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    お巡りさんシャドー達と触れ合う注意!
    影屋敷微原作沿い夢小説です!!
    夢主がキャラに対しておせっかいを焼いたりでしゃばったりしてます。
    兄弟夢の予定です。(愛され)
    成人男性が主人公です。
    キャラ崩壊、原作捏造注意!(切実)
    ネタバレもあります!

    今回注意するところは、キャラクターが酷い目にあってます。そのキャラが好きだよって方は注意が必要です。

    尚、本誌でいい子になったキャラはこのお話ではまだ悪い子のままです。
    少し捏造してる部分がございます。
    想像して書いてる部分もあります世界観を壊されたくない方は注意。





    番外編を用意してます。
    夢主人公が違います


    主人公
    暁やしお
    26歳、職業は警察官
    甘いものが死ぬほど好きでコーヒーが苦手。
    あまり派手なものも好きじゃない。警官帽子が命。子供たちはみんな可愛いが悪戯するもの弱いものいじめをするものには容赦がない。
    手錠をやつに持たせるな!!!
    同い年の恋人がいたらしいがここにくる前にひどい振られ方をして別れたらしい。



    遂に暁やしおは子供たちの塔のシャドーたちに紹介される日が来た。もう既に星つきたちから召集されているシャドーたち。それはもう静かにお利口に4人の統率者のことを待ち続けていた。

    「星つきたち…来るの遅くない?」
    「そうだね、すぐに来るのにね」

    段々とざわざわと声が出てくる。

    「静かに!!」

    スザンナの医療班の3人のシャドーが静止する。

    「確かに遅いわね…」
    「俺が見てくる」
    「頼んだわよ、ギルバード」

    貴族シャツを見にまとい黒髪で、ベンみたいに体躯のいいやや気難しい顔をした少年生き人形を連れているシャドー・ギルバードが席を外し星つきたちの居住区へと向かう。

    向かう最中から怒鳴り合いの声が響き渡っていた。

    「だーかーら!!!こんな派手派手スーツ着たくないの!!」
    「つべこべ言ってないで着ろ!!別に派手じゃないだろ!パイズリーが入っていて素敵じゃないか!!」
    「エドワードからのお達しで子供たちみんなに紹介する時はあのダサい服ではなくってスーツって書いてあるんだよ!!!いいから早く着てくれよ。みんな待ってるんだぞ!」
    「アカツキ様〜、私ねこの服結構好きよ。私が来ちゃおうかなー!!」
    「子供か!!!お前は!!」
    「…………はぁ」

    星つき居住区のやしお・アカツキの部屋では揉め事が起きていた。そして部屋からは煤がたくさん出ている。やしおの煤ではなくバーバラたちの煤である。

    「絶対に嫌!!」

    やしおはぶんぶんと激しく首を横に振る。
    彼の目の前には派手派手スーツといつも着てる彼のアイデンティティの警察官の服がある。
    どちらを着るか揉めていたのだ。

    「なんで地味なスーツ隠したんだよ!!!!」
    「あれでは、子供たちの塔の監視員という威圧感が足りないからです。舐められますよ…ここは思ったよりも甘くない。実際に生き人形たちの中で
    あなたをよく思ってないものたちもいます」

    バーバラは凛とした声ではっきりと伝えます。
    先程までめちゃくちゃ怖い顔をしていたバービーはバーバラの表情に合わせて顔をしていた。
    切り替えの早さに思わずバービーを見てしまう。
    それでもバーバラの顔をしていた。

    「そうだよ!僕たちは君が心配なんだよ!!だから派手派手スーツを着てくれよ!!」

    子供たちにこんなに心配させるなんてやしおの勢いは段々と落ちていく。

    「分かったよこれ着るよ」

    現代のホストでも流石に着ないだろう赤いパイズリー柄のスーツを手に取る。そしてゴクリと生唾を飲み込むと。

    「絶対に覗くなよ!!!!」

    バーバラたちに念押しをしてお風呂の方に引っ込む。「誰が覗くか!!バカー!!」とバービーとベンが思わずそう叫ぶ。バーバラたちは全員興味ないとばかりにめちゃくちゃ激しく首を横に振った。

    「あーー!!!」とオリバーが悲鳴のような声をあげた。みんなビクッと肩を鳴らして何事かとそちらの方を見る。

    「クソダサ金ピカ帽子がなくなってる!!(警官帽子)」
    「くそ、腹立つ…」

    時既に遅しやしおは引っ込んだお風呂場に鍵をかけて悠々と着替えていた。手元には彼のアイデンティティの警官帽子。星つきたちはげっそりとした顔をしてそして煤を体から出しながらお互いを見合う。

    「放っておきましょう」
    バーバラは疲れ切った顔をして言い放った。
    スーツを渋々ながら着てくれたのでよしとすることにした。そしてちょうどよく星つきたちを呼びにギルバードが到着したのである。

    エドワードからのお下がりのパイズリー模様のスーツに身を包み頭には警察官帽子というなんとも言えない格好をしたやしおはやっと5人と共に子供達の方に向かっていた。
    まるで幼い子供が駄々をこねて両親が折れたような雰囲気が漂っている。
    ギルバードには意見する権限はないため何も言えないが、星つきたちはというとやしおの頭に目線をやって深くため息つく。それはもう結構大きいため息であった。

    「なぁやしお〜、砂糖全部あげるからさ、やっぱりその帽子を…」
    「事あるごとに人を物で釣るな!!!俺が物で釣れるような浅はかな男ではない!!」

    星つきたちは何も言わなかったがいつもおやつで釣られるじゃんと万丈一致で思う。

    「班長…この方が噂の?」とギルバードがスザンナに耳打ちする。
    「ンフフ、そうよぉ」

    しかしスザンナは他3人のように迷惑そうな素振りは見せずに楽しそうに笑った。それを訝しげな顔をしてギルバードの生き人形が見つめてる。生き人形の方も眉を顰めてる。
    そして2人はやしおの方に目をやる。
    老人のような白髪に、その割に綺麗な空色の瞳、
    しかし顔はお世辞にも善人とは言えないほどの悪人面であった。
    近くにいただけでも萎縮して緊張してしまう。
    何を命令されてもイエスと答えざるおえない。
    一癖二癖ある子供たちをまとめ上げるのは一苦労だ。厳つく威圧感のあるやしおがいれば簡単にまとめ上げられるという寸法だと把握した。

    「こんないかつい顔をしていても中身は悪い大人じゃないわよ、私は結構好きよ」

    スザンナは楽しげに笑いながらやしおを優しくフォローする。そんなスザンナを見てギルバードはやしおのことは深く関われば分かってくるのかなと思ったのであった。

    こうしてやっとやしおの子供達とのお目通りがスタートする。まず星つきのリーダーであるバーバラが演説するのでそれが終わった後にやしおの紹介である。やしおは廊下で今か、今かと待っていた。大勢の前で話すのは慣れていた。なんせ警官時代に交通安全ルールや、夏休みのルールなどで
    小中高に呼ばれてスピーチをしていたこともある。だから、これといって緊張はしてなかった。

    「自己紹介って、自分の名前と好きな食べ物と抱負言えばいいよな?吹っ飛んだら適当に話すわ。
    元いた時代のことは絶対に話しちゃいけないよな」

    ぶつぶつ言いながらメモを取る。
    メモの内容は子供たちの前で話すことである。
    なんせ、やしおの素性はこの時代に来てから複雑だ。子供たちを混乱させて処分されるのだけは避けたいと思っていた。

    「アカツキさま、お願いいたします」

    目がぱっちりとした茶髪の少女生き人形を連れたシャドーがやしおを呼びに来てくれた。
    やしおはあれこれ悩むのをやめて当たって砕けることにし少女シャドーに目を向けた。
    「ありがとう」と一言お礼を言うと少女シャドーとその生き人形と共に中に入る。

    そしてみんなの前でめちゃくちゃ怖い悪人面を初お目通り。
    やしおが入ってきた瞬間に静かだった子供たちはざわつきだす。

    「ひぃ」
    「顔こっわ!これが大人の生き人形」
    「みんなこんな顔になるのかな…」
    「やめてよー!!」

    そんなあからさまに怖がらなくてもとやしおは悲しい気持ちになった。顔を怖がられるのは慣れていたがここまでオープンに出されると刺さるものがある。朝の大掃除の日で手を貸した生き人形たちは主人の顔になりきってるので恐れを感じてる表情を作っていた。

    やしおはチラリと星つきたちを見る。
    みんな、お前の顔は怖い、その通りだと言わんばかりに目を逸らしていた。フォローや助けを入れてくれると思ったのに勝手に裏切られた気分になって子供達の方を向いた。

    傷ついてる場合じゃない。やしおは警官帽子を被り直す。すると気合が入る。
    ビシッと手を頭の方に持っていき敬礼をした。

    「本日より、子供達の塔お守り役に任命された
    やしお・暁であります!!!不慣れなところはございますが暖かく見守っていただけると幸いです」

    敬礼をすることによってやしおの悪人面が緩和される。それは彼の心は顔に似合わず正義と優しさがその身体から満ち溢れるからだ。
    根っからの善人。
    シャドーの子供たちは初めてやしおという大人と関わることになる。
    ここの大人たちとは違う優しさに満ち溢れた善人の大人と。
    子供たちからは盛大な拍手が溢れ出る。どうやら歓迎されたらしい。

    「彼は顔と同じ姿をしてますが立派な大人。無礼な行動は慎むように」
    「いや」
    やしおが口を挟む。
    「俺的にはみんなと仲良くなりたい、やしおでもアカツキ様でも好きなように呼んでくれ。敬語も個人の自由だ」
    威厳もへったくれもない発言にバービーたちは目を点にしてバーバラたちは煤を出した。
    こうして、やしおのお目通りは無事に終わりをつげる。やしおは子供たちが解散した後に星つきたちから説教を受けた。主にバービーの怒りは凄みがあり彼女がシャドーならたくさんの煤が出て屋敷に貢献できことだろう。

    「貴様は、バーバラ様にまた迷惑を!!お前の役目は監視することだ!!仲良くなることなんかじゃない!!」

    バービーの渾身の蹴りを喰らってもやしおはケロッとした顔をして立っている。
    股間に行きそうな時はその足を掴んでる。
    また股間に行きそうになったので足を掴んだ。

    「離せ!!」
    「別にお前たちは舐められないよ。舐められるとしたら俺だけだ、バーバラ達には絶対に迷惑はかからない」

    バービーを押さえ込みながらバーバラたちを見据えながらいう。お説教の内容は星つきの威厳やら、やしお自身のいげんがどうたらこうたら損なわれたという内容だった。
    バーバラは静かにやしおを見つめて席に座っていた。
    どうやら生き人形とシャドーの性格は異なるらしい。オリバーやオリー、ベンやベンジャミンのように似てるものたちもいれば。スザンナやスージー、バービーやバーバラのように似てないものもいる。

    (じゃじゃ馬メイドとおしとやかお嬢様)

    やしおにとってのバービーとバーバラの印象はまさにそれだった。

    「もし、お前たちに迷惑かかったらどうにかするからさ」
    「分かりました…それよりも、アカツキ様。バービーを離してあげてください」

    バーバラにそう言われてやしおはやっとバービーを解放する。するとバービーは鋭い眼光でやしおを睨む。この感じだと更に嫌われたようだ。少し気になるが「今は、まあいいか」と首を少しすくめてみせた。

    「説教は終わりか?」とやしおはゆっくり席を立つ。「んもー、どこに行くつもり?」とスザンナがやしおの行き先を聞く。
    「変なことをしてみろ、大人たちに差し出すからな!」
    今まで口を開かなかったベンジャミンが殺意を含んだような声でやしおを脅す。すると今まで後ろを向いていた彼はゆっくりと振り向く。

    「お茶会」とやしおは招待状を1枚見せる。

    星つきたちと戻る途中にとある少女シャドーが良かったら自分の班のお茶会に参加しないかと誘ってきたらしい。星つきたちから戦慄が走る。いつの間にという以前にやしおが女の子から誘いを受けたのが驚きだった。オリバーはそれを聞いて貴族らしくない大声をあげて笑っていた。ベンジャミンとバーバラは驚きすぎてぐうの字も出ないようだ。

    「やしおっ、紹介して初日で誘われたの?!その悪人面で?!!」
    「余計なお世話だよ!!お前も年取ったらこうなるかもよ!!」
    「ならないよ!!!」
    「俺だって昔は可愛い顔してたんだよ!!」
    「嘘つけ〜!証拠見せてみろ!」
    「言ったなこいつ!!」

    やしおは爆笑するオリバーとオリーを軽く締め上げてわしゃわしゃと頭を撫でる。まるで兄弟が戯れるようにじゃれあっていた。ツボにハマったようでまだ大笑いしていた。「一体誰に誘われたのよ」とスザンナは少し面白くなさそうにしている。

    「どこの物好きのシャドーか分かりませんが、交友関係を広げるのは悪くないかもしれません」
    驚きすぎてやっと出た声でバーバラは言った。

    「女の誘いを無下にできないから行ってくる。それに、色々見て回りたいし大丈夫変なところには行かないから」

    意外と紳士的なことを言ってバーバラたちの返事を待たずにやしおは星つきの居住区を出て行ってしまった。

    「ちょっと待ちなさいよ!アカツキ様!!
    そのお相手って誰なのよー!!!」
    スザンナのどこかに行ってしまった君に
    声を張り上げる。

    「まあまあスザンナ、戻ってきたら問い詰めればいいだろ」

    ベンジャミンが吼えるスザンナを宥める。

    「あー面白い!僕はあいつのこと好きだな!困った大人だけど嫌いになれない!」
    オリバーは呑気に思い出し笑いをしていた。

    「しかしどこの物好きのシャドーだ」
    「生き人形の姿をしていたとしても一応大人のにねぇ、無礼にも程があるわ」

    スザンナは怒ったような口調で言った。

    「確かに気になりますね…」とバーバラは静かに言った。チラリと見えた便箋の宛名、バーバラが身に覚えのある筆跡だった。

    そんな物好きで無礼者なシャドー。ローズマリーの主人であるマリーローズは班員のサラと共にやしおが来るのを心待ちにしていた。

    「ちょっとローズ!!!いきなり大人の方をお茶会に招待するなんてどういう神経してるのよ。いつもはダンスばかりして目立たないようにしてるくせに」

    班員のサラは容赦なくマリーローズに毒を吐く。しかし当の本人のマリーローズは気にするそぶりもなく寧ろ愉快そうにしていた。

    「だってさ、大人たちは我々に興味ないのに派遣されてきたんだよ!やしお・アカツキはどんなやつなのか気になるじゃないか!!あの悪人面の中身を知りたいんだ!」
    「……大人のことは詮索しちゃいけないのよ、目立つことが嫌いなあなたらしくないわ」

    好奇心旺盛の班長にサラは呆れて首をすくめる。

    「ちょっとした好奇心だよ。これ以上踏み込んじゃいけないって思ったらやめるよ!」

    マリーローズは客人を待ち侘びて足を少しばたつかせる。

    「早く来ないかなぁ、やしお・あかつき。ダンス好きかな、誘ってみようかな!好きだったらサラも踊ろうよ!」
    「お断りするわ」

    マリーローズはダンスが大好きで、それは見事な腕前だ。
    テーブルにはやしおが好きそうなクッキーやイチゴがたくさん乗ったタルト、生クリームがたくさんついたケーキ。
    サロンの集会場ではマリーローズの班以外にも疎らであってが他のシャドーの班もいた。
    皆、奇異の目でことの顛末を見守ってる。

    「集会場ってここか?」

    やっとやしおが悪人面を困り顔にして顔を出した。サラにとっては招かれざる客といっても一応大人なのでソファから立ち上がる。

    「アカツキ様こちらに…」
    「やしお・アカツキ!!こっちだよ!!」

    サラの言葉を遮りマリーローズが元気一杯に手を振る。サラの頭からは煤がではしめる。やしおはその湧き上がってる煤を見ていた。やがて煤から目線を逸らし、

    「お招きいただいて光栄です、マリーローズ様、サラ様」

    顔に見合わず丁寧丁寧に会釈をする。
    らしくなく敬語を使う。様付けもしてみたりする。

    (一応ローズマリーやミアみたいな生き人形の姿だしな)

    するとマリーローズはむず痒そうに「敬語はよしてくれ、様つけもいらない!バーバラたちと話すように普通に話してくれよ!」と言った。
    するとやしおは悪人面を崩して可愛い笑顔を見せる。嬉しさが前面に現れており背景ははぱああっと花が咲いたように明るくなった。
    マリーローズたちはもちろん他のシャドーたちもその笑顔を見て驚き、星つきたちのように怖い存在ではないのかもしれないと誰もが思った。

    「わかった、よろしくな!マリーローズ、サラ!」
    「ちょっといきなりすぎるわよ!!!」とサラのツッコミが入ったのはいうまでもない。

    こうしてマリーローズたちに招待されたお茶会がスタートした。やしおは甘いものに目を光らせてる。どれもが美味しそうだった。よく熟した甘酸っぱそうたイチゴタルトに、生クリームがマシマシのパンケーキ、飴でコーティングされた果実に
    チョコフォンデュ、いろんな形のクッキー。甘いものが大好きなやしおにとっては天国だった。
    しかし、招待された手前がっつくのはどうかと思い我慢する。

    「やしお、紅茶は飲むかい?砂糖は何杯いれる?」

    ローズマリーが紅茶を人数分持ってきてくれていた。可愛らしい小瓶に入ってるのは砂糖である。

    「うーんと」

    10杯以上といいたいところだが他の子供達がいる手前自重した方がいいと思い血を吐く思いで五杯に留める。

    「お顔に似合わず甘いものがお好きのようね太るわよ」

    サラはフンっと鼻で笑う。ミアのサラの顔をしてるので少々バカにしたような表情をする。
    心配されてるのかはたまたはっきりとした嫌味なのか、別後者だとしても気にしないが。

    「意外ってよく言われるんだけど苦いものと辛いものが苦手でな」
    「うん、めちゃくちゃ意外だ」
    「だよなぁ、食べたり飲んだりすると気持ち悪くなるんだよな」

    だからやしおは珈琲が大っ嫌いだった。
    砂糖やミルクがたっぷり入っているのであれば飲むことはできるが入ってなければ遠慮がしたい。
    集会場であることに気がつく、子供たちはみんな珈琲を飲んでないのだ。あるとしたら飲み物コーナーにいろんな種類の紅茶か果実が入ったジュースくらいだった。
    不思議に思いやしおはマリーローズたちに聞いてみる。

    「ここに珈琲がないんだな」
    「珈琲は本当に特別な時にしか飲まないんだ」

    マリーローズは紅茶に口をつけた後に教えてくれた。

    「神聖なものなのよ、そんなことも知らないの?大人のくせに」
    サラは棘のある毒をいちいち吐いた。
    短気な人なら怒りを表すのにやしおは顔に似合わず大らかな表情だった。

    「俺ここにいて日数が経ってないからよく分からないんだ。サラは長いと見たから都合があったら色々教えてほしいんだ」

    人懐こい笑みを浮かべてサラに頼み込む。するとサラは拍子抜けした後に調子が狂ったような表情をする。「気が向いたらね」とそっぽを向いた。
    サラがやしおのことを気に入らないのはサラが思っていた大人の像とまるっきりかけ離れているということである。所謂彼は威厳もへったくれもないのだ。

    「マリーローズも教えてくれよ!」
    「もちろん!なんなりとこの私に聞いてくれ!なんならダンスも教えてあげよう!」
    「ダンス好きなのか!俺も好きだよ!!」
    「ならば、今度一緒に踊ろう!!」
    「おう!!サラも一緒に踊ってくれよ!」
    「だから、気が向いたらね」

    わいわい、ガヤガヤマリーローズとやしおと
    なんやかんやいってサラは楽しい一時を過ごす。
    可憐な女子の中に厳つい顔の男が入るというシュールな光景だが当の本人たちは楽しそうだった。

    「人生初めてだよ、女子会に参加したの!」

    やしおはタルトを丁寧に切りながら言った。

    「じょし」
    「かい?」
    聞き慣れない単語にマリーローズとサラは首を傾げてる。ここが中世のヨーロッパであることを忘れていた。やしおは慌てて訂正をしようとする。
    井戸端会議は庶民の女性たちが井戸周りを社交の場にすることで、貴族のものたちが集まるサロンは男女関係ない。

    「俺のいたところでは女だけで集まって遊んだりこうやってお茶をすることを女子会って言うんだよ」

    誤魔化せたか分からないくらいの怪しい説明をする。
    するとサラが口を開く

    「男の子だけで集まるのは何ていうの?」

    やしおは迷わずにたくさんの単語を言う。

    「飲み会、男子会、非リア会、マッチョ会」

    聞いたことのない単語なのだが面白く感じたのかマリーローズは声をあげて笑っていた。
    サラもクスクスと控えめに笑う。なおこの四つの言葉はやしおが勝手に考えて友人たちに言ってる言葉なので気にしないでほしい。

    「あなたはどれにも当てはまりそうね」
    サラ様がトドメとも言わんばかりに言葉を指す。
    しかし、やしおには刺さらなかった。

    「俺いちおう彼女いるし、いや、いたっていう表現が正しいかな。ここにはいないよ遠距離になっちまったけど」

    衝撃発言。
    その瞬間、マリーローズとサラの怒涛の質問攻撃が始まった。周りのシャドーたちも集まってくる。女子はみんな恋愛の話が好きなのである。男子も意外と好きなものは好きなのだ。それが、シャドーという異形であったとしても心と性別があるのであれば同じなのだ。

    「えー!!アカツキ様を選ぶなんて物好き!」
    「笑顔が可愛いしそこに惚れたとか!」
    「んー、どこに惚れてくれたのか分からないなぁ…でも、もう会えないかも」

    少し寂しそうにやしおは呟いた。
    彼女は手紙もメールもLINEもできない距離、令和にいる。やしおがいるのは中世のヨーロッパ。スマホは電源はつくのだが全て圏外。
    連絡取ろうにも取りようがないのだ。

    「やしお、心中にお察しするよ」
    「ちょっと元気出しなさいよ」

    やしおが少し落ち込んだことを感じ取ったマリーローズとサラが慰めの言葉をかける。

    「そうですよ!元気出してください」
    「質問責めしちゃってごめんなさい」

    男シャドーたちなんか、やしおの背中を優しく撫でてくれた。話を聞き耳していたのか自分たちがとっていた口をつけてないケーキなんかをくれた。

    「私のタルトも食べるといいよ!」
    「仕方ないわね、クッキーあげるわ」

    マリーローズは元気になるならとチェリーパイをやしおに渡す。サラはクッキーを渋々くれた。
    子どもに気を使わせてしまったとやしおは思う。
    実は彼女とはここに来る数ヶ月前に別れてる。
    彼女に別の好きな人ができたのでやしおはふられたのだ。でも、マリーローズたちは死別したと勝手に思ってるらしく。何故かめちゃくちゃ励まされて居づらくなった。

    (なんやかんやいってみんな良い子なんだよな、生き人形もシャドーも)

    もらったたくさんのお菓子をパクパク食べながらやしおは思った。

    こうして楽しい一時過ぎて行き、マリーローズにもサラにもやることがあるらしいので解散となった。1人、暇になったやしおはどうせなら子供達の塔を探索しようと歩き回る。
    あちこちでは子どもシャドーが当たり前にいるのだがまだ怖がられてるようで好意的な目では見られない。やしおは気にしてない様子でぶらぶらと探索する。
    結構な広さだ。たくさんのシャドーが住んでるようだからそれくらい広くなくてはならないとは思うが1日で回ることができないくらいの広さ。
    図書室に音楽室、温室、勉強をする部屋などたくさんあるようだ。
    やしおは唯一の行ったことのある図書室に足を運ぶ。もしかしたら、謎のままのここの屋敷のことが書いてある本があるかも知らないと思ったからだ。それにシャドーのことや生き人形のことも。
    たくさんの本の山からそれらしいものを何冊か取り備え付けてあるテーブルで読み耽る。

    分かったことといえば
    「シャドーという一族で、貴族であり。シャドーには顔がない。
    服と生き人形と呼ばれる人形が個性である」

    「生き人形はヒトを催して作られている
    生き人形には人間のように気持ちはない」

    その一説を読んで確かにと思う。ローズマリーやミア、バービーたちは人だよと説明を受ければ信じてしまいそうなほどそっくりに作られていた。
    多分脱げばつなぎ目がありそうな気がする。
    脱いで見せろと言ったら殴られそうだとやしおは冷静に思い、好奇心を殺した。
    気持ちはないという一説。それは本当なのかとローズマリーやバービー達を思い出す。
    バービーたちは屋敷のルールに反した時やしおに怒りを露わにした。
    ローズマリーは掃除を手伝うと言った時に喜んでいた。それを考えても本当に怒っていたから喜んでいたから当の本人たちにしかわからないので
    やしおが考えても仕方がない。

    「シャドーと生き人形は触れ合いが大切。
    おやすみのキスなど、スキンシップや、毎日のふれあいで」

    おやすみのキスで思い出すのは母親のことだ。
    母親はやしおや弟たちが幼かった時に眠る時におでこに1人ずつキスをしてくれた。

    「母と子みたいだなぁ」

    やしおは少し懐かしく思いながら呟いてみる。
    少しだけだ、シャドーと生き人形は母と子と思ったしても人間ではなく鳥のような雛が親鳥を見て真似する生き物を想像する。
    そして、言いようもない嫌な予感がした。

    「シャドーは絶対に服を汚してはいけない。生き人形は顔を傷つけてはならない。大人への道は途絶える」

    服汚しただけで?
    顔を傷つけただけで?
    そんなことを気をつけて生きねばならないのか。
    服の汚れなんて洗濯したら落ちるはず、顔の傷なんて浅ければ浅いほど治りが早い。増しては子どもならば。

    (あいつらも大変だなぁ)

    自分よりも幼い小中高生くらいの生き人形とシャドーたち。これからの未来、楽しいことが待ってるかもしれないのに生きたいかもしれないのに服の汚れと顔の傷くらいで大人の道が途絶えてしまうだなんて。それでは、大人の道が途絶えたシャドーと生き人形たちはどうなるんだろう。

    (………処分か?)

    生き人形、シャドー両方?
    やしおに嫌なものが走る。
    バーバラやバービーたち、マリーローズやローズマリー、サラやミアの顔が思い浮かぶ。
    処分の全貌が見えない考えたくもない。
    そんなもの見たくない。
    調べ物は
    やめようと本を閉じて席を立ち上がった時に伸びてきた何かに足を取られて盛大に転んでしまった。

    「いってぇ!!…」
    「ぎゃははははは、見たか!見たか!お前たち!!大人のくせに鈍臭いぞ笑ってやれ!」

    ぎゃはははと高い笑い声が響く。
    尻餅をついたのでお尻を撫でなから笑い声の主を見る。四つの小さな影と生き人形が自分を見下ろしていた。
    影と生き人形たちを見やるとやしおはばたんと倒れて大袈裟に痛がってみせる。

    「いでででででで、いでででで、いでええええ!!!!!」

    すると影と生き人形たちの頭上に「?!」とたくさんのマークが出る。

    「あだだだだだだだっ!!!ああああ!!」

    大袈裟に痛がってるだけのやしおをみて自分たちはなんて取り返しのつかないことをしてしまったのだろうと4人は顔を見合わせる。煤が出ていてどの顔も真っ青だった。

    「り、りーだー、どうする?」

    リーダー格の黒髪のマシュルームヘアの生き人形を連れたシャドーに1人の子供シャドーが聞く。

    「決まってんだろ!逃げるぞ!!」

    マシュルームヘアの生き人形を連れた少年が仲間を引き連れて逃げようとするのでがっと掴む。

    「待てよ、逃げたら罪が重いぞ」

    少年たちは転ばせた大人の顔が見れない。
    その背後ではうずうずしいオーラを肌でひしひしと感じとに鳥肌が立っていたからだ。

    「つ、罪?もしかして、俺たち」
    「しょ、処分ですか?」
    「そ、そんな子供がしたことでしょ?」
    「そう、です、よ!」

    子供たちは口々に弁解の言葉をやしおに投げる。
    ただ、後ろは振り向かないままだ。

    「そうだなぁ、子供がしたことだなぁ。でも時には取り返しがつかないことだってある。転ばせたことによって死んじまったり、怪我の後遺症で動がなくなる時だってある、子供のしたことでもなぁ」

    やしおは星つきたちの目を盗み警官の制服からとった手錠入れからこっそり手錠を取り出す。

    「こっちを向いて、手を出せ」

    4人は恐怖に慄いた顔をしておずおずと手を出す。するとやしおは容赦なくカチリと手錠を4人につけた。金属が閉まる音は無機質で無常だった。その瞬間火がついたように4人の子供たちは泣き出す。体からはモヤのように煤が出た。リーダー格の子が一番多く煤を出していた。顔をしている4人もぼろぼろと涙をこぼす。

    「ごめんなさい、ごめんなさい!!」
    「許してください、もうしません!!悪戯なんかしません!!!」
    「俺、処分されるのやだああああ」
    「子供がやったことでしょ!!大人気ないんじゃないんですかね、嘘です!すみません!」

    泣いていてもやしおは容赦なく厳しい顔をする。

    「悪戯で済まされないことだってあるんだ、下手すればシャドーの命を奪うことだってあるし、服や顔が傷つくことだってある。そうするとやったお前たちもやられたシャドーや生き人形も処分されることだってあるんだ。だから簡単に人を転ばせたりしちゃいけないぞ」

    何が悪かったのか、何がいけなかったのかやしおは顔は怒っていても冷静な声で諭すように4人に言った。怒るというより叱るに近い。やしおは悪人面なので十分怖いが。
    周りのシャドーたちは怒られてるシャドーを見てくすくすと愉快そうに笑っていた。やしおはそれを見て少し厳しい口調で
    「笑っているお前たちもだぞ、明日は我が身だ」という。するとシャドーたちから笑いが鎮まる。

    「お前たち名前は?大丈夫だよ。大人や星つきたちに言ったりしない」

    先ほどから打って変わって優しい声でやしおは言うと子供たちは渋々ながら口を開いた。

    「ダグラス.ピーター.ローレンス.ジェイムズね、
    もうしないよな?」

    確認をするようにやしおが問えば子供たちはうなづいた。

    「俺以外の他の子達にもだぞ」

    首がもげるんじゃないかってくらいに必死にダグラスたちはうなづく。

    「よし、その言葉を信じよう。怖がらせて悪かった」

    手錠を鍵で優しく解いてあげる。そして服は傷ついてないかとか生き人形の方は後になってないか確認する。少し、トラウマになったのか彼らはされるがままになっていた。解放されたと分かると蜘蛛の子を散らしたように4人は図書室からいなくなった。そして他の班のシャドーたちも慌ててどこかへ消えてしまう。



    (怖がらせすぎたな…)とやしおは思う。
    ただでさえも悪人面なのに、子供たちは心を開いてくれるだろうか。図書室での調べ物にする気にもなれずにやしおは本を片付けるとその場を後にする。


    そしてまた当てもない散歩をする。
    すると、華やかな匂いが鼻をくすぐる。
    その匂いは花だ。
    その匂いに吊られた蝶のように辿ってみれば着いたのは温室だった。

    「おぉっ」
    思わず歓喜の声を漏らす、その温室の中で色とりどりの花が生き生きと咲いていた。
    やしおは中の花たちをゆっくりと見ながら回ってみる。やしおは意外なことに花が大好きだった。実は家では花をたくさん育ててたりする。

    「顔の見えない人形が育ててるのかな??あ、ジニアだ」

    やしおはとある花壇に目を向けるとそこには綺麗赤、白、黄色の見事なジニアが咲き誇っていた。
    すごく、綺麗だ。思わず顔を近づける。ジニアは匂いのしない花。しかし、美しい。
    そんな時にやしおのすぐ後ろで「きゃっ!」と女の子の悲鳴が聞こえてきた。
    振り返るとオレンジ色のワンピースとカチューシャを身につけてるシャドーとその生き人形が怯えた様子でやしおを見ていた。

    「……あなたは星つきたちから…紹介された大人で…図書室でダグラスたちを泣かせていた…」

    ダグラスたちを泣かせたことがもう他のシャドーにも広まっているようだ。今更ながら少し後悔する。もっと他の叱り方があったんじゃないかと思う。怒って後悔するタイプなのだ。

    「後でもう一回謝るよ、もう一回自己紹介するね。俺はここのお守り役のやしお・アカツキだ。
    やしおでもアカツキ様でも好きに呼んでくれ」

    自己紹介をすればオレンジ色のワンピースとカチューシャをしている少女シャドーは静かに首を横に振る。

    「…謝罪はいらないと思う……ダグラス達が悪戯をしたのがマーガレットは悪いと思うから…あの子達いつも偉そうで煩くて他のシャドーたちに悪戯したりするから…懲らしめてくれてありがとう…」

    おずおずと言った感じだがマーガレットと言ったシャドーは言った。ちなみにシャドーはみんな一人称は自分の名前である。なんか可愛いとやしおはいつも聞いていて思っていた。 

    「君の名前はマーガレットていうの?花の名前だね。可愛らしい名前だ」
    「…あ、ありがとう…」

    名前を素直に褒めればマーガレットは恥ずかしそうにだけど嬉しそうにしていた。生き人形がそんな顔をしたからだ。

    「やしおは…お花が好きなの?……」
    「好きだよ故郷でたくさん育ててたよ」
    「そうなんだ…私も花好きだよ…花なら全部好き…」

    マーガレットはやしおと呼ぶことにしたらしい。
    やしおが花を育てることを知った時、マーガレットはとても嬉しそうな顔をした。その顔を見て思わず微笑む。好きなものを前にするのは性別関係なく輝いていた。

    「やしおはお花の中で…何が一番好き?…」
    「ジニアかな、あと桜」

    桜はやしおの故郷で定番の大きな大木に薄ピンク色の小さな花がブワッと咲き誇る美しい花だ。
    マーガレットはもちろん桜という花は見たことがなく首を傾げていたが興味があるようで目が輝いていた。

    「今度、桜の画持ってきてやるからな」
    「…どんなお花なんだろう楽しみ…」

    画というのはスマホのことで星つきたちから他のシャドーたちと接近するときは使用を禁止されてしまった。なので、目を盗んで持ってこようと思っている。

    質問されてやしおは目の前で植えられてるジニアに目を向ける。

    「…そのジニア、マーガレットが育てたの」
    「へー、見事なもんだ。上手に育てたね、難しかっただろ?」

    ちゃんと手入れも行き届いているジニアだった。
    やしおが見たどの花よりも綺麗で生き生きしていた。マーガレットは褒められてとても嬉しそうにしている。

    「…今度やしおにも教えてあげるね…」
    「おう、頼むよ。他にも育ててるのかな良かったら見せてくれよ」
    「…うん」

    やしおとマーガレットが花のことで盛り上がってると「あら?」と二つの少女の声が響き渡る。
    その声を聞いた時にあんなに楽しそうに話していたマーガレットの体がビクッとし生き人形は嫌そうな顔をしてその声の方向を見ていた。不快なのか煤も出始めてる。
    声の主はシンメトリーな白いドレスを着た双子のシャドー。双子だと分かったのは生き人形をそれぞれ1人に一体連れており。その生き人形は同じ顔をしていたからだ。一卵性双生児を象った双子の人形とシャドーだ。とやしおはなんだかよくわからない感動をする。

    「私の班の班長のイザベルとミラベル…双子のシャドーなの…」

    マーガレットは煤を出しながら双子の紹介をやしおにしてくれた。やしおは親近感を覚える。実はやしおは四つ子なのだ、その下は三つ子である。
    流石にイザベルとミラベルのように一卵性で生まれたわけではなく二卵性で生まれた。顔も性格ももちろんみんな似てない。3番目の弟とその下の三つ子と末妹だけはめちゃくちゃ見目麗しく成長してる。みんなに合わせたら驚くことだろう。

    「君たち、双子なんだ。実は俺は四つ子の長男なんだよ」
    「へーー」
    「そう」
    「すごいね…みんなやしおみたいに優しいんだろうな…」

    興味なさそうな感じの悪い回答した双子。
    グサリとやしおの胸に何かが刺さったが
    マーガレットはとても優しい反応を見せてくれた。花が好きな子は心が美しい。正に本当のことである。やしおの目にはマーガレットに後光が差してるように見えて眩しく思えた。

    「あ、そっか!マーガレットの班長か!!ごめんな、マーガレットを借りてしまって」

    やしおが少し申し訳なさそうにイザベルとミラベルに言えば2人は首を横に振る。

    「マーガレットになんか用はないわ」
    「あなたに用事があるのよ」

    スラリとした真っ黒な手でやしおを指を差した。

    「俺?何かな?」

    やしおは首を傾げてミラベルとイザベルの方を見る。その時だった、やしおの身体が独りでに動き出した。思わぬことに彼はとても驚いてしまう。

    「え?、えぇ?!え?」
    「やしお…?」

    意識なんてしてない、やしおの体は勝手にマーガレットが大切に育ててる花の方にすごい勢いで向かい徐に手を伸ばされる。その手は花をぐしゃりと潰さんとばかりだ。

    「やめろ!!!」

    心中で自分を止めようとしても何故か静止しない体。理性とは違う何かを何者かに操られてるような気分に陥る。

    ーマーガレットが丹精を込めて育てた花なんだぞ!!
    来るだろう潰れる感覚が嫌で目をぎゅっとつぶる。
    身体がなんで勝手に動いたかは分からないがマーガレットには嫌われてしまっただろう。

    しかし、手の中で花が潰れる衝撃は一向に来ない。聞こえてきたのは双子の悲鳴だ。やしおは瞬時に目を開ける。イザベルとミラベルは後ろ向きで出来立ての泥でぬかるんだ花壇にお尻から落ちそうになってる。彼女たちの生き人形は顔を止めて慌てた様子で助けに入ろうとしてる。
    やしおは持ち前の反射神経と運動神経で勢いよく双子の元に行き、下敷きになる。
    お尻にはぐにゅりとした嫌な感触が広がり総毛立つ。さらば、エドワードお下がり派手派手スーツよ。

    「ちょっと離しなさいよ!!!!」
    「私たちに触らないでよ!!!大人の生き人形のくせに!!あなたの主人はどこよ!」

    じたばたと暴れる双子をやしおは泥濘に落ちないように必死に支える。

    「シャドーは洋服が汚れたら失格なんだろ?暴れるな。白は汚れが目立つぞ」

    派手派手スーツの裾はすでに泥がこびれついている。その泥はイザベルとミラベルにも見える位置だ。それをきくと2人は身を震わせて暴れなくなった。汚れるのは相当怖くて想像以上に重く囚われてるようだ。

    やしお最初にイザベルを汚れてない部分に避難させて最後にミラベルを避難させた。2人の生き人形たちは顔を止めて手を貸してくれた。

    さいごにやしおはゆっくりと立ち上がったすると
    ぼたぼたと重たい音を立てて泥は落ちていく。
    スーツを通り越してパンツまで染み込んでいた。
    双子とマーガレットは何も言わずにやしおは最後にニコっと優しい笑顔を見せる。

    「着替えてくるよ!またな」

    3人の頭を優しく撫でるとその場を後にする。

    「気色悪……」

    3人の姿が見えなくなると悪人面を歪めた。
    あの時、やしおは悲鳴をあげたい程だった。
    でも花や双子が大変なことにならなくて良かったとやしおは思う。
    あの時思いとは裏腹にどうして身体が動いたのか分からないが、双子がなんでお尻から転けたのかも気になるが。偶然と偶然が重なったんだろうとやしおは思った。
    子供たちにいらない心配をかけないように迅速で自分の部屋がある星つきの居住区に戻る。

    しかし

    「貴様っ!!行き遅れ!」
    「……げ」

    戻って最初に出会したのはバービー。
    バーバラの姿は見えないので寝込んでるのか仕事をしてるのだろう。
    怖い顔をさらに歪めてやしおにズカズカと近づいてくる。


    「お尻が気持ち悪いからお説教なら後で聞く!」
    「不定者が!!」

    やしおは逃げ出した、バービーも追いかける。
    その追いかけっこは一刻ほど続きバーバラの一声でやっと止まった。

    次回 「お巡りさん新人たちと触れ合う」


    ここからは番外編になります。
    ・シャドーや生き人形に兄弟という概念があるのかわかりません完璧な捏造です。
    ・パトリック様とリッキーにお姉ちゃんがいます
    苦手な方は注意!

    本当に苦手な方注意
    キャラ崩壊してます。
    時代系列はお披露目後。
    ネタバレありです!

    リィサ・シャドー 美しく将来有望なシャドー。
    弟が大好き
    生き人形・リサ 美しくつくられた生き人形。
    弟と仲良くしたい


    番外編 「お姉ちゃんはリッキーと仲良くしたい」

    生き人形リサはリィサ・シャドーに仕える生き人形で年齢は16歳くらいかその前後。
    光の束を集めたような金髪に青空色の瞳。
    表現通りの見目麗しい生き人形。
    その主人であるリィサも誰をも魅了するような漆黒で、仕草も喋り方も上品、美しいシャドーと言われていた。
    そんなリィサ様には愛してやまない弟君がいる。
    名はパトリック・シャドーという。
    生まれたばかりのまだ幼いシャドーで一月前にお披露目を終えたばかり。
    お披露目後に星つき達から実の姉弟であると聞かされたのである。お互いに当の両シャドーは大喜びでその日のうちから仲良し姉弟となる。ややシスコン、ブラコン気味なところが見受けられる。

    リイサとパトリックが姉弟なら、リサとパトリックの生き人形であるリッキーも姉弟の真柄であるわけで、しかし、リサとリッキーは、いやリッキーの方が抵抗感があるようだ。ギクシャクした関係が続いてる。

    朝の大掃除の日に会ったとしても目も合わせてくれないし、リサが話しかけようとするとその場から立ち去る。完全に避けられてる。生き人形は主人の顔なので個はないし、感情なんてない。だから姉と弟という概念はないに等しい。

    何故かリサは悲しい気持ちでいっぱいだった。
    これは余計なことだとしてもそう思うことができず胸が張り裂けそうになっていた。

    そんな中、頻繁というわけではないけど時々遊ぶようになったリィサパトリック姉弟。
    この日は別に特に用もなく、班の用事を済ませたのでリィサはリサと一緒に歩いていた。

    そんな時にリィサはパトリックを見つけてしまった。そしてパトリックの方もリィサを見つける。

    「姉上ー!!」
    「ああ、パトリック〜❤︎今日も愛らしいわ〜」

    可愛い、可愛い、弟が目の前で手を振ってるのを見てリィサは凄い勢いで駆け出す。背景は完全にハートマークである。
    パトリックもパタパタと姉に駆け寄り、姉弟は厚い抱擁を交わす。
    リィサは若い割にスタイルが抜群でバストは豊満なのでパトリックが窒息しないか気がかりだ。
    そんな両主人を見てリサとリッキーは固まる。
    そしてお互いの顔を見る。

    あ、これをやれと

    顔組は戸惑い、げっそりとする。
    でも、しかし自分たちは主人の顔なのだ。
    自分たちの考えを捨てて、余計なことを考えずに顔をしなければ。

    リサとリッキーは油が刺されてないロボットのようなカラクリのような動きをする。
    とてつもなくぎこちない動きだ。

    そして、お互いに少し触れるような形で抱擁を交わす。熱いハグではなくスキンシップのようなものだ。リサがリッキーを抱きしめてる時に一瞬だけ脳裏で何かが浮かんだ。

    ここだと温室や中庭に出ないとお見えになれない青空。そしてその下で金髪と小さな男の子が自分に向かって駆け出してきてその子を愛おしそうに抱きしめる映像。それはもうリイサやパトリックのようにだ。
    リサはリッキーの方を初めて見る。
    リッキーもリサに目線をあげる、やっと生き人形組はお互いの顔を見た。
    リッキーもリサのようにひどく驚いた顔をしていた。

    「リサ?」
    「リッキー?」

    しばらく見つめ合ってると2人の主人は心配しているようで覗いてくる。
    そして、やっと薄ぼんやりとした頭が覚醒する。

    「すみません、リィサ様!」
    「申し訳ございません、パトリック様!」

    主人に謝りそしてまた顔をする。
    それからしばらくして夕食の時間になり姉弟は別れた。

    (あれはなんだったんだろう)

    リサは1人、考え込む。
    自分が映像の中で抱きしめた男の子はリッキーにそっくりだった。
    そのことがひどく懐かしくて愛おしくて、それに何故か寂しい。

    (余計なことだわ)とリサは思う。
    リサは主人であるリィサのことだけを考えてればいいのだ。
    なんでこんなに余計なことを考えてしまうのか、それはきっと喜びの会のコーヒーを飲んでないからだわ。と思う。
    視察が終わり、大人達から新たなコーヒーをもらった。きっと喜びの会も近いだろう。

    リサはその時を楽しみに目を閉じた。

    26Id4jdu Link Message Mute
    Apr 7, 2021 10:18:56 AM

    お巡りさんシャドー達と触れ合う

    #シャドーハウス #オリ主 #夢小説

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