喧嘩カップル2お舐め
ともみとけんごの喧嘩カップルだが、今日は珍しく仲がいい。だって、これから念願のラブホ行きだからな。
け「昼間っからラブホなんて疲れるんじゃないか?おい。」
と「ラブホちゃうて、休憩やん。休憩と称して仲良くすんねん。でもそれやったら、ホテル北夙川のほうがよかったかなあ?自然が多そうやし。」
け「自然に帰れ、帰れ、帰れ、帰れ、帰れ、帰れ、帰れ、帰れ」
と「何歌ってんの、あんた?」
け「まあ気休めや。ホテルまで手でもつなごう。」
この二人が手をつなぐなんて珍しい。だっていつも喧嘩ばっかりしてるからな。
すると後ろから急ブレーキの音がして、何かぶつかるような鈍い響きがした。ドン!
け「あ、ともみー!」
どうやら、ともみにぶつかったようだ。彼女は腰を抑えている。
け「ともみ、大丈夫か?」
するとぶつかった車はその場を立ち去ろうとした。けんごはすかさずそれを追っかけた。
け「おい、ちょっと待たんかい!待て言うてるやろ?・・・待てっちゅっとんねん!」
そういってけんごは、車の右ドアを思いっ切り蹴っ飛ばした。すると中からチンピラ風のおっさんが降りてきた。
「お、お前俺の車へこましたな。どーしてくれるんじゃ、こら。」
け「それより前に俺の連れにぶつかっとって何ぬかしとんねん、ブタ!」
おっさん「よーし、警察でも何でも行ったろうやないか。」
けんごは早速110番した。
警察が来るまでの間、けんごはともみの介護しないと駄目だし、運転手が逃亡しない様に見張る必要があった。
け「ともみ大丈夫か?」
と「大丈夫、ちょっと左腰に当たっただけ。でも、ホテル行きは延期やね?」
け「無理すんなよ。ここで座って休憩しとき。」
と「ありがとう。」
あ、そうだ、ともみを病院に搬送しなけりゃ。でも、それに付き添うとチンピラが逃げるかもしれん。どうしよう??
よっし、あんまり自分の心象はよく思われて無いだろうけど、ともみのお父さんに連絡しよう。
け「あ、ともみさんのお父さんですか?ぼく彼女と喧嘩ばっかりしてるけんごと申しますが。」
ともみ父「おまえか?うちの娘と喧嘩ばっかりしている奴は。」
け「それどころちゃいまんねん。ともみさんが車にはねられましてん。今救急車と警察呼んでます。」
父「なに?おまえはともみに付いていながら、おまえは、おまえは、、、。」
け「おまえってゆーのやめてくれる!」
いつもともみから言われてる言葉が咄嗟に出た。
すぐにお巡りさんが来て実況見分。救急車も来た。ともみってでっかい女やけど、救急車にはちゃんと乗れるよ。
け「ともみ、大丈夫か?しっかりしろよ。」
と「うん、大丈夫だと思う。打ち身だけだから。」
け「俺も一緒に行ってやりたいんだが、警察との見分があるし、あの性質の悪そうなチンピラのブタが嘘つかないようにはんろんせんとな。」
と「喧嘩せんときや。あんた喧嘩好きやし。」
け「じゃあ養生せえよ。俺もあとから行くから。」救急車はともみを乗せてサイレンを鳴らしながら去っていく。ふと見ると、後ろから中身が筒抜けに見える。
け「あれ?この救急車窓がない。わかったー!これは昔のドラマ用に後ろガラスを取り省いた偽物だ。これじゃ、ともみが危なーい。待て―――っ!」
とけんごが走り出したところで、
「はい、カット!お疲れ様でした。」
け「な、なにっ??」
前を見ると、ともみが何の障害もなく救急車から歩いて来る。後ろを振り返るとさっきのチンピラのおっさんがニコニコしている。しかも、ともみのお父さんまでもニコニコしてこっちに近づいてくる。
父「やあけんご君、お疲れ様。じつはこれ、君にどれだけともみへの愛情があるかテストしたんだよ。」
け「はあ??」
父「自動車の運転手は、会社の冷凍部門の配送してる人。
おっさんの人、挨拶する。
父「警察はあんたの昨年末他界した巡査部長さんの元部下。」
警察「敬礼!」
け「すると救急車は?」
父「本物を頼んだんだが、そんな下らんことにつきあってられるか、こっちは忙しいねんぞ。と、断られたので、昔のドラマで使われてたのを拝借したんだ。どーかね?感想は?」
け「ともみは、どう思ってんねん?」
と「んー、だってエッチするんやから、愛情がどれくらいのものか知っときたかったんよ。わかって、ダーリン。」
け「誰がダーリンじゃ!」
と「さあ、これで愛情も証明された。ホテル球場前行って思いっ切りしまくろうよ。」
け「(ガクッときて)、あかん、ガクッときて腰抜けた。当分エッチは無理だ。どないしてくれんねん、おまえ??」
と「おまえってゆーのやめてくれる!」
け「じゃあ将来の奥さん、自分が腰抜けたとみせかけて人を腰抜けにさせる、芝居の名人、大嘘つき!お父さんまで巻き込んで、一家そろってペテン師か?」
と「何なと言いな。」
け「おい、当分エッチ無理やぞ。ホンマに腰抜けた。家まで送ってくれ。」
と「うんわかった。」と言って、けんごを背負って、彼の家の方へ歩いて行った。ともみってホントに力強いんだな。吉田沙保里に勝てるかもよ。
つづき