妖刀と銀弾編2話某日、昼休み。
場所は大社市のとある市立高校。
小林華藍瞳と烏野銀杏は昼休みに教室で昼食を取っていた。
がやがやとうるさい教室は嫌気が差すほど騒々しく、冷えていた。
資源が勿体ないといつまでも教室に暖房が入らないせいだ。
ああ、煩くて寒くてやってられない。
「なぁ小林、都市伝説って興味あるか?」
お弁当の中の唐揚げを食べようとしていた小林の手が止まる。
「ああ?無いよンなもん。烏野こそいきなりオカルトな話切り出すとか珍しいね。」
いつにも無く真剣な顔になった烏野が私を見る。
「ある都市伝説について暇になって噂話集めたんだよ、そしたら───────」
「そしたら?」
「ありゃ都市伝説なんてちゃちな物じゃない、怪異だよ。実は…………死人が出てる。」
話を聞きながら頬張っていた唐揚げを飲み込んで小林は聞き返す。
死人と聞いて久しぶりに斬りがいのありそうな奴だと思った、少し期待してしまう。
「場所は?時刻は?死体の様子は?警察は何してる無能か??」
するとまあ、落ち着いて聞けよと言った具合で烏野が続ける。
「死体は噂じゃあ『四肢を切断されてた』そうだぜ。 ちなみに被害者は全部で6人。」
「全員死んでるのか?」
「ああ、全員ダルマみたいにされてたらしい。」
「刃物か。」
「ああ、かなり鋭利な刃物でバッサリと。」
「へぇ、んでそいつは斬ってもいいんだな。」
「警察が発表出来ない内容だろう、殺っていいんじゃないか?」
にちゃあ、と小林が笑う。
周囲が凍りつく、普段笑わない彼女が笑っている。
それに、まるで人殺しのような顔で笑っているのだから。
「なぁ、小林……おまえ笑うんだな。」
クラスの男子が話しかける
「黙れよ。」
「あ゛あ゛?」
今にも殴り合いになりそうだったその時だった。
「やめんかボケナス!!」
そのよく響く声の主は烏野だった。
「人が話してるのに割り込んで来んなボケが!」
男子はその圧に負けるようにフラフラと後ろに下がる。
「ごめんなぁ小林、続きは帰りに話すわ。」
「いいよ、後その話乗った。」
「おん?」
「烏野の事だし、見に行きたいんだろ?もしくは殺りたいのか。」
「ご名答、そんな感じだ。」
「じゃあ殺ろう。」
「じゃあ放課後に詳しくね。」
放課後、私達は図書館でその噂話について調べていた。
「烏野、なんで図書館なんだ?」
「小林チャンは甘すぎ、過去を洗いざらい調べて。 似たような事件があればそれが怪異でなくとも、怪異になる前の事知れれば強いやろって。」
「ほーん……烏野が思うにこの断定怪異は何者なんだ?」
「それは今から調べる。」
「任せたぜ、私は面倒なのが嫌いなんだ。」
「少しは手伝えや、ほらこの紙に書いた本持ってきて。」
そんな事をしていたらその日が終わって行った。
そんな金曜日の1日。