ポーキー「絶対安全」父も母も、愛しあっていたわけではなかった。
父親は酔うと、金が全てだと甲高く笑い、ハイスクール時代に片思いをしていたらしいチアリーダーの名前を呟いていた。母親は父のことを、私の実家の助けがないと何もなしえなかったのよとあざ笑い、私の人生は実家の言いなりだったと呟いていた。とある日、いつも出入りしていた、郵便屋と俺のの母親が、素っ裸で、ベッドの上で組体操していたのを見て、俺は母親に引っ叩かれ折檻された。
漫画やゲームにある男女の愛ってやつが、親子の愛ってやつがお為ごかしに思えてならない。隣の家に住む幼馴染の少年が、人を信じ自分を信じ、冒険をする姿を見て、嘘だろうと心の中が悲鳴を上げた。そして風の噂で、彼が結婚したことを聞くと、俺はますます、人の世を混乱に駆り立てようと、時空を超えてあらゆる世界を乱して回った。
体ばかりが年老い、俺は誰も愛していない、愛して貰えていないことに気づく。このまま死を迎えるのか。
心が凍る恐怖の中、死ぬこともなく生きながらえるカプセルに自ら入った。これで俺は自分の物語を作れなかったと嘆くこともなく、未来永劫眠るように生きるだけだ。
俺は嬉しくて仕方なくて、笑った。