なんとなくわかるうちよそ1
ナツメとみやこ
とある週末、みやこがナワバリバトルを終えると急に強面の男・ナツメに話しかけられた。最初はその風貌から警戒していたが彼の人柄の良さに徐々に気を許していった。しかしナツメの優しさはやがてみやこの心を掻き乱していく。
思わせぶりなナツメの態度、その意味を素直に尋ねられないみやこの誤解。すれ違ってしまった二人だったが、互いを想う気持ちは同じだった。
晴れて恋人となった二人は楽しい日々を過ごしていたが、ある日ナツメの転勤が決まってしまう……。
それから四年の月日が流れ、みやこは大学生になっていた。その間ナツメとは連絡こそ取り合っていたが、お互い忙しく会うことはなかった。しかしある日ナツメがみやこの住むバンカラ街に引っ越してくることになり、二人は四年振りの再会を果たす。
会わない間に大人びてしまったみやこにどこか淋しさを感じているナツメだったが、職場の後輩・カリノがやってきたことによって二人の関係に暗雲が立ち込めるのだった。
はなだとゆいが
はなだとゆいがは毎日仲間たちと一緒に空を飛び回って過ごしていた。
ある日ゆいががはなだを誘いに行くと、自らを傷付けているはなだを見つける。そして彼の顔と心に負った傷について知るのだった。
過去に囚われて命を粗末に扱うはなだにゆいがは腹を立てて彼を殴った。そんなゆいがを突き放すようにはなだは彼を乱暴に抱いてしまう。
それからしばらく。まるで何事もなかったかのように過ごす二人だったが、ゆいがの悪戯がきっかけで関係に変化が訪れる。
最初はよく分からないまま恋人になったゆいがだったが、一方のはなだはゆいがの相変わらずの態度に不満を募らせていた。
独占欲の強すぎるはなだと自分に向けられる感情に鈍感なゆいがは、ときに喧嘩し、ときに話し合い、一歩ずつ距離を縮めていく。
別れの危機すら乗り越え、新しい季節を一緒に迎えながら二人は大切な思い出を増やしていくのだった。