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    呼んで、呼ぶな12341
     それは特別な呼び名で、希望にも絶望にもなる。



     愛造小学校の登下校する道順から少し外れた所に、その河川敷はあった。一角では草むらがよく茂り、不法投棄されたゴミの山が隠すように積まれていた。
     放課後、時折羊田はランドセルを背負ったままそこへと赴く。誰からも見捨てられたゴミに埋もれるのが好きだった。無用だと言われ、忘れ去られて可哀想にも思えるが、羊田は羨ましくもある。
    (ここは寂しい場所だけど、静かだから)
     ――己の胸元に潜む赤い石。これは、神に選ばれた証だ。いつも身に着けておくようにと渡された。この赤い石のネックレスに、この世界を素晴らしいものへと導いて下さる神が宿っているという。神の声を受け取れる者は誇らしいと言われたが、羊田は未だに喜べない。延々と続く声により、いつしか静寂を求めるようになっていた。そして、何故かここに来ると僅かに気分が和らぐ。だから、こうして啓示から逃れられる一時が嬉しい。こんなことを思うのは罰当たりでも、今だけは静かな時間であってほしかった。
     羊田は足元へと視線を向ける。散らばっている、空っぽのペットボトルをいくつか拾い上げた。それから、意味も無くペットボトルを煉瓦の上に並べる。本当に無意味な暇潰しだ。求めるものはこの静かな時間だけで、別にやりたいことも無い。そもそもゴミがあるだけなのだから何もやれない。
     それにしても、最近少しだけ気になることがある。草むらに置いていたはずの古いバケツが川の方に移動していたり、一か所にまとめておいたはずの空き缶が散らばっていたり、ゴミの配置が変わる時がある。今もそうだ、煉瓦の上に数本のペットボトルを並べたのは一昨日のこと。それに、煉瓦が高く積まれているような――その時、がさがさと草むらが大きく揺れた。警戒するよりも先に、小さな影が転がるように出てきた。その人影は目を見開き、思い切り人差し指を羊田へと向ける。
    「あー! お前だったのかよ!」
     いきなりの登場と大声に羊田は驚き、ペットボトルの列を倒す。中身は空っぽなので大惨事にはならないが、煉瓦に当たったり地面に落ちたり、からんからんと騒がしい音が立つ。ただ、ゴミの山のあちらこちらを走り回りながら「うわー!」とか「えー!」とか叫ぶ男の子の方が賑やかで、ペットボトルが倒れたことなど気にしなかった。
    (この子は……)
     赤いマフラーと手袋をつける男の子。同じクラスの、確か――いぬかいけんし。狗凱。難しい漢字を使う苗字にぼんやりと見覚えがある。一度も喋ったことは無いけれど、昼休みには男子達とヒーローごっこをしている、そんな子だと思い返す。
     固まる羊田の心情など知ったこっちゃない、そんな勢いで狗凱は堂々と話を続けた。
    「この前来た時、基地の上に変なモン置いてあったから、誰かいじってんなって思ってたんだよ。へー、お前が犯人か」
    「……基地?」
    「これだよ、これ! 俺が作ったんだぜ!」
     そう言う狗凱は大きく腕を広げ、辺りに散らばるものをアピールした。でも、ただのゴミだらけだ。二段重ね、三段重ねにされている煉瓦。汚れた三角コーン。へこんだドラム缶。今、羊田自身が倒したペットボトル。他にもたくさんのゴミが散乱している。
     羊田の頭上には相変わらず疑問符が浮かんでいた。お互いの認識や意図を確かめ合うことが先決だろうに、狗凱は自分にとっても疑問符を増やすことばかり言う。
    「でさ、何で基地の上にペットボトルなんだよ? こーゆーとこにはロケットとか置くだろ、フツーはさ!」
    「え……?」
    「ヒーローがさぁ、シュツドーする為に! ……ロケット? あー、何だっけ、センカン? とか、ほら、とにかくキンキュージタイの時のやつ! 乗って街に行って、そんでヘンシンして、怪獣と戦うんだよ。でな、それから――」
    「……」
    「それから……」
     熱弁する自分に相手は口を挟めず、自分は延々と喋り続ける。そんな状況に気恥ずかしくなったのか、狗凱はようやく口籠った。何気無い態度を装いながら、羊田が倒したペットボトルの一つを拾う。
    「……でもまあ、ペットボトルも悪くはねーな。なんか、塔にするか。敵が入ってこないように見張る所。基地の上じゃなくて横に置いてさ。な、それでいいよな?」
     許可を取っているつもりなのだろうが、ほとんど有無を言わせない気がした。そもそも彼の言う「基地」が何なのか分からないし、この狗凱という男の子と出会った展開にまだついていけないので、羊田には逆らおうという意思が無かった。
    「うん……。それでいい」
    「そーだよな!」
     とりあえず頷く姿を見た狗凱は見るからに満足した。勿論その返答しか待っていなかったのだ。それから羊田に近付いてしゃがみ込み、乱暴に地面へと置いたランドセルからカラーテープとはさみをを取り出した。拘りの装飾なのか、器用にぺたぺたとカラーテープをペットボトルに貼り始める。見る見るうちにカラフルな監視塔として出来上がったものを早速並べていく。
     そのこなれた手付きを、羊田は黙って見ていた。折り紙も上手なのだろうか……何となくそんなことを考える。すると、色とりどりのカラーテープが乗せられた手が目の前に突きつけられた。軽く肩を跳ねさせた羊田に、「ほら、やれよ」という言い方は悪気無く荒っぽい。
    「お前はそっち側の塔担当な。好きな色使っていいぜ」
     赤色、青色、緑色、黄色、茶色……どのカラーテープも厚みは減り、多用されていることが分かる。羊田は恐る恐る受け取った。全然関わったことの無い男の子と、何故か当たり前のように図工の授業を始めている。いつもとはまた違う、変な気分だ。塔の何たるかは分からないが、それでもテープを切り、思うがままにペットボトルに貼りつけてみる。……これでいいのだろうか。そっと隣を窺うと、彼は自分の作業に夢中らしく、巻き込んだ羊田のことなど忘れているかのようだ。
     そこで、羊田は改めて辺りを見返す。ああ――どうして今まで分からなかったのだろう。ゴミの山を見渡せば、何か意図的な配置を感じるし、星や丸といった目印がゴミの片隅に書かれているし、落ちている長短の木片同士を釘で繋げたものは手作りのナイフか、あるいは手裏剣なのかもしれない。そう、ここには彼も来ていた。たまたま顔を合わせたことが無かっただけで、二人はお互いに別々の街を作っていたのだ。
     最初は狗凱の空気に飲まれていた羊田も、気がつけば塔作りに耽っていた。五本目のペットボトルが監視塔へと変貌を遂げた時、横から「ふーん、結構いいじゃん!」と感嘆の声が飛んできた。そちらへと視線を移すと、しばらく観察でもしていたかのような体勢の狗凱と目が合う。
    「……本当?」
     一瞬、羊田は褒められたことを呆気に取られた。初めての塔作り。これは正解なのか。図工の授業でもこんなに試行錯誤したことは無かった。よく分からないが、段々と嬉しさが込み上げてくる。
     狗凱は羊田作の監視塔を受け取り、まじまじと眺め、背伸びがしたいのか評論家のような口振りで採点する。
    「おう。その茶色いテープ、えーと……オモムキ、みたいな? 味があるっつーか……とにかくいいよ」
     そして、「基地」と呼ぶ三段重ねの煉瓦の横にそれを置いた。羊田は知らなかったが、ずっと基地の側にいたらしい。この基地はたくさんのヒーローが集まる拠点で、街に怪獣や悪者が現れた時、ここから素早く出動する。ヒーローを取り締まる偉い人や、ヒーローの武器を発明してくれる博士がいて、実はスパイも紛れ込んでいるらしい。敵は物凄く強い。それでもヒーローは必ず勝つ――狗凱はとにかく喋りたくて堪らない様子で、ぐちゃぐちゃな言い回しをする。そこから羊田は狗凱が語るヒーローの物語を汲み取り、聞き入った。初めて聞いた、知らない世界。神が語る世界とは別物だ。神は素晴らしい世界を作ってくれると教えられた。なのに、羊田の胸を響かせたのは、自分の力で戦う格好良いヒーローの方だった。
    「……あ、でもさ、俺の塔の方がセンスあるだろ? この赤いのがヒーローのモンショーと合ってるし、緑なのはジャングルに紛れる為のカムフラージュってやつ」
     最後まで意気揚々と言い切ると、狗凱は自分の監視塔を基地の横に置いた。羊田の監視塔と向き合うように。お互いに気の向くまま、コンセプトを合わせて作ったわけではないので、当然ながら色合いはちぐはぐだ。それも何となく面白い。図工の授業とは違う、自由な光景が出来上がっていた。
     長い間丸めていた背中を解すように、狗凱は大きく伸びをした。そして改めて羊田と向かい合う。
    「お前はまだまだセンスが足りねーな。明日も来いよ。俺、トンカチと釘と紐持ってくるから。やっぱさ、センカンとか作りてーじゃん。お前も使えそうなのあったら持ってきてくれよ」
     と、羊田の言い分など全く聞かず、とんとん拍子で予定を埋めた。それに流されていると羊田が理解したのは、狗凱がカラーテープとはさみをランドセルに仕舞い、帰り支度を始めた頃で、「え」と声を漏らすのが精一杯だった。確かに明日は何の予定も無いけれど、あった時にはどう遮ればいいのだろう……。
     それなのに、羊田は不思議と抵抗感を覚えなかった。己の身に宿る神の声を掻き消してくれるほどに、無邪気で強引な彼の明るさが心地良かった。
     だから、自然と応える。
    「……分かった。持ってくる」
    「よし。これからはよ、一緒にヒーローの街作ろうぜ!」
     まるで生まれた時から遊んできた仲間のように、二人はガラクタの街を夢見た。ここにはたくさんの宝物で溢れている。使っても使い切れないほどの資材。誰にも邪魔されない子供だけの時間。今まで考えたことも無かった、ヒーローという存在。
     その時の羊田は、自分が心から笑っていることに気付かなかった。

     やがて、ガラクタの街が完成した頃、ようやく狗凱は羊田の名前を訊ねた。訊ねておきながら「メリー」と呼んだ。苗字から単純に連想された、子供が子供につけたあだ名。自分の存在意義――「神の依代」などという大層な肩書きとは違う。
     それは羊田にとって、自分をどこにでもいる普通の人間だと肯定してもらえた証だった。
     同時に、神の呪いによる別れの始まりの合図でもあった。


    2
     五時間目の授業は体育。運動場ではクラスメイトがサッカーに励んでいる。何度も響くホイッスルの音と、一気に給食を食べ終えるタイプの男子達の声。吹く風が心地良い季節に似合う、賑やかな一時が繰り広げられているらしい。
     その中で、羊田だけが教室に残っている。具合が悪い。体育教師に告げると、見学も止めておきなさいと教室での待機を促される。羊田は体調不良に悩まされることが多くなった。「あいつは体育が嫌いだからサボってる」という陰口すら最早堪えない。
     ただ、これだけの思いで日々を過ごしている。
    (今日は、剣獅君と……)
     河川敷に行きたいだけなのに――羊田のささやかな楽しみを踏みにじるように鳴り響く神の啓示。いや、警告かもしれない。胸元に隠す赤い石をちらりと覗けば、その視線に勘づいたのか、ぎらりと光る。
     ――私の声に従え。あれは無用だ。
     ――私を産み落とせ。あれは無用だ。
     ――私に生贄を捧げろ。あれは無用だ。
     ……駄目だ。気晴らしの読書にも手がつかない。本を机に置いたまま、ぼんやりとその表紙に目を落とす。可愛い子犬が男の子に抱き締められている絵。捨てられた子犬が優しい家族の元に迎え入れられる話。幸せで温かい読み物のはずなのに、どうしてか羊田の心は冷えていく。現実味が無いように思えた。自分の中にいる神は、自分を苦しめる神は、本当にこんな世界をも作ってくれるのだろうか。願わくば静寂と平和に満ちてほしい。それなら、ヒーローが、ヒーローの手で……。
     ふと、廊下側の窓に映る人影が羊田の視界に入った。その人影は教室の前で立ち止まり、がらがらと扉は開かれ、初老の男性教師が入ってくる。彼はこのクラスの担任であり、名を猿渡という。座り込む羊田の側に歩み寄り、優しく名前を呼んだ。羊田は猿渡の方を少し見て返事をし、それからまた俯く。
     憂うその子が抱える強大なもの――猿渡はそれを知っていた。羊田の前の席に座り、大切な生徒を思いやる口調でゆっくりと話し始める。
    「気分が優れないんだってね」
    「……」
    「神様のお告げかい?」
    「……はい」
     頭の中で鳴り止まない、現界を望む声。ある日、これについて真っ先に相談した相手は、この優しい担任の猿渡だった。子供の戯言として流すこともなく、柔らかな物腰で自分を慮り、受け入れてくれる姿は、羊田にとって救いの手としか言い様がなかった。そして、告げられたのだ。「それは神様の声なんだよ」と。未だに神という存在を思い描けないまま、彼の開く朗読会の一員となっている。そこで聞かされるのは、神が作ってくれる理想郷の話。
     自分は本当に救ってもらえたのか、今では分からない。本当に救ってくれたのは――
    「神様の声が聞こえるのは、君が神様に認められ、依り代として選ばれた証。聡い君だからこそ、神様もお気に召されたんだ。この世を素晴らしいものにしようという使命が、君には託されているんだよ」
     自分の諭告が羊田に響かないことを猿渡は自覚していた。落ち込むこの子を宥める為に口から出る台詞はいつも同じ。だが、より良い世界を作る為には、ささやかな犠牲が必要だ。そう、ささやかに留めておく。子供は知らなくていい。
     羊田の中で強く湧き起こる気持ち。言いたい。神に選ばれたのだとしても、自分には自分の意思がある。自分は、ただの「メリー」だ。
    「……先生、私……私は、遊びたい……」
    「お友達のことだね」
     絞り出した羊田の言葉を、猿渡は柔和な声色で瀬切った。驚いた羊田が猿渡に向き直ると、何とも困り顔をしている。その様子から、今まで誰にも言わなかったはずの――二人で築き上げたガラクタの街のことを、既に見透かされているのだと羊田は理解した。
     猿渡の真っ直ぐな視線が赤い石を捉える――そこに彼は彼自身の理想郷を見ていた。
    「神様は何でもお見通しでね、先生に教えてくれたんだ。もうあそこに近寄ってはいけないよ。いいかい、君は神様のことだけを考えて、信じなさい。お友達は……彼は無邪気な夢を見ているんだ。年相応のことだから、それは責められない。だがね……君は、彼とは違う。理想郷を自分の手で作れる力があるのだから」
     猿渡は名前も場所も具体的には言わなかった。だが、確実に知っている。いや、猿渡ではない。神だ。神は常に自分を見ている。そう思うと、神の声を聞き続けてきた羊田は、今更ながらに震えた。
    「……さあ、今日の放課後は朗読会だ。鼠谷には言っておいた。豊基は猫山が引っ張ってきてくれるだろうけれど、忘れていそうなら一声かけてあげなさい。君の体調が悪いから、いつもより早めに切り上げよう」
     羊田の答えを聞くつもりは無い背中を向け、猿渡はその場からいなくなる。優しく、声を荒げず、強引だ。
     羊田の中で狗凱が過る。彼は……彼も、あまりにも強引で、彼のペースに巻き込まれてばかりだった。二人の拘りの建築は時に噛み合い、時に食い違い、それでも共にガラクタを積み上げた。とにかく響きの良い単語なら、日本語も英語も造語も使って必殺技を叫んだ。傷だらけになり、泥だらけになり、疲れても止まらなかった。ヒーローの話を語り合った。静けさを求めていたはずの場所が彼と出会って以来騒がしく、楽しかった。知らない間に沈んでいく太陽が恨めしい、そんな楽園だった。
     また一人きりになった羊田の視線は、自然と狗凱の席へと向いた。普段着と共に放り出されている、赤いマフラーと手袋。あれは彼の証。彼にとってあれが無用になることは無い、捨てられることは無い。そう、信じている。

     温厚な教師だった。豊かな知識を持ち、世界を素晴らしいものにしたいという高徳な理想を抱く人格者だった。その理想を子供達にも受け継いでほしいからと、自分の探究心を人の為に捧げる男だった。そして、正義の為に子供を利用する大人だった。
     ――あの頃何が起きたのか、羊田もはっきりとは覚えていない。ただ、突然豊基が朗読会に来なくなり、豊基と猫山の仲が明らかに変わってしまった。険悪になった……そうとすら言えない、まるで最初から何も無かったみたいに。友人が鼻から牛乳を飲もうとしても、それを止める猫山はいない。止めてくれる友人がいるとは微塵も思っていないように、豊基は全力で給食中にふざけた。他人と化したクラスの人気者とお調子者。そんな二人に疑問を抱く素振りの無いクラスメイトが、一番奇妙だった。
     猿渡の顔にも薄暗さが過るようになった。羊田がそれについて気遣うも、「いいんだ、君は気にしなくていい。とにかく神様の声を聞いていなさい」としか言われない。そう言われようが言われまいが、神は同じ言葉ばかりを繰り返す。
     羊田は河川敷に寄らず、狗凱との会話も避けた。学校で目が合う度、日曜日の朝の特撮番組について吹っかけられそうになる度、自作ヒーローの絵が描かれたノートを見せられようとする度、「おい、メリー!」と呼びかけられる度、羊田の心は破裂しそうになった。切なくて堪らない。胸元の赤い石を握り締め、曖昧な言い訳をして教室から逃げ出すしか出来なかった。
     そのすれ違いが何度かあってからは、二人の間にも距離が生まれた。狗凱は羊田に話しかけなくなった。


    3
     小学校を卒業した。中学に進学すると、狗凱は悪い意味で目立ち始めた。校則違反だと怒られても赤いマフラーと手袋をつけ、ヒーローのフィギュアを学校に持ってきては教師に没収され、返してもらってはまた持ってくるということを繰り返し、授業中には色んなデザインの剣や盾、スーツの絵を教科書にもノートにも描いていた。
     狗凱と羊田は同じ中学に通っていたが、交流はすっかり途絶えた。河川敷がどんな光景になっているのか、狗凱が今も入り浸っているのかさえ羊田には分からない。近付けば神の呪詛に苛まれる。自分だけが苦しむならまだしも、もしかしたら彼にまで害が及んでしまうのではないか――不安は羊田の行動を広い範囲で制限させた。それでも……狗凱の背中や横顔を遠目から見ていた。昔、二人だけで築き上げた、ヒーローと怪獣が戦うガラクタの街を思い出しながら。「メリー」と呼んでくれた、あの幼い声も。
     中学に入り、子供の時代が終わり始めたのだと羊田が感じたのは、狗凱に対する「あいつ、まだヒーローごっこなんかやってんのかよ」という呆れを何度も聞くようになってからだ。地元柄、羊田も含めて中学には同じ小学校に通っていたクラスメイトが多かった。少し前まで狗凱と特撮映画や戦隊モノの話で盛り上がっていた男子達は、いつからか「大人」へと進んでしまい、まるで彼は置いてけぼりにされたようだった。
     そして、狗凱が「カントク」と呼ばれることはすっかり定着していた。ヒーローなどという夢物語に耽り、ビデオカメラを持って校内や運動場を駆け、文化祭での催しにヒーローショーを提案し、映画制作の真似事をする。それがおかしいから、「カントク」と。ヒーローを追いかけるひたむきな姿が、数年前までは同年代から見て憧れにも似た思いで呼ばれていたはずなのに。
     いつの間にか揶揄の意味を込めてそう呼ぶクラスメイトが増え、羊田は悲しかった。悲しくて、それから……嬉しかった。
     ――私が信じるヒーローは変わらず、今もいる。ずっと、ずっと、ヒーローはいる。側に姿が見えなくても、言葉を交わすことが出来なくても、ヒーローは必ずいる。あの河川敷でガラクタを積み上げた記憶は幻なんかじゃない。古雑誌を裂いて船や飛行機に折ったことも、ドラム缶を転がしてタワーに見立てたことも、穴が開いたタイヤを怪獣の根城にしたことも、煉瓦を並べてヒーローの基地にしたことも、算数のテストが難しかったとか、給食に嫌いなものが出たとか、たくさん喋ったことも、私の願いも、二人で約束した夢も。
     例え彼が「大人」になったとしても、羊田は信じている。記憶は薄れるし、掠れるし、色褪せてしまうものだけれど、欠片は残っているから。自分の中に宿る神なら、彼との思い出なんて簡単に消してしまえるだろうに、それをしないのにも理由があるはずで、きっと……その時は来ると、羊田は予感する。
     中学を卒業した後、狗凱は隣町の高校に入ったらしい。それから彼がどんな日々を送ったのかは想像もつかない。羊田はそれ以上進まず、家事手伝いの傍らに猿渡の元へと通い、相変わらず神の依代をこなした。やがて「シープ」という別の人格を与えられ、生贄を探すことが仕事となった。その数年後、姿を消す前の猿渡から真実を告げられたが、最早羊田に怒りは無かった。心のどこかで渦巻いていた長年の違和感が晴れた気持ちよりも、やはり自分には正しく裁かれる道があるのだという救いに縋れた。
     どんなに苦しくても、あの子供時代の思い出を忘れなければ頑張れる。その日まで――ただ一人だけ、「メリー」と呼んでくれた、あの声に再会出来る贖罪の日まで、生きていこう。



     ヒーローはいつだって正義の味方。弱い人を助け、悪者をやっつけてくれる。
     格好良くて、熱くて、がむしゃらで、勇気があって、強くて、打ちのめされても立ち上がる。
     だから私は託す。身勝手でも、独り善がりでも、私は彼に最期を託す。
     私が信じる、私だけのヒーローに、私に止めを刺してほしい。
    「お願い。この石を、壊して……」
     剣獅君、罪と嘘だらけの私を殺して――



    「どうだ羊田ァ! これがお前の理想かァー!?」
     ――彼が何度も何度も私の理想を問いかけてくれたから、私は生きる道を選べた。
     私の理想。もう二度と彼の声が聞けないなら、せめて平和で静かな世界にしてほしかった。神様の声から逃げたくて。神様の声なんかを拾って、神様の手伝いをしてしまった私が死ねば、みんなが救われると思って。私は……解放されたかった。
     でも、あの頃を忘れてしまっていたのは私の方だったのかもしれない。私の理想は――夢は、彼と夢見たヒーロー映画を作ること。
     私には自分だけで何かを作り出す力なんて無い。だって私はただの人間で、私はただの「メリー」。多分、剣獅君も一人では出来ないと思う。あのガラクタの街は一緒だったから築き上げられたように。
     私は、二人でだからこそ作り出せることを今からでも始めたい。罪が確かなものなら、あの子供時代の思い出だって同じ。贖罪と理想を抱えながら生きていこう。
     私は誓う。私を救ってくれた、私だけのヒーローに。


    4
     小さなスタジオ内は今日も慌ただしい。スタッフが次の次までの段取りを確認し、衣装係がヒーロースーツに破れや汚れが無いかを確認し、音響機材のテストで様々なBGMが流れ続ける。
     そのスタジオ内の奥に、この自主映画製作チームのリーダーと呼ぶに値する男と女が――狗凱と羊田がいる。一見すると作業机の前で突っ立っている狗凱だが、実は物凄い速さで手にある鉛筆を動かしていた。高い背丈の為か、どんな机に向かっても大体こうやって丸めてしまう。立とうが座ろうがどうせ猫背になるし、すぐに動き出したい時の為にと狗凱は立ちっ放しでいることが多い。
     羊田は別の作業机にいた。資料集を作っている。インターネットに深く関わっていた経験もあり、情報の見定めや使い方は狗凱よりも長けていた。作品の参考に繋がるようなものを探し、些細なことでも記録しておく。これが狗凱の、観る人が楽しめる物語の役に立てるなら嬉しい。
     二人の側に数人のスタッフが駆けてきた。丸められた背中に声が投げかけられる。
    「あ、監督、この道具直したんですけど、どうします? 次のシーンで使いますか?」
    「使う!」
    「ちょっとちょっと監督、昨日言ってた台本と辻褄が合うか分かんない箇所見つけちゃって。一応確認して下さいよ」
    「分かった!」
    「監督、後で打ち合わせいいですか? さっきヒーロー役と喋ってて、出してくれたアイデアが面白かったんで」
    「気になるから待ってろ!」
     簡潔に粗雑に返答する狗凱に、スタッフは苦笑いをして立ち去っていく。あんな言い方でも狗凱がちゃんと話を聞いており、言った通りに事を進めてくれると分かっている。中途半端な形で活動休止にしていたチームだったが、狗凱なりに改心して打ち解けられたのかもしれない。勿論、フォロー役として羊田の存在はあまりにも偉大である。
     散らばる資料を整頓する羊田も、相変わらずの狗凱に少しだけ笑った。それを読み取ったつもりは無いのだが、狗凱は「メリー、ちょっと来いよ」と当たり前のように呼びかけた。顔も向けず、ちょいちょいと片手を振るだけなのに、その通りに来てくれる。無意識だが、狗凱は自分の側に羊田の気配があることを察知出来る節が見受けられる。
     作業机には何枚もの図案が広がっていた。描かれるのは様々な見た目の剣。乱雑にだが色も塗られている。細長く鋭い形もあれば、三日月のように反る形もあるし、岩を叩き壊せそうな形もあった。どれも狗凱の自信作だが、あれもこれも作るわけにはいかない。客観的な評価が欲しい。そこで、最も頼りになるアドバイザーがここにいる。
     狗凱の隣に立ち、図案を覗き込む羊田の雰囲気は明るくなった。まるで、ヒーローアニメで新しい武器が登場した回を観る子供みたいだ。狗凱は、こんな時に顔を綻ばせる羊田が好きだだった。もっと驚かせたいし、もっと楽しませたいし、もっと描きたくなる。あの頃、見せられないままに終わってしまった自作ヒーローのノート。そのノートに描いていたものから引っ張り出してきたりもする。そうやって、今までの分まで思い切り見せつけたい。
    「新しい剣のデザインだね」
    「ああ、次回作のストックにな。とりあえず思いついたんだけどよ……どうだ?」
    「私は……この、青がメインで、白い縦線が入ってるのが好き。でも、柄と装飾は黒にしてみたら? 次の作品、熱血じゃなくてクールなヒーローがメインでしょ? それなら細かい所に強い印象の色があったら、ギャップになって格好良いと思う」
    「なるほどな。あ、じゃあさ、こっちも見てくれよ。二刀流なんだよ、これ。二号の方が使うやつでさ、一本しかないと本気出せなくて、でも二本ちゃんと揃ったらめちゃくちゃ光ってよ、真の力発揮してすげー強いんだ」
    「うん、これもカッコイイ……。でも、片方は剣先がちょっと欠けてたらいいね。昔、強敵と戦ったせいで折れたの」
    「そんであれか、リベンジか。因縁に決着つけるんだな」
    「そう」
    「よーし、また描き直しておくわ」
     羊田の提案や助言を、その指摘通りの箇所に大きく付け足しておく。子供の頃、どちらかと言えば……いや、ほとんど自分のペースに羊田を巻き込んでいたと、狗凱は思い出していく。当時は当時なりに羊田の話を聞いていたつもりなのだが、回想すると笑いながら自分の話を聞いてくれる羊田の顔ばかりが浮かぶ。それでも羊田は楽しそうだった。申し訳なさはあるが、あの頃の自分の強引さがどうだったかとか今更訊くのは恥ずかしいし、そもそも羊田自身が困るような気がする。
     狗凱は羊田の小さな言葉の一つ一つを聞き、メモに残す。
    (……もう、後悔したくねえよ)
     この先、どんな難関が立ちはだかろうとも、決してすれ違うことのないように。大それた言い方かもしれないが、そんな気持ちを込めて。
     しばらく図案に夢中だった二人の背後を、軽くスタッフが通りがかる。がさがさと何か音を立てながら。
    「お二人さん、差し入れ貰いましたよー。あのいつもの、監督のお友達からです」
     二人が同時に振り向けば、スタッフは大きな紙袋を抱えていた。「お友達」とやらの名前は言われなくても分かる。律儀なものだと狗凱は思う。自分達は曖昧な記憶の中でしか過ごしていなかった関係なのに、この年になってようやく連絡を取り合っている。おかしな話だ、本当に。
    「あいつら……。帰っちまったのか?」
    「はい。忙しいだろうからって。『カントク』と羊田さんに宜しく言っておいてくれ、だそうです」
     差し入れは菓子類とのことで、スタッフは休憩室へと持って行った。
    「阿黒君、こっちにいるんだね」
     と、羊田は口を開く。職業柄、阿黒がこの町に帰郷することは少ないはずだった。だが、どうにかして都合をつけているらしい。深く触れるまでもないが、この町には彼が赴くべき友の墓があるのだから当然だろう。豊基は相変わらずのらりくらりと生きている。一度思い出したことは二度と忘れない――そう言いながら。しれっと二つの牛乳パックを持ち歩く彼の本心は、案外誰よりも見抜くことが難しい。主に飯と酒の場で何故か度々顔を合わせてしまい、強請られる。
    「しばらく豊基君と暮らすのかな。帰る度に自宅がお酒臭いって怒ってたけど、優しいから、多分留守の間も貸してあげ……」
    「メリー」
    「何?」
    「お前は俺のこと『カントク』って呼ぶなよ」
     状況と話題から全く予知出来なかった、突然の命令。が、狗凱の態度に慣れている羊田は一旦口を閉じた。
     ――ああ、やっちまった。きっと、こういう所で反感を買うのだ。自分本位に言い出してから気付くも、話を立て直すほどの器用さは無い。衣装や小道具を作ることは得意なくせに、対人となるとこうも下手糞。狗凱はそんな自分と向き合おうとしているが、どうしてもやらかす時はある。
     それに、相手が羊田だから甘えてしまう。油断と呼ぶべきか、安心と呼ぶべきか。どちらにしろ、甘えてしまうことが悪い。それでも狗凱から見る羊田の表情は普段と変わらず、不器用な自分の話を聞いてくれると信じている。
     だから、ぽつりと漏らした。
    「……好きじゃねえんだ、そのあだ名」
     羊田に本心を告げるのは初めてだ。心拍数が上昇している気がする。ばつが悪い。
     ――「監督」。憧れの肩書きだった。いつか、そうなりたいと思っていた。二人で夢見たヒーロー映画を撮る、その「監督」に。今のチームを初めて立ち上げた時、それは叶ったのかもしれないけれど、一時的なものだった。周りを顧みず、突っ走ってばかりのリーダーへの敬称にはならない。何より、そこに羊田はいなかった。虚しい響きに聞こえるようになってしまった。
     本当にそう呼んでほしかった相手とは疎遠になり、揶揄にまでなってしまったあだ名。それなら見返してやろうと貫いてきた道も、振り返ってみれば中身はすっからかん。あの事件に巻き込まれるまで、狗凱は自堕落に生きてきた。ようやく昔の夢を取り戻せたのは、悲惨と呼べる最中で羊田と再会したことがきっかけだ。死と対峙しなければ仮初のヒーローにもなれなかった自分を、無理矢理背負わされた罪に苦しむ羊田だけが、ずっと信じてくれていた。例え他の選択肢があったとしても、それが狗凱の理想を叶え、平和を取り戻すことが出来た。そして、今やヒーロー映画を撮っている。ヒーローという演者ではなく、「監督」として。
     揶揄なんかではない、本当に不相応な呼び名だと今の狗凱は思っている。だから、こうして映画製作の現場で「監督」と呼ばれる度に実はむず痒くなる。呼ばれたくない理由を説明するのは面倒臭いし、今更呼び直すのは無理だろう。何より責任者としての立場上、「監督」は自分しかいないのだ。それに、その肩書きを本物にしたいという熱意が滾っている。いつかきっと、胸を張って「監督」と名乗れるように。
     ついでに言うと、阿黒と豊基に関しては悪意が無いから許すことにした。あの二人も完全に記憶を取り戻したわけではなく、ただ狗凱が何故か「カントク」と呼ばれていたことを薄らと覚えているだけに過ぎない。それでも進んで呼ばれたいとは思わないが。
     低い所から狗凱を見上げる羊田の黒い目。どうしても意識的に視線を合わせていると、こそばゆい。何となく目を逸らしてしまうも、羊田の答えを待った。あれだけヒーローに憧れ、ヒーロー映画を撮ろうと約束した子供時代を過ごしながら、そのあだ名を拒む自分に驚くだろうか――少し身構える狗凱だが、それは杞憂だった。
     羊田は静かに、優しく頷く。
    「うん、知ってるよ。剣獅君」
     神に阻まれながらも、どれだけ彼を密かに見てきただろう。子供と大人の間で奮闘する孤高のヒーローがいたことを、ほんの僅かだけれど……羊田は知っている。
     あっさりと肯定してくれた羊田に狗凱は拍子抜けしつつ、嬉しかった。そうか、伝わるのか。それなら、今の自分がどれだけ幸せで、羊田の幸せが同じものであってほしいと思っているのか、それも伝わっていればいい。
     「カントク」ではなく「監督」になりたい。でも、自分が自分として生きていく為に、名前を呼んでいてほしい。
    (俺はお前にあだ名つけたくせにな。ジコチューだな、やっぱ)
     そう思いながらも、今日も明日も明後日も、彼は彼女のことを「メリー」と呼ぶ。そう呼ぶ度に和らぐ彼女の姿が彼にとっても平穏で、二人だけの特別な呼び名だから。



         完
    猛者 Link Message Mute
    2022/07/20 1:57:40

    呼んで、呼ぶな

    #きてどち #れじの04 #カンメリ
    自分のあだ名が好きじゃないと言ったカントクの真意を考察したくて書いた第2作目のカンメリ。
    メリーちゃんは「メリー」という幼きカントクにつけられた変哲も無いあだ名に救われたことでしょう。

    カンメリは同じ中学に入り、しかし神の采配と思春期によってすれ違いが始まったのではと今は思います。流石に小4だけの交流であんな大層な執着と依存を抱き合うのはヤバい気がします。

    ピクシブから再掲。

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    • 2「理想郷ではないけれど」タイトル無し表紙と挿絵 #きてどち #らじの04 #カンメリ

      ガチ絵描きに描いて頂いた「理想郷ではないけれど」の表紙と挿絵。
      何度見ても胸がぎゅわぎゅわする美しい絵です。
      描いて下さって本当にありがとうございました。

      無断転載は絶対に許さんぞ。
      猛者
    • 美味しい時間 #きてどち #れじの04 #カンメリ
      メリーちゃんの作るホットケーキが食べたい一心で書いた話。
      カントクが面倒臭い男になってしまった。甘い物が苦手そうなのはJBから引っ張ってきた。

      ピクシブから再掲。
      猛者
    • 二人でなら生きていける #きてどち #れじの04 #カンメリ
      きてどちのセッションで初めて泣いてカンメリに堪らず書いた第1作目。事件後、カンメリが河川敷を眺めて物思いに耽る話です。
      JBがカントクとして、メリーちゃんを同じ立場に並べてくれて本当に良かった。

      シナリオブックが届く前に書いたことも一因ですが、やはり月日が経つと自分の中で自分と解釈違いを起こして何だかなあという描写もしています。ただ、らじの04後だとタイトルについては説得力があります。

      ピクシブから再掲。
      猛者
    • 太陽と月とスターヒーロー #きてどち #れじの04 #カンメリ

      学校でお泊り会を過ごす子供時代カンメリの話。
      メリーちゃんを月の女神として仕立て上げると対にするなら太陽神なのに、カントクはスターヒーローを名乗ってるから面白いなあみたいな。

      らじ前の締めに書いたれじカンメリでした。素敵な結末を迎える予感があったので、その通りになったので良かったです。

      ピクシブから再掲。
      猛者
    • れじの04小話ぷらいべったーまとめ #きてどち #れじの04 #カンメリ
      カンメリだったりカンメリじゃなかったりする内容が全部で5本。本文前には長ったらしい注釈や所感が記述。

      ピクシブから再掲。
      猛者
    • 愛憎の町で求めた理想郷 #きてどち #れじの04 #イツ猫 #カンメリ
      男性愛者の猫山がイッツGと笑い合える理想郷を望んだ話。猫山の行動原理は案外単純だからこそ複雑に追い詰められてしまったのではなかろうか。
      話の題材上、セクシュアリティ関係の差別表現を取り入れています。読んで辛くなったらすぐ閉じて下さい。書いた私も辛いです。

      猫山はメリーちゃんに同族嫌悪してミソジニーを拗らせて、メリーちゃんは猫山を哀れんでいたイメージ。この2人がどんな不毛なやり取りをしてきたのか、考え出したら止まらない。
      イッツGはシナリオの言動からして女性愛者だし、恋愛関係として猫山を受け入れるのは難しいにしても、学ぶ意思くらいは持つと思います。

      ピクシブから再掲。
      猛者
    • 偽りとの戯れ #きてどち #れじの04 #カンメリ
      鼠谷の死=探索者3人を帰郷させたのはメリーちゃん説。神がカントクの姿で降り立つ夢を見ては苦しめられていたら可愛い。
      メリーちゃんと鼠谷と馬場の関係性は未だに考察の余地がありすぎる。

      ピクシブから再掲。
      猛者
    • 理想郷ではないけれど #きてどち #らじの04 #カンメリ
      らじカンメリ1作目。セッション直後の興奮だけで書いたのでシナリオブックと噛み合わない部分が多々あります。特に工場内の描写が。でも最高でした、本当に最高でした。
      らじ前にメリーちゃん自殺説を前提としている為、カントクのメリーちゃんに対する想いがそれを匂わせている感じです。

      手塚治虫の「火の鳥 復活編」と18禁純愛肉塊ゲーに影響されまくっています。

      ご厚意により、ガチ絵描きに表紙と挿絵を描いて頂きました。本当にありがとうございます。

      ピクシブから再掲。
      猛者
    • 夢と影 #きてどち #れじの04 #カンメリ
      カントクがやさぐれているだけの話。通夜ぶるまいでの「羊田?羊田?」と、カントクが夢を見た後にどんな心境になったのかが気になりすぎて書きました。
      イッツGと違ってカントクは月日をかけてメリーちゃんのことを無理矢理封じたイメージ。

      ピクシブから再掲。
      猛者
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