力を得しモノ3【入力】
僕は「力」が欲しい。
大きな力、強大な力をこの手に入れたい。
だが、どうすれば力が手に入る?
学校でちらりと聞いた言葉。
「厨二病」。
断片的に聞いた「厨二病」の話を僕なりにまとめた答え。
「厨二病」になれば「絶大な力」が手に入るらしい。
【AI】
そして僕は今、「厨二病」を患うべく、とあるサイトを開いた。
そこには、魔法陣と呪文が書かれていた。
魔法陣は円の中に幾何学模様が描かれている。
呪文は、文字がびっしり書かれている。
魔法陣と呪文には見覚えがある。
【入力】
前に読んだ「異世界モノ」のマンガにあった魔法陣と呪文だ。
……駄目元で試してみるか。
魔法陣、床に描きたいが後始末が大変だろう、うん。
ルーズリーフを一枚取り出す。
魔法陣を描いてみた。
ちっちゃい魔法陣、大丈夫か?
僕は魔法陣に手をかざして呪文を唱えた。
【AI】
「我は汝をメイガスに任命す!」
すると魔法陣から光が溢れ出した!
その光は僕を包み込んだ!
光が消えると僕の手には一冊の本があった。
その本のタイトルを見て驚いた。
「魔導書」だったからだ。
「魔
【入力】
導書」の表紙には『ネクロノミコン』と書かれてた。
……日本語で。
しかし、せっかくだから読んでみよう。
ネクロノミコンには「力を得る方法」が書かれていた。
それによると、まず身に着けるアイテムが要るらしい。
なかなか手に入らないアイテムだろう、と思った。
だけどネクロノミコンによると案外簡単そうだった。
【AI】
それは「ソロモンの鍵」というアイテムらしい。
僕は早速探した。
ネットショップや中古ゲーム屋などで探し回った。
しかし見つからなかった。
そこで僕は考えた。
「自分で作ればいいんじゃないか?」と。
ネットで調べると作り方が載っていた。
材料も簡単に手に入った。
【入力】
材料は「包帯」と「眼帯」のふたつ、のように見える。
だが、そんなものじゃない。
包帯っぽいのは「天帝の護布」、
眼帯っぽいのは「獄炎の封印」。
「天帝の護布」はこのままで良い。
だが「獄炎の封印」は僕の「力」で完成させなければならない。
机の引き出しから赤マジックを取り出して「獄炎の封印」を赤く塗りつぶした。
【AI】
そしてそれを「ネクロノミコン」に書かれた通りに作った。
そして完成したのがこれだ。
「魔導書」が完成した。
その「魔導書」を持って家を出た。
「魔導書」を持って街に出た。
学校帰りなので制服姿だ。
街の商店街にある
【入力】
100均ショップでほかに使えそうなものを買った。
僕は急いで帰宅した。
自分の部屋に急ぐ。
アイテムを装備するのだ。
まず「天帝の護布」を腕に巻いた。
これがあれば僕の腕に封印されている「古代爆牙竜」の力を自由に使える。
次に「獄炎の封印」で右目を隠した。
これで僕に宿っている「業雷石化の呪い」を制御できる。
【AI】
最後に「魔導書」を装備した。
これで準備完了だ。
さあ、「大いなる力」を手に入れよう。
僕は「魔導書」を開き、呪文を唱え始めた。
「…………汝、我が呼びかけに応えよ。我、汝に命ず。其の名は『バロール』」
【入力】
だが何も起こらなかった。
「くっ、僕のレベルではまだまだ、と言うことか……、
あるいは、……『厨二病』がまだ軽症だからか」
その日から僕は「厨二病」を悪化させるべく、できる限りのことをすることにした。
了