お巡りさんは星つきたちと仲良くなりたい
注意!!
影屋敷原作沿い夢小説のためネタバレ注意
主人公は成人です。男主人公です!!
主人公がでしゃばります。主要キャラと仲良しこよしする可能性もあります!!
苦手な方は注意することとキャラ崩壊注意です!!
特に3話はキャラ崩壊注意です!
誤字脱字も注意して直していきたいとおもいます
恐らく解釈違いしてるかもしれません注意
予告なしの変更がございます。
夢主
暁やしお
26歳、職業警察官。
甘党でコーヒーには沢山ミルクと砂糖を入れないと気が済まない。最近の悩みはスマホが「屋敷に取り上げらるかもしれない」らしい。
悪人面だけど優しい。
9人兄弟の長男
やしおは思う。ここに来て一ヶ月は経った。とりあえず生活には慣れたが、彼らとの距離は一向に縮まらない。あれから、スザンナ、顔のスージー。オリバー、その顔のオリーは気さくに話しかけたりしてくれるが…警戒心の強いベンジャミン、ベン。そして特にバーバラ、バービー組との関係が築けないでいる。
やしおが子供達の塔に来て次の日に遡る。
あれから、バーバラから改めて説明があった。
子供たちの塔の監視者としてのお約束の確認だ。
「1 無闇に生き人形と関係を築くことはしない
生き人形はあくまで顔である。助けたりしないこと
(星付きは除く)
2 大人たちのことを無闇に生き人形や他のシャドーに話してはならない
3自身の主事を話してはならない
4 おじいさまに忠誠を誓うこと
5監視員として無駄な慈悲を捨てよ。
6ウロウロ動き回らないこと
3に対しては理解できたやしおであったが、1.2.4.5に対しては到底理解が及ばない。
特に、1と5と6
やしおの考えは「子供は慈しみ愛されるべき」というものだった。この屋敷とは真逆の考えなので大いに戸惑った。 怖い面をしていて意外にも優しい性格のようだ。
(ま、2.4.3は守るにしても…1.5.6は絶対に守らねぇからな!)
それが、自分が処分されてもだ。
とやしおは思う。
このルールを守るとやしおは大人たちから処分されるらしい。そして星付きはたちはやしおの監視員ということだった。
言わば、自由な身であっても袋の鼠というわけだ。
(後もう少しで他の奴らに会える)
後もう少しで星付き以外の子供達へのやしおのお目通りをする。
(あいつらと距離を縮めたい…)
あいつらとは星付きたちのことである。
(オリバーとオリー、スザンナとスージーはともかく…バーバラとバービーとベンとベンジャミンは…)
やしおに関する視線が厳しいものがある。
完全に監視してる目をしているのだ。
確かに、見ず知らずの大人が急に現れたら戸惑うものもあるし、警戒するし、悔しいと思うのが正しいことだ。
しかし、やしおにとっては他に身寄りがないため彼らとの関係を良くしたい。邪な考えではなく見ず知らずの土地にいる彼にとっては最善の処置である。
「よし!!」とやしおは気合を入れる。
「どうした?やしお」
やしおの背後で心配をする声が響く。不意なことなのでやしおは少し悲鳴をあげてまたベットから落っこちた。部屋の中にいたのはオリバーとオリーだった。
「だ、大丈夫ですか?!」
オリーが転げ落ちたやしおに手を差し伸べる。
「おまいら…ノックしてから入ってこいよ」
やしおは弱々しい声をあげてオリーの手に捕まるとゆっくりと体に起こす。やしおは警官なので大柄な体型なのだがオリーは意外と力があるらしく難なくやしおを立たせた。
そして訝しげな顔をしてオリーとオリバーを見つめる。
「はぁ?、[[rb:僕> オリバー]]は何回もノックしたんだぞ。留守なのかなって思ったけど、やしおの気配があったから入ってみたんだよ」
オリバーがそういうとオリーがオリバーの感情に合わせて訝しげ顔をする。
やしおは未だにこの状況が慣れない。
生き人形と呼ばれる人間に近い存在がシャドーという真っ黒な黒塗りの表情もわからないものたちの顔をしてるを受け止められないでいた。
でも、シャドーも生き人形も話してみると悪いものたちではなかった。まだ、大人と星付きたちとしか関わってないが。
ちなみにオリバーだけやしおのことをアカツキ様ではなく呼び捨てである。
「なんのようだ?」
やしおはオリバーとオリーに目線を合わせて部屋に入ってきた訳を聞く。
「またすまほぉというものを触りたくてだな…」
オリバーは何故かモジモジした様子でやしおに言う。オリーもその表情と仕草に合わせてる。
「そんなことか…好きに触れ!」
やしおは気前よくスマホをオリバーに渡した。
するとオリバーは花が咲くような、花火が散るようなそんな雰囲気を出して飛び上がって喜んだ。
「やったあああ!!!」
「よかったですね!オリバー先生!!」
「すまほぉを触れば、どのようにして出来て、何故こんな形をしてるのか、もしくはシャドー家の役に立つかもしれない!!ダメ元で頼んでよかったなオリー!」
「えぇ!本当ですね!」
キャイキャイとはしゃぐ主従にやしおは静かにツッコミを入れた「おい、オリバー、オリー」すまほぉじゃなくってスマホな」とここに来て何度目かの訂正をする。
伝わるかわからないがシャドー家の役に立つかは分からないがいろいろ調べられるし便利なのは確かである。
聞けばオリバーとオリーは研究班で発明をしたり日々シャドー家に役立つものを作り出してるようだ。もしこの世界でスマホを作れたら各国の王がオリバーたちを欲しがるだろう。とやしおは思いながら自分のスマホを触るオリバーたちを見つめていた。
「どうした」
そして何故かオリバーは肩を落として落ち込んでいる。
オリーは慌てた様子だった。
「[[rb:僕> オリバー]]にすまほぉが反応しないんだ…」
「何故か僕の手は反応するんですよね、何故でしょう。益々謎が深まるばかりですね」
どうやらシャドーには人間の手にある電波というものがないようだ。だからなのかスマホは反応を見せない。やしおのようにどの手を使っても一つも動かない。
しかし、オリーが触ったら動くようだ。
生き人形は人間の静電気も真似て作られてるようだ。
スマホはタッチパネルの中に縦と横に走る多数の電極がありその表面はわずかな静電気を指が吸い取り読み取れ、タッチされた場所を特定することが出来るようだ。
(この時代でここまで人に近いものたちを作れるとは、偉大なるおじいさまってすげー奴なんだな)
と会ったこともないここの王のことを考えてはこればかりは感心した。
大人たちの塔の住人たちをちゃんと管理してくれれば完璧であるのに。
「やはり、分解しないとわからない!!」
オリバーがどこから取り出したのか工具を取り出しスマホを解体しようとする。
「分解すな!!!!!」
すご勢いでやしおはスマホを取り上げる。
「やしお!お願いだから分解させてくれよ!!!砂糖あげるからさぁ」
「今ならもれなく全部差し上げますよ!!」
砂糖好きなやしおにとってはこの上ない至福な対価交換だ。心の中は揺らぐ。
「ダメだ、ダメだ!このスマホはな俺の宝物が入ってるから!」
邪な考えをブンブンと頭を振って無くしオリバーとオリーに言った。
「「えぇ〜」」
オリバーは煤を出しオリーは口を結んで少しムッとした顔をする。
カメラロールの中にはやしおの家族の写真は友達との写真、今や軍人になってしまった愛おしい先輩との写真、そして大切な人との写真が詰まってるのだ。益々砂糖ごときで渡せる代物ではない。
少し揺らいだが。
「まあ、まぁ、オリバー様。アカツキ様が処分されたら貰えるみたいですし!それまで待ちましょうよ!」
「そうだな!!オリー!」
「おいコラ!」
サラッと処分のことを口に出す二人にやしおは頭を抱えた。四人の中で自ら関わりを持ってくれる二人であったがやはり大人たちと同じようで警戒分子なのかもしれない。
しかし、邪険にはできなかった。
「あぁ、オリバー!!やっぱり、ここにいた!」
開いてる扉からスザンナとスージーがひょっこり顔を出す。スージーは眉を吊り上げてるし、スザンナは頭から煤を出してるので怒ってるのは明白だった。オリーは少々顔を顰める。
最近オリバーとオリーはスマホの研究をしたいのかここに来て触ることが多くなった。
まあ、実質1時間くらいだが
するとすかさずやしおが、
「すまん、スザンナ。俺がスマホ触らせてやるからって呼んだんだ。会議前の忙しい時にごめんな!」
オリバーたちを庇う。
オリーはオリバーの顔をして少々驚いた顔をした。
「あら、そうなの?でも、会議の前はやめてよね!」
先程の怒りとは裏腹にケロッとした感じでスザンナは言った。
「ああ、気をつけるよ。オリバー会議行ってらしゃい」
やしおはオリバーとオリーの背中を優しく叩いて会議に送り出そうとする。
「あら、アカツキ様も参加するのよ」とスザンナは言った。
「まじ?」
「えぇ、そうよ。そろそろ参加させてもいいんじゃないかってバーバラも言ってたの!行きましょう!」
「やしおも参加するのか!!心強いな!」
オリバーはバーバラに怒られるたびにやしおに庇ってもらってたので若干嬉しそうだ。
スザンナとオリバーはやしおの手を引っぱる。
バーバラは大人をあまりよく思ってないはずだとやしおは思う。
何故、参加させようと思ったのだろう。
やしおは首を傾げた。
こうしてやしおは星付きの会議に参加させられることになった。
会議の内容は、生き人形のこと他のシャドーのこと、大掃除のこと。
「今回は新人が5名生まれたようです」
どうやらシャドー家も毎年新人が入るようだ。
(入るじゃなくって生まれるって表現するのか、独特だな)とやしおは半ば半分で会議の内容を聞いていた。
「というわけで…アカツキ様」
やしおは急に名前を呼ばれてびくっと肩をすくめる。しばらくぼんやりとしていて全然聞いてなかったやしおは必死に頭の片隅に追いやってしまった会議の内容を思い出そうとする。
「え?なんの話だっけ」
やしおの間抜けな声にオリバーとスザンナはくすくすと笑う。
「あなたのこともっといろいろ教えて頂けませんか?できたらすまほぉとやらを触らせてもらいたいです」
バーバラは少し呆れ気味でやしおに言う。
やしおは聞いてなかったとはいえ意外な問いに少し驚きを隠せなかった。
「俺が、会議に呼ばれたのって…交流するため?」
「えぇ、今までの非礼をお許しください」
バーバラがここにきて一ヶ月の態度を改めてやしおに謝り頭を下げる。バービーも同じように頭を下げた。前髪が分厚くてわからないが少し不服そうなのは目に見えてる。
「気にしてねぇよ、何から話そうか」
自分の出身地については話してはいけないとトマスとエドワードから釘を刺されていたので何を話せばいいのかやしおは少し頭を悩ませる。
元の令和の話をしなければいいだけで、仕事と家族のことなら問題ないだろう。
あと全員にスマホを触らせたらきっと満足するに違いないってやしおは思う。
ちなみにやしおは頭に警官の帽子をつけてる。
「あなたがいつも身につけてる帽子はなんなんですか?真ん中にバッチみたいなのがついてますが」とバーバラが質問をする。
「これか、これはな俺の誇りなんだ。俺の前にいた場所にはな「警察官」っていう人を守り悪しきを挫く仕事があってな。俺はその職についてたんだ」
誇りである警官帽子を外しバーバラたちに見せた。
「悪しきってどんな奴らのことを指さすんだ」
ベンジャミンが質問すると
「泥棒とか強盗とか痴漢とか詐欺とか殺人とかそんなことを犯した奴らを捕まえるんだ」
物騒な言葉の数にオリバーたちが少し狼狽える。
ベンジャミンだけは興味津々に聞いていた。
「ここにそんな奴らがきたら俺が捕まえてやるから安心しろ!お前たちのことは絶対に守るよ」
「ンフフ、ここは崖の上に立ってるから滅多に来客なんて来ないし変な人も来ないから安心しなさいよ。あなたが異例よ」
崖の上に立つ屋敷なのは大人たちの塔から子供達の塔に向かった時にやしおは知った。
来客が滅多にないのは初耳だった。
通りで、大人たちに警戒されるはずだとやしおは
納得することができた。
「あとな、俺には故郷に残してきた家族がいるんだ」
やしおはスマホを開いてカメラロールの中から家族写真を引っ張り出して見せる。
やしおを含めた男女9人が映っていた。
やしおの家族なんかより、画面に切り替わるのに興味があるようでバーバラたちは驚いていた。
「わっ!!画面が変わった!!何が起きたんだ凄いぞ!!」
「指一本で動いたわね!?凄いわ!アカツキ様もう一度やって!!」
「どうやって作られたんでしょうか、興味深いです」
「[[rb:俺> ベンジャミン]]がやっても何の反応も示さないな…」
「[[rb:僕> オリバー]]がやっても無理ならベンジャミンたちも無理だよ!」
「興味なしですか、さいですか」
せっかく家族の話をしようと思ったのにやしおの心は寂しい気持ちになった。
「ねぇ!!アカツキ様ってば!!」とスザンナが急かした声を出してやしおを呼ぶ。
「あぁ、あのな。多分生き人形の方なら動かせると思うぞ」
やしおは今朝やそれまでの日にオリーが動かせていたのを思い出してバーバラたちに告げる。
「バービー、やってみましょう!」
珍しく行動的なバーバラがバービーに明るい声で言う。楽しそうな主人にバービーは少し微笑んでうなづいていた。
「スージー、やるのよ!」
「ベン、やってみたらどうだ?」
「オリー、研究のために」
見事に全員の声が被る。そしてやしおはこれから起きる揉め事を理解している。下にたくさん弟妹がいれば分かることだった。
バチバチバチと四人に火花が散る。
4人の体から煤が出始めていた。
やしおは頭を抱える。
「オリバー、毎日アカツキ様のところに行って触らせてもらってるんだから今回は遠慮しなさいよ」
「何言ってんだ、スザンナ。まだ解明できてないしこのすーまほがどうやってできてるのか解明することができたら偉大なるおじいさまに貢献することができるんだぞ!」
「リーダーとして大人たちに報告しなければなりません、今回は[[rb:私> バーバラ]]が触ります」
「書記として記録がしたい」
(ベンジャミン、お前は書記だったのか)
やしおにとっての今年最大の衝撃な事実だった。
そんなことよりも、四人にスマホを壊されないか心配だ。
四つの手がスマホを持っていて両者譲らない状態である。
「おいおいお前ら絶対に絶対に壊すなよ。壊したら怒るからな、引っ張り合いなんてしてたら落とすからな」
落とすはフラグが立ってるとしかいえない。四人は無言のスマホを引っ張り合いっ子をスタートさせてる。四人ともなかなか譲らずに生き人形たちは顔をやってるので主人たちは止めてくれない。
すると、煤でツルッと滑ったのかスマホは固い大理石の上に真っ逆さまに落ちていく。
「「「「あ」」」」
やしおはすぐさま持ち前の運動神経でスレスレのところでスマホをキャッチする。
「ほら!!言わんこっちゃない!!」
そして着ていた上着で煤を払う。端末機の中に煤が入ってないか動作を確認する。以上は内容だった。
「順番だ!まずはバービー、ベン、スージー、オリーな」
とりあえず適当に生き人形のリーダーのバービーからスマホを触らせるようにした。
オリー同様に指がタッチパネルに反応するよう。
やはり生き人形にしか反応しないことが分かったようだ。やしおは顔も見たことない屋敷の主の凄さを実感した。
ベンは書記だと言うことなので文字を打たせることにした。彼らが打ちやすいように英文字にする。
「消すときは✖️印な」
打ち方を少し教える。
スマホならどれだけ誤字をしても直しやすい。
「これなら記録する時に楽です」とベンは感動しながらベンジャミンに伝えていた。
「あとな、このスマホ。ランニングにも使えるんだよ。万歩計っていうのがあったな持ったまま歩くと1日どれくらい歩いたかわかるんだ」とやしおは万歩計をタップしてみんなに見せる。すると全員から笑い声が上がる。
「アカツキ様、全然歩いてないな。体鈍ってるだろう」とベンジャミンは心配した様子で言う。
「警察官とやらはたくさん体力使うんだろう?[[rb:俺> ベンジャミン]]とトレーニングするか?」
「トレーニング部屋とかあるのか!落ち着いたらな。ていうかお前たちが部屋に閉じ込めるから全然歩けてないんだよ!頼むから部屋の外に出してくれよ」とやしおが呻くとバーバラたちはまた笑い出す。
「そろそろいいですよ、ただし星つきの居住区だけです。他の子どもたちの居住区は立ち入り禁止ですよ。子どもたちにお目通りしたあとです」とやっとバーバラから許可が出たので、お約束6番目は守らなくていいことになる。
「やっぱりこのすっまほ、[[rb:僕> オリバー]]たちに必要だよね。砂糖たくさんあげるからさくれよ!」
「だからダメだって言ってんだろ!!」
流石にどんなに甘党でもやしおは吊られない。
というよりも、何故星つき達がやしおが甘党であることを知ってるのだろうか。教えたのはきっと一人しかいないとトマスの顔を思い浮かべて憎たらしい気持ちになる。
スザンナはカメラロールの中を見たいということなのでスージーに動かしてもらいながら見せる。
水族館、動物園、花園園、温泉、日常の変な写真。どれもみんな興味津々で時々笑い声が起きる。
すると家族と一緒に行った遊園地の写真があった。やっとみんなの興味が向く。
観覧車、メリーゴウランド、ジェットコースター、コーヒーカップ、様々な写真がある。
「ここはな、遊園地って場所でさ。大人でも子供でも楽しめるところなんだよ」
やしおは丁寧に子供達に説明する。
「外の世界は凄いですね、聞くだけで楽しそうなものがいっぱいありますね!」
「綺麗なところねぇ」
うっとりとした表情を浮かべるスザンナとバーバラ
「あぁ〜、ジェットコースターってやついいな!!分解して発明の一部にしたい!」
「筋トレに良さそうなものばかりだな」
オリバーのブレない発言とベンジャミンの素っ頓狂な発言にやしおはガクッと肩を落とす。
「分解したら捕まるし、筋トレにはならないと思うぞ。写真の中だから小さいけど実際はお前達よりもはるかに大きいんだから」
すると星付き達の目がキラキラと輝いた。
やしおは思う、星付きたちは本当にこの屋敷から出たことがないんだと。まぁ、この時代には遊園地という娯楽施設はないのは事実だが。やしおがカメラロールの中を見せればみんな、無邪気に喜ぶ。やしおの目からすれば彼らは中学生から高校生くらいの年代で、思春期で多感なお年頃のはず。しかし、そんな多感さも見せずに彼らは世間知らずだった。そんな印象をやしおは受けた。
「どのくらい大きいの?」
「こーんくらい!!」
スザンナの質問にやしおは大きく両手を広げて見せる。
「分からないよ」とオリバーは声をあげて笑い、スザンナもンフフと上品に笑う。あのバーバラも笑い、ベンジャミンはベンが顔を作り静かに微笑む。
やしおもつられて笑い声を上げた。
星付き達とやしおの距離は少し縮まったのだろうか。
「今度…もしもの話だ」とやしおはポツリとつぶやく
「外出とかできるんならいつか、遊園地に連れていくよ」
その瞬間、生き人形達の雰囲気が突如変わる。殺伐としたものへと変貌する。
やしおは当然のことに狼狽えた。バービー達はがくりと糸が垂れたように肩を落とし、バーバラ達は何も言わずにやしおを見つめていた。
すると肩を落としていたバービー達がぐわっと
顔を上げた。先程まで輝いていた瞳は黒く濁ってる。まるで、バーバラ達シャドーの色のように
そこの見えない漆黒だった。
「館の外に出ることはいけないことです
シャドーハウス は絶対です
余計なことを考えるな」
バービー、スージー、ベン、オリーはやしおを洗脳するかのように声を揃えて言う。
その勢いに圧倒されてやしおはらしくなくたじろぐ。
そして思わずやしおは手に持っていたスマホを大理石の上に落としてしまった。ドサっと鈍い音がなる。
オリバーから悲鳴が響く。
「だ、大事な研究資源が!!」
「壊れてない?!大丈夫?!」
スザンナはスマホを拾い上げて電源が入るか振ってみる。
「スザンナ!電源は右の端っこの凹凸部分を押すんだよ!」と慣れてるオリバーがスザンナに指示を出しスザンナは凹凸部分を押す。
画面は割れてもなく、正常だった。ホーム画面にはおいしそうなケーキの写真が設定されてる。
「動くでしょうか…」とバーバラは不安げに呟けば、ベンがすかさずスマホを操作してみる。
「よかった、動くぞ」とベンジャミンはホッとした声を出す。そして、ぼんやりとしているやしおにスザンナはスマホを持たせる。
(今のは一体…)
やしおの心は気味なモヤに包まれて落ち着かない。今やバービー達は先程のやしおと話していた彼女達に戻っていた。八つの目が心配そうにやしおを覗いてる。
「アカツキ様、お疲れですか?」
少し心配した様子でバーバラがやしおに声をかける。
「あぁ、少しな。まだここに慣れてなくってな…」
心配をさせまいとやしおは少しひきっつた笑顔を作る。しかし顔には冷や汗が滴り落ちていた。
「今日のところはお開きにするか」とベンジャミンは言う。
「そうだね!またいろいろ聞かせてくれよ!ちらっと見た魚がたくさんいる場所とかの話しも聞いてみたいな!」とオリバーが遊園地の写真の隣にあった水族館の写真のことを言う。
「ああ、また今度な」とやしおはオリバー達と約束をする
さっきのは気のせいでは片付けられないとやしおの警官の感がアラームを起こしてる。
いや、片付けてはならない。
片付けたらきっと何か大切なものを失うことになるのだ。
やしおは星付きたちにさよならを言って一足先に自分の部屋に戻る。
そして一言呟いた。
「シャドーハウス って一体なんなんだ」
*****
一方の星つきたちは、やしおについて話し合っていた。
やしおは子供達の塔の監視員として派遣されてるのだが星つきたちはそんなやしおを監視を任されたようだった。何も知らないやしおは気前よくペラペラ喋っているが。
「んーー、別に怪しいところはないって[[rb:私> スザンナ]]は思うんだけどなー」とスザンナは人差し指を口元において悩ましい顔をする。
オリバーもそれに賛同する。
「普通に優しいしな、怪しい情報が入ってそうなスマホぉを触らせてくれるし… [[rb:僕> オリバー]]もこれといったところは…」
この交流会以前に二人はやしおの部屋に顔をだしてスザンナに至っては世話を焼いたり、オリバーに至っては持物目当てで関わってるのでやしおが悪い大人ではないことは明白だった。
「優しい人ほど裏があるって言いますよ」
「あまり深く関わるなよ」とベンジャミンは苦言を指す。しかし二人は、
「いいや、無理だよ!発明しなきゃいけないし」
「お世話係だし」と聞く耳を持たなかった。
一応やしおには顔の見えない人形がついてるのだがなぜか彼をほっとけないスザンナはやしおの面倒を進んでみてる。彼女が暇な時限定だが。
バーバラは甘い二人にため息をついた。
バーバラはやしおの行動を振り返る。
バーバラが知っている大人達の優雅さや威圧感は全くっていいほどなく寧ろ、親しみやすい雰囲気だ。根本的な印象な優しい。
優しいやつほど裏があるのは事実。
星つきたちはトマスからやしおがおじいさまのコーヒーを飲まなかったことは報告が上がってる。彼を警戒し監視し変な行動を見せたら報告し処分させる。
交流会という名目の監視。
わかったことは反乱分子以前に謎が深まるばかり。
スマホの中にあった写真の数々はシャドーハウス にある本の中にも書いてない見たことないものばかり。
彼は一体何者だろうか。
「引き続き彼と関わり、監視を続けましょう」
バーバラはその言葉で締めた。
先程までは晴れていた天気は土砂降りに変わっていた。
続く
「次回あの子たちが登場します!」
ルールはやしおは守る気ないと思います!