序あたしが5歳になってからだいたい3ヶ月の頃にそいつらは突然やって来た。
――魔獣。やつらは"魔女"によって創られありとあらゆる生き物を食い尽くし、世界を窮地に陥らせた。
でも、人類は滅びるのを待っているほど臆病ではなかった。『バケモノにはバケモノをぶつける』という言葉があるように人類はもう一つのバケモノとなるものを産み出した。
――魔法少女システム。ナノマシンという最先端技術、魔術式、賢者の石、巫女の神降しを取り入れた温故知新の戦闘システム。だけど名前からお察しの通り、巫女をベースにした為女の子しか使えない欠点があった。
その上、魔獣や魔女の手下である魔人によって開発チームが全滅し、"オリジナル"の魔法少女システムは1桁しか造られなかった。
多くの困難があったけど結果、人類は"魔女"に勝った。
けれども、魔獣はあまりにも数が多く生き残り災害を起こすには飽き足らず、その強さに惚れた人間に使役されテロの手段としても使われた。
対抗して魔法少女も手探りながら開発を進め、量産化に至ったけれども、魔法少女も魔獣と同じように強さに惚れたいかれ野郎にテロの手段として使われ混沌を極めていた。
かくして、平穏を知らぬまま、魔獣といかれ野郎の板ばさみな世界を人々は生き抜くことになってしまったのである。
―――ここから先はそんなぐちゃぐちゃな世界の中で生き抜いた"あたし"と"4人"の魔法少女の話。ぐちゃぐちゃの中で泳ぎ続ける先には何があるかはまだ誰もわからない。けれど皆希望があると信じている。