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    しおり
    お巡りさん、星つきと管理者に会うキャラ崩壊注意
    ネタバレ注意
    星つきと元管理者が登場します。


    暁やしお
    26歳
    警察官
    コーヒーには砂糖とミルクをたくさん入れるタイプ





    やしおは夢を見ていた。
    「やしお、紹介しよう子供塔を監視し統率するものたちだ」

    ついに子供達の塔のトップ四人を紹介される時が来た。やしおは会うのを心待ちにしていた。

    「このカーテンの向こうに子供達がいる」

    赤いカーテンを指さす男、何故カーテン?やしおは疑問に思いながら「失礼する」と一声かけてカーテンをめくった。
    そして、戦慄した。目を見開き、口を開ける。
    人間驚くと言葉が出ないと言うのは本当のことだった。
    そこにいたのは子供四人。
    エドワードたちのようなドレスや貴公子が着るチェニックを身に纏ってる。

    そこは驚くべきところではなく、彼が一番に戦評したのは、その子供たちの顔は炭のような真っ黒に塗られた顔をしていた。

    「っうわあああああああああ!!」
    やしおの絶叫が部屋中に響き渡り、やしおはベットから派手に落ちる。そして襲ってきた鈍い痛みにのたうち回っている。

    ノックの音が響き扉が開く。

    「朝から騒々しいやつだ」

    現れたのはラテン系の男性と黒子たち。男性の容姿は上唇を覆うようなシェブロン(ひげ)赤いサテンシャツからは胸毛がぼうぼうと見えてる。そして何故か手には美味しそうな葡萄を持ってる。
    やしおは痛みで朦朧としながらラテン系の男性を上目遣いで見る。
    胸毛も気になるが手に持ってる葡萄に目線をやる

    (うまそう…)とやしおは呑気に思う。

    「立て、暁」とラテン系の男性は冷たく言い放つ。黒子はやしおに手を差し出す、「ありがとう」とお礼を言うと黒子は小さく会釈を返してくれた。手を借りてゆっくり体を起こし、立ち上がる。

    「すみません、どちら様で?」

    エドワードが言っていた子供達の塔の管理者かとふと思う。
    「あ、昨日エドワードさん?が言ってた子供たちの管理者方ですかね?」とやしおは恐る恐る聞く。

    「トマス・シャドーだ」とラテン系の男性は名乗る。
    「はぁ」と気の抜けな声しか出ない、いろんなことが起こりすぎて頭が回らないやしお。
    そんなやしおにトマスは冷たく言い放つ。

    「いつまでそうしてるつもりだ、さっさと朝食を食べて用意しろ。それよりも先にシャワーを浴びてこい、匂うぞ」
    トマスはやしおのまえで袖で鼻を隠した。確かに一ヶ月牢屋に閉じ込められてそこにお風呂なんてあるわけがなく、そして昨日は極限まで疲れている状態だったので浴びる暇なんてなかった。
    やしおも身体の匂いを嗅ぐ、自分ではわからない。そして意識すると体がとてつもなく痒くなる、時々痛みだした。

    「数秒待ってろ!!」とやしおは客室のお風呂に引っ込む。瞬足で服を脱ぐ。脱衣場というものはなく、バスタブの中に小さなシャワーがあった。現代人は海外風のホテルにも泊まることがあるので別に驚くことはなく体と頭を洗う。頭や体にかかるぬるま湯でさえも心地よかった。
    これでもかってくらいに身体と頭を洗うとタオルで拭きながらバスタブから出ようとすると黒子が扉を開けて入ってきた。

    「おわっ!!!!」

    急に現れた黒子にやしおは驚く。
    すると黒子は何も言わずにやしおに着替えを差し出す。

    「正装をしろってことか?

    着替えは黒スーツに、蝶ネクタイ。
    やしおはおずおずと受け取る。
    制服は黒子に回収される。

    「洗濯してくれるのか?ありがとう?」

    お礼を言っても喋らないのはわかってるが一応伝えると黒子はまた会釈をしたような気がした。

    (こいつら本当に喋らないな、男なのかも女のかもわからない、メイドと執事ポジションなのは理解できる)

    やしおはワイシャツを着て、蝶ネクタイを結び、スーツを着る。
    備え付けてあった鏡で自分の姿を見る。髪の毛がとぐろ巻いていたので置いてあった櫛でとかしオールバックにする。
    身だしなみをこれでもかって確認する。
    そして警官帽子を頭に被る。
    制服がなくとも帽子がないとなんとまぁ落ち着かない
    ちなみに彼はトマスの登場で驚いたせいで夢の内容を忘れていた。
    お風呂から出て、トマスのところに向かう。
    トマスはソファーに座って優雅に葡萄を食べていた。

    「先ほどよりは様になったではないか、少し派手さはかけるがな」
    「それはどうも」
    「その帽子はどうにかならないか?」
    「オレの誇りだから」


    (大きなお世話だ、ボケ!)やしおはトマスの言うことを流す。
    黒子が朝食の用意の用意をし終わる。白細工のテーブルには朝食はやはり洋風でパンとコーンスープとサラダなどのあっさりとしたものだった。
    そして、なぜかそばには珈琲が置かれていた。
    珈琲は砂糖もミルクも入ってないブラック。
    やしおは顔を顰めた。

    「すまん、苦いものは苦手なんだ、下げてくれ」とやしおは丁寧い黒子に珈琲を渡す。すると今まで優雅に寛いでいたトマスが顔に青筋を立ち上がる。

    「貴様、なぜ珈琲を飲まない!!お爺さまへの謀反か?!」

    ツカツカとヒールを鳴らして近づくとやしおの胸ぐらをいきなり掴む。
    するとやしおはその手を捻りあげる。
    トマスの顔が苦痛で歪む。
    彼は腐っても警察官だ、凶悪犯に手を出されることなんてザラだ。

    「おれは苦いものと辛いものが嫌いなんだよ、飲んだり食べたりすると頭痛がしたり、気持ち悪くなってしまう。ここで吐かれても困るだろ?貴族さんよ?」

    どすの利いた声でトマスに囁けば、トマスはぎりっと唇を噛み締めた。
    やしおはやっとトマスの手を離す
    離されると痛そうに捻られた手を摩る。

    「ま、残すのはやばいしな!甘くすれば飲めるから!砂糖さえあれば」とやしおは言う。朝食のそばに可愛らしい上等そうな調味料入れ。
    やしおはそれを見つけると蓋を開ける。
    中には角砂糖が入っていた、そばにはミルクの粉も入ってる。

    「おい、ちょっと待て!」

    トマスの静止の声を聞かずにやしおは角砂糖とミルクをどばどばといれる。
    角砂糖なんて、三つ、四つ、五つ、六つ、七つ、八つ、胸焼けしそうなほどたくさん入れている。
    トマスは頭がフラフラする感覚に陥る。

    (こいつ、お爺さまの珈琲を)

    怒りでわなわなと身体を震わせていた。
    やしおはそんなトマスのことを無視して自分の好みの甘さに珈琲を淹れる。そして満足そうに口元を綻ばせてやっと朝ごはんを口の中に入れた。

    その朝ごはんは今まで泊まったどのホテルよりもおいしかったと言う。


    ****

    朝食を食べ終わり、やしおはトマスと黒子たちに共に大人たちの塔から子供達の塔を目指す。
    そこで注意事項を聞いてるのだが、先程の一件からやしおへのトマスの態度が明らかに悪くなる。
    (おれ何かしたっけ?)とやしおは首を傾げる。
    その一件というのは珈琲にミルクと砂糖をたくさん入れたことが原因である。

    やしおにとっては当たり前なので気がついてない。

    「本来、大人は子供たちに興味はなく干渉しないものだ、しかし、お爺さまの計らいで特別にお前はこの任を任されたのだ。もし下手なことをしたのなら殺されると思え」

    本当に物騒な館だとやしおは思う。
    時代柄なのは仕方のないことなのだ。
    やしおは渋々うなづく。
    トマスたちに何を言っても無駄だとついさっき分かったのだ。やしおも無闇に手を上げたくない。
    トマスは注意事項を続ける、

    「余計なことを考えるな、余計なことをするな、
    子供たちに大人たちのことを話してはならない」
    「余計なことを考えない、しない、喋らない、シャドーハウスのおはしだな」

    やしおはお箸にもなってないのにそう答える。
    トマスの顔にまた青筋が立ちそうになり苛立ちが募る。先ほどからこの目の前の男には振り回されてばかりだ。

    「あれ、お箸になってないか、なははは」
    「早く処分されればいいのに」とトマスは聞こえない声でやしおに遠回しに死ねと呟く
    そんなこんなで二人は子供たちの塔とおじいさまと共にある塔、(大人たちの塔)をつなぐ架け橋
    栄光の廊下にたどり着く。

    「栄光の廊下だ、ここは子供と大人を繋ぐ廊下。お披露目やお呼ばれ、そして、処分の時にここを通る」
    「お披露目、お呼ばれ…処分なんてことがあるのか?!」
    「余計なことを考えたもの、無能なもの、いないが反乱分子が処分対象だ。出来損ないが淘汰される」

    やしおは頭が追いつかずに適当な返事して窓を見る。
    栄光の廊下の窓からは断崖絶壁が見える。
    やっとやしおはここが断崖絶壁に立つ館だということに気がつく。
    なんせ、捕らえられた時は目隠しをされて訪れたのだ。
    やしおは始まったばかりだというのに疲れ切った顔をした。

    「勿論お前も下手なことをしたら処分するぞ」
    トマスはやしおを脅迫する。

    「へいへい分かってますよ」

    やしおはトマスの先程からの態度に苛立ちを募らせるがこちらもキレていたら更に上乗せしてキレてくるのに決まってるのでこちらは大人の対応をする。そして(この胸毛さん、子供だなぁ、いくつなんだよ)と心の中で見下す。
    さっきからやれ、死ねやら処分されろなど悪口がすごいのだ。やしおはそこまで心が広く温和な性分ではない。

    「私の権限で貴様なんぞすぐに処分できるんだぞ!侵入者が!!」

    トマスは人差し指でやしおの胸板を突く。

    「そんなんしってますよぉここで処分されたりしたら元の世界に戻れねぇので逆らいませんよぉ」

    怒りが顔に出そうだったので精一杯の作り笑顔をトマスに見せる。
    ギスギスした様子で二人は栄光の廊下を渡る。だんだんと、子供たちの塔が見えてくる。そこに立つの、ふりふりしたドレスや上等そうなスーツ。
    やしおは遠目で自分達を待つのはエドワードに説明された星つきだと把握する。

    (ん?なんだおかしいぞ?)

    やしおの胸が嫌に騒ぐ。
    子供たちの顔が確認できない。
    確認できるものたちはいるが上等そうなドレスやスーツを着てるものたちの顔が確認できない。
    真っ黒なのだ、自分の目が悪くなったのかと思いやしおは目を擦る。
    しかし、その真っ黒なものは消えない。
    そして段々とその距離は近づいてくる。

    やしおは自分の心臓が吐きそうなくらいに脈を打つのを身をもって感じていた。
    そして今朝見た夢をやっと思い出す。

    (そういえばおれは子供たちのことを夢に見たんだ。場所は違うけどカーテンを開けたら子供たちの顔が)

    汗が噴き出す、手と足が震える。

    「アカツキ、紹介しようお爺さまの子供達だ」

    トマスは丁寧に8人を紹介する。いや、4人といってもいいのか。
    やしおは目を見開き、また声も出ない状況に陥る。子供たちはやしおに優雅に挨拶をする。
    黒い服に身に纏ってる子供四人には顔があるがその隣にいるドレスやチェニックやスーツを着てるものたちには顔がない、ない以前に全て真っ黒だ。まるでほん○に出てきた死神のような風貌。

    「ぁ……ぁ…」
    「アカツキ?どうした?」
    「アカツキ様?」

    青いドレスを着てウェーブのかかった髪の毛に
    小さな青いバラの髪飾りを咲かせるように飾り付けてる黒い少女が声をかける。
    やっとやしおの声が出たと思ったら、出たのは大絶叫。

    「ぎゃああああああああああああああああ!!!!!!!!」

    つんざくような声にみんなが耳を塞ぐ。
    その途端にやしおの身体はぐらりと揺れ、そしてみんなの目の前で倒れ込んだ。

    「し、失神した…」
    眼鏡をかけた真っ黒な少年がつぶやく。


    やしおが失神して数時間後。
    やしおは客室ような場所に寝かせられておりおでこにはタオルが置かれていた。
    重たい瞼を開ける、するとそこには四つの顔があった。
    少し怖い顔をした小さな女の子。
    黒い髪の見目麗しい女の子、眼鏡をかけた少年、
    ガタイのいい少年がやしおをみつめていた。
    やしおが目を開けたところを見ると見目麗しい女の子が少しホッとしたような顔をすると「良かった目を覚ましたわ」と言った。

    やしおはすぐに少年少女たちのそばに真っ黒いものたちはいないか確認する。
    そして、いないことに何故かホッとする。

    「主人たちはトマス様とお話し中です」と怖い顔をした少女が言う。
    やしおは聞きたいことが多すぎて頭の中を処理するのに時間がかかる。

    少女が言う主人というのはドレスを着たまっくろくろすけたちのことだろう。

    「お前たちの主人には失礼なことをしたな、すまない」

    主人と言うことは子供でも貴族。やしおは少女たちに首を深く垂れた。
    少女たちは真顔でやしおを見る。

    (ひょっとして…オレ、嫌われた?)

    確かに、初対面で最悪な第一印象である。
    やしおはやってしまったことを深く後悔する。

    「申し遅れました。私はバーバラ・シャドー様に仕える生き人形バービーでございます」とバービーと名乗った少女は言う。
    (シャドー?、生き人形)とやしおは思う。
    これは余計なことなのかと思う。
    そして、周りにいる残り3人の紹介を始めた。

    黒髪の少女は、白いドレスを着たシャドー少女の生き人形はスージー
    体躯のいい少年はベン
    眼鏡をかけてるのオリー。
    (みんな真顔で本当に人形みたいだ)とやしおは思う。そして、瞬時に理解する。
    彼女らが言う主人とやらには顔がないので顔の役割を果たしてるのではと思う。
    (顔がない原因はきっと悪い魔女にでも呪いをかけられたのだろう)と無理矢理にでも納得した。
    そうでもしないと本当に混乱しそうだったから。

    しばらくしてトマスとバーバラとその他の子供シャドーが戻ってきた。
    四体ともやはり顔がなくそこにあるのは黒のみ。
    時折真っ黒なものが出ているような気がする。
    あれはなんだ?

    「あとはお前たちが説明してやれ」とトマスが踵返すように言う。
    「いやいやいやいや、若い二人でって言う感じに言われても!!」
    やしおがトマスを追いかけようと地に足をつけるがふらっとする。
    それを体躯のいい子供シャドーが支えてくれた。
    トマスはそんなやしおに目もくれずに大人たちの塔に帰っていく。扉は無常にも閉められた。

    「あ〜〜〜〜〜〜」

    やしおは弱々しくうめく。
    (真っ黒助と言ってもまだ子供だ)と
    やしおは決心を決めると
    子供たちの方を意を決して見つめる。

    「話せるところまででいいからお前たちの知ってること全部教えてくれ」
    「あなたに話せることなんて一つもありません」とバーバラは冷たくやしおに吐き捨てる。
    バーバラからは黒いものが少し多めに出てる。
    他のものたちも何かを出していた。
    その雰囲気からは歓迎されてないのは確かである。
    「そうだな、じゃあオレから話そうすまない。礼儀がなってなかったな」

    やしおは頭の警官帽子を被り直す。
    そしてビシッと敬礼を決めた。

    「○○市県警 やしお・暁であります!!今日未明に子供たちの塔に配置されました。よろしくお願いいたします」

    高らかに辞令宣言をする。側から見れば何やってんのこいつだがやらないと本当にどうにかなりそうだったのだ。

    「名前は聞いてる、やしお・暁だろ?」と体躯のいいシャドーが言う。ベンはそのシャドーの表情をしていた。
    その顔はかなり引き攣っていた。

    (うわぁ、怪しまれた挙句にさらに嫌われた)とやしおは心の中で涙を流す。

    「ちなみにオレはまだ26歳だから!バーバラたちとは結構歳が近いと思うよ」

    やしおが言うと、バーバラたちに衝撃が走る。

    「まぁ、行き遅れよ!」とスージーの主人が口を開いた。やしおは哀れみの目を向けられる。

    「行き遅れですね」とバーバラは悪気のない毒を吐く。バーバラたちの時代とやしおの時代は違うのでそう思われても仕方がない。彼らの時代の結婚適齢期は早くて12、遅くて18だ。
    「可哀想に良い人がいなかったのね…」
    「いい人がいなかったんじゃなくってな、俺たちのじだ…じゃなくって国はどんどん適齢期が下がってきてるんだよ…下手すると40.50.で結婚する奴らもいるくらいだからな、オレくらいで結婚するのは早いって言われるんだぞ?」

    やしおが説明するとあまりしっくりきてないようで首を傾げる。

    「それでも行き遅れです」
    バーバラがさらに毒を吐く。

    「わかってるよ!!!?大きなお世話だ!」

    顔を赤くして言えば周りからクスクスと笑い声が出る。

    「ンフフ、あまり暁様をいじめないの。初めして、スザンナ・シャドーよ。医療班の班長をしてるわ、んで、そこで仏頂面をしていて体躯がいいのはベンジャミンよ」とスザンナは感じよくやしおに自己紹介をしてくれる。

    「よろしくな、スザンナ、ベンジャミン。んで、残りの二名は」

    そして、ベンとベンジャミン、スージーとスザンナの主人の後ろの方で何やらガサゴソやってる若干二名が二人、いや一人。
    やしおは嫌な予感がして、「ちょっと失礼」と後ろを覗く。
    そこにあったのはやしおのスマホ。そして警察署からの支給の無線と手錠と銃。
    やしおは一気に寒気が走る。

    オリーとその主人がスマホを解体しようとスパナを振り下ろそうとしていた。

    「こらあああああ、何やったんだ!!!」

    やしおはすぐさまにオリーとその主人を取り押さえてスマホと無線と手錠と銃を回収する。

    「うわぁ!!何するんだ!!!やめろ、離せ!」
    オリーの主人がスパナと体から真っ黒いものを出してジタバタする。
    その真っ黒いものはやしおの顔に直にかかる。
    目に入ってきてヒリヒリと痛み出す。
    そして口の中にも入ってきて、ゲホゲホとむせこむ。

    「オリバー返してあげなさい。暁様。オリバーの失礼をお許しください。あとでキツく言っておきます」とバーバラはやしおに謝った。

    「ちなみに、オリバーは研究班の班長よ」とスザンナが補足説明を入れてくれた。


    「バーバラが謝ることではないよ。それよりも!!オリバーとやら!!」とやしおはオリーとその主人オリバーを降ろすと目線を合わせる。

    (顔に合わせればいいのか真っ黒なオリバーに合わせればいいのか?)とやしおは思います。
    それはともかか、置いておく。

    「人の私物勝手に荒らしちゃダメ!」
    「自由に使えってトマス様が言ってたぞ」
    「あんの…どうやら手違いがあったようだ。これはオレの私物だからダメなんだ。トマス様は使わないって思ったみたいだけど、これは使うから」
    「えーーー」


    トマスへの怒りを飲み込んで優しく丁寧に説明するがオリバーは不服そうだった。

    「じゃあ、使わないもの一個くれよ、オリバー(僕)はその四角い箱みたいなのが欲しいな!!」

    オリバーの顔をしてるオリーが目を煌めかせて見るのはスマホ。
    やしおはぶんぶんと首を横に振った。

    「いい加減にしなさいよ、オリバー!!ダメって言われてるんだから」と見かねたスザンナがオリバーを注意してくれた。
    オリバーはまだ納得してないようで体から黒いものを出してる。
    (これはいったいなんなんだ)とやしおは思う。

    「じゃあ、わかった!オレが処分されたら全部やるから」とやしおがいう。

    「本当か?!」
    オリバーは何故か嬉しそうにするのでやしおの頭がくらくらした。




    ****

    そしてしばらくしてやしおたちは移動する。
    星つきが会議をする部屋に改めて移動して話し合いが行われていた。

    「オレが説明できることはこれくらいかな」とやしおは言う。
    やしおの世界のことは敢えて話さないことにした。多分混乱して返って怪しまれると思ったからだ。

    「なるほど、理解しました」
    「つぎはバーバラたちのことを教えてくれ。お前たちは何者なんだ?話せるとこまででいい、あと体から出てる真っ黒いものはなんなんだ?」

    やしおは知らないことを矢継ぎ早に質問する。すると、バーバラはゆっくりと口を開く。

    「まず順を追ってお話しします。まず私たちから私たちはシャドー家の貴族。そして私達は顔がないので顔として生き人形を従えてます」

    バービーたちが人間に似た姿をした人形でバーバラ達はシャドー家の貴族。
    混乱し続けてるやしおの頭でもすぐに理解ができる内容だった。

    「しっかし、人間に似てるな」

    やしおはバービー達をマジマジと見つめる。
    人形も人間に模様されて作られてるし体のどこかに油を刺すところがあるのだろうと納得する。中世でカラクリを作れるなんてすごいなってやしおは純粋に思った。彼にマジマジと見られたバービー達は表情を変えずに見つめる。
    逆にやしおが狼狽えた。

    「真っ黒いものは「すす」です。怒ったり、よくない感情の時に出ます」
    「なるほど」

    やしおは納得する。しかし、一つ納得できないことがあるオリバーがやしおの私物を漁って取り返した時に煤が出ていたことである。

    (煤を出したいのはこっちの方だ!)とやしおは思う。

    「もう一つ質問していいか?大人ってここによく来るのか?」
    「大人は子供に興味がありませんから、そのはずなのに…くそ…腹立つ」

    バーバラはやしおの目の前で大量の煤を出す。

    「おい、バーバラ!」

    その瞬間、バーバラからは今まで以上に大量の煤が出る。やしおは必死に呼びかけるがバーバラには届いてないようだ。苦しそうに踞っている。そして部屋中は煤に覆われて真っ黒になる。

    「暁」

    いままで顔をしていたバービーが口を開いた。

    「顔をしている生き人形には一切話しかけるな!!
    あまり深入りするな!!仲良くなるな!!個を認めるな!!奴らはただの人を模倣されて作られた人形だ!!そして余計なことを考えるな!」

    子供ながらすごい剣幕で言われたためやしおはコクコクとうなづいた。
    バービーは苦しそうにするバーバラを連れっていった。

    「バービーはバーバらを煤取りの間に連れて行ったのよ。あの子煤量が子供達の中でも一番多いのよ」

    スザンナはやしおに説明する。
    その瞬間にベルの音が鳴り響いた。
    やしおはビクッとしてすこし身体をこわは割らせる。

    「夕食の時間だ」とベンジャミンが言った。
    ぞろぞろと会議室を後にする。

    「バーバラは大丈夫なのか?」

    あの煤の量ならいくらここが初めてでシャドーという存在を知ったやしおでも体に悪いんじゃないかと心配する。

    「僕たちは煤を出さないほうがよっぽど身体に悪
    いんだ、大丈夫だよ、暁様。バーバラにはバービーがついてるから」オリバーがやしおを宥める。
    「暁様の部屋も用意されてるわよ。私(スザンナ)が案内するわね」
    「オレにも部屋が用意されてるのか。オレは生き人形みたいな姿してるんだぞ?」
    「暁様は大人達の塔から派遣された特別な方、丁重に持てなすように言われたわ」

    いちいち気にしていてもキリがないとやしおはぶんぶんと頭を横に振る。
    そして、大人達に関しては(前までは完全に密告者、反逆者、侵入者、不審者って散々言ってたくせに)と呆れ返る。
    役に立つと分かった瞬間にこの掌返しだ。

    やしおはスザンナに案内されて、星つき達の居住区の中の一つの部屋を用意されていた。
    そこは、大人達の塔のスィートルームやエドワードの部屋よりも広くない。牢屋よりは広い。
    ちゃんと天蓋つきベットがある。

    「何かあったら「顔の見えない人形」に言ってちょうだいね」とスザンナはやしおの部屋の中にいる黒子を指さす。

    「顔の見えない人形っていうのか…黒子ってずっと言ってたわ」
    「黒子?」
    「いや、なんでもない…ありがとうな。スザンナ」

    やしおがお礼を言えばスージーがスザンナの顔をする。口元を綻ばせて優しい顔をする。

    「それと、オレのことは暁様と呼ばないでいいよ。やしおでいい」

    ずっとやしおが思ってたことのようだが様つけはこそばゆいようだ。

    「それはいけないわ!!」とスザンナは首を横に振る。子供達にとっては大人は恐れ多いものであまり詮索してはいけない方々で呼び捨てにするなんて言語道断らしい。
    やしおは少し寂しそうな顔をした。

    「オレ今までの世界で様付けにされたことなんてないし、増しては弟達や妹達にもお兄様なんて呼ばれたことなんてないから…」
    「まぁ、ご兄弟がいるの」
    「お前達にはいないのか?」

    彼らに両親、兄弟という概念はあるのか、スザンナは首を傾げてるのでないのだろう。


    「そろそろ私(スザンナ)は帰るわ」
    「ありがとうな、夕飯もあるのに遅くまでごめんな」
    「いいのよ、お世話係だもの。明日またバーバラから説明が入るから」と言ってスザンナは去って行った。やしおは一人ポツンと佇んでしまった。

    頭の中では考えてるのは屋敷の疑問と大人達への不信感。人形達とは深く関わるなとはどういう意味なのだろうか。
    それはは余計なことなのか考えていいことなのかわからなかった。
    やしおは深いため息を溢してると待機していた黒子基顔の見えない人形が何かの包みを差し出す。

    「オレ宛?」とやしおは聞く。彼らは質問の返答は一切しない。そして顔も黒い布で覆われていて分からない。だから顔の見えない人形なんだとやしおは理解する。しかし、その人形はコクリとうなづいたような気がした。その包みの宛先はやしお名義。差出人はエドワードと書かれていた。

    「エドワードからの贈り物か?」

    やしおはその包みを受け取り丁寧に開けた。
    そこには警察官の制服と、そして、なぜかもう一着服が入っていた。
    そして、一通の手紙も。
    手紙を手に取る。

    「髪型を整えても服装がアレだとサマにならない。オレのお下がりをプレゼントする」

    手紙を見た後にもう一着の服を見る。
    模様がたくさん書かれていた派手派手なスーツでしかも赤色だった。
    模様はパイグリー

    「こんな服着れるかあああああぁああああ!!!」

    やしおの絶叫がシャドー屋敷全体に響いた。

    続く。


    次回 星つきたちと仲良くなりたい
    26Id4jdu Link Message Mute
    2021/03/26 18:21:49

    お巡りさん、星つきと管理者に会う

    #オリ主
    #シャドーハウス 
    #夢小説

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