創作SNS GALLERIA[ギャレリア]
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病みカップル-GIRL-
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彼氏・彼女にオススメ!愛が深めで心配性の女の子と、かまってほしがりな男の子のペア着せかえです。ピンク×パープルでおしゃれにかわいくトークを楽しめます♪
#オリジナル
#創作
#オリキャラ
#女の子
#紫髪
#カップル
#いちご
#ヤンデレ
#病みかわいい
#パステル
#LINE着せかえ
misya
リズの贈り物
『あたしからみんなへの愛の気持ち、どうぞ受け取って!』
自キャラ看板娘のリズ。バレンタインが近いと言う事で描いた物。
彼女は食べた相手を病院送りにするレベルの料理下手故に、チョコではなくティーカップのプリザーブドフラワーアレンジメントを贈ります。
##オリジナルイラスト
#しづキャラ
#創作
#オリキャラ
#オリジナル
#バレンタイン
詩月
しばらく過去絵祭りですが少しずつでもザンキゼロに興味持ってもらえてたら嬉しみです。
ゲームは少し難しいですが慣れると病みつきですので是非プレイして欲しい一本です。
#ザンキゼロ
#アナログ
#コピック
#過去絵を晒す
じゅんきち
4
563♂/リカーム=ルーラー
「あの頃みたいに、何かに縛られて生きるのは嫌なんだよッ!」
「お前らさぁ、俺一応お前らの上司なんだけど?泣くよ?」
3000年以上生きている『精神病者(サイコシス)』の1人。該当は『死姦愛好(ネクロフィリア)』。アグリー帝国→カロス王国側。
(彼自身は死姦愛好者ではなく例えみたいなもの)
白雪の恋人、ヴェル・アルター・ソレイユ・シェヘラザードの主人、アリウム・アゾートの親友。
陽気で気さく。元葬儀屋。元はオービル国の王子だったが政権争いに巻き込まれたのが嫌で亡命した。終局根源戦争後は白雪と雪山遭難者の救助と葬儀の仕事をしている。一人称は俺、二人称はお前。
#ポケ擬
##中立国
##精神病者
##アグリー帝国
##カロス王国
##[オービル国]
智月上也
🐐【Talvitalo_CS】Yul(ユル)
【Talvitalo】
🐐Yul(ユル)
🐐山羊角の男性(26歳くらい)
🐐お巡りさん
🐐街の交番や街中パトロールをしています。
🐐見えてないけど山羊尾が生えてます。
#創作企画
#角っ子Talvitalo_CS
#鹿角っ子
#羊角っ子
#牛角っ子
#山羊角っ子
#獣角っ子
#オリジナル
#創作
#オリキャラ
#男の子
#創作男子
---------------
🦌
#創作企画
【Talvitalo】
どこかの寒い国にあるTalvitalo地方には、
角の生えた種が ほのぼの生活していました☕
#獣角っ子
に特化した創作企画です。
R、グロ、病みNG
企画概要
https://twitter.com/original_ssk/status/1354386505880408070
hrc
🐑【Talvitalo_CS】Toma(トマ)
【Talvitalo】
🐑Toma(トマ)
🐑羊角の男の子(22歳ぐらい)
🐑紅茶屋兼カフェ店主
🐑のんびり暮らしてます。
#創作企画
#角っ子Talvitalo_CS
#鹿角っ子
#羊角っ子
#牛角っ子
#山羊角っ子
#獣角っ子
#オリジナル
#創作
#オリキャラ
#男の子
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---------------
🦌
#創作企画
【Talvitalo】
どこかの寒い国にあるTalvitalo地方には、
角の生えた種が ほのぼの生活していました☕
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R、グロ、病みNG
企画概要
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hrc
No.677 ウマノホネ
競走馬に魅せられた男の末路。とある一人の若者。ギャンブルとは無縁だったが、先輩に誘われ競馬場へ。何頭もが競い、ある時は予想通り。ある時は意外な結末。賭けるスリルもそうだが駆け抜ける馬が格好良く、足しげく通うように。勝つより負けが増えても、馬が見たい。借金は増えるばかり。返済のために女性相手に夜の世界で働き始める。器量だけは良かったため、客に貢がれても店でナンバーワンになっても稼いだ金は返済ではなく馬に貢ぐ。もう引き返せない。とにかく走る馬が見たい。いや、もう馬になりたい。もはや病的。そんな彼に突然、幸か不幸かチャンスが訪れる。仕事上、酒を煽りすぎて体を壊して若くして命を落とす。願いが通じたのか死ぬ際に奇妙な呪術士と出会い、遂に馬にしてもらった。ただし、ゾンビだが。死んだ、という事実を認めない彼らはホストと馬の骨という奇妙な組み合わせで、好きな女性ができては結婚を願うも相手の両親からは見たまんま「どこの馬の骨かわからん!」と当然ながら猛反対され、ストレスから夜中に通行人を包丁を持って追いかけ回すらしい。恐ろしいがご安心を。いわゆる都市伝説の一つである。
#イラスト
#アナログイラスト
#オリジナルキャラクター
#アクリル絵具
#モンスター
#怪物
#お化け
#馬
#ウマ
#骨
#ホスト
#都市伝説
ts198806095666
5
【THEALFEEの坂崎さんが疫病退散の食べ物を持って来てくれた漫画】アルフィー漫画マンガイラスト
#ALFEE
#桜井賢
#アルフィー
#イラスト
#坂崎幸之助
#マンガ
#漫画
#高見沢俊彦
ぷりんせすはなげ
大治小夜さん 似顔絵
手元にある小夜姉の画像を見て描いたもの。
最近キラメイジャーを見始めたばかりです。
小夜姉描きたい病になりつつありますw
#魔進戦隊キラメイジャー
すわろふすきー💎
暫くは喪に服します。
無病息災で生きたい。
#オリジナル
XF-2
進化録2020
病状が安定せず描いたり描けなかったりした一年でした。
来年はもっと描きたいですね。
#創作
#オリジナル
#絵師一年進化録
◇Allen◇
干支少女-丑-
ピンク×ベージュの和風パステルが好きな方におすすめ!
🐮ダウナーな目元が病みかわいい、牛の女の子の着せかえです。
👘モダンな着物と昭和レトロな色合いで新年を飾ります。
新年のトークルーム衣替えにいかが?
【LINE Store】
https://store.line.me/themeshop/product/312d9c94-6e0f-402e-96a1-dd4ea1279930
【Twitter】
https://twitter/dkincdk
#オリジナル
#創作
#オリキャラ
#女の子
#LINE着せかえ
guji
オリジナル小説「深海の天秤」一章 ファーストインパクトの挿絵⑪
「言ったでしょッ。私、用があるのッ!変な言い掛かりに付き合ってられないわッ!」
振り向き様に金切り声をあげる七奈美。だが阿妻は、無表情のまま…。
「このままでいいんですか?」
…と告げた。
ずっとガン見してきた阿妻だったが、今は更に七奈美の心の奥を透かして見ているような目をしている。
七奈美の動きと息が……止まった。
「山口さんは複数により、顔の形が変形するまで殴られてました。そして最後は、鎌のような形状の鋭利な刃物により刺殺されたことが分かってます」
それを聞いた七奈美の頭の中では、『あの時』の自分に向けて「逃げろッ!」と言った山口さんの顔が思い出され、ギュッと下唇を噛んだ。
「手口からして、私たちも貴女が犯人だとは思ってません。でも、貴女が真実を告げないことで犯人が見つからなかったら、山口さんの『お母さん』はこれからずっと悲しむことになるでしょうね」
「…ッッ!」
大きく見開く七奈美の目。
「先ほど落谷刑事も言っていましたが、今回の引ったくりも貴女自体を狙ったものかもしれない。身の安全は保証します。どうか協力してください」
阿妻は椅子から立ち上がると、七奈美に向かって深々と頭を下げた。
まさかの七光りお坊っちゃまの行動に、思わずギョッとする落谷。
七奈美はというと…。
「…………本当にッ? …話したら、私だけじゃなく、私の『家族』も守ってくれるッ?!」
…と言いながら、あんなにキツい顔つきが、一気に泣き出す寸前の子供のようにグシャリと崩れた。
阿妻は丁寧に「はい」と頷く。
ダムが決壊するようにワッと泣き出す七奈美。落谷は立ち上がると、七奈美を支えるようにして元の椅子に座らせた。
「約束するよ。そのための警察だからね」
そう、優しく微笑みながら言う落谷。
たぶん今まで溜めに溜め込んでいたのだろう、七奈美の目から涙が止まらたくなった。
ーー…十数分後。
ひとしきり泣いて心が落ち着いた七奈美。その顔は、初めの第一印象よりもかなり幼く見える。
そしてハンカチですする鼻を押さえながら、ポツリポツリと話始めた…。
七奈美は落谷が言ったとおり、キャバクラに働いていた。それもあまり品の良いとはいえない店だった。
「制服は仕事か?」という落谷の質問があったが、始めは確かに仕事だった。
より多くの客の指名を受けるため、店外のアフターや休みの日でも客とデートという形で接客をした。
その時には、大体今着ているような男受けする服を着ていくのだが、なかには服装などの細かい指定をしてくる客もいる。
そう。20代にもなって高校の制服を着たのは、始めはそんな経緯からだ。
ここまで聞いて、「どうしてそこまでするの?」と落谷が問う。
「お金が欲しいからに決まってるじゃないッ」
七奈美は吐き捨てるように言った。
制服は、自分が本当に高校のときに使っていたモノを着た。一緒に持っていたバッグも、当時の使っていたままの学校指定のモノだ。
落谷は民家の防犯カメラに映っていたバッグのチャームホルダーを思い出し、七奈美に気づかれないところで「やっぱりっ♪」という顔をする…。
七奈美も、いくら客の要望とはいえ「20代にもなって、こんな格好するなんて…」と憂鬱で仕方なかった。
だがそのデートの帰り、電車に一人で乗っているとき気づいた。
…周りが誰も自分を見ていないことに。
元々童顔で、それが今の仕事にはマイナスだと思っていた七奈美。だから、メークや服装で何とか色気を出そうと頑張った。
でも…。
電車の窓。外の夜の暗さが窓を鏡のようにして、制服の七奈美を映し出す。
そこには、ほとんど化粧をしないことで高校生の時とあまり変わらない自分がいた。
心が踊った。
映っている自分の口元が、どんどん上がっていった。
当時、リアル高校生だった七奈美には、青春と呼べる思い出は無かった。
小学生のとき、クズみたいな父親が借金だけ残して死んだ。母親は本業とバイトのWワークで、その借金をなんとか返済していた。
七奈美も、年頃になってから大好きな母親を助けるため、常にバイトに明け暮れた。それと同時に、より良い給料を貰える会社に就職するため、学業も頑張った。
部活なんてやる余裕なんて無かった。それどころか、友人とまともに遊んだ記憶も無い。
でもその努力が報われ、高卒でも最良な就職先に内定することができた。父親が残した借金も、あと少しで完済の目処がついた頃……母親に異変が起きる…。
仕事も家事も手つかず、ボーとする時間が増えていった。色々なことを忘れることが多くなった。
病院で診察を受けたところ………若年性アルツハイマーだと診断される。
多分、七奈美が就職を決まったことで、母の長年に渡った緊張の糸がプツッと切れたのだろう。
どんどん酷くなっていく一方の母親を残して、決まっていた就職先で働くのが難しくなった。けれど、まだ借金も返していかなければならない。
悩みに悩んだあげく七奈美が出した決断は、夜の仕事だった。
幸い七奈美は幼い顔立ちだが、容姿は悪くない。キャバクラに勤め始めて、すぐにそこそこ客がついた。
店と母親の世話で、自分を見失うぐらい目まぐるしい日々が三年続く。
そんなときに現れた、電車の窓に映る高校生と見まごうばかりの自分…。
この時には、借金のほうはなんとか返し終えていた。母親のことがあるが、金銭面だけでいえば少しは余裕ができていた。
そこから七奈美は、客とのデート以外でも制服姿で出歩くようになる。
友達とワイワイとはいかないが、この格好で街をブラブラ歩くだけで、あの時の青春を取り戻せるようで楽しかった。
なにより、本当の自分でいられた。
キャバクラという仕事上、服装も化粧も色気のある大人の女を演じてきたが、本当の七奈美は可愛い服やファンシーな小物が大好きなのだ。
それらを、制服姿でウインドショッピングするだけで幸せだった。
…が。
そんな小さな幸福も、あるときを境にまた苦痛へと一変する。
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神嘗 歪
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三七ふう
オリジナル小説「深海の天秤」一章 ファーストインパクトの挿絵⑩
「…何の話よッ」
逃道を絶たれて威嚇する猫のように、落谷を睨みつける七奈美。落谷は反対に反応を楽しんでいるように笑う。
そして持っているスマホを操作すると、画面を七奈美のほうに向けた。
「コレって君でしょっ?七奈美ちゃん」
画面には、小野塚が駅から入手した例の防犯カメラ映像が表示されている。
「知らないわよッ!っていうか、顔が出てないじゃないッ。どうして私だって言えるのッ?」
捜査会議でも言っていたが、小さな白い紙袋を持った被害者の山口さんはカメラに向かって正面を向いているが、受け取ろうとしている制服の女性は後ろ向きだ。
「始めから思ってたんだよねーぇ。七奈美ちゃんの後ろ姿、この制服の子にスゴく似てるなーぁって」
これが落谷が部屋に入った直後に上げた、「思うところ」のもう一つだ。
「まさかそれだけでッ?!」
キッと睨みを深くする七奈美。
「まさかーぁっ。でも、「そうだ」って教えてくれたのは君だよ」
「意味、分かんないッ!」
「正確に言えば、君が今身に付けている腕時計が、だけどねっ♪」
「ッ?!」
グッと詰まった顔で七奈美は、先ほど落谷に持ち上げられた手にしていた腕時計を、反対の手で隠すように覆う。
「服やバッグなど高額なモノばかりなのに、それだけがハンドメイドのレザークラフトだ。いくら手作りとはいえ、金額にすれば名の知れたブランドに劣る。それに髪型から足先まで完璧なコーディネートされているのに、腕時計だけが不釣り合いだ」
確かにその腕時計は作りは精巧たが、見た目がかなりアナクロでファンシーだ。
鈍い金色とクリーム色で構成されたゴシック調の丸い文字盤。ベルトには花や蝶を立体的に型どって装飾されている。
原宿とかにいるゴスロリの子とかがしてそうな感じの時計だ。
「それでも何故するか?」と言って、落谷はピッと人差し指を立てた。
「やっぱり『好きな人』から貰ったモノは、肌身離さず身に付けてたいよねーーーぇっ。ねっ、七奈美ちゃんっ♪」
「………」
落谷は女子高生みたいにウインクして、可愛くキメ顔をする。七奈美は、無反応で押し黙ったままだ。
落谷は構わず続ける。
「そして、その腕時計は『ココ』に入っていたっ」
そう言って落谷がトントンと指差したのは、防犯カメラに写った山口さんの手元。あの白く小さな手提げ袋だ。
そこいらの既製品でありそうな袋だが、よく見ればその手提げ、持ち手の根元四ヶ所に白色のハートが付いている。
「この袋が、駅近にある商業施設内の「フラワーガーデン」っていうお店のモノだって判るのには苦労したよ。見覚えがあったっていっても、SNSで前にちょこっと見たことある程度の、うろ覚えだったからねっ」
そう。落谷が今日の捜査会議そっちのけでスマホで検索していたのは、このことだった。
落谷はよく、自分の管轄内地域に関係してそうなSNS情報を貪り見る。それもジャンル関係無くだ。
昔の刑事は、自分の靴を磨り減らして聞き込みをしたり、情報屋とかを子飼いして事件に必要な情報を入手していたが、今はそんなのより一般ピープルが何気に載せるSNSのほうが使い方次第では有益だったりするからだ。
たしかこの袋が載っていたSNSには、写真と一緒に「レザークラフトっていうと男の人が持ち物のイメージだけど、ここは花とか動物とかを型どった可愛い商品がメインで、女子受け必死☆ラッピングもこのお店独自のハートの付いたモノなので、プレゼントにも最適です!!」といったコメントが付いていたと記憶している。
「で、この病院に来る前に寄り道して、そのお店に行ってみた。店員さんが覚えてたよ、この男の人のこと」
そう言うと落谷は、今度は被害者の山口さんのことをトントンと指差す。
「事件が起こる、その日の夕方。服装からして仕事帰り。一人で買いに来て、ラッピングまで頼んだそうだよ。それも気恥ずかしそうに、嬉しそうに頼んだものだから、店員のお姉さんが良く覚えていた。「ああ、好きな女性に渡すんだなーぁ」…って」
うつむき聞いていた七奈美の口元が、なにかに堪えるように微かに震え出す。
「それとそこの店は、商品みんな一点モノだから、一つ一つ写真に撮っといてあるんだって。その男の人が買ったのがコレ」
落谷はスマホの画面を指でスライドさせる。次に出てきた画像は、今、七奈美が着けている腕時計とまったく同じモノだった。
落谷は顔を上げると、七奈美に向かってもう一度聞く。
「映像の制服の女性。君だよね」
いきなり、七奈美は返事もせずにバッと立ち上がった。そしてバッグを持つと、早足で部屋の出口に向かって歩き出す。
落谷は溜め息を一つついただけで、慌てて止める様子も無い。代わりに…。
「待ってくださいッ」
今まで落谷の話を無言で聞いては阿妻が、七奈美に向かって低く強く静止の言葉を投げた。
#オリジナル
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#オリキャラ
#深海の天秤
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#バディ
神嘗 歪
4
おっさん描かな死ぬ病
零香
深海の天秤〈第一章 ファースト・インパクト⑨〉
その女性は、入ってきた二人に背を向けている状態で座っていた。
女性の前にはテーブルを挟んで、白衣姿の医者と年配の看護婦が一人づついる。
女性は落谷たちが入って来たことに気づいているようだが、振り向く様子は無い。代わりに医者が阿妻の顔を見るなり軽く頷く。
たぶんその意図は、健康上問題無いという意味だろう。
阿妻は隣の落谷に、子声で「引ったくりに襲われたさいに頭を打ったようなので、念のため細かく検査を受けてもらいました」と説明する。そしてすぐに、医者と看護婦に向かって「すみません。彼女と話がしたいので、少し席を外していただきますか?」と言った。
医者たちはそれに素直に従い、阿妻たちが入ってきたドアから廊下へと出ていく。
これは医者たちに事前にそういう状態を作ってもらうことを伝えてあったのだろう、女性と阿妻たちが残った部屋は診察室出はなく、病院内でも医療に関係しない少し狭い応接間といった感じの部屋だった。
(…なかなかの手際の良さで)
新人刑事とは思えない阿妻の配慮に少しばかりの気持ち悪さを感じながら、落谷は医者たちが出ていったドアから視線を本題の女性に戻す。
そこには、アップにしている茶髪の髪からスッと伸びるうなじ。座っていても判る小柄な背丈。OLにしては少し派手目の装飾が施されたスモーキーピンクのワンピと、その上に羽織っているべージュのレザージャケット…といった後ろ姿があった。
女性の前のテーブルには、病院から出されたと思われる紙コップのお茶と、お財布と少数精鋭の化粧道具しか入らさそううな小さめのバッグが無造作に置いてある。
顔が見てないのではっきりしたことは言えないが、容姿からして若そうな女性だ。
「ッ……」
落谷はム~と口をへの字に曲げ、首筋のハートのアザを人差し指でポリポリ掻いた。
この時点で落谷の頭の中に『二つ』。なにやら思うところがあった。
その一つ目は…。
先ほどあげたとおり女性が身に付けているものは、どれも高額なモノばかりだ。
髪型もヒールの先の先まで相当気を使っている。というか、過剰過ぎるぐらいだ。
かなり金回りの良い生活をしているのだろう。
…が。
だからといって引ったくりが狙う物件としては些か疑問がある。
世の中は今、キャッシュレスに移行している。
特にこの手の若くお金持ちの女性となれば、何を支払いするにもカードかスマホからの決済が主流で、手持ちの現金などほとんど無いに等しい。
まだ、商店街を買い物しているお年寄りのほうが現金を持っているだろう。
カードから現金を引き出す技術がある、犯罪システムがしっかり構築された「なりすまし」ならまたしも、引ったくりのほとんどが足がつけづらい現金主義の場当たり的なモノが多い。
それも犯行は平日の、通勤で人の動きがまだまだ頻繁な時間…。
(…とは言っても、何事にも例外はあるけどね)
落谷は一旦浮かんだ疑問を保留にし、阿妻とともに医者が座っていた女性の相向かいの席に回り込む。そこでやっと女性の全貌を拝むことができた。
すると落谷は、ここでまた表情を変化させる。
その顔は驚きとも納得ともつかない、なんとも言い難い顔だ。原因は、女性の顔と手首にあるようだった。
そしてそのまま、視線を流すようにチラリと阿妻を横目で見る。
見られている当の本人は、視線に気づいているのか?いないのか?ピッと伸びた姿勢で席に座り、女性を直視していた。
だが、先に現状の進行の口火を切ったのは女性のほうだった。
「あのッ、もう帰っていいですかッ?!」
派手めな紅を塗った口から、尖った口調が発せられた。が、すぐに阿妻が、冷静に「ダメです」と一刀両断する。
「何でですかいッ?お医者さんには「何にも異常は無い」と言われましたッ。このあと用があるんで、早く向かいたいんですけどッ!」
まくしたてるような早口。口紅のみならず化粧全体が濃いので、更にキツい印象に感じる。
阿妻は掛けている眼鏡の中央を人差し指と中指でクイッと上げると、女性をジッと見直した。
「今の状況を解ってますか?貴女は引ったくりに遭ったんですよ?」
その眼力に女性は一瞬たじろぐ。が、すぐに応戦に出る。
「そんなの解ってますよッ。でも、何も取られなかったしッ。本人がいいって言ってるんだから、いいじゃないですかッ」
「それでも貴女は犯罪に合い、怪我をしました」
阿妻の視線が、女性の顔から右手に移動する。そこには、阿妻の頬に付いているガーゼと同じ大きさのモノが付いていた。
引ったくりに突き飛ばされた頭を打ったといっていたから、その時に手を擦りむいたのかもしれない。
「私が通りかからなければ、もっと酷いことになっていたかもしれないんですよ。どうか犯人検挙に、ご協力ください」
「酷いこと」っと阿妻が口にしたとたん、女性の体がビクッと反応した。
強気だった顔は曇り、正面を向いていた視線がテーブルに置いてあったバッグに流れる。
「…助けてくれたことは感謝してます。だけど、私にだって都合があるんです」
声も小さく弱々しくなる。引ったくりに会った恐怖は、十二分に感じているようだ。
まあ、普通の反応だろう。反対に今までがおかしかったのだ。
(…となれば、その恐怖よりも上回る『何か』が、その『用』にはあるってことだな)
今まで口を挟まず二人の様子を伺っていた落谷だったが、ここでやっと口を開いた。
#オリジナル
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#刑事
#小説
#挿絵
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#ミステリー
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神嘗 歪
過去漫画表紙いろいろ②
これも当時漫研で描いてたファンタジー系漫画の表紙?
連載作品だったが結局終わらせられなかった(お約束
中二病のころって やたら壮大なファンタジーとかSF描きたくなるよね
(/ω\*)いや今でも続き描きたいような…そうでもないような…
#オリジナル
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#オリキャラ
#過去絵を晒す
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#ファンタジー
大窪劍蒔(試験稼働中)
オリジナル小説「深海の天秤」一章 ファーストインパクトの挿絵⑧
誘導するように前を歩いていた阿妻に、落谷は横に並ぶ。
病院内は人が多いはずなのに、遠くで打ち寄せる細波程度の音量しか周囲の雑音は入ってこない。代わりに、薬剤や除菌アルコールなどの混じった独特の匂いが鼻につく。
落谷たちは長く白い廊下を歩きながら、受付の前から始まった会話を続ける。
「まあ、資料見て知ってると思うけど一応自己紹介ねっ♪俺、落谷 皐(おちや さつき)、ピチピチの35歳。丁度、ヒナちゃんとは10歳差だねっ」
「ご丁寧にありがとうございます。でも、35はピチピチとは言わないんじゃないですか?」
阿妻は眼鏡越しに、横目で落谷を見ながら歩く。どうやら阿妻は、話す相手をガン見する癖があるらしい。
「気持ちが若々しければ言うでしょ」
おどけたように首をすくめる落谷。
「「若々しい」と言っている時点でアウトでは?」
「ヒナちゃんてば、初対面でもハッキリ言うね~~ぇ」
「その点に関しては、あまり周りから注意されたことがありませんでしたから」
(……いや、たぶん遠回しにイヤミ混じりに言われてるとおもんだけど。)
「ん~~っ、『官房長の息子』だから言われない?」
「でしょうね。」
(やっぱり。気づいてないのか、流しているのか…)
淡々と喋る阿妻。
先ほどもそうだが、自分が『七光り』だということに、まったく優越感も劣等感も感じていないようだ。
ただただ『七光り』という利点を、ハサミやペンのように「そこにあるから使う」「必要だから使う」といった感じだ。
だが、感じてないということに関しては落谷も負けてない。
落谷の視線が、阿妻の頭の天辺にいった。
「俺、身長188cmだけど、ヒナちゃん低いよねーぇ。175ってところ?」
普通なら、背の低い男性はこのての話は嫌がるのでタブーとされているが、落谷はあえてする。
阿妻の反応は…?
「いいえ、171cmです。」
…と、何の感情の含みもなく、更に低い実身長をサラと答えた。
「へーぇ、そうなだー。そうすると、その着ているカーディガンもオーバーサイズに見えるけどM?ってか、何でシャツの上にカーディガン?」
「朝、考えごとしていたら、部屋着で羽織っていたカーディガンのままで家を出てしまいました。あとこれは、元々オーバーサイズで売られていたものです」
「アハッ…天然かッ!」
吹き出して笑う落谷が、裏手で阿妻の肩にでツッコむ。阿妻は、また淡々と「それも、よく言われます」と返した。
「でもそうだよね。ヒナちゃんて、ヒョロく見えるけど、さっき触った感じ結構筋肉質でガッチリしてるよね。何か運動でもやってんの?」
「運動というほどではありませんが、刑事ですからそれなりに体は鍛えてます」
「何か武術系もやってるんじゃない?」
「はい。少々」
「少々?それにしては引ったくりたちから受けた怪我も、しっかりガードしたうえでの急所を外したモノだよね?それなりに経験が無いとできないよ」
覗き込むように聞く落谷。だが「そうですか」と返した阿妻の目は、まったく揺れない。
「落谷さんの話し方は、まるで取り調べみたいですね」
「そう?」
「いや、合コンかな。そんなにグイグイ行くのが、お持ち帰りのコツなんですか?」
そう言った阿妻の視線が、ここでやっと少し斜め下にずれた。
「んっ?」
小首を傾げる落谷。どうやらその視線は、落谷の首筋に止まっているようだ。
「ああっ、コレっ?言っておくけど、キスマークじゃないから。昔からあるアザだから」
落谷はそう言って、自分の首筋を触る。
その首筋には、蚊に刺されて腫れた程度の大きさの赤紫のモノが見える。場所は落谷がクセでよく掻く場所だ。
確かに見ようによってはキスマークに見える。というか、落谷のチャランポランな性格がそう見せているともいえる。
それもそのアザ、見ればハートのような形をしていた。
「つーぅか、なに合コンに行きまくっている定になってんの、俺?資料で既婚者じゃないって知っているだろうけど、それでもただ彼女とラブラブ~~ゥ♪ってだけかもしれないじゃんっ。良くないな~~、そういう片寄った見方」
「そうですか?さっきの受付の女性の対応もそうですが、落谷さん、あえて特定の人間関係を作るのを避けている振る舞いをしているように見えたので」
「……へえーっ、ヒナちゃんてはよく見てる~。それこそ、俺が取り調べでもされているようだっ♪」
ニコッと笑う落谷。
「…………。」
足を止め、ジッと見返す阿妻。その手が真横のドアを指す。
「着きました。ここに引ったくりにあった女性がいます」
「んでもって、今回の殺人事件に関連してる…ってぇ子?」
「はい」
返事をすると、阿妻は引戸をゆっくりと開けた。
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神嘗 歪
11
不幸ブラザーズ_設定色々詰め
2011/12/06くらいに、学科の課題がキッカケで生まれたキャラクター達。
それぞれ死に神、貧乏神、疫病神をモデルというかモチーフというか…(※死神ではなく『死に神』と書くのは、個人的なこだわりです)神様と言うには、かなりおちゃらけて仲良しの3人(?)組です。
#創作
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細かな設定は、今後変わる可能性もあります。
Tanotuki(Ts)
4
ララバイ ムウマ♂
【どんな道を通っても、どんな回り道をしても、1日の終わりには夢って名前のメインストリートにたどり着く。わかる?あなたはわたしから逃げられないよ】ーララバイ
台詞サンプル
「どうしてこんな事をするのかって聞かれたんだけど、皆ご飯は食べないの?それだけの簡単の話なんだよ。食事を邪魔されたらどんな生物だって不機嫌になる、ましてやそれが好物ならね。そうでしょう?」
「夢の中では…そうだなあ。わたしはスイッチが入ったホットプレート、君は焼きあがるのをまってるだけのパンケーキの生地だ。わたしはキミが美味しく焼きあがるのを待ってるだけで良い」
「母親も父親も慕えるような存在じゃなかった。どちらもわたしを捨てたんだ。だからわたしはどちらも見習わない」
「確かに淫魔の血は引いているよ。でも野蛮なあいつらと違って無闇には襲わない。でもわたしだって男なんだから、接し方は考えてね。」
「一番残酷なやりかたは死ぬまで殺さない事だって聞いた。だからあなたで試すよ。もっとも、あなたの頑張り次第で死ぬか生きるかが決まる。死に方は苦しい死に方一つだけ。」
一人称:わたし 二人称:キミ あなた 呼び捨て
自分よりも格下相手なら【パンケーキちゃん】その他多少侮辱するような呼び方
年齢:不詳 成熟はしていない。 性別:男 身長145cm(角無しで135cm)
所属:なし
居住地:アンダーフット
【現在組ませていただいている関係】
同居?人:レイラさん(
https://twitter.com/mujyun0717_/status/1336969237768761344
)
数少ない夢を打ち破ったうちの一人。取り扱う魔術に興味を持たれた事によって研究の為に時折家に身を置かされているが、その能力から簡単に目を掻い潜って逃げ出してしまう。一応お世話になってはいるものの「ばば」呼びしたりと尊敬の意を見せている様子は無い。
【ダレンさん】連れ添い(
https://www.uchinokomato.me/chara/show/241226
)
他の世界から現れたところに遭遇して以来行動を共にすることが多い。野ざらしにしておくのもなんなので、確保した家に住まわせているようだ。
いわく「目のやりどころと接されかた」に困っている様子。何か特異な力を持っている事については察しているがそれだけでは狙われない理由にはならない様子。
自分の方が弱いとは思っておらず、反抗的な態度も普通に取る。
「それくらい自分でやりなさい わたしより年上のくせに」
「あのさ…キミはわたしに犯されたいの?何が狙いなの?」
「代わりに淫魔をやりなよ。わたしよりずっとお似合いだ」
「キミは自分がルールの外側に居ると思ってる節があるでしょ。前居た場所ではそうでも、ここじゃ違う」
身長:140cm 体重:5kg
夢魔と魔法使いの間に生まれた混血。夢の魔法と影を操る魔法を扱う。日が出ている間や必要以上に明るい場所ではアイマスクを着けていることもあるが、きちんと周りは見えているので問題ないらしい。
夢から夢へと転移することが可能な為、例え出口の無い箱の中に閉じ込めても
脱出できてしまう。
性的な行いをすることで生きる糧を得る種族―いわゆるサキュバスの元に生まれたのだが、性的なことへの関心は並といったところ。
その気になればするかもしれないが、その気にならなければ何もしない。
女性を夜中に襲ったり誰彼構わず孕ませるといったことはせず、淫魔呼ばわりされることをこの上なく嫌っている。
それよりもパンケーキと感情が動いた際に生じるエネルギーを好むようだ。
好きなときに食べたい感情を効率良く探し出すための手段として獲物の夢を自在に操る魔術を用い、目を付けられた者は彼の犠牲になることになる。
質量、能力、物体、彼が願ったとおりの世界になるくらいには夢の魔法の扱いに特化しているが、他は基礎レベル程度にしか扱えない。
お気に入りの夢は、逃げ回る相手をパンケーキに変えて食べてしまう夢。良質なエネルギーが得られるという。
複数の恐怖心(ぜいたく)>>>>恐怖心(美味しい)>>>>>喜び・楽しみ(まあまあ)>>>怒り=悲しみ(わざわざ選ばない) の順番に好む。
本人に自覚はないが、性的な興奮状態にある者の感情は最上級のエネルギーになる。
眠りさえすれば獲物認定されるので、相手が何者であろうと関係なく平等に狙うのだが、力試しを兼ねて魔法使いやその関係者、異端な力を取り扱う者を狙う傾向にある。それゆえ、有名な賞金稼ぎや腕利きのMADMAM兵士、ウィッチノーズに被害が多く見られる。一度や二度負けた程度では諦めずに襲ってくるようだ。
眠るときに枕元に新鮮なパンケーキを置いておけば獲物にならないだろう。普通に生活をしていればそんなことはないだろうが。
質の高い感情を食べ続けると角が赤い光を放ち、最大限に力を振るえる状態になる。この状態なら寝ていなくても強制的に夢の世界に連れ込むことが出来るようになってしまうため、現実世界でも危険な存在になり得る。ただし純粋な睡眠とは違うためか、それほど長時間は続かないようだ。
多数の人物の夢を繋ぎ合わせて同じ世界に放り込むことも可能であるが、どこまでの規模で繋げられるのかは不明。何人も同じ夢に送り込まれた場合は、相当彼が贅沢をしたいということ。感情を効率的に集めるため、その場合はもしかしたら助かるかもしれないという希望がある事が殆ど。ただし脱出できる事例は稀。食べたい感情が満ちている場所に居ればその日の犠牲は出ない。
自在に夢の世界を操るその性質上彼を打ちのめすのは難しい。もしも貴方が【彼の作り出した世界を上書きできるほど魔法に精通している】なら、夢の世界で天狗になっている彼を打ちのめすことが出来るだろう。
そんな彼に最も通用する弱点は"外部からの夢食い"。
もしも彼を怒らせてしまうと巨大な夢の迷路に送られてしまい、自力で脱出することは非常に困難になる。その間は眠り続けることになり、起きる為には脱出しなければならない。どれくらい機嫌を損ねたかにも依るが、かかる日数は運が良ければ数日、悪ければ数週間、最悪そのまま衰弱して死に至るケースも存在する。
ごく稀にだが、見ている夢があまりに幸せすぎる夢であるがゆえに起きないケースも存在する。この場合はもっとタチが悪く、帰りたいと自分で望むか、第三者が同じ夢に潜り込んで引きずり出さない限り起きることは無い。
彼の仕業で引き起こされる眠り続ける現象を【魔女の子守唄】という病として街では認知されている。
彼は、何よりも夢では得られない愛情に飢えている。
【彼を怒らせる行動リスト】
▪淫魔よばわりする
▪全ての夢に対して反応が薄い
▪食事の邪魔をする
【経歴】
魔女と夢魔の間に生まれたララバイは、どちらの種族を基準に見ても曖昧なまま育った。インキュバスのように女性を孕ませて眷属を増やすこともしなければ、魔法使いといわれて思い浮かぶような薬を作ることも、魔法を振るうことも無く、彼はただ「普通」に暮らすことを望んだ。
しかし、母親には望まずして産み落とされ、忌み子として彼を見る周りの目がそれを許さなかった。容姿こそ母親に似て愛らしいものだったが、彼を見るや否や多くの者は彼に石を投げつけ、夜に出歩く彼を見れば「孕まされる」と一目散に逃げ出されるようになると、彼は自分の世界にこもるようになった。
夜に眠って見る夢だけが、唯一自由が許される空間であった。
夢の中では何もかもが自由だ。世界が自分を自由にさせないなら、自分から自由な世界を手繰り寄せるために夢を利用しようと考えた。
母親譲りの魔力が身体に流れていることは彼にとっては幸いなことだが、街の住民にとっては不幸であっただろう。この日をきっかけに、街中では眠ったまま目を覚まさない人々が少しずつ現れ始めた。
毎晩のように眠っている者の夢に入り込んでは夢の改竄を引き起こし、力関係が自分にとって圧倒的に有利だと確信した頃、お腹が満たされるまで拷問によって苦痛を与え続け、自分へ不当な扱いをした者を次々と夢の中に閉じ込めていったのだ。街の住民の5割が目を覚まさなくなった頃には前例の無い症状に医者達は頭を抱え、眠ることを恐れた住民達は次々と身体を壊し、活気のあった街は陰鬱とした雰囲気に変わった。
夢の中では自分を縛ることが出来る者は居なかったが、彼の所業に誰よりも早く気がついたのは母親であった。止めるように叱責されたが彼は聞く耳を持たず、逃げるようにその夜も夢から夢へと飛び移り、やがて今まで見た中でもぐちゃぐちゃな夢の中にたどり着いた。居心地が悪く感じたララバイは夢から脱出したが、周りは深い霧に覆われた見慣れない森の中だった。
それと同時期にトイボックスの街に、眠ったまま目を覚まさない者が現れ始める。人々はその病を「魔女の子守唄」と名づけた。
トイボックスのデータベース
小説「深海の天秤」一章 ファーストインパクトの挿絵⑦
「っ♪」
そして今、落谷は澤木課長の命令どおり、新人刑事・阿妻と引ったくりの被害者が手当てを受けている病院に来ている。
乗ってきた車を駐車場に停めると、鼻歌まじりで人差し指にかかった車のキーをグルグル回しながら入口から受付に向かう。
建物内は、ここら辺では一番大きな総合病院の午前中とあって、来ている患者が多い。そして平日だけあって、待合所に座っている人々は年寄り率が高い。
「どうも-っ♪ここに、引ったくりで怪我した二人が来ているって聞いたんだけど、どこに行けば会えるかなっ?」
内容に反して、落谷の軽いノリに不信がる受付の女性。落谷はそんな反応に慣れているのか、すぐにジャケットの内ポケットから警察手帳を出して、自分の顔と手帳内の写真の顔を照らし合わせて見せた。
ニコッと笑う落谷。手帳を見せても、それでも受付の女性の信用度は78%と微妙な上昇で停滞してしまう。
すると急に訝しがっていた受付の女性の表情が、「あっ」という口の開きとともに一変する。
「んっ?」と思った落谷は、女性の視線を辿るように振り向いた。
「落谷刑事ですよね?初めまして、阿妻 陽向(あづま ひなた)です」
受付の女性に聞こえるように、やけに「刑事」のところを強調した言い方。そして、目の前で深々と下げた頭がゆっくり上がる。
そこには眼鏡と猫のようなつり目が視野に飛び込んできた。
(……澤木課長に聞いた話だと、確か25才だよな?)
落谷は直立な姿勢の阿妻に歩み寄りながら、あからさまに品定めをするように頭の先から足の先にかけて視線を動かす。
だが阿妻はそれに動じることなく、落谷の返事をジッと待っているようだった。
その顔は落谷が疑問符を浮かべるほど童顔。十代だって言っても信じてしまいそうなほどだ。
髪は色素の薄いブラウン。動きでフワフワ揺れるほどのカールがかっている。仕事上、染めることもパーマをかけることも基本御法度なので、たぶん地毛なんだろう。
服装は、シャツとパンツが黒。形よく絞められたネクタイは麦藁色。ここまではキッチリしているのだが、何故か羽織っているのはオーバーサイズのクリーム色のカーディガン。これが更に幼さに拍車をかける。
人のこと言えない落谷だが、服装だけいえば阿妻も刑事には見えない。
けれど落谷と全く違うのは、その雰囲気。
強く結ばれた口元に、ピッと伸びた姿勢。顔も減点が見つからないほど、洗練され整っている。
一言でいえば、誰もが阿妻に持つ第一印象は「生真面目そう」だ。片や落谷は、何もかもが浮草のようにユルユル過ぎる。
そんなユルユル落谷は「ん"~~…」と唸りながら、
上下に動かしていた視線を阿妻の顔の正面で止めた。その整った顔の右頬には5cm × 5cmほどのガーゼが貼られている。
カーディガンの袖から見える左手にも、白い包帯が微かに見える。
服も汚れが目立ち、たぶん引ったくりともみ合ったときに全部負ったものなのだろう。
ここでやっと落谷の口が開く。
その第一声が…。
「……陽向というより日陰じゃね?」
これが小野塚だったら絶対にドデカい怒りマークが点灯し、澤木課長が「要らんことを…」と苦笑いする事例だ。
が、阿妻はピクリとも表情を変えず…。
「はい。よく言われます」
…と言った。
声色にも不快や初対面の緊張とかは感じられず、若人特有の感情の揺らぎが無い。
落谷の戯言を肯定するのもなんだが、「陽向」の名前からくる暖かみを感じられない。どちらかというと、波の無い冷たい湖面…といったイメージだ。
(これが『七光り』で『元悪ガキ』…ねぇ?)
落谷は、阿妻の顔を覗き込む姿勢から状態を伸ばし、一歩引いた。
「いきなり、ゴメンっ♪ゴメンっ♪君が『阿妻官房長の息子さん』?」
「はい」
(……反応無しかぁ)
「いいなーぁ。お父さんが偉い人だと、色々と得することも多いでしょ?」
「得かどうかは分かりませんが、父の親しい方々には良くしてもらってます」
(…スゴいな~ぁ。自分で『七光り』のコネを、有効活用しちゃってますって言っちゃってるよ、この子っ)
それでいて落谷の頭半分低いところから見上げる阿妻の目には、上位に立つ優越感といったものも一切無い。
「俺も、ヒナちゃんのお父様の恩恵にあやかりたいものだよっ」
両手を胸の前で開いて、軽口を続ける落谷。ここで初めて、阿妻の表情が微かにピクッと反応した。
「………『ヒナちゃん』?」
「おっ?」と思いながらも落谷は続ける。
「うん。陽向だからヒナちゃんっ。それに刑事になりたてだって聞いたから、ヒヨコでヒナちゃんっ」
今までジッと落谷を見ていた阿妻の目が、斜め下に流れる。
「……………恩恵のほうは、落谷さんには不必要ではないですか?」
「えっ?何でっ?」
小首を傾げる落谷。
「昇進とか興味無いでしょ?貴方を動かす原動力は、ただの『正義感』ですよね」
「プ…っ!」
新人らしからぬ阿妻の言葉に、思わず噴いてしまった落谷。刑事ではあるが、『正義感』なんて自分には程遠い言葉だろう。
「ククク…ッ。ヒナちゃんてば表情筋死んでるのに、言うことは面白いねっ」
そう言うと落谷は阿妻の横に回りこんで、馴れ馴れしく肩に腕を回して体を揺さぶる。
「それもよく言われます。あと、負傷しているところが痛いです」
「あっ、ゴメン」
ハッと離れる落谷。阿妻は左腕をカーディガンの上から擦った。
「少なくとも昇進目的で仕事をしているのなら、上の命令を無視して、警視庁が追っている犯罪組織【ブラッディ・ヴィーナス】のドラッグ製造工場を単身で潰したりしないでしょ?」
ここでまた横に立つ落谷の顔をジッと見上げる阿妻。
落谷は「ヴッ」と唸る。
阿妻が言っているのは、約半年前。落谷たちの署管轄内で、大量殺人が起きたことから始まる。
ここではそこまでの経緯の説明を省くが、最終的にその殺人には犯罪組織【ブラッディ・ヴィーナス】のドラッグ製造工場が関係していることが判った。
落谷はそれを阿妻が言ったとおり、警視庁からの制止を振り切って一人で潰してしまったのだ。
いくら落谷でも、この後の責任問題に発展するのは覚悟した。でも不思議なことに、澤木課長含めた多数の上司にコッテリお説教食らったぐらいで、後は大したお咎めは無かった。
「まあ、日頃の行いが良かったんだろうっ♪」と、一課の部屋で呟いた落谷に、周りの人間は全員「それは絶対に無いッ!」と心のなかで叫んだものだ。
「……ヒナちゃんてば、よく知ってるねー。」
なんとも言えない顔で阿妻を見返す落谷。
「はい。これから組むバディの人となりを知るのも仕事の一環と思い、事前に澤木課長から落谷さんの資料をいただきました」
それを聞いた落谷は、勢いよく阿妻がいる側とは反対方向を向く。
(やっぱ澤木さんッ。初めからヒナちゃんと組ませる気だったじゃないかよッ。それも要らんことまで教えてッ)
ここにはいない澤木課長に向かって、口を尖らす落谷。でもすぐに顔を戻し「まっ、いいや」と投げた。
「で、澤木課長に聞いたんだけど「引ったくりにあった被害者が、今回の殺人事件に関係している」って、進言したんだって?」
「はい」
「その心は?」
「引ったくりの被害者に会っていただいてからお話します」
そう言うと阿妻は受付の女性に「お世話になりました」とばかりに軽く一礼をし、方向を変えると落谷に「こちらに」と促して歩き始める。
頭を下げられた受付の女性は阿妻の紳士的な対応に頬をうっすら桃色に染めた。が、次に落谷が「じゃねー♪」とチャラく片手を振ると、一気に冷めたようにゲンナリとした。
どうやらこの受付の女性の好みは、誠実な男性のようだ。
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神嘗 歪
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御嶽 聖一 みたけ せいいち
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高宮さん原案
red_sosaku
Happy Halloween Girl3
ダークホラーで病みかわいい! ウルフカットがクールでダウナーな狼の女の子の着せかえです。🎃カボチャに🦇コウモリ、🕷️蜘蛛や👻おばけが、おしゃれにハロウィンを盛り上げます♪
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今回のは目が病んでいるバットマンですね。
まるでタイタンズのロビンみたいな風貌ですかね。
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一番同人関係で関わりが深かったキャラ
よく誕生日忘れるのですが、存在自体を(病気以外で)忘れる事は一生無いと言い切れる
ずっと忘れないでいたいです。
高西聡
〈小説「深海の天秤」の文章〉
「待ってくださいッ!」
落谷と澤木課長が、同時に声のするほうに振り向く。するとそこには、さっき病院の件で質問を投げ掛けた小野塚が立っていた。
二人を見つめる大きな瞳は、黒曜石のように漆黒を帯びている。
後ろ手に一つ縛りした髪も艶やかに黒く、女性にしては長身の細みの体を覆うパンツスーツも黒い。
化粧気はあまり無いが、それでも美人の部類に入る容姿をしていた。
「どうした?」と声をかける澤木課長に、小野塚は一歩前に歩み寄った。
「バディとして落谷刑事と阿妻刑事を組ませることに、私は反対ですッ!」
その勢いに目をパチクリさせる二人。でも落谷のほうは、これは好都合とばかりにそれに乗っかった。
「だろッ。あり得ないよな!」
が、小野塚はそんな落谷に見向きもせず、更に一歩澤木課長に食い寄る。
「あり得ませんッ!阿妻刑事が可哀想ですッ!」
「……えっ?そっち?!」
思わず小野塚を二度見する落谷。すると今度は小野塚が、尾っぽのような一つ縛りを振り回しながら落谷のほうに顔を向けた。それも貫くような鋭い目で。
「確かに落谷刑事は優秀で、この署でNo1の検挙率を上げていますッ。ですが、そのやり方には疑念を感じざるをおえませんッ。捜査方法があまりに自分勝手過ぎるッ。まったくチームワークをとる気が無いッ。そんな人に前途有望な人材を任せてはおけませんッ」
落谷はそれにキョトンとするも、すぐに腕組みをして考え深げな顔をしてみせた。
「うんうん。三年経って美華ちゃんも言うようになったね。……あれっ?もしかして、美華ちゃんとバディ組んでいたときに出張先の離島に置いてけぼりしたこと、まだ怒てる?」
落谷の無神経なその言動が、小野塚の怒りの火に更なる油を注ぎ込んだ。
みるみる赤く高揚していく小野塚の顔。横では澤木課長が、微笑みながらも「また要らんことを…」と思っている。
そう。小野塚も、新人のときに落谷とバディを組まされたことがあった。
そのとき落谷は、犯人が逃げ込んだとされる離島で捜査に没頭し過ぎて、離島から犯人が離れたと判ったとたん小野塚の存在を忘れて船に飛び乗った。
おかげで小野塚は、一週間に一回しか来ない送迎船を一人で待つはめになったのだ…。
ただこれは小野塚だったからと言うわけではない。今まで落谷と組んだ刑事は、新人だろうとベテランだろうと似たような末路を辿っている。
「いくら先輩だからと言ってッ、立場上同格なのですから下の名前で「ちゃん」呼ばわりは止めてくださいッ!」
「えっ?なに急に???前々から呼んでいただろ?」
小野塚の剣幕に落谷は怯みながら、頭の上に無数の疑問符を飛ばす。
横でまた澤木課長が「そういうことじゃなくって…」と思いつつも声たは出さない。
「もういいですッ!阿妻刑事とは私が組みますッ!」
そう言い出した小野塚。だがその後ろから、また「待ったッ!」の声が上がった。
「ちょッ、待ってくださいッ。そしたら小野塚さんと組んでる俺はどうなるですかッ?!」
声を上げたのは、阿妻が来る前まではこの課の最年少だった、小野塚の現バディである長岡。
一瞬、「忘れてた」というような顔をする小野塚だったが、意地になっているのか「長岡くんは落谷さんと組めばいいでしょッ」とメチャクチャなことを言い出した。
「嫌ですよ、落谷さんとなんかッ。苦労するのが見え見えじゃないですかッ。」
「じゃあ、まだ刑事のイロハも分からない阿妻刑事が苦労するのはいいのッ?!」
ギャアギャアと言い合いを始めた二人。
「………コイツら後輩のくせに、先輩である俺に対しての扱いがヒドくないですか~ぁ?」
話の中心人物なのに蚊帳の外にされた落谷は、苦笑いで澤木課長に向けてボヤく。
「はははっ。それは落谷、因果応報、自業自得ってやつだなぁ。小野塚は俺がこのあと納得させるから、お前は今のうちに病院に向かってくれ」
澤木課長は微笑んだまま、アゴで出口のドアに向けてしゃくった。
落谷は「はいはい」と軽い返事をすると、首筋を掻きながらドアに向かってゆっくりと歩き出した。
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神嘗 歪
【ペイント】即席の触媒が起こした奇跡【代理投稿】
害獣会の誰も全くやっていない大人気ソーシャルゲーム『FGO』より、
同ゲーム内でもかなりの人気を誇る"キングハサン"こと"山の翁 初代ハサン・サッバーハ"になります。
こちらはTwitterに居た頃の創設者がペイントを用いて約20分程度で仕上げた作品であり、少し感動できるかもしれないエピソードのある作品でもあります。
当時、『FGO』に手を出していなかった創設者は周囲のFGOブームに精神を病みつつも『FGOやってないアピール』を持ちネタにする、流れてきたFGOネタに乗っかるなどしてブームに乗ろうとしては失敗するという日々を過ごしていました。
そんなある日、創設者は当時親しかったフォロワーの方がこの"山の翁"を求めて課金を繰り返すも気配すら感じられず苦しんでいるのを見かけました。
『苦しむフォロワーの為に何かできないものか』と思い立った創設者は、ソーシャルゲーム界隈に伝わる『欲しいキャラクターの絵を描いてガチャを回せば望みが叶う』というスラングを思い出します(こうして描かれた絵を、特にFGO界隈では作中の用語に準えて『触媒』と呼ぶそうです)。
彼はそこから『他人が描いても効果があるのでは?』また『話題性に乗っかれば売名ができるのでは?』と考え行動を起こしました。
即座にペイントを立ち上げ、有志のファンアートを参考に自力で"山の翁"のイラストを仕上げ、祈りのツイートと共にTwitterへ投稿したのです。
ここからが奇跡の始まりでした。それを見ていた件の方は、藁にも縋る思いでか創設者のイラストが添付されたツイートをお気に入り登録。
そして明くる日。早朝、その方はゲームを立ち上げ"山の翁"を求めガチャを回し……見事に引き当てたのです。
これに大喜びした件の方はその様子をすぐにタイムラインで報告し、大勢の方から祝福の言葉を頂いたと聞いています。
他ならぬ創設者もまた件の方の快挙を祝いました。『おめでとうございます。苦労が報われましたね』と。
するとその方は創設者に言いました。『あなたの触媒があったお陰ですよ、ありがとうございます』
その言葉に創設者は心打たれ、感化されてFGOのプレイを始め……てはいませんが、彼に曰く『あの時ほどネット上で他人の役に立てたことは私の人生でもそうないだろう』との事。
今現在FGO界隈がどうなっているのか、彼は全く知らないようですが『願わくば理不尽なガチャの被害に遭い不本意な浪費を強いられるような、そんな方が増えないことを切実に願っている』と言っていました。
#FGO
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Order
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八幡ヤマブキ@害獣会
オリジナル小説「深海の天秤」一章・ファーストインパクトの挿絵①
オリジナル小説「深海の天秤」の文章
「あれ?今日じゃなかったか、あの例の『七光り』が俺らの一課に来るの?」
デスクが並ぶ捜査一係の部屋。二十人近いスーツ姿の厳つい男たちが今日の捜査会議が終わり、慌ただしく捜査に出るための準備をしている。その中の一人が思い出したかのように声を上げた。
「『七光り』…ああ、官房長の息子かぁ。何だーぁ、初日から重役出勤か-ぁ?!」
声を上げた男の隣が、部屋の柱に掛けてある置時計を睨んで言った。不規則な刑事の仕事上、あってないような仕事開始時間だが、その時間を一時間以上過ぎている。
それを皮切りに周囲の四人ほどが混じって、まだ見ぬ官房長の息子への不平不満が漏れ始めた。
「つーうか、なんでキャリアのボンボンがこんな地方の警察署に来るんだ?パパのお膝元でヌクヌクと机の前に座っていればいいだろッ。どうせ目を瞑ってたって昇進するんだから」
確かに同じ関東エリアではあるが、男たちの職場は東京の喧騒にはほど遠い。
「反対に父親の目が届かないから、コッチに来たんじゃないのか?偉いパパの真下だと、手へ抜けねぇからなぁ」
それを聞いていた内一人が…
「なんかそれだけじゃないらしいぞ。……噂だが」
語尾を小さくしながら、口角の片方を吊り上げて周囲に向かって手招きをする。どうやらここからは、もっとディープな話になるみたいだ。
話に加わっていない周りの刑事たちも、聞き込みをする刑事の性か「馬鹿馬鹿しい」と思いながらも耳をそばだてている。
その中には、刑事にしては一人だけ長Tにシャケットというラフな格好の落谷も自分のデスクでパソコンに視線を向けたままで聞いていた。
「その『七光り』、実は養子らしんだ。だが養子ってぇのも表向きで、官房長が外に作った子で、本妻に子供ができなかったから引き取ったって。そんな生い立ちだからか、昔はかなりの悪ガキで、いくつも警察沙汰を起こして全部親父にモミ消してもらったらしい」
聞いていた全員の表情が一気に歪む。
「はぁっ?何でそんなヤツが刑事になってんだよッ!」
「親父のコネを使えば人生も仕事も楽勝と思ってんだろ、そのバカ息子は」
「親父の方も、そんな恥さらしを近くに置きたくなかったんじゃないか?だから一旦地方に飛ばした…とか」
どんどん沸騰する噂話。聞いていた落谷は、パソコンから視線をズラすことなく小さな溜め息をつく。
どこで仕入れたネタか知らないが、憶測ばかりで聞くに絶えない。真実を追いかけて事件を解決しなければいけないはずの刑事とは思えない内容だ。
とは言え、そんな同僚の幼い思考をたしなめる…なーぁんてしちめんどくさいこと、これぽっちもする気は無い。
そういうことは真っ当な人間がすればいい。そう、人徳のある捜査ー課の課長、澤木などが適任だろう。
そう思っている落谷の目の前を、巌のような体つきに、大仏様のような顔を乗せた澤木課長が横切った。
向かった先は案の定、汚水のような噂を垂れ流している部下のところだ。
「お前たち、まだ捜査に行かないのか?」
声がしたとたん、部下たちは驚いて座っていた椅子から跳ね上がる。
気配を消して近づく。澤木課長の得意技だ。話に夢中になっていた奴らは、真後ろで声を掛けられるまで気づかなかった。
その様子にたまらず失笑する周囲。
「いえ…ッ。今、行こうと…」
噂をしていた一人が、しどろもどろに言い訳をする。その様子はまるで、担任に怒られている生徒のようだ。
だがそこは小ズルい大人。別の一人が話の矛先を変えようと澤木課長に質問を投げた。
「あ…あのッ。今日来るはずだった新人はどうしたのですか?」
新人の遅刻。いくら警察庁の御偉いさんの息子とはいえ、初日からの問題行動に澤木課長も頭を痛めているはずだ。
澤木課長がそのことを嘆くにせよ、庇うにせよ、「課長も苦労が絶えませんね」と同調の一つでもみせれば問題をすり替えただけでなく、周囲に自分たちが喋っていた噂の信憑性が高まる。まだ見ぬ甘ったれ七光りの心象を最大限まで悪くすることで、自分たちを正当化することができる。
そんな見え見えの小細工を落谷は半笑いを浮かべ「さて、どう返ってくるかな」と見物していた。
けれど澤木課長からの返答は、その場にいた全員が思っていたものとはまったく別のものだった。
「ああ。阿妻ならさっき連絡があって、今病院にいる」
まさかの展開に噂していた者たちは沈黙。代わりに近くにいた捜査一課唯一の女性、小野塚が犬の尾っぽのような一つ縛りの黒髪を揺らしながら聞く。
「病院…というと、何かの病気ですか?それとも事故?」
澤木課長は首を横に振るう。
「いや、事件だ。」
「ッ!?」
「事件」という言葉に、室内にいた刑事たちが一斉にザワつく。そのなかで澤木課長は話を続けた。
「阿妻は署に向かっている途中で、複数の男による引ったくりの現場に遭遇したそうだ。そこで阿妻は犯人を捕まえようともみ合いになり、身体の数ヶ所を負傷。被害者の女性も、そのとき犯人たちに突き飛ばされて横転。犯人たちはその場から逃走したそうだ。今、二人とも近くの病院で手当を受けている」
「それで新人…阿妻の容態は?」
「大丈夫、軽傷だ。歩行もできる。」
ホッと胸を撫で下ろす小野塚。
犯人を取り逃がしたことは残念だが、複数の犯人相手に立ち向かっていったことは新人の刑事として称賛に値する。そしてこのことで、例の噂は腐食されたどころか七光り阿妻の心象は180度一変した。
「阿妻みたいな正義感溢れる有望な新人が、この課に入って来てくれたことは喜ばしいことだな」
元々細い目を更に細めて笑う澤木課長。
噂を流した男たちは、周囲からの白い目にいたたまれなくなって「そ、それじゃあ俺たち、捜査に向かいます…」と子声で発っしながら、すごすごと部屋を出ていった。
それを見て他の刑事たちも我に返ったように準備を進め、次々と各捜査に向かうべく退室し始める。
そんななか、まだ部屋にいた落谷の背筋に嫌な予感がゾワッと走った。
見なきゃいいのに、嫌な予感がする方向に顔を向ける。……すると澤木課長が、先ほどより更に仏のような慈悲の笑みで此方を見ていた。
(………ヤバい)
落谷は「何も見ませんでした」といった澄ました顔をユックリと戻し、デスクから立ち上がると出口に向かって歩き出そうとする。
そんな落谷の背後から…
「落谷。ちょっといいか?」
澤木課長の声が肩を叩く。
#深海の天秤
#刑事
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#創作
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#小説
#挿絵
#ミステリー
#相棒
#バディ
#推理
神嘗 歪
「病魔」
#過去絵を晒す
気化
5
609♂★/オルカ=リプヴァルカ
「きっとここの真の主人にこう言ったらわかってくれるよ?『魔物が来た』ってね…!」
「いいじゃないか別に。研究所の一個や二個ぐらい!オルガナだってなんにも言ってないわけだしさ?」
パーガトリーの弟、フィサリスの兄。
3000年以上生きている『精神病者(サイコシス)』のラグニアの1人。該当は『火炎性愛(ピロフィリア)』。
気まぐれな性格。当時のアニマ家から勘当され、放浪している無差別放火魔。被害はアグリーのみならずカロスまで広がっていたため、全国的に指名手配されていた。その後オルギアに所属し、昔のように各地を放浪して放火を続けていた。第二次アローラ事変では、せせらぎの丘一面を炎の海に沈めた。火炎性愛討伐戦にて兄パーガトリーに貰い火の吸収限界を超えて燃やされ、焼失し行方不明となった。一人称は僕、二人称は君。
#ポケ擬
##アグリー帝国
##オルギア
##精神病者
##[ラグニア]
智月上也
動けば雷電の如し 発すれば風雨の如し
残暑厳しい9月を迎えました。
今回の作品は、長く続いた江戸幕末も終焉を見、有名な奇兵隊という部隊を率いて日本を新たな姿へと導いた、高杉晋作を描いてみました。
「志の無い武士よりも、有志ある民の方が強い」
その言葉通り、民兵の集団である奇兵隊が出来上がりました。
この思想は、かの織田信長と通づるものがあると思います。
身分を問わず、強い者だけを兵にする。
彼らの思想は、常に時分の日本の在り方を疑ってきました。だからこそ、革命家となったのだと思います。
齢29で病に倒れた革命家、高杉晋作。
“動けば雷電の如し 発すれば風雨の如し”
…絵にさり気なく、クエスチョンマークを入れています^
^
使用画材:上質紙
油性ボールポイントペン
アルコールマーカー
#アナログイラスト
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#歴史
#日本史
#高杉晋作
#幕末
#明治
#奇兵隊
#革命
#ボールペン
#コピック
Sho_24
ダイナ描いてみました。
病気大丈夫ですかね(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
すわろふすきー💎
7
見ザル着飾る言わザル
所詮、ネタ描き🙈🙉🙊
コピック、手持ち41色になった☆彡
デコりスイッチが入ってた。
家での落書き、職場での落書き、
病院待合室での落書き……
結局、落書きにペン入れして塗った。
ライトテーブルでペン入れするけど、
四回くらい書き直して、折れかかり(笑)
8/21(8/2とどっち?)のバニーの日に、
間に合わなかったなぁ(笑)
#妄想空自
#オリジナル
#オリキャラ
#マーカー
#鉛筆
#マウス塗り
ささ・K
[2017.07.09]JR東美浜駅 イラスト
聖地化から時間が経つにつれ、辺りの風景は徐々に姿を変える…だがそんな事はお構いなしにモリサマーを描くっ!!
#駅ノート
#巡礼ノート
#中二病でも恋がしたい!
#丹生谷森夏
河合野好
病みカップル
LINEストアにてスタンプ発売中です( ˘ω˘ )
▶【
https://store.line.me/stickershop/product/12939544
】
愛が深めで心配性の女の子と、かまってほしがりな男の子の、ちょっと病んでるラブラブ日常スタンプです。リアクション多めで、恋人、友達、家族など大切な人と使えます♪
#オリキャラ
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#創作
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#男の子
#やみかわいい
#ヤンデレ
misya
病ミ少女4
📢病ミ少女着せかえシリーズ第4弾リリースしました😈
今度の少女は白髪ショートカットで儚く…ダークホラーで病みかわいい、セーラー服の女の子の着せかえです。
ノスタルジックでゴシックな雰囲気と、うさぎやネコのぬいぐるみがLINEをミステリアスに演出します。🐰🐱
キラキラ🕊キラキラ
【LINE Store】
https://store.line.me/themeshop/product/de7f839c-912a-4c2d-99fb-558ae1f6e3a1/ja
【Twitter】
https://twitter.com/guji_sticker
#オリジナル
#創作
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#LINE着せかえ
guji
祈り
この疫病がおさまりますように
#アマビエ
#アマビエ様
髙野倉やみ
闘将ダイモスの看護婦さん
#闘将ダイモス
#モブキャラ
#看護婦
#ナース帽
#ぽっちゃり
#むちむち
#眼鏡
#下着
#過去絵を晒す
「闘将ダイモス」第2話「謎の美少女エリカ」から記憶喪失のエリカを担当した総合病院のポチャ看護婦さんの下着姿です❤️(過去絵です)
ヤーモン
7
655♂/エレシア=ローゼンクロイツ
「人聞きが悪いなぁ。ボクの研究成果を一緒に祝ってはくれないのかい?」
「ハハ、ハハハハハッ!!キミの気が済むまでやればいいさ!無意味と理解しても尚、その歩みを止めぬ愚か者!!」
3000年以上生きている『精神病者(サイコシス)』の1人。該当は『悪魔崇拝(デモノラトリー)』。
クリフォト第4階位『アディシェス(無感動)』の顕現者。
アグリー帝国親衛隊研究部隊第一責任者。智月家の擬人の突然変異種の生みの親。
カロス王国の上位貴族出身。軍人であり魔術師であり研究者。感動を求めて自由に研究ができるアグリー帝国に寝返っている。常に笑みを浮かべているが、その笑みに感情が伴っているわけではない。全てのものに対して「無感動」であり、自分を感動させるものに出会うこと、創り出すことを行動基準とする。その目的のためなら善悪を問わない。その過程で、原型と人を掛け合わせ、原型を擬人へと変異させる因子を生み出し世界にばらまいた。ギフトやレムレースの特性の研究をしていたのも彼であり、ファラリスに魔女の魂を植え付けたのも彼である。目的を達成するためにオルギアに加担していた。無感動者捕縛作戦後、顕現者としての権能を失う。その後はWPAの監視下の元空の柱陣営に就き、現在は魔導学校で研究を進めながら教師をしている。一人称はボク、二人称はキミ。
#ポケ擬
##アグリー帝国
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##精神病者
##魔導学校
智月上也
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