イラストを魅せる。護る。究極のイラストSNS。

GALLERIA[ギャレリア]は創作活動を支援する豊富な機能を揃えた創作SNSです。

  • 1 / 1
    しおり
    1 / 1
    しおり
    ふゆのあさ 冬の朝というのはどうして起きるのがこうにも億劫になるのだろうか…


    (ねむ……)


     布団に入り込んでくる寒い外気に身をすくめ、毛布を顔まで引き上げた。
     素足が寒くて足をすり合わせていると、隣から暖かい足が冷たい足先に触れてくる。


    「つめたいな」

    「ん……、冷えちまった……」


     舌足らずな言葉でぽつりと返し、隣の温もりにすり、と身を寄せた。
     寝間着の胸元をきゅ、と握れば抱き込まれるように大きな腕に包まれる。

     指先をそっと掬われ、指を絡ませながら二人して毛布に潜り込んだ。


    「指先も冷えてるぞ」

    「冷え性なんだよ」

    「もうそろそろ……起きないとな……」

    「もっと寝てたい、イグニスと……」


     頭の上で従者が微笑み、主人の髪に頭を埋めた。
     絡ませた指をいたずらに弄んでは、手の甲を擦ってみたり、強く握り返したりしてみる。
     僅かに指の力を強くすると、ノクティスからも同じくらい強く握り返される。

     その度にどちらからともなく笑ってみたり。


    「昼飯、何がいい?」

    「んー…、昨日のポテトサラダで、サンドイッチ作ってみたら?」

    「そうだな、冷蔵庫にスープもあったし…温めるか」


     お昼の献立を立ててみるも、動く気配のない自分達に自ずと苦笑してしまう。


    「仕事…いいのか?」

    「ん……、お前の傍にいる以上に大切な仕事なんてものはないな…」


     眠いのだろうか、ぐりぐりと胸に押し付けられた頭を撫でてやれば王子が顔を上げてこちらを見つめてくる。


    「な…キス、して?」

    「おはようの?」

    「おやすみの」


     甘えたな王子様から重ねられた唇。
     それに応えるように目を瞑って、ノクティスの頬を指でくすぐりながら静かに応える。


    「…ねぼすけ」

    「毛布とお前が俺を放してくれないからだろ」







    .
    うさみ@ignc Link Message Mute
    2018/08/09 22:23:43

    ふゆのあさ

    #イグノク
    お布団の中での話

    more...
    Love ステキと思ったらハートを送ろう!ログイン不要です。ログインするとハートをカスタマイズできます。
    200 reply
    転載
    NG
    クレジット非表示
    NG
    商用利用
    NG
    改変
    NG
    ライセンス改変
    NG
    保存閲覧
    OK
    URLの共有
    OK
    模写・トレース
    NG
  • CONNECT この作品とコネクトしている作品