繰り返す竜崎 何度繰り返しても駄目だった。
一度目は証人がいる中で右腕と共に殺され、二度目は徹底的に邪魔をして死んで──高い確率で弥の仕業だ──、では三度目はキラでいる暇を与えまいと近づき見事友人の立場を手に入れた矢先に彼が死に、その後も生きて罪を償うようにと根回しをすればほとんど相打ち。
ノートを先に回収できれば一番いいのだが、いつも必ず何らかの邪魔が入る。
私が介入できるのはキラとなった後の彼で、ノートを手に入れるまでの前日譚に”L”は存在し得ないのだ。
──さしずめ夜神月の宿命はキラになることではなく、ノートを拾うことといったところか。けれどノートを拾った夜神月にキラにならない選択肢もまた存在し得ない。私がなるべくして探偵に、探偵以外の生き方ができないように、夜神月もまたキラ以外の生き方を選べない。
「……おい、どうしたんだ、竜崎」
「いえ、何でもありませんよ」
きっとこの友人も遠からずキラに取り殺される。あるいは私が死ぬ方が先だろうか。
真実自分自身のためだけに生きられないこの友人を、この世に引き留めたくて仕方がなかった。