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    しおり
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    しおり
    「にゃー」
    「んっ?猫?」
    昼下がり、兄弟と駄弁るため、彼が私室として使っている蔵を訪れたソハヤは、1匹の毛の長い黒猫を見つけた。
    「デカいな…。メイクーンとかいとかいう奴か?」
    スリスリと寄って来るその頭を、指の先で掻くように撫でてやる。
    「にしても、兄弟はどこ行ったんだ?」
    部屋を見回してみても、その姿は見当たらない。
    寝起きそのままの布団と、脱ぎ散らかされた寝巻きが残っているだけだ。
    「にゃーん!ふなぁーお!」
    「どこから忍び込んだかは知らないが、ここは兄弟の部屋なんだ。外行くぞ。」
    何かを訴えるよう鳴く猫を抱え、ソハヤは蔵を出た。

    …困ったことになった。
    大典太は、周囲を見回し、一人ごちる。
    大侵寇に備えた訓練の最後の出陣を終え、疲労が限界を超えていたので、寝巻きに着替え、ガチ目の仮眠を取った所までは覚えている。
    数時間寝て目が覚め、布団から出てみたら、普段と身体の感覚も違うし、目線が異様に低い。
    恐る恐る目線を下に下げれば、フワフワと長い毛の生えた黒い身体が目に入る。
    これは…俺…?なのか…?
    困惑していると、丁度良いタイミングで兄弟が来た。
    慌てて「俺だ」と告げるが、兄弟は怪訝な顔で何かを言う。何かを言っていることだけは分かるが、何を言っているのかは分からない。
    俺だ、気付いてくれ!
    人の身であれば肩を揺さぶっているところだが、今の身体ではスリスリと、足元にまとわりつく事しかできない。
    兄弟はまた何事かを言いながらしゃがみ、頭を掻くように撫でてくる。
    その心地良さに、ついウットリと表情が緩んでしまうのを感じた。
    立ち上がって部屋をぐるりと見回した兄弟は、空になった布団と、脱ぎ散らかされるように落ちた寝巻きを見て小首を傾げた。
    もしや、俺を探しているのか?だったら…
    「待て!俺はここにいる!」
    そう叫ぶが、兄弟は諭すように何かを言いながら自分を抱き抱え、そのまま蔵の外に出されてしまった。
    どうやら、意思疎通はできないらしい。
    話が分かる者を探さねば。
    猫になった大典太は、自分の事情を理解できる相手を求め、歩き始めた。

    歩き始めれば、本丸の雑草の陰に潜むバッタや鳥に妙に心が惹かれ、ついウズウズと飛び付いてしまう。
    こんな筈じゃない、こんな筈じゃ…
    このままでは本丸に着くのすらいつになるか分からない。
    できるだけ、何もない場所を見るようにしながら、本丸を目指す。
    普段に比べ、本丸の庭がやたらと広く感じた。しばらく歩いて、ようやく縁側が見えてくる。
    そこに、助走なしでシュタッと飛び乗ると、三日月と鶯丸が茶を飲んでいる所だった。
    「なーぅ(俺が分かるか?)」
    「おや、猫か。愛らしいものよのぅ。」
    三日月は頬を緩め、顎や頬を撫でてくる。
    「うにゃっ、ンう〜ん…(クッ、今はそれどころでは…)」
    抗い難い心地良さにゴロゴロと喉が鳴ってしまう。
    「ははは、愛い奴め」
    三日月は何やら笑っているが、これはあくまで生理的な反応で…
    ゴロンゴロンと三日月の膝の上で腹を見せる大典太(猫)に、
    「この本丸では見た事ない猫なのに、やたらと人懐こいな。」
    と鶯丸。
    「大包平と猫…」
    フ、と何かを閃いたような顔で立ち上がった鶯丸に、とても嫌な予感がした。

    しばらくして、
    「猫だと?!この大包平が猫ごときで……クッ!!!かわいいではないか!!!」
    爆音で何かを叫びながら、鶯丸に連れられた大包平がドスドスと床を踏みしめやってきた。「猫ごとき」と言いつつも、片手には既に猫じゃらしを握りしめ、フルフルと先端についた羽を揺らしている。
    人の身ですらうるさいと感じる大音声は、猫の身となった今では拷問に近い。全身の毛が逆立ち、身体が凍りつく。
    反射的に三日月の膝を降り、一目散に大包平とは反対の方向に走った。
    「大きな声を出すから逃げちゃったじゃないか。」
    「何ッ!?俺は普段通り喋っただけだ!!!」
    「大包平はただでさえ声がデカいんだから…」
    後で二人が何か会話している声が聞こえるが、猫の身を得ている今その内容は分からない。
    とにかく奴は危険だ。逃げなければ!
    大典太は、その一心で廊下を駆け抜けた。

    鳴り止まぬ耳鳴りの中、フラフラする脚で訳も分からず走っていると、色白で細身の足にぶつかった。
    「…おや…」
    静かな落ち着いた声と共に、まるで氷で紡いだ糸のような長い銀髪が落ちてくる。江雪左文字だ。
    「にゃーん、うにゃぁーうう(江雪、お前なら俺が分からないか?)」
    江雪は僧侶である。もしかしたら、法力的な不思議な力でコミュニケーションが取れるかもしれない!
    一縷の望みをかけ、語りかけるが、
    「どうしたのですか?迷い猫ですか?」
    深い悲しみを湛えた瞳で、何事かを言いながら細い指を伸ばしてくる。
    「にゃう…(コイツもダメか…)」
    大典太が苦々しく呟いた瞬間、江雪は警戒するように周囲を小さく見回した。
    もしや、俺の言葉は通じているのか!!!
    歓喜で全身の緊張がほぐれ、隙ができた瞬間、
    「ふふふ、可愛らしいですね…。猫は、嫌いではありませんよ…」
    その顔が迫ってくる。
    「にゃっ?!にゃーん!にゃーぁーぉー!(ハッ?!待て江雪!俺は大典太光世だ!)」
    間近に迫ってきたその顔は、よくよく見ると瞳孔が開いている。
    戦場で、同じ目を見た事がある。和睦を完全に諦めたこいつが、同じ目をしていた。
    一体何をされるというのか。大典太が恐怖に震え、固まっていると、
    ぽふっ
    脇腹に、江雪の顔が埋まった。背中の毛が逆立つ。
    次の瞬間
    スゥゥゥゥウウウウウウウウッ…
    脇腹の被毛に溜まった体温が一気に吸い取られ、その部分だけがひんやりするのを感じる。
    そして、一瞬空気の流れが止まった後に、
    フゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウッ
    生暖かい息が一気に戻ってきた。
    「シャッ!フシャァーッ!(ふざけるな!俺にそういう趣味はない!)」
    全身の毛を逆立てながら、江雪の顔と腕をバリバリと引っ掻いて、大典太は再び逃げた。
    江雪は、血の流れた腕を愛おしげにさすりながら、
    「ふふふ、幸せの痛み、ですね…。」
    同じく傷だらけになった顔に、どこか常軌を逸した笑みをたたえ、逃げる大典太を見送った。

    本丸が、まさかこんなに危険な場所だとは思わなかった。
    堪らず、空になった段ボールを見つけ、そこに飛び込むと、ムニムニ、フワフワした感触を足元に感じる。
    「おっ、どうした?見ない顔だな。」
    言葉が…通じる?
    ハッとして下を見れば、五虎退の虎が一匹、気持ちよさそうに丸まっていた。
    「言葉が…俺の言葉が分かるか???」
    「何言ってんだ。猫科皆兄弟。通じない訳ないだろ?」
    大典太は思わず安堵の溜息をつく。
    というか、あいつの虎はこんな風に喋るのか…。もっと可愛い感じかと思っていたが…。
    「もしかしてお前、飼い猫か?他の猫と話すのは初めてって感じだな。」
    「いや、俺は、刀剣男士、大典太光世だ…。」
    隣り合い、箱を半分ずつシェアした状態で大典太は告げる。
    「大典太?!あのうすらデカい、あの大典太か?」
    虎は、唖然としたように目を丸くする。
    「…そうだ。仮眠から目覚めたら、この姿になっていた。」
    「ふぅーん、不思議な事もあるもんだな。」
    虎は特に疑う素振りも見せず、大典太の言葉を受け入れる。
    「他の刀とは言葉も通じないし、何なら仲間だと思っていた連中から色々と酷い目に遭うし、散々だ。これでは、この姿になった原因はおろか、人の姿に戻る方法も探れない。」
    「人の姿に戻りたいのか?」
    不思議そうに虎は聞いてくる。
    「もし、お前がいきなり人の姿になって、他の4匹と話も通じず、虎に戻る術も分からなかったら、どうする。」
    虎はしばらく考え込み、納得したように大典太を見た。
    「俺は、多少なりには人の言葉が分かるぞ」
    光明が見えた気がした。
    「本当か!」
    「ああ。何せ俺は飼われている身。注意深く聞いていれば、連中の言葉も何となくだけど分かってくる。」
    これは非常に心強い。
    「あと、何故か完全に言葉の通じる刀剣男士も一振だけ知ってる。」
    「誰だ?そいつの元に案内してくれ!」
    「任せろ。ついてこい。」

    虎に案内され、連れて行かれたのは一文字の居室がある区画だった。
    虎は、その内一部屋の障子のフチに爪をひっかけ器用に開ける。
    「おっ!どうした…にゃ?」
    中には、内番服姿で刀装と戯れ、ゴロゴロしている南泉一文字がいた。
    「こいつが困ってるんだ。助けてやってくれないか。」
    虎に紹介され、大典太はおずおずと前に出ると、
    「南泉、俺の言葉が分かるか?俺は大典太光世だ。仮眠から目覚めたら、こんな姿になってしまった…」
    「おっ、大典太ァ?!そんな筈ある訳…にゃ…」
    「嘘をついて俺に何の得がある。」
    南泉はしばらく考え込んで、
    「そうれもそうか…にゃ。」
    と、未だ半信半疑という様子ではあったが、一応状況を受け入れてくれた。
    「にしても、何でそんな事になってんだ…にゃ?」
    「それは俺が一番知りたい。」
    「オレも、猫の呪いは受けたが、猫そのものにになった事はねぇし…にゃ。」
    南泉が考え込んでいると、日光一文字と山鳥毛が部屋に入ってきた。
    「あっ、兄貴!お頭!いいところに…!」
    南泉の目がパッと輝く。
    「大典太が…大典太光世がこんな姿になっちまったんだ…にゃ!」
    南泉は、真剣な目で二振に訴える。
    それを聞いた日光と山鳥毛は一瞬ハッとしたような顔をして目を見合わせ、頷き合ってツカツカと南泉の元に歩み寄ると、
    「おい、ドラ猫ちょっと来い」
    「まさか、妙なブツをキメてはいないだろうな」
    ドスの効いた声で言いながら南泉の首根っこを引っ掴むと、引きずってどこかに連れ去っていってしまった。
    しばらく経った後、遠くから南泉の悲鳴が聞こえた気がする。

    非常に申し訳ない気持ちに苛まれつつ、南泉の部屋を後にした大典太が廊下を歩いていると、
    「…猫……か。」
    頭上から、抑揚のない低い声が聞こえた。
    「にゃー…(鬼丸…)」
    心細さから、ついついその名を呼べば
    「随分と陰気な声で鳴く猫だ。」
    陰気な声で何かを言われ、ヒョイっと身体を抱き上げられた。
    「にゃんっ?!(おいっ?!)」
    「フフッ」
    「ミ゛ッ…!!?(笑っ…た…!!?)」
    鬼丸の表情のレパートリーに存在しないと思っていた表情を見せつけられて、大典太は目を見開く。
    「悪いようにはしない。いいものをやる。」
    鬼丸は、今まで見たこともないような上機嫌で、大典太をどこかに連れ去った。

    連れ去られた先は、鬼丸の私室だった。
    シンプルなパイプベッドと、何も置かれていない机があるだけの、独房を思わせる殺風景な部屋である。
    鬼丸は、大典太を床に下ろし、押入れを開ける。
    押入れも、戦装束と内番服の洗い替え、寝巻きが一着入っているだけのスカスカな状態だ。
    これでどうやって人の身で生活できるのか。他刃事ながら不安になる。
    押入れの棚には、酒が一本と、木の棒が複数。
    …木の棒?
    こんな、必要最低限のものすらない部屋にそんなものが存在する事に違和感を持っていると、
    「ほれ。」
    その内一本を投げて渡された。
    「陰気な奴と関わるには、これが一番いい。」
    投げ渡された木の枝からは、言いようのない芳しい香りが漂っている。
    脳を直接揺さぶられるような、どこまでも落ち着きながら、どこまでも心が昂るような、そんな香りだ。
    思わず大典太はその木の枝に駆け寄って両腕で抱きしめ、あぎあぎとかぶりついた。
    「そうがっつくな。そんな所までアイツにそっくりなんだな。」
    鬼丸が苦笑している気がするが、何を言っているかは分からない。
    分からないながら、木の棒に噛り付き、引っ掻き、両足でケリケリと蹴っていると、ホワホワと、全ての悩みが理性と共に吹き飛んでいく感覚を受ける。
    ああ、きっと酒が弱い奴は、飲めばこうなるのだろうな。
    恍惚とする頭で、うっすらと思った。
    ゴロンゴロンとまたたびの枝を抱え、幸せそうに床を転がり回る大典太を、鬼丸は幸せそうに見守っている。
    一方大典太は、刃生で一度も経験したことのない「酩酊」という状態を楽しんでいた。
    うにゃん、うにゃんと意味のないクダを巻き、ただ床を転がっているだけで楽しい気持ちになってくる。
    楽しい気持ちになりながら、頭の片隅で、主に会いたいと思った。
    大典太は酔ってふらつく脚で立ち上がり、鬼丸の部屋を後にする。
    「ふにゃっ、うにゃー(いいマタタビだった。じゃあな)」
    「何だ、もう行くのか」
    少し残念そうな表情の鬼丸が開けてくれた入り口の障子を千鳥足で潜り抜け、主の部屋に向かった。

    スンスン、と鼻を鳴らして匂いを嗅げば、主が近い事を悟る。
    大典太本刃は気付いていないが、素面の時は理性で抑えていた猫本来の行動も、酩酊した今はごく自然にやってのけていた。
    主の執務室の障子を前足で10センチほど開けて、頭をねじ込み身体で開く。
    「はぁ、大典太さん、どこ行っちゃったんだろ…。」
    主は何やら深刻な表情でパソコンに向かっていた。
    パソコンの画面には、色々と何かが表示されている。人の身の時は何が書かれているか一目で分かるのに、猫になった今は「何かが表示されている」くらいしか分からない。
    「大侵寇で頼りすぎちゃったかなぁ?大典太さんがあんなに疲れてる所、初めて見たし、訓練だから、折れないからって、疲れてるの分かってて出陣させちゃったし…。ブラック本丸だって思われてたらどうしよう…。蔵にいた方がマシって思われてたら…。」
    悲痛な表情で頭を抱える主。何かよほど深刻な悩みでもあるのだろう。
    言葉の端々に、自分の名が挟まっているような気がしなくもない。
    なるほど、五虎退の虎が言っていたのはこういうことか。
    「にゃー(どうした?)」
    言葉は分からないが、寄り添う事ならできる筈だ。
    精一杯の労りを込め、話しかける。
    主は、ハッとしたように振り向いた。
    「猫……?どうしてこんな所に…」
    不思議そうに小首を傾げながらも、主は人差し指を少しだけ突き出して、猫の頭を模した拳を作ると、大典太の顔の高さにそっと近づけた。猫の挨拶だ。大典太はその手に鼻を近付け、スンスンと嗅ぐと、シュルリと主の膝の上に飛び乗った。
    「人懐っこい猫ちゃんだねぇ」
    それまで悲痛に満ち、強張っていた主の表情がスッと和らぐ。
    主の丸くて柔らかい、暖かい手が、大典太の頭や頬、顎を撫でる。
    心地よさに、ウットリと目を細め、ゴロゴロと喉を鳴らす大典太。
    「猫ちゃん、あのね。この本丸の大事な刀がいなくなっちゃったの。」
    「にゃーん、にゃーう(そんな不安そうな顔をするな。あんたは俺たちの主だろう)」
    「大典太さんって言ってね、ちょっとネガティブだけど、すっごく強くて、頑張り屋の刀なんだ。」
    「にゃ?(俺がどうしたんだ?)」
    自分の名前の部分だけは確かに聞き取れるのに、他の部分の意味が分からないためじれったい。
    「でも私、本刃がどこまでも頑張ってくれるのに甘えて、頑張らせすぎちゃったみたい。私なんか、主、失格だね…。」
    ポロリ、と涙を流した主の頬を、大典太はザリっとヤスリのような舌で舐めた。
    人間ならハンカチを差し出したり、せいぜい指で拭ってやるくらいの場面なのだろうが、猫の身ではこれしかできない。
    「にー(泣くほどの事があったのか。)」
    「あいたた、優しい猫ちゃんだねぇ。」
    大典太の両脇を抱え持ち上げて、審神者は泣きながらも微笑んだ。
    「にゃお。(それでいい。あんたはずっとその顔でいてくれ。)」
    泣き止んだ主に安心し、大典太は優しく語りかける。
    そこでふと、先ほどの記憶を思い出した。そう、江雪に吸われた時の記憶である。
    江雪は、自分に手酷く引っ掛かれながらも、どこか晴々と幸せそうな、恍惚とした表情を浮かべていた。
    「猫を吸う」という行為には、人間を癒す何かがあるのかもしれない。
    それに気付いた大典太は、
    「…にゃ(…あんたになら、吸われても構わんぞ。)」
    パソコンのキーボードの上に、お腹を見せてゴロリと横たわった。
    それと同時に、作成していた書類の突拍子もない箇所に「あえいぬっっっっっっっっっっlいおあjf;えいおじょいおj」という訳のわからない文字列が挿入される。
    「あっ、ダメだよ猫ちゃん、キーボードの上はだめ!今片付けるからね!」
    慌てて審神者は大典太の下敷きになったキーボードをどかした。
    「にゃん?(どうした?何か不都合でもあったか?)」
    猫になっている今は、自分がキーボードの上に寝転んだせいで審神者の書類がめちゃくちゃになった事に気付いていない。
    「はぁ、猫ちゃんはかわいいねぇ。書類めちゃくちゃになっちゃったけど、かわいいから許す。」
    そう言って、大典太の頬を撫でてやる審神者。
    机の上で、うっとりしながら、クネクネ、ゴロゴロする大きな黒猫を見て主の表情は溶けきった。
    「ぬー(猫に成り下がった今、俺にはあんたを和ませてやることくらいしかできないからな)」
    「はぁぁ、かわいい…吸ってもいいかな?でも、吸われるのって猫にとってストレスだよね…?ああ、でも、かわいい…。すっごく人馴れしてる。ほんとにどこの猫だろう?」
    そんな事を言いながら、主は少しだけ腹の毛を撫でる。
    「うわぁぁぁぁぁ、フワッフワ!!!!柔らかぁい!!!」
    腹を撫でられる感触は正直あまり良いものではなかったが、パァっと目を輝かせる主を見れば悪い気はしなかった。
    「でも、不思議なこともあるもんだね、猫の日に、見たこともない猫ちゃんがこの部屋に遊びにくるなんて。」
    「ねうー?(おい、あんた。吸わないのか?)」
    誘うように、二、三回クネクネして見せると、主の表情が堪え難そうに歪む。
    「はぁ、いいよね、猫は、今はガンに効かないけど、その内効くようになるって誰かが言ってたし…!」
    少しばかり逡巡して、主は大典太の一番暖かくて柔らかい被毛に顔を埋め、思い切り息を吸い込んだ。
    同じ男である江雪に、半ば無理矢理吸われた時はひたすら不快でしかなかったが、主に吸われるのはそこまで嫌でもない。むしろ、心地良いとすら感じている。
    「はぁ、猫の日だし、猫ちゃんが最優先で、いいよね?仕事とか、もう、いいよね?大侵寇も無事終わったことだし…」
    主は、大典太のモフモフのお腹に顔を埋めたまま、言い訳を始めた。
    「猫ちゃん、今日はもうねんねだよ。まだ昼だけど、お姉ちゃんと一緒に寝ようね〜」
    机の上にいた大典太を両手で掬い上げるように抱き抱えると、執務室内に備え付けられている仮眠用のベッドの上に下ろした。
    「はぁ…起きたら大典太さん、ひょっこり戻って来てたりしないかなぁ…」
    ベッドをフミフミと、感触を確かめるよう揉み込んでいるその猫が大典太本刃だという事にも気付かないまま、審神者はその隣に横たわる。
    「にゃ(あんたも疲れてるんだな。今日はゆっくり休め)」
    そう言いながら、大典太は主の腕の間に滑り込んだ。

    目が覚めたのは夕方だった。
    ああ、そうだ。猫の日にかまけて寝ちゃったんだ。
    腕の中では、ゴツゴツした大きい生き物が寝息を立てている。
    何だこれ?クマ?クマにしてはスベスベしてるなぁ。
    そう言えば、一緒に寝てた猫は?
    あと、失踪した大典太さんは?
    ……………?!
    ハッとなって布団をめくると、自分の腕の中、膝を抱えるような格好で体を丸め、安らかな寝息を立てる大男がいた。
    探していた、大典太光世その刀である。
    特筆すべきは、彼が全裸だったということだろう。
    「〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!?!?!?!?!?」
    「どうされましたっ!?主!!!」
    審神者が声にならない悲鳴を上げれば、すぐさま長谷部が駆けつけてきた。
    「ははぁ〜、なるほど。この狼藉者を手打ちにすれば宜しいのですね?」
    部屋の光景を見るなり、長谷部はどこか嬉々とした表情で主に確認する。
    「そっ、それはダメ!大典太さんにもきっと事情があるんだと思うし…」
    「女性の…それも主の寝所に、あろうことか全裸で潜り込む事情など、一つしかないでしょう!」
    「大典太さんはそんな事する刀じゃないもん!」
    長谷部と審神者の間で、切らせろ、切らせないの押し問答が続く中、スヤスヤと丸まって寝息を立てていた大典太(人)も目を覚ました。
    パチ、パチ、とゆっくり瞬きをして、丸まったまま軽く周囲を見回してから、のっそりと上体を起こす。
    大典太は、自分が全裸であることに気付いていないのか、気付いているけど気にしていないのか、全く無防備な姿勢で座りながら周囲を見回している。
    危うく大典太光世の天下五剣が視界に入りかけたので、審神者は真っ赤な顔で慌てて目線を逸らした。
    「お、大典太さん。せ、せめてシーツとか、お布団とかで、隠して欲しいな…。私、まだ、大典太さんの真剣必殺すら見た事ないのに…。」
    どこか虚な表情の大典太は、言われるままに掛け布団で下半身を覆い、ここでハッとしたように自分の両手を食い入るように見つめた。
    「貴様、ようやく自分がしでかした事の重大さに気付いたようだな!」
    威嚇する長谷部に
    「ま、待て!違う!!!」
    焦りからか、よりにもよって、違わない、と同義の返しをしてしまう大典太。
    「どう違うんだ!言ってみろ!」
    スラリ、と抜刀し、長谷部が叫ぶ。
    「お、俺は……俺は、猫になっていた!」
    「何だァ貴様、まさか酒に飽き足らず、変なクスリでも決めているんではあるまいな!」
    長谷部は大上段に構え叫んだ。
    変なクスリにほど近いものなら猫の時にキメたが、人の身である今それは完全に抜けている。
    「主命です、長谷部、やめなさい!」
    審神者は、強い口調で長谷部に命じた。
    「や、やりなさい、ではなく、やめなさい、ですか?本当に、やめてよろしいのですか?」
    「刀を仕舞いなさい。主命です。」
    再びハッキリ言えば、長谷部は渋々、という表情で刀を納める。
    「大典太さん、本当に猫になってたの?」
    「…ああ。」
    「ってことは、私の膝に乗ってきたり、キーボードの上でゴロゴロしてたのは…」
    「…俺だ。」
    その後しばらく間を置いて、
    「…主の涙を舐めたのも、俺だ。」
    掛け布団を腰にキッチリ撒き直しながら、重い口調で大典太は告げる。
    一旦は刀を納めた長谷部が、再び鯉口を切った音が聞こえた。
    「何でそんな事に…」
    「…分からない。仮眠を取って、目が覚めたら猫になっていた。」
    沈黙が審神者の執務室を包む。
    その時、
    「ほら、やっぱり言った通りじゃねーか…にゃ!」
    ドタドタと、南泉一文字、日光一文字、山鳥毛の三振がやってきた。
    五虎退の虎もいる。
    「オレは潔白だ…にゃ!」
    何があったかは知らないが、中傷程度の傷を負っている南泉。その南泉から気まずそうに目を逸らす日光と山鳥毛。
    その面々から少し遅れてこんのすけが入ってきた。
    「ああ、大典太光世さまは無事人間の姿に戻られたようですね。よかったです。」
    事情を知っていそうなこんのすけの口ぶりに、一斉に視線が集まる。
    「どういう事?」
    審神者が尋ねると、
    「主さま、対大侵寇強化プログラム・序盤はいかがでしたか?」
    こんのすけに、質問で返された。
    「そりゃまぁ、大変だったよ。みんなの事、疲れた状態で戦に出さなきゃいけなかったし、小判も沢山使ったし…」
    「大典太光世さまはいかがですか?」
    「…蔵に戻る訳にもいかないからな、正直こんなに疲れる戦は初めてだったが、何とかやり遂げたぞ。」
    「猫に癒されたいとか、猫になりたいとか、そういった事はお考えになりませんでしたか?」
    そう問われ、審神者と大典太の肩が同じタイミングでギクリと震えた。
    「ま、まぁ、今日は猫の日で、猫の写真や動画を沢山見たから、多少は…ね?」
    審神者は目の前の管狐から目を逸らして答える。
    多少なんて嘘だ。最後の方はもう訳が分からなくて、猫に埋もれ、猫に押し潰されて幸せの中死にたいと思っていた。
    「大典太光世さまはいかがです?」
    「…まぁ、多少、本丸にきた猫が羨ましくは思えたな…」
    大典太も、管狐から目を逸らして答える。
    多少なんて嘘だ。最後の方は赤疲労なのに出陣させられるという前代未聞の事をやらされて、次に顕現する時は刀剣男士ではなく刀剣にゃん士として顕現したいと思っていた。そうすれば、ゴロゴロ、ダラダラしていても、蔵に封印されることはないのに、と。
    「おふたりとも、もはや最後の方には歴史を守ることよりも、猫を望んでおられませんでしたか?」
    再びふたりが凍りつく。例えそれが真実であろうと、これは政府の犬ならぬ政府の管狐。本心を口に出せば何をされるか分からない。
    「大丈夫ですよ。多忙ゆえ、ほんの一瞬本来の使命を忘れることは、どの審神者や刀剣男士にだってある事です。」
    その言葉にホッとしていると、管狐は最後に「勿論、長期に渡って忘れ続けた場合、それ相応の処分が下されますが……」と小声で物騒な事を付け足してくる。
    「その上でもう一度お尋ねしますが、お二方は揃って対大侵寇強化プログラム・序盤の終わり頃、頭の中が猫だったのですね。」
    「はい」「ああ」
    審神者と大典太は観念したように同時に頷いた。
    「でも、頭の中が猫でいっぱいだったからって、何でこんな事に…?」
    審神者は、まだ晴れない疑問をこんのすけにぶつける。
    「刀剣男士が、なぜ人間の男性の姿をしているかご存知ですか?」
    審神者は黙って首を横に振った。
    「それが、戦をする上で最も適した姿だからです。刀剣の持つ過去の物語と、歴史を護る戦いへの意思に、審神者の思いが重なって、それぞれの刀剣男士の姿になるのです。」
    審神者がへぇ〜と感心していると、管狐は小さく(養成学校で一番最初に習っている筈なのですが)と付け加える。
    「ですから、実のところ同じ刀剣男士でも、本丸ごとに個体差がある、というのは有名な話ですよね。」
    「ああ、他所の本丸にはHBBをやる俺がいると聞き及んで真似事をしてみたが、舌を噛んで終わったな…」
    言わなければ誰にも知られずに済んだものを、わざわざ自己開示してくる大典太の言葉を聞きながら、審神者も確かに「個体差」は存在するのだろうな、と納得した。
    「性格の個体差は有名ですが、実は見た目にもそこそこの個体差はあります。」
    その話は初めて聞いたが、確かに演練で当たる他本丸の大典太光世は、微妙に自分の本丸の大典太さんよりゴツかったり、細かったり、強面だったり、爽やかだったり、妙に色っぽかったりと、意外とバリエーションが豊かな気はする。勿論、他の刀もだ。
    「その個体差の所以は、主の思いによるところが大きいのです。」
    審神者は納得しかけたが、
    「ちょっと待って?だったら、うちの本丸の男士、全員猫になってなきゃおかしくない?」
    と慌てて突っ込んだ。
    「刀剣男士の姿、形は、主の思いだけで決まるものではありません。大体、主の思いだけで姿形が決まってしまうのであれば、岩融の見た目をした村雲江だとか、日本号の見た目をした山姥切長義が存在してもおかしくない事になってしまいます。」
    それは…確かに嫌だ。
    「あくまで、刀剣男士本刃と審神者の思いの中間地点に、刀剣男士の姿形はあるのです。」
    よく分からないが、とにかく、男士のセルフイメージと、審神者の思い描く男士の姿の間くらいの姿で刀剣男士は顕現される、という事らしい。
    たまたま今日は、大典太さんとの間でそれが「猫」で一致したということだろう。
    でも、だとしたらまだ飲み込めない部分がある。
    「あの状況だったら他に猫になりたいと思っている刀がいたって全然不思議じゃないけど、何でその刀達は猫にならなかったの…?」
    「猫になりたい刀」と言った瞬間、一文字一家が一斉に赤面して、審神者から目を逸らしたように見えたのは気のせいではないだろう。
    「何で大典太さんだけ…」
    「これはあくまで推測の域を出ませんが、この本丸の大典太光世さまは、主さまの願いを叶えたい、という気持ちが極端に強い刀でいらっしゃるのでしょう。」
    言われてみれば確かに「金沢出身なら梅好きでしょ!梅札で来る筈!いや、むしろ梅札で来い!」と言いながら梅札を使って鍛刀したら来てくれたし、そこそこ良い馬に乗らせて出陣させれば、一振で誉を取り続ける。大侵寇以前は疲れている所を見た事がなく、いつ、どんな時でも出陣に応じてくれる。その結果、たったの1日で「特」が付き、顕現から1ヶ月そこそこで練度は90を超えた。こんな練度の上がり方は、この本丸では前代未聞だ。
    全ては、望みを叶えるため…。
    「つまり、大典太さん自身が猫になりたくて、私も猫を望んでて、大典太さんが猫を望む私の希望を叶えたいと思う気質だったから、条件がうまく重なり合って猫になった、ってこと?」
    「ええ、これはあくまで推測であると、重ねて強調はしておきますが…。」
    審神者とその場にいる刀は皆、一定納得した。
    「ところで…」
    お開きになりかけた所で、大典太はこんのすけに声をかける。
    「俺がまた、猫になってしまうような事はないのか?もし再発の可能性があるなら、阻止する方法は…」
    こんのすけはクルリと振り返り、
    「そのような聞き方をされる、ということは、可能性は非常に低いですね。審神者がどれだけ望んでいようと、刀剣男士ご本刃が望まぬ姿になることはできません。」
    大典太はホーッと安堵の溜息をもらした。
    「猫として過ごされるお時間、大変……大ッッッ変、お疲れ様でございました!」
    それまでのお役所仕事な口調から、一気に人間味のある、心の底から大典太を労るような口調に切り替え、深々と一礼すると、こんのすけは審神者の執務室を後にした。
    きっと、あいつも色々…それはもう、色々、あるんだろうな。
    大典太は、今までどちらかと言えば好感度の低かった管狐の背を、まるで歴戦の戦友の如き目線で見送った。
    今度、万屋に行ったら、油揚げでも買ってきてやろう。

    時は流れ、2回目の対大侵寇強化プログラムが終わりを迎えた日…
    洋僧衣カソック型の戦装束が、本丸の床に乱暴に脱ぎ捨てられていた。
    その戦装束は、一見持ち主を失ったかに見えたが、しばらく経つと胸の辺りがモソモソと動き、
    「にゃ…?ふなぁう…。」
    首の所から、毛艶のよい一匹のシャム猫が、ピョコンと首を出した。
    猫は、綺麗なアメジスト色の瞳でキョロキョロと周囲や自身の四肢を観察すると、
    「な゛っっっ!!!ふな゛ぁぁぁぁぁああああああぉぅ!!」
    悲痛な雄叫びを上げながら、物凄い速さで本丸の廊下を一目散に駆けていった。

    【完】
    _c_a_r_r_0_l_l_ Link Message Mute
    2022/06/18 11:18:12

    人生に一度の「スーパーウルトラ猫の日」に支部に上げたものの再掲となります。

    朝の10時に気付き、構想2時間、執筆4時間で一気に書き上げました。
    そのため、色々と荒いかもしれません。
    タイトルは、今流行の同名曲から…なのですが、あんな切ない内容じゃありません。むしろ、しょーもないギャグです。
    大典太さんメインですが、そこそこ色んな刀剣男士が出ます。

    注意
    ・大典太さんの猫化(割とガチめの猫化)
    ・典さに要素は薄め
    ・ちょいお下品
    ・刀剣男子の容姿と個体差に関する独自設定あり

    途中「真剣必殺も見たことない」という審神者の叫びが出てきますが、執筆当時の私の心の叫びです。
    お正月の期間限定鍛刀で顕現してから、練度94になるまで真剣必殺を回収できなかった彼ですが、これを書いた直後に出陣させたら真剣必殺を見せてくれました。
    ほんと、大典太さん、マジ…
    #典さに #女審神者 #大典太光世 #刀剣乱夢 #刀×主 #刀剣乱舞

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    • 三池書店③ 中編(下)※支部再掲

      【対バン】
      対バン(たいばん)とは、ライブイベントにおいて複数の出演者が入れ替わる形でステージに立ち、共演すること。
      いわゆる「バンドもの」においては、ほぼ「タイマン」と同義。語感も似てるし。

      古書店店主の大典太さんと、そこでボランティアしてる審神者ちゃんの現パロ。エア嫉妬回です。
      現時点での二人の関係性は両片想い。

      今回も、セトリの元ネタにした曲はTwitter固ツイのツリーに。
      デスボやシャウトの多用されるうるさい音楽に抵抗ない方は、聴きながらお読み頂くとより楽しめるかもしれません。
      なお、当該楽曲の動画のコメント欄やアーティスト様へのリプ等で、このシリーズについて言及したり、匂わせたりする発言は引き続き禁止させていただきます。
      (そういった行為が見受けられ次第、前作共々元ネタ公開は中止いたします。)
      
注意点

      このお話には以下の内容が含まれます。

      ・転生世界線現パロ(全員過去の記憶ナシ)
      ・転生後の一部刀剣が過激なメタルバンドやってる
      ・夏場パンイチで寝る大典太光世
      ・自己肯定感低すぎてストーカーや不審者に気付かない審神者
      ・全力で嫌な奴ムーブかましてくる燭台切
      ・名実共にドMな亀甲
      ・(あくまでパフォーマンスとして)BLっぽい演出を取り入れる鋼音メンバー

      上記の通り、地雷原・完全自分需要の設定ですが、それでも良ければご覧ください。
      あと、作中で大典太さんが中々にヤバい飲み方をしてますが絶対に真似しちゃいけません。死にます。マジで。


      合わないと思ったらブラウザバックでお願いします。
      #典さに #女審神者 #大典太光世 #刀剣乱舞 #刀剣乱夢 #現パロ
      _c_a_r_r_0_l_l_
    • 三池書店①※支部再掲

      転生世界線現パロの典さにです。
      転生と言いつつ、全員過去の記憶はありません。
      古書店店主でインディーズメタルバンドのベーシストをやってる大典太さんと、近くの大学に通う審神者ちゃんの出会いの話。
      個性強めの女審神者が出てきます。
      続き物なので、まだ恋愛描写はありません。

      上記の通り、完全自分需要の設定ですが、それでも良ければご覧ください。
      合わないと思ったらブラウザバックでお願いします。
      #女審神者 #大典太光世 #典さに #刀剣乱舞 #刀剣乱夢 #現パロ
      _c_a_r_r_0_l_l_
    • 三池書店②※支部再掲

      前作への「いいね」「ブクマ」ありがとうございます!!
      お陰様で続きました。

      古書店店主でインディーズメタルバンドのベーシストをやってる大典太さんと、近くの大学に通う審神者ちゃんの話。
      前作読んでなくてもキャラ紹介見れば大体内容分かると思います。
      大典太さんに無自覚片想いをしてる審神者ちゃんが、三池書店でボランティアを始めるお話。

      注意点
      このお話には以下の内容が含まれます。
      ・転生世界線現パロ
      ・転生と言いつつ、全員過去の記憶ナシ
      ・転生後の一部刀剣が過激なメタルバンドやってる
      ・ツール変換ほぼそのままの博多弁
      ・解像度の高いクソ客

      博多くんの台詞はこちらのツールで変換したものをそのまま使っています↓
      https://www.8toch.net/translate/
      違和感があった場合、コメントかTwitterで「こういう言い方の方が自然だよ」と教えて頂けると非常に助かります。。。
      #典さに #女審神者 #大典太光世 #刀剣乱舞 #刀剣乱夢 #現パロ
      _c_a_r_r_0_l_l_
    • 三池書店③ 中編(上)※支部再掲

      審神者ちゃんが「懲役一週間」と自称する帰省から帰ってきて、最推しバンド「重金属凶奏隊 鋼音−HAGANE−」のライブに行くお話。
      詳しくは、1ページ目の登場人物紹介にて。

      セトリの元ネタにした曲は、Twitterの固ツイのツリーにぶら下げております。デスボやシャウトの多用されるうるさい音楽に抵抗ない方は、聴きながらお読み頂くとより楽しめるかもしれません。
      なお、当該楽曲の動画のコメント欄やアーティスト様へのリプ等で、このシリーズについて言及したり、匂わせたりする発言は禁止させていただきます。
      (そういった行為が見受けられ次第、元ネタ公開は中止いたします。)

      
注意点

      このお話には以下の内容が含まれます。

      ・転生世界線現パロ(全員過去の記憶ナシ)

      ・転生後の一部刀剣が過激なメタルバンドやってる
      ・若干の毒親匂わせ描写あり



      上記の通り、地雷原・完全自分需要の設定ですが、それでも良ければご覧ください。
      
合わないと思ったらブラウザバックでお願いします。
      #典さに #女審神者 #大典太光世 #刀剣乱舞 #刀剣乱夢 #現パロ
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    • 三池書店③ 前編※支部再掲

      前作までを読んでなくても、キャラ紹介見れば大体内容分かると思います。
      大典太さんが満を持して審神者ちゃんをお出かけに連れて行きます。
      関係性は「両片思い未満」です。

      注意点
      このお話には以下の内容が含まれます。特に下二つは、苦手な方ご注意ください。
      ・転生世界線現パロ
      ・転生と言いつつ、全員過去の記憶ナシ
      ・転生後の一部刀剣が過激なメタルバンドやってる
      ・転生後の一部刀剣に彼女や妻子(名前アリ)がいる
      ・年齢操作
      ・若干の下ネタ
      ・DVやモラハラ被害を受けた人の描写
      ・いじめの描写

      下二つの描写のクリーン版が読みたいという方がいらっしゃいましたら、コメント/マシュマロ/TwitterのDM等でお気軽にご相談ください。
      時間はかかってしまうかもしれないのですが、ストーリーに影響を与えない範囲で、可能な限り配慮したバージョンを上げさせて頂きます。

      上記の通り、地雷原・完全自分需要の設定ですが、それでも良ければご覧ください。
      合わないと思ったらブラウザバックでお願いします。

      #典さに #女審神者 #大典太光世 #刀剣乱舞 #刀剣乱夢 #現パロ
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    • 三池書店③ 前編 Epilogue※支部再掲

      前作まででリアクション下さった皆様、ありがとうございます!

      大典太さんと審神者ちゃんが、海辺のドライブを満喫して、いつもの街に帰って来たところから始まるお話です。

      関係性は「無自覚両片思い」というか、「お互いにあえて自覚するのを避けている両片思い」。
      基本的にどの回も、登場人物紹介を見れば分かるように書いているのですが、この回に限っては前作のおまけ(蛇足?)的な内容となっております。
      そんな訳で、できれば前作読んで下さっていること推奨……なのですが、下記「注意点」にも書いた通り、前作の雰囲気を壊しかねない若干の下ネタを含みます。
      当該場面は6ページ目です。苦手な方は飛ばしちゃって下さい…。



      注意点

      このお話には以下の内容が含まれます。

      ・転生世界線現パロ

      ・転生と言いつつ、全員過去の記憶ナシ

      ・転生後の一部刀剣が過激なメタルバンドやってる

      ・転生後の一部刀剣に彼女や妻子(名前アリ)がいる
      ・若干の下ネタ(おっぱいとかAVとかに言及する場面)あり



      上記の通り、地雷原・完全自分需要の設定ですが、それでも良ければご覧ください。
合わないと思ったらブラウザバックでお願いします。
      #典さに #女審神者 #大典太光世 #刀剣乱舞 #刀剣乱夢 #現パロ
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    • 三池書店③ 前編 Prologue※支部再掲

      古書店店主でインディーズメタルバンドのベーシストをやってる大典太さんと、大典太さんのやってる古書店でボランティアをしてる大学生審神者ちゃんの話。
      前作までを読んでなくても、キャラ紹介見れば大体内容分かると思います。
      この訳の分からないタイトルは、想定していた以上に全体のボリュームが出てしまい、泣く泣く分割した結果です。(一回タイトルを連番にしてしまったので後には引けない感)

      注意点
      このお話には以下の内容が含まれます。
      ・転生世界線現パロ
      ・転生と言いつつ、全員過去の記憶ナシ
      ・転生後の一部刀剣が過激なメタルバンドやってる
      ・転生後の一部刀剣に彼女や妻子(名前アリ)がいる
      ・転生後の一部刀剣がキャバクラ行ったりする(※下心はナシ)

      作中で、ソハヤが生物学部をdisるような発言をしますが、生物学部出身の筆者による自虐であり、差別的な意図は一切存在しません。
      生物学部には、Gとか内臓とか、そういった一般人から理解されづらいものを、心の底から「可愛い」と称する人間がマジで一定数存在します。少なくとも私の出身大学ではそうでした。

      上記の通り、地雷原・完全自分需要の設定ですが、それでも良ければご覧ください。
      合わないと思ったらブラウザバックでお願いします。
      #典さに #女審神者 #大典太光世 #刀剣乱舞 #刀剣乱夢 #現パロ
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