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  • むかしむかしのこと。

    広大な空間の中に神がひとり

    一つの世界を生んだ。

    この世界を生んだ神は後に

    『見守る者』

    と、呼ばれる。
    海の、森の、火の、太陽の、沢山の神を作り
    海を、森を、火を、太陽を、沢山の生命を作り出した。
    神を管理し、生命が生まれ続ける世界を見守り続ける見守る者は、数千年後に一人では目が行き届きら無いと判断した。

    そこで見守る者は分身を生み出す。
    名をタランツァと付けた。
    自分の肉から生み出した他の神とは違う、特別な神。弟のような、息子のような…。
    見守る者はその神に世界を見る『役目』を与え、見守る者は更に高い場所から見守る事とした。

    見守る者は世界を生み出した神。無駄な干渉は許されない。世界の創生者の干渉一つで決められた運命が歪む。
    幸運の神が不運の神となり、不敗の神が常敗の神となってしまう事になりうる程に。
    タランツァは数百、数千年、ただ孤独であることに疑問を持つこともない程に、孤独にただ世界を見ていた。
    何故世界を見ているのか、何のために生まれたのかわからず、ただ無感情に世界を見下ろしていた。

    そんな孤独を消すひとりの男の神が現れる。
    名をアポロンと呼んだ。

    アポロンは初めて聞く名と見る姿のタランツァに興味を示し、何度もタランツァの場所に訪れては共に過ごした。
    いつしかタランツァも、初めての友に感情を動かすことが多くなる。
    いつしかアポロンの姉のアルテミスもタランツァに会うようになった。
    タランツァは心満たされるようになり、大切な存在がそこに出来た。
    そんな中、見守る者は孤独のままに世界を見守っていた。
    ふと孤独に寂しさを覚えるときは、タランツァに与えたものと同じピアスの片割れを眺め癒した。

    そんな折だった。

    手を滑らせてピアスを落としてしまった。
    ピアス一つでも世界にどんな影響を与えるかもわからない。見守る者はすぐさまに神々が住まう所まで下りてきた。

    するとピアスを拾った男の神と鉢合わせをする。軍神のマーウォルスと言った。
    ここで見守る者は最大のミスを犯してしまう。そう…



    見守る者は恋をしてしまったのだ。


    名をファリアと偽り、マーウォルスを愛した。マーウォルスもまた見守る者を愛した。
    そしてとうとう、見守る者はマーウォルスとの子を授かってしまったのである。
    世界に大いに干渉してしまった見守る者。役目を与える前提なしに生命を産めば、どの様な影響を与えるかわからない。
    それは世界の創生神として、そんな危険を生み出すわけにはいかなかった。

    しかし、どうしても見守る者には腹の子を殺すことができなかった。
    そこで見守る者はこのような行動に出た。

    『腹の子を別の女神の腹へと移す』

    せめて…せめて世界に存在する神の腹から産まれたら、さほど影響を与えないのかもしれない。
    そう決めた見守る者は、タランツァに一番近い場所に居たアルテミスの腹へと移し、記憶を改ざんしてマーウォルスとアルテミスが夫婦であるという記憶を植え付けた。

    名も与えられぬ愛しい我が子を見送って見守る者は、2度と同じ誤りを犯さぬように、別の次元へと消えて世界を見守ることとした。
    こうしてタランツァの側に、マーウォルスが増えた。
    そしてアルテミスとマーウォルスの子も産まれ、名を『アスティリシア』と付けた。
    タランツァもアスティリシアを我が子のように愛し、アスティリシアもタランツァを心から慕った。

    そしてその後、タランツァの側にクレイジアやマスタリスが増え
    アルテミスの側にカヴァーレンスが増え
    アポロンの側にコロナイトが増えた。
    しかし幸せはそう続きはしなかった。
    アスティリシアの存在がじわりじわりと世界に影響を与え続け、崩壊へと導いてしまったのである。
    『ひとつの存在が神々の世界に歪みをもたらしている』
    そう言い、アスティリシア抹消を言い渡した神がいた。
    アポロンとアルテミスの親…
    『ゼウス』

    産まれるはずのなかった神や精霊の存在。逆に死ぬはずではなかった神の死。
    予言の力を持つ神が予言のしえなかった事象があらゆる場所で起こりに起こった。
    タランツァはアスティリシアをアポロン達と守るために色々画策した。
    死なせてなるものかと、世界を平穏に戻そうと結託する神々を前に抵抗することを決めた。

    そんな折にアポロンがタランツァを訪ねた。タランツァはアスティリシアをどうするかの話を持ち出そうとした。

    相手がアポロンだから気を抜かしていた、油断した。

    アポロンは強力な神の封印術を展開し、タランツァは不覚にも食らってしまった。
    しかし側にいたクレイジアとマスタリスが完全に封印される前に助け出すことに成功、そのまま下界へと落ちた…が

    タランツァの力のおおよそがアポロンによって奪われ、その影響もあって姿が小さな子供の姿となる。

    誰よりも信頼していた友に裏切られ、心身ともダメージを負いながらも出来る限りのものを守ることを決意する。
    一方アスティリシアは父、マーウォルスと共に居た。アルテミスはゼウスの手により捉えられ、離れ離れとなっていた。
    アルテミスが人質として捉えられ、アポロンがタランツァを裏切る事になったのだが…その事実をこの時はまだタランツァもマーウォルスも知らなかった。

    数多の神々を前に守りきることに危険を感じてきたマーウォルスは、一つの賭けをした。
    アスティリシアの記憶を消して赤子の姿にし、下界に人間と住んでるという女の龍神の元に落とすことにした。

    自分のそばより人間に紛れさせたほうがいいかも知れない。龍神に引き取って貰えれば神に攫われる心配も無いだろう。

    マーウォルスは身を引き裂く思いで、アスティリシアを下界へと落とした。
    思惑どおりに龍神に拾われたアスティリシアは、妻として鎮座している騎士の家の娘となった。
    家の名はローランファ。龍神は夫と息子に赤子を引き取る事を話し、家族の相談の末に赤子を『マルティナウス』と名付けた。
    その子の兄となるデュマオウレイズは、妹としてマルティナウスを大切に可愛がった。
    ルティナがすくすくと育ち、16辺りになる頃。騎士として戦争に赴いた兄のレイズが生死不明の行方不明となる。
    慕っていた兄が居なくなった悲しみにくれたルティナは、生死不明であることにわずかな兄の生存を可能性を希望に家から出た。
    初めての一人旅に不安を覚えながらも必死に情報を集め、兄を探した。
    ここだけの話、実は既にアスティリシアの居場所を突き止めていたタランツァが、ルティナ旅立ちの事実を聞いてこっそりマスタリスに警護を任せていたのは秘密である。

    なんとか兄を見つけ出したルティナは兄と共に家に帰ろうとしたが、レイズはこれを断った。なぜ?との問いにレイズは
    『この世界で、何か異変が起こっている。これは僕たち家族の安全をも脅かすものだ。僕は…これを見過ごせない』
    龍神の子であるレイズは、家を離れていたこともあり視野が広がったことによって、世界の異変に気づいたのである。
    そうなると兄を連れ戻しにきたルティナは一人帰る訳にもいかず、兄と共に居ることを決める。
    アスティリシアが龍神の元を離れると知り、兄妹二人にマスタリスを接触させた。

    商人になりすまし、タランツァの手の届く範囲に家を構えさせて安全を確保した。
    タランツァとルティナに関係性があることを察知させないために慎重に。

    タランツァはルティナに、アスティリシアとしての記憶を取り戻そうとする度にタランツァは記憶を封じることを繰り返した。
    それからも月日は流れた。
    タランツァはクレイジアとマスタリス二人に消えたアポロンやアルテミス、黒幕の正体などの調べ物をさせた。
    タランツァ自身も心当たりのある場所を徹底的に調べ、当たった。
    決して弱音は吐かなかった。自分より従者のクレイジアやマスタリスはもっと不安で苦しいだろう。小さな体になってしまったが、主人である自分が居るから大丈夫という安心感を持たせなければ。

    全てが終われるならば自分の身はどうなってもいいという覚悟で行動した。友を止められなかった責で、全てが終わった後に死んでも良いとまで思った。
    再び訪れた孤独に、タランツァは苦しんでいた。
    そんなタランツァに、一人の男が現れた。
    名をリューディオラ。黒幕であるゼウスの従者の一人だという。

    ディオラはゼウスに従順だったが、ある人間との接触を境に愛に触れ、考えが変わり、主を止めねばという決意から情報を流した。

    ディオラの協力もあり、情報収集も捗りを見せた。ゼウス側の神によって失われるはずだった命を助け出す成功も増えた。
    しかし長い戦いの疲弊と孤独感、大いに失った力への不安と不甲斐なさやもどかしさ。
    友は無事なのだろうか、友を救えるだろうか、他の者たちはどうだろうか。
    小さな体にタランツァは無意識のうちにどんどんと負担を抱える事になった。
    そんな折に出会ったのが天使であるディトス(ドリスさん宅)さんだった。
    ディトスさんの優しさや暖かさに触れ、自分を友と呼んでくれるディトスさんの存在はタランツァの中でも大きくなった。
    『巻き込んではダメだ、壁を作らねば、気を抜かせてはいけない。』
    しかしそんなタランツァの心壁を取り壊し、ディトスさんに自分の場所を与えてくれた事によりタランツァは段々と心の強さを取り戻していった。
    そして次第にこう思うようになっていた…

    『Dの所へ生きて帰りたい。自分の死で友を悲しませたくはない』

    それからのタランツァの行動は前にも増して強くなった。
    Dさんだけではなく、セフィリアさん達にも…そしてクレイジアやマスタリスも生きてまた会わせてあげる為に。
    そしてとうとう、黒幕の場所を突き止めた。
    それは神界のとある一角だった。
    戦いには色んな者達が参戦した。タランツァ達は勿論、クレイジアやマスタリス…レイズやカヴァーレンス、コロナイト…ルクスや夜澄など他にも本当に沢山の者たち…そして、マルティナウス。

    各々が己の因縁と決着をつける中、タランツァ達はアポロンとぶつかる。
    タランツァ達は激闘の末にアポロン達神々を打ち負かせた。
    その後に黒幕であるゼウスが登場した。ゼウスは元の世界に戻す為に戦った。
    ゼウスはアスティリシアの影響によって最愛の妻を失った。許せなかった。
    身が朽ちようともアスティリシアを殺し、見守る者を引きずり出す覚悟だった。

    タランツァは今いる大切な者たちの為に戦った。ルティナも自分のため、皆のため、世界の為に戦った。

    戦っている内にルティナは、アスティリシアとしての記憶がどんどん蘇ってきた。
    アポロンとの遭遇、初めて来たとは思えない神界の懐かしさ、そして…
    他人と思えぬタランツァの存在。

    記憶を全て取り戻したルティナは、完全にアスティリシアという神の存在として目覚め、人間ではありえない莫大な力に目覚める。ゼウスをどんどん追い込んだ。

    そして、少しの差…ほんの、少しの差だろうか。
    僅かな剣の早さによりルティナがゼウスに致命傷を与えた。
    ゼウスは倒れ、タランツァたちは勝利した。


    最後にタランツァは上を向いてさけんだ。

    『見守る者よ!!見ているのだろう!?いい加減姿を現し、真相を述べろ!!!』


    突然のタランツァの大声に周りの者は驚いたが、見守る者はその声に素直に応じた。
    自分が一人の子を産んだ事による影響を受けた世界を、タランツァ達がどういう経緯であれ選び取ったから…という判断である。

    見守る者は全てを話した。本当に全てを。
    皆はその事にただ黙って話を聞いた。
    そして漸く理解した。ルティナ…もといアスティリシアの存在による事のあらましを。

    しかし誰も見守る者とアスティリシアを責めはしなかった。ゼウスは敗北したから…ということもあってか口を出さなかった。
    今回の大事の収束のさいに、見守る者自身が責任を取って表立って世界の安定の為に行動した。

    大事を起こしたゼウスも安定化の為に大いに働かせている。タランツァ達も残してしまった世界の傷跡の修復に身を削ることを決めた。
    大戦とも言える世界中の神々や生命を巻き込んだ大きな戦争は、こうして幕を閉じた。
    全てが終わったことにより救われた者、そうでない者、様々だろうが…。

    戦いが、終わりを告げた。


    冨山 Link Message Mute
    2016/09/24 18:46:11

    ルティナやタランツァ達の世界が解決した話。

    デイリーランキング最高1位 (2016/09/24)

    文ばかりで見辛いかもです。
    文は不慣れじゃ・・・。 ##その他創作

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