サメたろーおにーちゃんせんせいをするスガナミがアヒルちゃん達を、僕たちサメの頭の上に置いたまま一晩。視界が高くなって大はしゃぎだったアヒルちゃん達も、新しい場所ではしゃぎ疲れたからか、そのあとはグワスピ寝ちゃって、僕たちもびっくりなイチニチだったね、っていいながらスヤフカ寝ちゃった、次の日の朝。
いつも通り早起きのモネちゃんが、おはよーってリビングのサメ棚にやってきた。僕の吻をいつも通りちょんちょん、ってしてくれて、上に乗ってるアヒルちゃん達を全員下ろして僕の前に並べた。そんで、さーて、朝ごはん作ろっとー、っていいながらお台所に向かっていくのはこれまたいつも通り。
僕たちの頭から下ろされて、目
が覚めたアヒルちゃん達が一斉に心のクチバシを開いた。
『オハヨー!』
『サメたろーせんせ、オハヨー!』
『オハヨーゴザマス!』
『オハヨー!オハヨー!』
『ハヨー』
サメのみんなもめいめいおはよー!ってお返事。今日もすてきな朝だねー!って言ってたら、アヒルちゃんの一羽が、はーい!って心のはねをあげた。
『サメたろーせんせー!しつもーん!』
はーい、なんでしょ!
『さっきのおねーさん、だぁれ?』
他のアヒルちゃんたちも、だぁれ?だぁれ?って心のはねをパタパタしてる。さてはスガナミめ、ぜんぜんそのへん、アヒルちゃんたちに説明してないな?まったくもー、じゃあ僕がセンセーするしかしょーがないなー。
「さっきのおねーさんは、『モネちゃん』って言って、とっても素敵なおねーさんなんだよ。サメの天使なんだ!」
『モネちゃん!』
『てんし?』
『てんし!』
『すてきなおねーさん!』
『モネちゃんおねーさん!』
『すてき!』
モネちゃんのことを知ってアヒルちゃんたちが嬉しそう。モネちゃんはサメの天使だけど、きっとアヒルちゃんたちにとっても天使になってくれるんだろーなー。ホントマジででスガナミはカホーモノ!
「モネちゃんはね、キショーヨホーシってお仕事してて、お天気のことにとっても詳しいんだよ。空とおともだちなの」
アヒルちゃんたちはフムフム!ってお話聞いてて、エラい!エラないけど。
『じゃあ、ぼくたちを連れて帰ってくれたオジサンはだあれ?』
オジサン…。スズキ目ヒメジ科ウミヒゴイ属で沖縄でよく食べられてるあの魚の話がいきなりなぜ?あ、ちがう!スガナミのことだ!そっか、アヒルちゃんたちから見たらオジサンかぁ…。
ジンベエくんとホホジロザメ(大)くんも、心の胸ビレで頭を抱えてる。サメたちで、どうする…?って心の頭を寄せ合って、うん、って頷き合って。
「みんなを連れて帰ってくれたオジサンはねー、スガナミって名前のおにーさんで、モネちゃんのオットなんだよ!」
僕が説明したら、アヒルちゃんたちはフムー?って話を聞いてる。
『スガナミ!スガナミ!』
『スガナミはオジサン?』
『ちがうよ、スガナミはおにーさん!』
『おにーさんオジサン?』
『それだ!』
『スガナミおにーさんオジサン!』
あぁあ…。うーん、まぁ、うん、それでいっか…。これからスガナミがオジサンになっていくことはあっても、おにーさんに戻ってくことはないわけだから、うん…。って思ったら、ホホジロザメの大ちゃんも、うん、しゃあない、って頷いてる。
『オットってなーに?』
「えっとね、モネちゃんとスガナミはフーフなんだよ!フーフってのはねー、うれしいもかなしいもいちばんにわけっこする相手なんだ」
『わけっこ!』
『すてき!』
『スガナミのおしごともキショーヨホーシさん?』
「スガナミはね、おいしゃさん!ビョーキをなおすんだよ!」
『おいしゃさん!』
『かしこい!』
『スガナミおにーさんオジサン、おいしゃさん!』
『スガナミおにーさんオジサンおいしゃさん!』
『ながい!』
『あははー!』
うっひゃぁ!アヒルちゃんたち、モネちゃんとスガナミのことを知って、おおはしゃぎだ!
うん、とっても素敵なふたりだから、はしゃぎたい気持ちはよく分かる。ふたりのおうちに来れたみんなはきっと幸せ者だと思うよ!
あぁ、アヒルちゃんたちの質問が途切れない!
よーし、サメたろーおにーちゃんせんせい、がんばるシャーク!