近付くにつれて見えてきた彼は、焦げた肌と色の抜けた髪色をしていました。
     ぶら下がった足元の辺りまで来てようやく見えるようになった身体は切り傷と痣だらけで、風が吹くたびに服から土埃が立ちました。
     そしてその表情はどこまでも穏やかで、善人そのもので、出会った頃と何も変わっていなかった。
     そこで、あぁ、
     私は気づいてしまった。
     彼は初めから自分の意志なんて考慮に入れてなかった。彼にとっての善とは、人々がそうだと信じるもの。正義の味方とは大衆にとっての善だった。たとえそれが、人々を救う思想を悪として摘み取ることになっても。たとえそれが、自分自身を殺すことになっても。
     そんなこと、気が付かなければよかった。頭が鼓動に合わせて締め付けられました。彼の最期の言葉が頭の中で響きました。
     彼は最期のときまで人々の望みを叶えたのです。大勢から迫害された人間がこの世を呪わない訳が無い。呪わなかったら、気味が悪い。人々はそう思うでしょう。それにもしかしたら悔恨に苛まれるかもしれません。だから彼は目一杯、怨みの言葉を吐いて逝った。
     どうすれば彼を救うことができたのだろう。
     時よ戻れ、とどれだけ思ったことでしょう。思えば私はこれまで幾度となく、時よ戻れと祈っていました。
     彼の意図に気が付いてしまったとき、彼の死に顔を見たとき、彼の頚椎が折れたとき、彼が石を投げられていたとき、彼の嘘の情報を口に出したとき、彼が血塗れで帰って来たとき、彼がキャンプを出たとき、彼が殴られていたとき、彼がこの地に訪れたとき─────
     彼はどこまでもやさしかった。彼を善にしたのも悪にしたのも全ては人々でした。彼は人々から裏切られたのです。でも他の誰がこんなことをやり遂げられたのでしょう。民衆に望まれたらば自らの命までも差し出す。幸せそうな顔をして、満足だと笑って。
     そんなこと、できるわけない。
     彼は確かに正義の味方でした。誰よりも大衆が望んだ正しさを叶えてくれました。大人達は彼に罪を擦り付けましたが子ども達は彼の潔白さを知っています。彼は英雄として讃えられるかもしれません。しかしあんな正義の形があってはならない。どこまでも正しく潔白であった正義の味方は、人々の憧れとなってはいけない存在でした。
     そして、私のような者が革命の英雄として讃えられることもあってはなりません。
     人々は自分達を善に、彼を悪に設定してそれぞれの役割を演じていただけでしたが、私は傍観者でした。自分の役割を演じることしかできないよりもよほど質が悪い。
     弱いひとは自分の役割を演じることで精一杯です。それは仕方がありません。けれど私はなにもできなかったのではなく、しなかったのです。
    「紛争が終わったらきっと大勢の人が笑顔になる」
     などと彼の運命を歪める言葉ばかりかけて、彼の理解者でありたいと口にしておきながら、その実なにもしなかった。こんな卑怯がありますか。
     現に今も私は、心さえなかったなら、と願っているのです。何もしなかったのに痛みから逃れたいなどと考えているのです。そんな人間が人々の羨望を集めてはいけません。
     この手記は彼の英雄性と私の非英雄性を証明するものとして神に捧げます。もとより彼の人生を人目につかない形で残そうとした愚か者の手によるものです。神の怒りに触れようとも恨み言など言えません。そもそもこんなもの書くべきでなかったと思います。
     しかし、私はどうしても彼の正しさを主張したかった。誰にも認められないやさしさを私だけでも認めてあげたかった。彼を救いたかった。
     彼と出会って十年。出会った頃の彼の年齢に追いつきました。
     果たして私は憧れに近づけたのでしょうか。私の正義は正しい道だったのでしょうか。
     全てが終わったいま、虚しい時はどうすればいいのか、自分が何をすべきか分からなくなりました。だからこれからは、新たな“彼”が未来永劫生まれないように祈ります。
     彼が死んでくれてよかった。本当に、心の底から、今日は佳い日だと思っているのです。
     あぁ、神よ。
     誰もが彼を憎んだままでいますように。彼の人生が一人歩きしませんように。彼が休めますように。
     だからどうか、この雑文が神の目に留まりますように。
     どうか神よ、彼が英雄として名を残しませんように。




    (了)


       
    早瀬にょっぴきねこ Link Message Mute
    2022/07/14 14:14:16

    或る人の手記

    本書はある人物によって記された、×××が英霊になる前の記録である。著者は歴史に名を残しておらず特定も不可能。しかし、確かに存在した人物であり、×××の人生に深く関わった人物として看過できない。本書は×××の人生を辿るものではあるが、まず名も無き人の物語であることを留意して読んでもらいたい。
     原本は手習いに使用されたと思しき紙に上書きする形で書かれていた。本書は散佚していたそれらの資料を解読・編纂したものである。訳は原本に寄せ、編纂は書かれた時系列に並べる程度に留めるよう心がけた。
     また、本文には差別的な言葉や暴力描写が含まれるが、×××がどういった存在として捉えられていたか、あるいは当時の情勢を知る材料として重要な記述だと考え、敢えて表現を和らげることなく記した。
     冒頭の繰り返しになるが、本書は×××の記録であり、名も無き人の、生の記録である。是非読者には著者の立場に歩み寄って読んでもらいたい。

    オリキャラモブ視点での英霊×××の半生です。
    捏造設定が含まれます。
    表現上の理由で差別的な言葉を用いている箇所があります。
    また、暴力描写、死ネタが含まれます。ご了承ください。なお、この注意書きはネタバレにはなりません。
    カプ要素・恋愛要素は一切ございません。

    本作は実在の事件、団体、人物、国、地域との関わりはありません。

    描いていただきましたhttps://www.pixiv.net/member.php?id=29595585


    #Fate/staynight #Fate #アーチャー(Fate/staynight) #エミヤ  #衛宮士郎

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