衝撃! 中二男子刺殺事件から一週間、加害者少年Hと場地圭介くんの関係の真実!十月三十一日、街はハロウィンムードで一色の頃、渋谷区に住む当時中学二年生の場地圭介くん(14)が刺殺された。圭介くんの死因は背中の刺し傷による失血性ショックと内臓損傷で、あまりに痛ましい事件は世を震撼させた。ここでは被害者・場地圭介くんと加害者少年Hの関係性に迫る。
章タイトル少年Hの理解不能な一方的な恨み
圭介くんと少年Hは事件当時同じチーム(以下、不良グループ①)に所属していた。不良グループ①は、別のチーム(以下、不良グループ②)との抗争の真っ最中だった。本事件のことは、世間で知られる正式な名前とは別に、不良の間では「血のハロウィン」と呼ばれている。
「圭介くんは血のハロウィンの一週間前くらいに俺たちのチーム(不良グループ①)に入ってきました。Hくんが連れてきたからよく覚えてます。敵対グループの総長(リーダー)を倒すのがHくんの目的で、圭介くんはその敵対チームから来たばかりでした。」(不良グループ①関係者)
少年Hは元々圭介くんは、小学生高学年の頃から二人で毎日遊ぶほど仲が良かった。その頃には不良グループ②のメンバー達は二人の共通の友人となっていた。
しかし二年前の夏、二人である事件を起こす。その事件で少年Hは少年院送致。圭介くんは保護観察となった。
「Hくんは自分が二年間もネンショー(少年院)に入っていたのに、圭介くんは外で自由にしていたのがムカついたんじゃないかな。よくすげぇイライラしてて周りに当たってました。」(不良グループ①関係者)
また、その事件をきっかけに少年Hはグループ②を追い出されるが、共犯関係にあった圭介くんはグループを脱退せず、’血のハロウィンの直前までグループ②に籍を置いていたのだという。少年Hと圭介くんの扱いは法的処罰の面でも交友関係の面でも天と地ほどの差があった。
「少年Hについて、血のハロウィンが起こる少し前から名前を聞くようになっただけで、元々うちのチーム(不良グループ②)に居たなんて知らなかった。血のハロウィン後に先輩聞いたら、昔問題起こして総長(リーダー)怒らせてネンショーに入ったって聞いた。圭介くんはそのとき一緒に問題起こしたらしいけど総長は幼馴染の圭介くんは許したみたいよ。」(不良グループ②の関係者)
章タイトル浮かび上がる少年Hの家庭の問題
二人には家庭環境にも差があった。
「ここに引っ越していらしたのは三、四年前でした。息子さん(少年H)と奥様の二人で暮らしていました。ご主人とは少し前に離婚なさったようです。息子さん(少年H)は初めは人当たりがよくて挨拶ができるいい子でしたよ。でも奥様の仕事が遅くなって、息子さんも遅くまで遊んで帰って来ていました。」(少年Hの近隣住人)
少年Hの父親は大手企業に勤めるエリートで、母親は専業主婦。都内の高級マンションに住んでいて、経済的に恵まれた環境にあった。しかし小学校高学年になる頃、両親が離婚。母親は仕事で家を開ける時間が多く、一人で寂しい時間を過ごしていたようだ。
「俺と遊んでたときHはいつもたくさんお金を持っていました。家で親がご飯を作ってくれない代わりに、テーブルにお金が置いてあると言ってた。でも家で一人でいるのが寂しいって言ってゲーセンでいつも俺たちと遊んでた。」(少年Hの知人)
一方で圭介くんは連日の報道でもわかる通り、母親との関係は良好だった。少年Hは圭介くんの家に遊びに行ったとき、圭介くんの母親と自分の母親と違うことに気づいて、圭介くんに一方的な嫉妬を募らせた。
章タイトル圭介くんの行動の謎―少年Hと同じチームに入った訳―
不良グループ②では以前と変わらない扱いを受けていたにも関わらず圭介くんはグループ②を脱退し、グループ②のトップを倒すのが目的の、グループ①に加入した。
「(圭介くんが)グループに入るとき、Hくんは前のグループ(②)のスパイじゃないかって疑ってました。だから圭介くんを試す為に、かなりえぐいことしてて、圭介くんと仲の良い、前のチーム(不良グループ②)の後輩を呼んで圭介くんに殴らせたりしてた。」(前出・不良グループ①関係者)
「学校での圭介くんは真面目だけど話しやすい人でした。不良グループに入ってるとはとても思えなかったです。無理矢理入れられてパシリに使われてたんじゃないかな。」(圭介くんのクラスメイト)
結果的に圭介くんはグループ②から送り込まれたスパイで、少年Hの情報をリーダーに流していたようだ。前出の不良グループ②のメンバーの情報によると、圭介くんと少年Hは二年前の事件を起こしたが、少年Hだけがリーダーからの責めを受け、幼馴染の圭介くんは咎められなかったという。とはいえ圭介くんはリーダーである幼馴染の”スパイ指令”を上下関係からも、許してくれた恩からも断り切れず、不良グループ①に潜入したのだろう。
そして少年Hの中で、二年前の事件の処遇から積み重なっていた圭介くんへの恨みが、スパイだったと発覚したことで殺意に変わった。
場地圭介くんが亡くなってから一週間。近年、少年による残忍な事件が増えているが、こういった事件が無くなることを切に願う。