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    十一日後

     口の中に揚げたての唐揚げを放り込む。
     カリカリの衣と、噛むと溢れるジューシーな肉汁。やわらかな肉に沁みた生姜と醤油。イメージは完璧なのに、口の中では無反応だった。食感はある。だが、味がない。まるでやわらかなゴムでも噛んでいるような気持ちになった。目の前ではアルマジロが美味しそうな顔で同じ唐揚げを口に頬張って、ヌイシー! と声を上げている。最初はドッキリで自分の唐揚げだけ味付けをしていないのかと思った。だけど、添えてあるキャベツもトマトも味はなかった。湯気立つ味噌汁も白米も、あたたかいことしか判らない。噛んでも噛んでも味はない。
    「若造、どうした?」
     ホットミルクを片手に持って戻ってきたドラルクが、何を口に入れてもハテナマークを連発しているロナルドに声を掛けてきた。
    「いや……」
     何と返すべきか。素直に味がしないと返せば嬉々としてセロリを食べさせそうな気もする。
    「不味いのか? このドラドラちゃんの畏怖唐揚げが?」
    「そ、そうじゃねーよ!」
     云って目の前の唐揚げを次々口に放り込んだ。だが、やはり味はしない。味のない食事とはこんなにわびしく、苦行なのかと思い知る。感じるのは硬さや柔らかさ。そして温度。
     なんだこれ?
     無理やり咀嚼して飲み込み、食事を終える。一過性のものだと思っていたが、寝て起きて食べたパンも味はなかった。それでも、他は正常だった。熱があるわけでもない。すべてが健康なのに、舌だけが死んでいる――そんな感じだ。味のないパンはスポンジを噛んでいるような気持ちになった。数日様子を見たが、一向に何も変わらない。空腹感はあるし、嗅覚も正常なので、美味しい匂いは判るのに、味だけがないのだ。おかげで匂いだけを頼りに無理やり食事を流し込む日々が続いた。
     ドラルクに相談すべきか、それとも病院に行くべきか? 兄に相談しようか? それともギルドに……
     悩みながらもロナルドは毎日食卓に並べられるドラルクの手料理を、ただ黙々と流し込んだ。
     そうこうしているうちに、次は食感を失った。
     舌だけじゃない、触れるものすべての感覚が消え失せた。手に触れるものすべてが、硬いのか柔らかいのかすら判らない。それでも、躰は感覚を記憶しているので、特に支障はなかった。幸いにも痛覚はあったので、傷を作れば気づく。
     吸血蛾を追っている最中だった。いつもだったら素手で触らない毒性のある鱗粉の羽を手袋なしで握ってしまい、手に軽い火傷を負った。感覚がないせいで、手袋をはめるのを忘れていたのだ。皮の黒手袋はファッションではなく、こういった事態のために身に着けているのに。帽子や靴もそうだ。すべて対吸血鬼に備えた造りになっている。ロナルドは身に着けるもののチェックを強化させた。
     問題は、肩を叩かれたり触られても気づかないことくらいだった。ジョンが袖を引いても、ドラルクが骨ばった手で握ってきても何も感じなかった。躰中を膜で覆われたように、何も感じない。
     何も感じないことが、世界と自分を隔てるようだった。
     次になくなったのは嗅覚だ。
     これはまずかった。なぜなら鼻で感じていた吸血虫の存在が判らなくなり、散布する薬の匂いも判らなくなったからだ。火事があっても、煙やガスの匂いを感知できない。仕事中はマスクをして嗅覚の鈍さを誤魔化したが、家の中ではそれは出来ない。ドラルクの焼く菓子の匂いも、かれから香る抹香のような匂いもなにもかも判らなくなった。
     覆った膜が、鼻の中まで満たすようだった。
     嗅覚がなくなったことで、今までの勘や他の感覚が補っていたが、味覚も触覚もなくなって、嗅覚までも失うとバランスはガラガラと崩れた。それでも、世界は見えるし、音もある。まだ平気だ、といつもの行動を取ろうとしていた。まだ退治人として生きられる、まだ作家としてやっていける。
     だだ、視力を失ったことで世界は真っ暗になった。
     そこまで来て、ようやく異常事態に置かれてしまっていると気づいたのだ。
     何故自分は誰にも助けを求めなかったんだ。
     もっと早く声を出せばこんな事態にならなかっただろうに。
     焦ったところで一寸先は闇だ。ロナルドはソファベッドから起き上がり、ぐるりと世界を見渡した。そこには、墨に塗りつぶされたような世界しかない。
    「……ロナルドくん?」
     ドラルクの声がして、そちらを見た。もちろんそこには闇しかない。
    「ど、ドラルク……」
     手さぐりでドラルクを探そうとするが、触感がないのでどうせ触れたところで判らないのだが。
    「ロナルドくん、しっかりしたまえよ」
     いきなりドラルクの平手らしきものが頬を打った。有難いことに痛みだけはあるので、痛さが沁みるようだった。痛みを感じると同時に、視界に赤く塗った爪先が見え、次に蒼褪めた肌が見えた。ドラルクのいつもの姿が、ぽっかりと闇の中に浮かぶ。
    「どうして――」
    「おやおや、困ったね。やはりそうだったか」
     ドラルクは云ってすぐそばまでやってきた。目の前にかれの陶器じみた血色の悪い肌がある。ひとにあらざるものの、肌。見開いた目は、赤い瞳孔がらんらんと光っていた。夜目の効く、何でも見透かす瞳。
    「ロナ造、おまえ、誰に術を掛けられた?」
    「――術?」
    「催眠術……いや、呪いの一種かな」
    「え?」
     そんなもの、掛けられた憶えはない。仕事だってここひと月はポンチな吸血鬼とは何回か対峙したくらいで、催眠術の強い吸血鬼には出会っていない。あとは吸血虫やスラミドロの退治が殆どだ。
     いや、それよりも。
    「なんでおまえだけ見えているんだよ?」
     真っ暗な世界には、高等吸血鬼とパジャマ姿の退治人しか居ない。
    「何でって、私はひとじゃないからね。ねえ、気づいていないけど、きみは昨日からどうやら耳も聞こえていない」
    「はあ? でもおまえと話しただろ」
    「きのうは事務所を閉じて執筆作業していたものね。電話が鳴っていたの、気づいた?」
     確かにドラルクの声以外、聞いた記憶はなかった。
    「……え? じゃあ――」
     なんでおまえの声だけは聞こえているんだ。
    「砂がしゃべるのに、声帯を使っていると思うかい?」
     当たり前の疑問を、ドラルクが口にする。だったらありとあらゆる形状をした吸血鬼の、どこに声帯があると云うのだ。そんな物理的な法則など突き抜けた存在でもある。相手が声帯を無視しているなら、聴覚も無視して聞こえると云うことか――。
    「クソザコ吸血鬼だろ、おまえ」
    「そうだ。とても死にやすい吸血鬼だよ。だけど、一応竜の一族だからね。他の吸血鬼とはちょっと違う」
    「どう違うんだ?」
     あまりの貧弱さに忘れてしまうが、かれは世界が畏れる竜の一族なのだ。クラン・デ・ズメウ――竜の一族の話は、いくつか読んだことがある。ズメウは欲や利己主義の表れとして、東欧の物語や民話に登場するのだ。多くの場合は大切なものを盗み、王子である偉大なファート・フルモスだけが、無私の勇気をもって取り戻すことができるのだ。ズメウは「あの世」に住んでいて、多くの魔法と破壊的な力を自在に操ることができる。かれは空を飛ぶことができ、変身し、途方もない超自然的な力を持っている。ズメウは炎になって空を飛び、その姿はまるで生きた火の玉、あるいは花火のようだと云われていた。ファート・フルモスは武術と大胆な行動でズメウを倒した。
     どれもこれも当然のようにかれは悪者で、正義の味方に斃される。だが、ドラルクは享楽主義でクソザコだけど、悪者ではない。この世は世界を善と悪で分断できるような、簡単なものではないのだ。かれは炎になることはないし途方もない破壊力も持ってないが、こうやって術をすり抜ける能力はあるのだ。
    「私もよく判らんよ。きみが術にかかってはじめて知った。さあ、思い出せ、若造。こうなる前の出来事を。おそらくは、十一日前の唐揚げの日からおかしいだろ」
     明確な指摘に、ロナルドは驚いた。
    「おまえ……気づいていたのか?」
    「いつもは笑顔で食べているのに、通夜みたいな顔で食べられたら誰だって気づくさ」
     そんなあからさまな表情を見せているとは思わず、ロナルドは驚いた。ポーカーフェイスを装っていたつもりだったが、はたから見れば大したことはなかったようだ。
    「別に変わったことは、なにもなかったはずだ」
     変わったことがあれば、ドラルクに報告している。
    「じゃあその日の出来事を起きてから順に思い出せ」
     云われれ過去を遡ろうとした。
    「ええと……起きて、歯を磨いて顔洗って、冷蔵庫にあったサンドイッチを食べて……ギルドに行って、交代で見回りをして……吸血アブラムシが大量発生したからって呼び出されて……帰宅してナポリタンを食べて、そのあと下等吸血鬼の調査依頼が入って……」
     調査にドラルクも同行を申し出ていたが、大した仕事でもなさそうだったし、唐揚げを作ると云っていたのでそっちを優先させるように頼んだのだ。だが、そのあとの記憶がないことに気づいた。
    「調査はどうなった? いつもなら帰宅して座ってすぐに聞いてもない報告をしてくれていたが、あの日はなかった。それも引っかかっていた」
     確かにいつも報告のようにドラルクにその日あった出来事を話していた。はじめは同行しないことを聞きたがっていると思ってはじめたことだが、それはいつの間にか日課になっていた。かれに話しはじめて、ロナルドは存外自分はおしゃべりなのだと気づいた。無口で孤高の退治人が理想だったが、それは自分の思い描く「理想のロナルド」で、そうではなかったのだろう。ロナルドウォー戦記のロナルドも、実在の人物をモデルにした架空の登場人物でもあって、ロナルドではない。
    「まて、思い出す、思い出すから」
     だが記憶には霞が掛かっているようだった。横浜の外れ、町田にほど近い場所にある屋敷に行ったはずだ。そこまでは思い出せるが、思い出そうとする屋敷もまた、霞の向こうにあった。
     あそこに、誰が居た?
    「……ルド、く……?」
     霞は同時にドラルクにも作用したようで、そのまま声も姿も遠のいて行く。
    「ドラルク!」
     思わず大声で叫んだ。
     ドラルクの姿が一瞬滲む。どうやら大声で砂になったようだ。滲んだものがかたちを戻すと、ぐっと近づいてきた。
    (これは応急処置だよ)
     そう、脳に語りかけるような声が聞こえると同時に、唇が塞がれる。感触がないことが幸いだったが、舌まで入れられたようだ。絡められたものに、匂いを感じてびっくりする。閉じられていたものが突如開いて飛び出したように、匂いを感じた。躰中にドラルクの匂いが移ったようだった。離れると、輪郭のしっかりとしたドラルクがそこに居る。
    「――何をした?」
     ドラルクは肩をすくめて「キス」と返した。
    「そうだけど……」
     それは判っている。だが、キスされたことで霞が消えるとは思わなかった。
    「私の血を下等吸血鬼たちは嫌う。だから、血ではないけど唾液を分けた。私が術をすり抜けるなら、私の一部を託せばきみも抜けると思ったんだ」
    「お……俺のファーストキス……」
    「あらら~~ごめんなさいね」
     ヒョーホホとドラルクが意地悪く笑った。ショックとは別に、キスのおかげか頭の霞が晴れてきて、記憶がよみがえってきた。
     ――ようこそ、遠路済みませんでした。どうやら地下に吸血鬼の気配がありましてね。どうせなら有名な方に来ていただこうと、妻と話し合いまして。パートナーのドラルクさんは? いらっしゃらない? それは残念だ。どうぞどうぞ、こちらです。
     案内された地下室には、確かに吸血蜘蛛の巣が出来ていた。
     ――私たちは各地のオカルティズムを研究しておりまして、地下は書庫にしています。どうか本は傷つけないようにお願いします。
     蜘蛛が逃げられぬように罠を張り、本棚をすべてビニールシートで覆うと、吸血虫用殺虫薬を焚いた。だが思った以上に吸血蜘蛛は暴れた。罠をすり抜け奥の棚を倒し、階上へ這い出ようとしたため、ロナルドはやむを得ず銃を抜いた。
     埃臭さと本の匂い、そして燻製薬と吸血蜘蛛独特の香りが混ざって、何とも云えぬ匂いが地下室中に漂っている。
     倒れた棚はクラン・デ・ズメウ――竜の一族関連のものが収まった棚だった。ロナルドは倒れた棚を戻し、崩れた本を戻した。オカルティズムを研究して居ると云ったのだ、かれらもその対象に入るのかもしれないが、嫌な気持ちになった。まるで同居人が、怪奇現象の類だと云われてるような気持ちになったからだ。
     壁に銃で傷をつけたことを謝り、代金を受け取り領収書を渡した。
     ――これはお礼です。実は私たちはドラルクさんのファンでしてね。良かったらこちらをかれに渡してやってください。
     血液パックの詰め合わせです、と云われた。礼を云って受け取るが、どうも重さが知ったものでなく、不信感もあってか屋敷を出て少し離れると、背後を確認して申し訳ないが開封させてもらったのだ。
    「――そこから先の、記憶がない」
     箱の中身を見た後の記憶は、電車の中だ。唐揚げを楽しみに電車に揺られていた記憶。手には受け取った箱もない。
    「箱の中には、本来私が受けるはずの呪いがあったんだろうな。それを開けたことで代わりにきみが開封した記憶をなくし、徐々に五感を失くしていったわけか。……私の五感を奪って、かれらに何の利点があるんだ? 私は呪いや催眠術には一定の抗体があるし、こんな風にすり抜けるから掛かるかどうかはやってみないと判らんが、奪ったところで砂になって生きかえれば元に戻っていそうだし……」 
    「かれらはオカルティズムを研究している、と云っていた。それには……竜の一族も含まれていたよ」
    「私たち一族を? そりゃまた奇特だね~と云いたいところだが、それなりの数の研究者にお目にかかったよ。吸血鬼は謎に包まれているからね。味蕾が私たちにはあるわけじゃないが、味を感じる。皮膚がないかたちに変身しても、触覚はある。鼻がなくても匂いは判るし、耳がなくても、音は聞こえる。目がなくたって、視界はある。それが竜の一族ともなれば、喉から手が出るほど研究したいだろうさ!」
     云ってドラルクは高らかに笑う。
     何が楽しいんだ。研究されるのがそんなに嬉しいのか。それは興味や探求であって、かれが望む畏怖ではない。
    「駄目だ!」
     思わず大声でまた叫び、ドラルクが少しだけ砂になる。
    「おまえは研究材料じゃないし、こんなおかしな呪いを受けなくていい」
     死ぬことはないかもしれない。だが、死なないなら際限まで「研究」しそうで嫌だった。ドラルクを対象とするためにこんな呪いを作り出すくらいだ。何を考えているのか判らない分、恐ろしい。怖くて、怖くて、なんだか涙が溢れてきた。涙が頬を伝う感触が判る。きっと触覚も復活して来ている。同居人が、そんな目に合うのは嫌だった。
    「泣き虫ルドくん、泣きたいのは私の方だ。きみはどうしてここまでなるまで叫んでくれなかったんだ。私はすぐ隣に居たのに」
    「だって、おまえ、俺の味覚がないって判ったら絶対セロリ盛るだろ」
     泣き始めたら止まらなくなって、ぼろぼろと泣いてしまう。ドラルクは飽きた顔で微笑んでいた。
    「ほほほ。それはしないとは云えんなぁ」
    「ほら!」
     ほら見ろ! と叫びそうになる。傷ついたとき傷口に塩を塗りたがるのがこのドラルクだ。
    「だがね、味覚くらいで止めてあげたかったよ。そうじゃなかったら、ここできみからファーストキスを奪うこともなかったのに」
     云いながらドラルクがハンカチで涙を拭ってくれた。
    「それは――そうじゃなくて……その……」
     もっとちゃんとしたかったです、と小声で返した。どうせなら夜景の綺麗な場所で告白して、キスをしたかった。
    「ちゃんとって?」
    「何でもねーよ」
     恥ずかしくてそっぽを向くと、真っ暗だと思っていた周辺の闇は薄れはじめていた。本当にドラルクのキスは効力があったのだろう。
     同居人からもう少し先へは、ちゃんとした手順を踏みたかったのだ。
    「ねぇ。もう少し分けたら、もっと早く術から戻るかもしれないけど、どうする?」
     音が出るくらいの勢いで振り返ってドラルクを見た。
     にやにやとひとの悪い顔をしていた。いや、吸血鬼の悪い顔か――。見透かした表情が、そこにある。ロナルドは自覚は少ないが、顔も手も耳も真っ赤になっていると気づいた。これでバレない方がどうかしている。
    「メヲツブッテイタダケマスカ、クソザコサン」
     上擦った上にがちがちにかしこまった口調で聞いてしまうと、ドラルクは肩を震わせて堪え、目をつぶってくれた。
     ちゃんとしたキスって、どうすればいいんだろう――そんなことを思いながら薄い唇を塞ぎ、舐める。かすかなミルクの味とドラルクの香りが鼻孔に満ちた。そのまま必死になってキスしてたが、途中からドラルクがあまりの下手さに怒って、手ほどきするようにキスをし返してきた。むかつくことに、確かにドラルクの方がキスは上手かった。そこからずるずるとキスをしあって、唾液を混ぜあった。気づくと闇はなく、音もそこにあったし、骨ばった感触もそこにあった。バカみたいにキスを続け、呪いなんて消え去っていた。気づくと朝日がカーテンから漏れはじめており、ドラルクは慌てて棺に戻った。
     ジョンは昨日からどこかに出掛けていたのか、顔を洗っている最中にもどってきた。キスし過ぎて、ちょっとだけ唇が腫れているし、まだ躰の奥底がじんじんと熱い気がした。きっと、唾液をもらいすぎたせいだ。
     どうやらジョンはドラルクに頼まれ、唐揚げの日に入った依頼先を突き止めると、ヒナイチと共に尋ねたようだった。かれらもロナルドがおかしいと気づいた上で、探っていたのだ。しかしそこはすでに引越した後で、誰もいなかったそうだ。そうやって虎視眈々と竜の一族を狙ってきた研究者なのかもしれない。吸血鬼対策本部では要注意人物として、情報を追うことになった。
     ロナルドは自分がそばに居る以上、あんな奴らは絶対に近づけないと心に留めた。
     着替えて朝食を食べようと冷蔵庫を開けると、「畏怖して食べるように」と達筆な字で書かれたメモが貼られた、山盛りの唐揚げがそこにはあった。
     十一日ぶりのドラルクの唐揚げは、冷えていても夢のように美味かった。

    akatsukiayako Link Message Mute
    2022/09/29 22:07:09

    十一日後

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    ソファ棺桶の無配用に書いた話。 #ロナドラ

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