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    恋をしてしまいました(デミセバ)恋をしてしまいました。(デミセバ)







    ナザリック地下大墳墓第九階層
    ロイヤルスイート。



    「スパリゾートナザリック」。



    スパリゾートをイメージし、作られた大浴場。
    男女合わせ9種17浴槽。
    ジャングル、ローマ、柚子、炭酸、ジェットバス、電気、水風呂、チェレンコフ、露天風呂、サウナ、岩盤浴と多種多様な風呂が設置されている。



    毎日使うほど暇な者はナザリックには居ないが、それでも時折この場所を好んで使う者は多い。
    ナザリックの執事「セバス・チャン」も好んで使う者の一人だ。



    夜遅く、セバスは入浴セットを持ち大浴場へと向かう。
    備え付けのユニットバスでは無く、大きく広い風呂に浸かるのが密かな楽しみの一つ。
    夜遅い時間帯もあり、貸切状態は間違いないだろう?と心をはずませ歩みを進める。



    しばらく歩き、大浴場へと到着する。
    中に入り脱衣場へ足を進めると脱衣籠の中に一組分の衣服が畳まれ置かれていた。



    「…先客がおりましたか。」



    一つ離れた脱衣籠にセバスは衣服を脱いでゆく。
    何気なく隣の籠を見ると、そこにはオレンジのスーツが白いシャツの下から覗かせていた…。
    「デミウルゴスか…。」と軽く溜息をつく。
    せっかく一人で入れると期待していたのに
    よりによってデミウルゴスとはとセバスは少々落胆する。
    お互いに苦手な相手だ。



    「せっかく、此処まで来てしまいましたしねぇ…。」



    セバスは仕方なく衣服を脱ぎ始める。
    綺麗にスーツを畳み、全て脱ぎ去ると腰にタオルを巻き付ける。
    先客が居る為、これくらいは礼儀だ。
    別に男同士ゆえ、隠そうが隠そまいがどちらでも構わないのだが。
    あのデミウルゴスだ…何を言ってくるか解らない。



    セバスは浴場の扉を開けると古代ローマ風呂に浸かるデミウルゴスに気づく。
    デミウルゴスも浴場に入って来た男の姿を見た。
    一瞬の沈黙の後、セバスはデミウルゴスに一礼をする。



    「失礼致します…。」

    「構わないさ。偶然とは言え、セバスと一緒に湯に浸かる事になるとはね。」

    「…同感ですね。」



    気まずい雰囲気にセバスは洗い場へと足を進めた。
    デミウルゴスの視線が少々邪魔に感じたが気にしない。
    腰掛けに座り、桶に湯を注ぎ身体に掛けてゆく。
    ざばぁ、ざばぁとセバスの湯を掛ける音が浴場に響いた。



    デミウルゴスはセバスの動作を観察する。
    「鍛え抜かれた綺麗な筋肉だ。」と思う。
    デミウルゴスとて自慢じゃ無いが、とても良い筋肉のつき方をしている。
    だが、モンク職と言う職種につくセバスは自分の筋肉のつき方と少し違った。
    「触れてみたい。」と小さく呟く…。



    「セバス。背中を流してあげましょうか?」



    デミウルゴスは湯から上がりながらセバスに声を掛ける。
    「はっ?」と面食らった様な顔をして、後ろを振り向いたセバスにもう一度声を掛けた。



    「聞こえませんでしたか?」

    「いえ、聞こえましたが…悪いですので…。」

    「遠慮はいりませんよ。」

    「ですが、デミウルゴス様。」

    「この私が言っているのですよ?素直に受け入れては如何ですか?」



    「気持ち悪い。」とセバスは片眉を上げる。
    デミウルゴスの考えなど良く解らない…その笑顔の裏で何を考えているのか?
    仲が悪いと自他共に認める間柄にもかかわらず、その相手の背中を流すなど…。
    どう言う風のふき回し。



    「ほら、タオルを貸して下さい。」

    「えっ?ちょっ?」

    「大丈夫。コキュートスにもやった事もありますから。大人しくして下さい。」

    「やっ!でも、デミウルゴス様。」

    「デミウルゴスで結構です。」



    まだ抵抗しているセバスを他所にデミウルゴスはタオルを奪い背中を洗い出す。
    びくびくと身体が震え緊張しているのが伝わる。



    「そんなに怯えなくても良いですよ。セバス。」

    「誰が!」

    「ふふっ。そうですか?では、力を抜いて…。」

    「…。」



    セバスはやむなく力を抜くとデミウルゴスに背中をまかせた。



    筋肉の隆起した逞しい背中をデミウルゴスは丁寧に洗ってゆく…。
    すべすべとした肌質に若干驚きながら…。
    背中を洗い腰元まで移動すると、くすぐったいのかぴくりとセバスは反応する。



    何とも言えない気分が身体の内からじわじわと沸き上がる。
    セバスの背中を見、身体を触っていると
    もっと触ってみたいと言う欲望が生まれた。



    「困りましたね。」とデミウルゴスは苦笑いする。
    よりによって、この男の身体にもっと触れたいと思うなど…。



    デミウルゴスはタオルを滑らせセバスの胸へと動かし胸の突起に触れると、びくりと反応し慌てた様にセバスはデミウルゴスに振り返った。



    「あっ、有り難う御座いました!デミウルゴス!まっ…前は自分でしますので。」

    「…。」

    「デミウルゴス?」

    「あっ、いえ、少々驚いていただけですよ。」

    「そ、そうでしたか。それは失礼…今度は私が背中を洗いましょうか?」

    「!…宜しいので?」

    「やっていただいたお返しに…。」

    「そうですか?嬉しいですね。では、セバスお願いするよ。」



    セバスは背を向けるデミウルゴスの背中を戸惑いがちに洗ってゆく…。
    洗ってもらうばかりでは申し訳ないと思ったからだ。
    大浴場と言う空間の中、少しは仲良くしようとデミウルゴスの方から歩み寄って来てくれたのかもしれないとセバスは思う。
    此方も少しは見習って仲良くする努力をしなければ…。



    「力加減は大丈夫ですか?デミウルゴス。」

    「ちょうど良い感じだよ。まさか君に洗って貰えるとは、光栄だね。」

    「此方も、まさか背中を洗われるとは思いませんでした。」

    「ふふっ…そうだね。」

    「ですが…たまにはこう言うのも悪くないのかも知れませんね。」

    「セバス…。」

    「はい。終わりましたよ。」

    「あ、有り難うセバス。」

    「いえいえ。」



    にこりと笑い、セバスは残りの部分を洗い自分に付いた泡を洗い流し湯船に浸かりに行く。



    デミウルゴスはセバスの微笑みに心臓を撃ち抜かれた感覚に襲われた。
    一瞬、心臓が止まったのではないかと思う。
    それくらいの衝撃がセバスの微笑みにはあった…。



    「綺麗だ…。」



    デミウルゴスは徐々に顔が熱くなるのを感じた。
    セバスの身体を見て、触れてみたいと思った時から自分の感情がおかしいと気付いていたが、まさかこんな感情を抱いてしまうなんて…。



    恋をしてしまいました。



    「いつか、彼を私の下で泣かせてみたいものですね。」



    ぼそりとセバスに聞こえない様に呟くと、自分に付いた泡を洗い落としセバスが向かった浴槽へと足を運ばせた…。





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    2022/11/27 1:07:23

    恋をしてしまいました(デミセバ)

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    #小説 #オーバーロード #デミセバ #デミウルゴス #セバス

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