イラストを魅せる。護る。究極のイラストSNS。

GALLERIA[ギャレリア]は創作活動を支援する豊富な機能を揃えた創作SNSです。

  • 1 / 1
    しおり
    1 / 1
    しおり
    シンヨコ in ニューイヤー もう間も無く日付が変わり新年を迎えようかという時刻、ロナルドとドラルク、ジョンのにっぴきは新横浜の街をパトロールしていた。こういったイベント時には楽しい事が大好きな吸血鬼達が騒ぎを起こすからだ。

    「とはいえ、何も起きている気配がないねぇ」
    「ヌン」
    「ホントだな」

     しかしここまでの間、新横浜の街を闊歩しているのは受かれた普通の人間達ばかり。気合いを入れて挑んでいたロナルドは肩透かしを食らった感じに首を捻る。

    「っかしーよなぁ、あのポンチ共がこんな日にトンチキ騒ぎ起こさないなんてありえねーだろ」
    「本当にね。どこかに潜伏でもして機を狙ってるとか?」
    「おい、だとしたらヤベェじゃねーか。あいつらが居そうな場所……思い付かねーよ!」

     ドラルクの言葉に焦って探そうとするロナルドだったが心当たりが全くない事に頭を抱える。
     そんなロナルドを尻目にドラルクは腕の中のジョンとにらめっこをして遊んでいた。
     そこに同じくパトロール中のヒナイチと半田、サギョウが通り掛かる。

    「ふはははは!ロナルドォ!ここであったが百年目!今年最後のセロリ爆弾を食らえ!!」
    「ヴェボォアアアッパパセロヴァッパァア」

     すかさず半田が懐からセロリを取り出しロナルドに投げ付ける。
     ロナルドは泣き声を上げて、飛び上がってそれを避けた。

    「パトロールお疲れ様、ヒナイチくん、サギョウくん」
    「ああ、お前もな。そちらは何かあったか?」
    「いいや、全然。恐らくカウントダウンに合わせて何か仕出かす気じゃないかな」
    「やはりそうか。面倒な…」

     ギャーギャー騒いでいるロナルドと半田を尻目に真面目に話し合っているドラルクとヒナイチにサギョウは恐る恐る声をかけた。

    「あのー…アッチは放っておいていいんですか?何か半田先輩、レインボーセロリアタックとか言いながらロナルドさんに色々浴びせかけてるんでけど…」
    「あちらはいいんだ」
    「大丈夫大丈夫。じゃれてるだけだから」
    「えぇ~…」

     完全に関わりたくないオーラを出して答える二人にサギョウはしょっぱい顔になる。
     そうこうしている内に日付が変わるまで三分を切ったその時、駅前の方から歓声が聞こえてきた。
     瞬間、ロナルド・半田・ヒナイチは駆け出す。一拍遅れてサギョウもその後を追う。
     そんな四人を見送りドラルクは腕の中のジョンに笑いかけた。

    「いやぁ~流石プロだねぇ。切り替えが早い早い」
    「ヌン。ミンヌヌッヌイイヌ」
    「本当にね。さて、私達も行こうか。どんな面白空間になってるのかなぁ」
    「ヌシシ」

     いっぴきが駅前に着くとそこにはカオスが広がっていた。
     道行く人を片っ端から野球拳結界に引き摺り込んでは勝負を仕掛けている野球拳大好きに、負けた相手にビキニを着せているマイクロビキニ。それを見て笑っている下半身透明とあっちゃん。
     パジャマパーティーが開催されている横でかなまら祭りがボコボコにされて転がっていた。
     ゼンラニウムはコゼンラと緑化運動に励んでおり、熱烈キッスはイケメンにキスを迫っている。

    「いや、後半はいつもの光景だな」
    「ヌー…」

     ロナルド達はどうしたのかと見回すと、Y談おじさんを追いかけ回していた。

    「くっそ待てやぁ!」
    「うぅ…動けない…」
    「うお!危ねェ!」

     どうやらY談おじさんが貧弱くそモヤシと君がエッチなことを考えると流れ星を降らせるおじさんを味方につけた様で、邪魔をされて捕まえられないでいる。
     吸対組の方もアベックにく美が周囲のカップルをグルグルドーンしようとしているのを止めようと躍起になっていたが、世界マッチョ化計画がプロテインを配っているのでそちらを止めるのにも気を取られて上手くいっていなかった。

    「お、新年まで一分切ったようだよジョン」
    「ヌウンヌヌヌンヌヌーヌ、ヌー」
    「フンッ」「ぐわぁ!」「兄さん!」「あーひゃっひゃっひゃっひゃっ」
    「45」

     野球拳大好きがゴウセツに殴り飛ばされる。それにマイクロビキニは悲鳴を上げ、下半身透明は笑い転げた。

    「ヌー」
    「ぅう…ハッ!わっしょー「おらぁっ!」いぃぃー!」
    「40」

     パジャマパーティーはいつの間にか消えており、復活したかなまら祭りが御輿を担ごうとして再度マリアに沈められていた。

    「ヌー」
    「さあ私と熱いベーゼを!「はいはい、無理強いは駄目よぉ」うぐぅ…」「ちゃんと許可を貰ってからしろといつも言ってるじゃろうが」「申し訳ない…」「ゼンラー…」
    「30」

     熱烈キッスがシーニャに縛られ転がされている横では、ゼンラニウムがヒヨシに叱られている。

    「ヌーイ」
    「20」
    『配置につきました』
    「よし。奴の注意をこちらに引き付けるぞ」
    「副隊長。腕を組んでカップルの振りをしよう」
    「えぇ~…」
    「何だその態度は。俺だって嫌々やってるんだ」
    「お前も失礼な態度だろ、それは」
    『いいから早くして下さい』

     世界マッチョ化計画に狙撃位置に着いたサギョウが麻酔弾を撃ち込み、カップルを装った半田とヒナイチに釣られたアベックにく美にも同じく弾を当てて沈める。

    「ヌ」
    「4」
    「ヌン」
    「2」
    「イヌ」
    「ハッピーニューイヤー!ジョン、今年も宜しくね」
    「ヌッヌーニューイヤー、ヌヌヌヌヌヌ!」
    「着物で姫始めしたい!!」「長袖だからって油断して剃ってない腕毛!!」「もう食べられないって言ってるのに無理矢理餅を食べさせて欲しいです!」

     年明けY談波に晒されながらもY談おじさんを殴るロナルド。その隙にフックショットで流れ星を降らせるおじさんを捕まえるショット。這いずりながらも貧弱くそモヤシに組み付くサテツ。
     その光景にドラルクは大笑いだ。

    「今年も実に愉快な一年になりそうだ!」
    「ヌン!」

     シンヨコらしい光景の中、新年の幕は上がるのだった。

    「あ~~つっかれた~」
    「お疲れ様、ロナルドくん」

     捕まえた吸血鬼達をVRCに護送し終え、ギルドでハンター皆と新年を祝ったロナルドとドラルク、ジョンは帰路に着いていた。
     とはいえ、ハシャいで疲れたジョンはドラルクの腕の中の寝息を立てており、ロナルドも大捕物に体力を消耗したらしく目をショボショボさせている。
     ロナルドがうっかり車道に出てしまわない様誘導していたドラルクはふと思い出し問い掛けた。

    「ねえ、ロナルドくん」
    「んー?」
    「姫始めは着物でしたいの?」
    「オッピャギョミィ!」

     ドラルクの問いにロナルドに眠気は一瞬で吹き飛ぶ。

    「着て欲しいって言うなら着「是非とも宜しくお願い致します」
    「うん、ふふふっ、分かったよ」

     間髪入れずに答えたロナルドにドラルクは笑って頷いた。
     それにガッツポーズを決めるロナルドにドラルクは爆弾を投げた。

    「所でロナルドくん。一応言っとくけど姫始め出来るの明日だからね」
    「……………は…?」
    「初夢と一緒で2日の日に行われるのが姫始めだから」
    「………え…?」
    「だからソレ、自分でどうにかしてね」

     固まるロナルドにドラルクは困った顔で溜め息を吐いた。

    「ほらほら、早く帰らないと夜が明けるよ。メビヤツ達に年明けの挨拶したいでしょ」

     それでもショックで動けないロナルドにドラルクはそっと耳打ちする。

    「私だって我慢してるんだから…君も堪えてね?どうせなら溜まったのぜーんぶ、私にちょ・う・だ・い♡」

     ロナルドは反射的にドラルクを殴り、泣きながら叫ぶ。

    「うわーん!今そういうエッチな事言うんじゃねー!!」

     ドラルクの死に目を覚ましたジョンが塵山に縋り付き泣く声をバックに、シンヨコの夜が明けようしていた。


      完

    haruura94 Link Message Mute
    2023/01/05 20:44:00

    シンヨコ in ニューイヤー

    #ロナドラ

    ほぼオールキャラわいわい話~ロドを添えて~

    初出:pixiv 2023/01/01

    more...
    Love ステキと思ったらハートを送ろう!ログイン不要です。ログインするとハートをカスタマイズできます。
    200 reply
    転載
    NG
    クレジット非表示
    NG
    商用利用
    NG
    改変
    NG
    ライセンス改変
    NG
    保存閲覧
    OK
    URLの共有
    OK
    模写・トレース
    NG
  • CONNECT この作品とコネクトしている作品