お仕事モードなボス島さんとヤクザ立さん(ちょいと怖め注意。)ガウンンンン…!
「ほら…逃げちゃダメだって言ったじゃない。」
カツカツカツ…と靴を鳴らしながら、先ほどの銃声で撃たれた男の方へ、
ライフルを片手に持った男が歩き出す。
眼鏡をかけ、ホルスターを装着した黒髪の男。
途中まで歩いてきたところで、前に黒いコートを着た男が出てくる。
「…もういい。お前は下がれ。」
「ボス。あなたが手を出すほどの相手じゃないですよ?」
「…黙れ。」
「……!!yes, boss...」
ギロリと眼鏡の男を一睨みしたあと、
足を撃たれた男の方へと歩き出した、コートの男。
「お前、ファミリーを裏切るってのは、どういう意味を持っているか、知っているよな?」
「……!」
ガタガタと震える男。
だが、その様子に対して、一片の慈悲の表情も見せず、ただただ眉間に皺を寄せ、
コートの男は静かに銃を構える。
「あんたが…あんたがいけないんだろう!俺の助言を聞かずにあんなレベルで交渉を受けるから…!」
「それはお前の考えの方が馬鹿げていたからだよぉ~?サンシタくん?」
眼鏡の男はコートの男からひょっこりと顔を出して言い返す。
「お前の考え通りの交渉をしていたら、余計なものまで買わされる羽目になってたんだよ。バーカ。」
「黙ってろって言っただろう、足立。」
再びぎろっと睨むコートの男。
「さて、言い残すことはないか。」
「…な。仏の堂島遼太郎だろう?み、見逃してくれよ…!!
「命乞いか。お前は俺の仲間を見殺しにしただろう、4人も。」
「!!」
そう言って、コートの男は4発逃げた男を力一杯に殴った。
「仲間は、手の届く範囲であれば死んでも護る。
それはファミリーの鉄の掟。
だが、それを護れないヤツは…俺が始末する。」
「な、殺すのか、俺を!」
「あぁ。」
ガチャリ、と大きめの拳銃を構えるコートの男。
「特にないなら、仕舞だ。…地獄でまた逢おう。」
「そのときはまた楽しく踊ってね?…サンシタくーん。」
彼が最後に見た景色は、
片目に涙を浮かべながらも、険しい顔をして銃を発砲したコートの男と、
コートの男の後ろから顔を出し、手をヒラヒラと振っている眼鏡の男の姿だった。
…さながら、魔王とその番のような2人だった。