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    Planetarium【Attention】
    本作は2020年10月2日 22:35pixiv掲載作品となります。
    5以降のバージルとダンテの話です。
    なんでも許せる方向けです。
    それでも大丈夫な方はどうぞ。






    ―For a long time ago―

    「バージル…」
    夜、兄が眠ろうとしていると、軋む重い音を立てて部屋の扉が開いた。
    扉の方を見ると、そこには寝間着姿の弟が立っていた。
    「どうした?」
    「バージル、お願いだ…今夜も…一緒に…」
    弟の今にも泣き出しそうな顔を見て、ああまたか、と兄は理解し、手招きした。
    「来い、ダンテ」
    最近弟は夜何かに怯えているようで、一人では眠れない状態だった。
    何に怯えているのかは母にも兄にも分からなかった。
    一つのベッドの上、弟は震えながら兄にしがみ付く。
    「頼む、バージル…傍に居てくれ…」
    震える弟の背中を落ち着かせようと兄の手が優しく擦った。
    「ああ、傍に居る」
    その夜、兄弟は抱き合いながら一つのベッドで一緒に眠った。



    こんな夜が連日続いていた。
    毎夜毎夜、弟が泣きながら兄の部屋を訪れる。
    日中は一緒に遊べと元気に駄々を捏ねる弟だが、夜になると一変し、どうやら何かしらの悪夢に魘されているようだった。
    どんな悪夢を見ているのかについては弟の口からは明かされることはなかった。
    弟が自室に来る度に兄は弟を宥め、安心させるように一緒に眠った。
    そんな日が続いていたある朝の事、目が覚めた瞬間、兄の頭に1つのアイデアが浮かんだ。
    思い立ったが吉日、兄は準備に取り掛かった。
    それの作り方は老人の家にたまたまあった科学雑誌に載っていた。材料も弟に内緒で母に協力してもらい全て揃えた。
    「なぁ、何作ってんだよ?」
    今日もおもちゃの剣を手に持って一緒に遊ぼうとせがむ弟を他所目に、兄は黙々と何かを真剣に作っていた。
    「なぁ、そんなんやってねぇで、遊ぼうぜ」
    「邪魔するな」
    いつもならこのまま弟がちょっかいを出し、苛ついた兄が弟を張っ倒し「そうこなくっちゃ」と弟が台詞を吐き捨てる所である。
    しかし、今日はあまりにも真剣に取り組む兄に只ならないものを感じ、弟は潔く諦めた。
    「ちぇっ、なんだよ…つまんねぇの」
    つまらなそうに兄の元を離れ弟はどこかに行ってしまった。



    その夜も、部屋の扉のノック音で目を覚ました。
    「バージル…」
    扉の方を見ると昨日と同じ、寝間着姿の弟が立っていた。
    「どうした?」
    「バージル、お願いだ…今夜も…一緒に…」
    弟は昨日と同じように今にも泣き出しそうな顔をしていた。
    「来い」
    兄はいつものように弟に手招きする。
    いつものように、弟が兄のベッドに入ると、兄はベッドから出ようとする。
    「バージル?何処に行くんだよ」
    震える声に兄は振り向き、不安がる弟を正視する。
    「そこに居ろ」
    「嫌だよ、離れたくない」
    弟は兄の手を掴んだ。
    その手を兄は優しく撫で、そして解く。
    「大丈夫だ、どこにも行かない…部屋を出る訳じゃない…ただ、準備するだけだ」
    「準備…?」
    「いいから待ってろ」
    そう言い兄はベッドから下り、ゴゾゴゾと何かを準備し始める。
    「何して…?」
    暫くして準備が終わったのか、兄が微笑みながら弟に言う。
    「ダンテ、お前に良いものを見せてやる」
    次の瞬間、目に映った煌めく光景に、弟は目を見開いた。









    8 August AM11:23
    ―A few decades later―


    「親父?」
    息子であるネロに呼ばれ、過去に飛んでいた意識が現代に戻される。
    どうやら柄にもなく、考え事に耽っていたようだった。
    「ああ、すまない、考え事をしていた」
    バージルは今、悪魔退治の依頼が終わり、ネロと共に帰る途中だった。
    決着をつけようとダンテと2人で暫く魔界生活をしていたが、結局決着が着かず、泣く泣く人間界に帰って来たのが1週間前の話。
    帰ってみると、トイレの水も流せないほどライフラインが完全に止まってしまい、公共料金が払える手持ちもなく無一文状態だった。
    このままではいけないと仕方なく2人は依頼をこなす事となった。
    ダンテは保険をかけておこうと、「そいつ1人にしておくとまた何し出すか分からねえから付いてってやってくれ…ついでに親孝行して来いよ!」と、笑ってネロの背中を押した。
    久しぶりの再会に当初はお互いドギマギしていたが、時間をかけるにつれて緊張の糸は解れていった。
    「ネロ、ちょっと寄り道するぞ」
    突然の父の言葉に、ネロは一驚する。
    同時に、また何か企んでいるじゃないかと疑心を抱く。
    「はぁ?どこ行くんだよ?」
    また魔界とか言い出すんじゃないか、とネロは付け足したが、その問いにバージルは首を横に降った。
    「レッドグレイブだ」
    「レッドグレイブ?」
    「生家に用がある」
    「生家?ああ…」
    ネロは、かつてVと行動を共にした時、「あれが俺の家だ」と言って杖で指し示していたあの一軒家を思い出す。バージルの生家、同時にダンテの生家でもあるが、先日の件で彼らの生家はこの父親が生み出したクリフォトと悪魔のせいで滅茶苦茶になってしまった。
    今更そんな所に何の用があるのかと、ネロが小首を傾げていると、バージルは、見兼ねたのか、静かに答えた。
    「…忘れ物を取りに行く」
    「忘れ物?」
    不思議そうに自分を見てくるネロに背中を見せ、レッドグレイブ市に向けて一歩を踏み出すバージル。
    その口元は何となく柔らかかった。



    バージルが事務所に帰宅する頃にはもう日は沈んでいた。
    ネロはキリエが待っていると言ってフォルトゥナに帰っていった。
    事務所の扉を開け、中に入りながら一声。
    「戻ったぞ」
    扉を閉めると、ダンテはソファに座りR指定の雑誌を読んでいた。
    バージルの声に反応したのか、雑誌をソファに投げ捨て、立ち上がり、バージルの元に歩み寄る。
    「Hey, bro!随分遅かったじゃねえか…帰ってこないと思ったぜ…」
    いつもであれば、「この事務所には門限でもあったのか」とか「貴様には関係ない」などとと不平の一つでも零しそうなところだが、今日のバージルは違った。
    「ああ、少し、寄り道していた」
    バージルの思わぬ返答にダンテは一瞬キョトンとした。しかし、すぐにいつもの不敵な笑みを見せる。
    「寄り道、ねぇ…フォルトゥナにでも行って坊やと観光でもしてきたのか?」
    関心があるといった素振りで、顎に手を当てニヤニヤとバージルを見るダンテ。本人はからかい半分で言ったつもりなのだろう。バージルも顎に手を当て、考える素振りを見せる。少しばかり考えて返事をする。
    「強ち間違いではないな」
    また思っていた回答とは違う意外な返事が返ってきて、今度こそダンテは呆気にとられた。
    「これを取りにな」
    バージルはそう言うと徐に昼見つけ出した『忘れ物』を取り出す。
    「あ…」
    それを見て、ダンテは大きく目を見開いた。



    その後、二人は一緒にシャワーを浴び、一緒に夕食を済ませ、一緒に寝室へと入った。
    バージルは昼に生家から回収した『忘れ物』をいそいそと用意し、ダンテはカーテンを閉め、部屋を真っ暗にした。



    「まだ残ってたんだな、これ」
    「ああ…」
    カーテンを閉め切った真っ暗な部屋の天井には満天の星空。
    沢山の星座達が散りばめられ、オリオンが蠍を追っかけている。
    ベッドという名の宇宙船には上体を起こして横たわる二人の半魔。
    「俺さ」
    バージルがかつて子供の時に作ったプラネタリウムの星々を2人で眺めながら、しばらくしてダンテが突然口火を切る。
    「あの頃同じ夢ばっか見てたんだ」
    バージルは天井の星々に向けていた目線をダンテに移す。
    「夢?」
    『夢』という単語に、バージルはかつて子供だった頃の、毎夜ダンテが泣きながら自室に来た事を思い出す。
    「ああ、今でも覚えてる」
    ダンテは目を閉じ、静かに語りだす。その表情はどこか物憂げであった。
    「真っ暗闇の中、ひとりぼっちで佇んでる夢…父さんも母さんも、バージルも居なくてさ…どんだけ走っても闇の中で、逃げ道すら無かった…大声で助けてって叫んでも、その声すら闇が飲み込んじまった…」
    「………」
    ダンテの話を聞いて、バージルの眉間に深い皺が刻まれる。あの事件以降、結果として、幼いダンテを置き去りに、父は消え、母は死に、自分も消息を絶った。数年後、テメンニグルの頂上でダンテと再会するも、生き方の相違で突き放し、殺そうとした。敗北の末、見栄を張って魔界に落ち、魔帝に敗北し、闇に堕ちた。そして、再びダンテとマレット島で相まみえ、殺そうとした。幼い頃、確かに喧嘩が絶えなかったが、それでもあれだけ大事に思っていた存在を、護ると決めていた存在を、徒らに消そうとした。それも全て、結局は自分とは真逆の、日に照らされた道を歩んできたことへの妬みからだった。結局、ダンテが見た夢の様に、ダンテを一人にさせてしまった。バージルは自分の過ちを少しばかし悔いた。同時に、きっと幼い頃のダンテはその予知夢に怯えていたのだろう、と今になって分かった。
    「…バージル?」
    無言になってしまったバージルの顔をダンテが覗き込む。テメンニグルで会った時とも、マレット島で会った時とも違う、あの幼い頃の面影を持つ老いた弟。そんなダンテの首をバージルは手で押しつけ、強引に押し倒し、その唇を塞いだ。そのまま獣のようにダンテの唇を貪る。
    「ん…」
    バージルが舌でトントンとダンテの唇に触れる。ダンテは拒まず、そのままバージルを受け入れる。口を開き、バージルの舌を招き入れ、絡ませる。同時にバージルの首に腕を回す。バージルも負けじと、ダンテの舌を自分の舌と絡ませ、時に吸う。
    暫くしてバージルは唇を離す。二人を繋ぐように銀の糸が紡がれ、刹那、ダンテの唇に戻っていく。ダンテの額にバージルは額をくっ付けた。
    「安心しろ、もうどこにも行かん…お前の傍に居てやる」
    そのままバージルは顔をダンテの首元に埋める。
    ダンテの目に映るのは血の繋がった兄と満天の星空。
    「眩しいな」
    ダンテはそう呟き、やがてバージルと一つになった。
    その目には一つだけ星が零れていた。




    (twinkle twinkle little star)




    【謝罪会見】
    とうとうちゃんとしたバジダン書いてしまったアアアアア!!!!
    今回ただ単に5を経た二人の幸せが見たかったってだけなのに!!!!!
    なんだこれは!!!!解釈違いだな?????
    しかもなんだこの文章は????語彙力マストダイしてんぞ????
    本当に申し訳ございませんでした(ここまで血文字)
    拙い文章での初バジダンでしたが、ここまで読んでいただきありがとうございました!




    K8ie_shipper Link Message Mute
    2022/11/20 15:40:27

    Planetarium

    【2020年10月2日 22:35pixiv掲載作品】
    初バジダンです。
    バージルとダンテがプラネタリウム見てるだけの話。
    なんでも許せる方向けです。
    #DevilMayCry #DMC #DMC5 #バジダン #デビルメイクライ5 #デビルメイクライ #ダンテ #バージル #腐向け

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