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    Mission:03 『オデッサの攻防戦』中編~八雪Side~

    ミッションスタート!
    今回は海沿いというルートで進むしかない以上、反乱軍からの索敵は容易いだろう。
    よって迎撃に来る反乱軍の航空部隊を、俺達制空部隊は第一攻撃でいかに叩けるか。
    まずはその一点になる。
    運営の「サプライズ」とやらは気になるが、あまり大したものじゃない事を祈るのみだ。

    【スノー】
    「24機ロックオン!」

    【エイト】
    「OK、発射ファイアー!」

    元々は「遠く離れたソ連の長距離爆撃機を叩き落とす」というのが目的だったトムさん専用長距離ミサイル「フェニックス」。
    まだコンピューターの性能が初代ファミコンレベルだった頃から、トムさんのレーダーは約166キロメートル先の24機を同時にロック出来たという。
    それを最新のアビオニクスとAESAで索敵し、飛んでいくのはイラン空軍の近代改修化フェニックス『Maqsoud』だ。

    【スノー】
    「こちらラスト・リゾート1、6機撃墜確認」

    どうやら一気に発射した6発のフェニックスは全て、反乱軍プレイヤーをお空の塵と変えてくれたようである。
    F-22ラプター、F-35ライトニングⅡ、さらにロシアのSu-57といった最新型のステルス戦闘機。
    そして平塚先生が乗っているSu-35SフランカーEといった「一段戦闘力が上」のアイテムをDL購入して無双したがる奴がいるのは、何もWoWだけではない。
    課金制度のあるゲームなら、課金アイテムで特定ユーザーが強くなるのは避けられない。
    ぶっちゃけ統合軍の課金ユーザーにもそのテの連中は多い。
    そういう意味では今時トムさんなんかをDL購入し、しかも大量のゴールドをつぎ込んで装備を強化してる傾奇者かぶきものなんて、俺と雪乃ぐらいだろう。
    そしてそのトムさんにDL購入したステルス戦闘機をあっさり撃墜されるのだ。
    反乱軍のプレイヤーから「アイツらはチーターだ」なんて噂されるのも分かる。
    あ、自慢じゃないからねこれ。

    「ステルス機はレーダーに映らないだけで見えない訳じゃない」

    連中はこれに気が付いてないだけだ。

    【将軍】
    「こちらラスト・リゾート2。我もAMRAAMアムラームが4発全て命中!」

    【Silent】
    「ラスト・リゾート3だ、こちらもR-77ミサイル4発全て命中」

    ヨシ。雪乃から送られたマルチネットワーク共有システムによるターゲットロックのおかげで、材木座も平塚先生も。
    ウチはドッグファイトの前に14機を撃墜した事になる。
    14機の中にステルス戦闘機がどれだけいたかは知らんが。

    【Silent】
    「それにしてもなあ、比企谷、雪ノ下」

    【エイト】
    「何です?」

    分厚い雨雲が背景に出ている。
    「運営のサプライズってレインコンデションでの戦い?」等と思っていると、平塚先生が何か言いたそうだ。

    【Silent】
    「今の同時ロックオンにしてもそうだ。
    キミ達がAWACSエーワックスにすら見つけられない、遠距離から反乱軍のステルス機をこうも簡単に索敵出来るのはどうしてなんだ?
    私ですら本当に『チート技でも使っているのか?』と思えてくる」

    【エイト】
    「ったく。教え子に対してそれはないでしょうが。別に難しい事してるワケでもありませんよ」

    本当に、溜息が出てくる。
    【将軍】
    「でも我も知りたい!」

    【エイト】
    「仕方ねぇや。本来企業秘密なんですが。
    特別に先生と材木座には教えますか。というか先生のフランカーなら簡単に出来ますよ?」

    【Silent】
    「だったら早く教えてくれ!」

    やれやれ。

    【スノー】
    「先生はマルチネットワーク共有システムが味方のスパイ衛星、監視衛星にもアクセス出来るのはご存じですよね?」

    【Silent】
    「それくらいは流石に知っている」

    【エイト】
    「監視衛星から気象モードでオデッサ上空を見て下さいよ。気流の乱れがたくさん生じてませんか?」

    【Silent】
    「………………ああっ!?」

    先生の素っ頓狂な声がイヤホン越しに響いた。
    声のデカさに雪乃も、美眉を若干吊り上げている。

    【将軍】
    「あ、あの~八幡。ひょっとしてその方法って………」

    【エイト】
    「お察しの通りだ材木座。
    『暴走特急』でデオンがF-117ナイトホークを見つけるのに使った方法だよ」

    どんなステルス機能を持っていようが、全長20メートル近いジェット戦闘機がマッハで飛べば、周りの空気を切り裂くような物凄い気流の乱れが発生する。
    雪乃にそれを監視衛星から気象モードで観測して、こちらに向かってくる凄い気流の流れを見るように教えたのだ。
    ひょっとしたら運営も気づいて、気象モードからの気流の乱れを見れなくするかもだけどね!

    【将軍】
    「………………相変わらずお主の発想はとんでもないな。
    いや考えつくお主もだが、それですぐに気流の乱れに気づいて捕捉ロックをかけられる雪ノ下嬢もまた………」

    【エイト】
    「………本当は雪乃がやってる役割、先生がやらなくちゃいけないんですがね」

    【Silent】
    「わ、私はそういうのは苦手だ」

    言うと思ったよこの人。

    【エイト】
    「あのですね先生。
    ロシアが4.5世代機のフランカーEを『F-22ともF-35とも互角に戦える』って豪語するのはどうしてか知ってます?」

    【Silent】
    「そ、そんなもの。機動力がいいからだろう?」

    どうやら知らんみたいだな。

    【エイト】
    「機動力も勿論ですが。フランカーEの主翼の両脇についてる、細長いカプセルみたいなの。それって電子戦用ポットですよ。
    それこそがフランカーEの強さを支える本当の理由です。てかなんでフランカーEのコックピットが液晶ディスプレイパネルだらけなのか、考えて下さいよ」
    MIX
    Su-27フランカーから引き継がれた格闘性能にプラスして、最新アビオニクスと強力なAESAで固めた電子戦の鬼。
    それこそがSu-35SフランカーEの真の強さと言っていい。
    ~キリアスSide~

    【アスナ】
    「こちらサバイバー1、6機撃墜確認!」

    【シノン】
    「サバイバー2、こちらも6機撃墜確認!」

    【クライン】
    「サバイバー3、こっちは一発外したが3機撃墜!」

    ミッション開始と同時に索敵を開始していたアスナや他の哨戒担当のおかげで、海沿いを飛んできた統合軍制空部隊のプレイヤーも相当なダメージを受けた筈。
    とはいえ俺は見たのだ。
    前方を飛んでいた反乱軍こちらの課金プレイヤーのF-22ラプターに───フェニックスミサイルが命中したのを。
    アスナが断続的信号音をキャッチした瞬間、2発のフェニックスによってラプター2機はあっという間にミッションを終える事になった。

    【アスナ】
    「キリトくん………。
    今のフェニックス、180キロ先から飛んできた計算だよ………」

    【キリト】
    「間違いない、あのドラ猫だ………でもどうやってるんだ?」

    今度オフ会あたりで顔を会わせる機会があったら、じっくり聞いてみたいものだ。
    教えてくれるかは分からないけど。
    背景に厚い雨雲が立ち込め、パソコンの画面上が灰色一色になったその時だった。

    「こちらサイクロン1、2時の方向より未確認飛行物体接近!
    IFFに反応はない!!」

    第192制空部隊“サイクロン”のリーダーから、悲鳴にも似た警告指示が飛ぶ。
    それにしても、未確認飛行物体………?

    【クライン】
    「未確認飛行物体って………UFOでも来たのかよ」

    【シノン】
    「ひょっとして、例の運営のサプライズ?」

    瞬間。
    クラインじゃないが、まさにUFO───
    に見えた金色の飛行物体が、俺達反乱軍の隊列の間に超スピードで割って入って来る。
    同時に雨雲からポツポツ落ちる雨。
    どうやらサプライズは2連発らしい。

    【キリト】
    「こちらサバイバー1、全員高度を10,000メートルまで上げろ!」

    まずはこの雨雲の上に出なくては。
    そして32,808フィートと言っても、分からないご新規さんもいるだろう。
    ここはメジャーなメートル法で指示した方が賢明だ。
    実際メートル法で表示しているパネルが多いし。

    【シノン】
    「何よあれっ!?」

    【アスナ】
    「まさか本当にUFO!?」

    【キリト】
    「いやいや、そんな訳はないだろう」

    真正面から見た金色の2機は、確か平べったくクラインやアスナの言うようにUFOに見えない事もない。
    しかし、先端にはコックピットらしい部分も確認出来る。
    そしてその2機は。
    驚いた事に、俺達反乱軍に対し無差別に攻撃を開始した。
    ~八雪Side~

    「こちらボギー1、8時の方向より未確認飛行物体接近中!
    IFFから味方とは識別出来ず!!」

    んん?
    未確認飛行物体?
    と思った次の瞬間だった。

    【エイト】
    「な、なんだ?」

    俺達ラスト・リゾートの周囲の戦闘機が、次々に火だるまとなり落下していく。
    味方が減っていくのも勿論困るが、他人事ながら修理費のゴールドの心配もしてしまうが。
    てか、一体何が起こったんだ?

    【Silent】
    「お、おい………比企谷。あれってもしかして………」

    平塚先生が情報共有パネルで、金色の2機のエイのような戦闘機が暴れまわっているのを映し出した。

    【エイト】
    「………………………エ、E.D.I.エディだ………」

    完全自律行動が可能な人工知能を搭載する為、パイロットを必要としない(一応コックピットはあるが)無人VTOLステルス戦闘機がバグで暴走し、殺戮マシンと化す恐怖を描いたサスペンスアクション映画『Stealth』。
    主人公ベン・ギャノン大尉と共に、映画のもう一人の主役といえるステルス戦闘機の人工知能。
    「超深部侵入機」を意味するExtreme Deep Invaderエクストリーム・ディープ・インヴェーダー 、略してE.D.I.だ。
    普段は黒だが、ステルスモードを解除した時にはああして機体全体が金色に発光する。

    【エイト】
    「運営のサプライズってこれかよ!?
    よくあんなバカ映画とコラボする金なんてあったもんだなっ!?」

    【スノー】
    「驚くのはそこではないでしょう!
    早く友軍を助けないとっ!?」

    ここは雪乃の言う通りだ。
    たった2機に次々にやられている味方を助けないと。

    【エイト】
    「ったく………次はセサミ・ストリートとコラボして、敵にビッグバードでも出てくるんじゃないか」

    【スノー】
    「無駄口叩かないで。
    ミサイルはもうサイドワインダー2発しかないから。上手く使って」

    隣の雪乃がレーダー操縦用ジョイスティックを動かしながら、こちらを睨みつける。
    ゲームでも本当に真剣なのねゆきのんさん。

    【エイト】
    「わーてるよ。フェニックス6発全部撃つんじゃなかったな。
    ………………うん?」

    味方は皆2機のE.D.I.の出現に混乱し、大苦戦している。
    そう。“苦戦”しているのだ。
    普通の戦闘機ではありえない機動をいとも簡単に行うE.D.I.に、初心者では苦戦以前の問題である。
    ひょっとしてE.D.I.は………。
    その時だった。

    【Silent】
    「助けてくれ比企谷、雪ノ下! 背後バックを取られたっ!!」

    見ると先生のフランカーEが、ぴったりとE.D.I.に背後を取られている。
    近くにいた初心者さんには目もくれず、だ。
    MIX
    【エイト】
    「間違いない、E.D.I.のヤツ………!」

    【スノー】
    「先生、そのままもう少しだけ待っていて下さい!」

    インカム越しに雪乃が先生に発破をかける。

    【Silent】
    「早くしてくれ右エンジンにバルカンを食らった! パワーが落ちてるっ!!」

    【エイト】
    「はいはい救世主参上っ!!」

    ここまで近づければサイドワインダーを使う必要はない。
    こちらの20mmバルカンを食らったE.D.I.の金色の機体は、瞬時に真っ赤な炎に包まれる。

    【Silent】
    「ふー………助かったぞ比企谷。雪ノ下。ありがとう。
    修理費を考えたらゾッとするなっ!」

    【エイト】
    「先生って総合ランキング何位でしたっけ?」

    【Silent】
    「前回集計からはちょっと下がってしまってな。今は57位だ」

    ………確定だ。
    E.D.I.は100以内のランカーだけを狙っている。
    ~キリアスSide~

    どうやら今暴れてる金色のUFOのような戦闘機は、映画に出てくるE.D.I.という架空のステルス機らしい。
    俺達反乱軍だけでなく、統合軍でも甚大な被害が出ているようだ。
    クラインが聞いた情報では総合ランキング100位以内のランカーのみを狙っているそうだが、確かに初心者さん、ご新規さんには目もくれない。
    そんな中。
    シノンのイーグルⅡが、E.D.I.の後部テールを捉えた!

    【アスナ】
    「待っててしののん、今こっちでもロックかけるから!」

    【シノン】
    「お願い!」

    アスナがキーボードのF12キーを素早くタッチし、同時目標対処モードでE.D.I.を追いかける。
    ジグザグ飛行ジンギングで逃げるE.D.I.だが、シノンのイーグルⅡもピッタリと間隔を保ったまま離れない。

    【シノン】
    「これで終わりよっ! FOX2!!」

    しかし、シノンが第4世代サイドワインダー・ミサイル、AIM-9X-2を発射しかけた次の瞬間───
    E.D.I.と呼ばれる無人ステルスVTOL機は、とんでもない曲芸をやってのけた。

    【シノン】
    「!?
    振り向かせたっ!?」

    【アスナ】
    「ウソでしょっ!?」

    本当に、ほんの一瞬だが。E.D.I.は確かに、後ろ向きに飛んだのだ。
    MIX
    【キリト】
    「フックターンッ!?」

    全速で走っていた奴が支柱に手をかけ急回転するように。
    直進している間に凄まじく小刻みなUターンで一瞬だけ後ろ向きのようになる、スーパー飛行テクニック。
    現実リアルでもこれが出来た戦闘機は、記録の限りではF-22ラプターとSu-27フランカーのみのはず。

    【クライン】
    「いくらゲームの世界だからって何を考えてるんだ運営!?」

    あっという間に背後を取られる、シノンのイーグルⅡ。

    【シノン】
    「ああっ!?」

    E.D.I.の機銃バルカン掃射により、シノンのイーグルⅡに撃墜マークがついた。

    To Be Continued...
    後書き

    長くなりそうなので八雪対E.D.I.とキリアス対E.D.I.は次にします。
    こんなシリアスな話になる予定じゃなかったのにw

    では。
    MIX Link Message Mute
    2021/07/14 19:47:30

    Mission:03 『オデッサの攻防戦』中編

    ##二次創作 ##クロスオーバー #やはり俺の青春ラブコメはまちがっている #ソードアート・オンライン  #俺ガイル  #SAO  #比企谷八幡  #雪ノ下雪乃  #八雪  #桐ヶ谷和人  #結城明日奈  #キリアス  #F-14  #F/A-18  #ドッグファイト  #架空機  #pixivからの転載

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