【ライカイ】肩に担がれて銃を撃つってかっこいいなって「ラインハルザ!」
「カイン!」
ほぼ同時にお互いの名を呼ぶと、ラインハルザはカインの腰紐をつかんで持ち上げるとそのまま肩に担いだ。カインもまた腰の銃をひき抜くや否や地を蹴ってその動きを阻害しないように、むしろ補助するように体勢をとった。
そしてカインの腹がラインハルザの肩に落ち着くよりも早く、ラインハルザは駆け出していた。
後ろ向きに俵担ぎをされたカインはこちらに向かって一心不乱に迫る魔物の群れを見据える。
手にした銃を構え、緊張をほぐすように舌で上唇を舐めあげた後、引き金を引く。
響き渡る銃声。反動にもぶれることなく走るラインハルザに続けざまに、二発、散発と打ち込む。牽制として撃ち込まれた銃弾はその効果を発揮し、群れの動きはわずかだが鈍った。
「カイン!」
義姉の声がする。同時にふわりとカインの体が浮いた。投げ飛ばされた。と、認識すると同時に体をひねって着地の体勢を取る。
カインが着地し、視線を魔物へとむければそこには頼もしい相棒、そして団長たちの背中があった。
「囮ご苦労」
「ハハハ、あとはよろしく」
ニヤリと笑う炎帝に軽口をたたき、義姉とともにその場を離れる背中には身を焦がすほどの炎と熱が魔物を蹂躙せんと燃え上っていた。