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  • A small Arcadia for Ladybugs part2She brings "color" to me.
    It seems to clearly determine the arrival of spring in my days, which fluctuate due to the difference in temperature.
    If the inorganic "it" is allowed to be named "Arcadia" because of her sentiment, I would be asking her for her reliance.

    #イラスト  #Illustration
    #drawing #サボテン  #てんとう虫
    #ladybugs
    玉本秋人
  • BACK TO THE FUTURE楽しかったね、金曜ロードショー、バックトゥザフューチャー!
    え、放送は来週だって?
    よく知ってるね、俺は思いきり勘違いしてて九時になってテレビつけてようやく己の間違いに気づいた(笑)。
    一週間早く描いてしまった、シレッと来週も投稿するかな。
    バレないだろう・・・。

    #金曜ロードshow #backtothefuture
    #バックトゥザフューチャー
    #イラスト
    #illustration
    #drawing
    #映画
    #マイケルjフォックス
    #クリストファー・ロイド
    #デロリアン
    #アインシュタイン
    玉本秋人
  • A small Arcadia for LadybugsI acknowledged its presence in the spring breeze.
    What do I look like to ladybugs?

    Does the difference as a creature also create a difference in perception?

    I look like "Little" Arcadia,
    but I don't know the feelings of the insects.

    Perhaps it's just a "small"
    Arcadia that dropped in on a whim.

    (春の風に紛れてきたその存在を私は認めた。
    てんとう虫に私はどう見えているのだろう。
    生物としての違いは認識の違いも生むのだろうか。
    私には"リトル"アルカディアに見えるが、てんとう虫の気持ちはわからない。
    気まぐれに立ち寄った、ただの"小さな"アルカディアなのかもしれない)

    #イラスト  #アナログ
    #ペン画  #サボテン  #てんとう虫
    #drawing
    玉本秋人
  • 上野辻講釈〜雪ぼたん〜辻講釈の合間に上野東照宮、
    入り口横の牡丹園に。

    八千代椿。
    葉牡丹。
    聖代。
    篝火花。
    花王。
    島錦。

    などなど、今がまさに見頃である。


    そう言えば、去年は上野東照宮入り口にコーンがあったが、工事は終わったようだ。
    五重塔では作業服のお兄さん達が忙しなく動いていた。

    入り口の工事は何だったのか。
    あるといえば、石階段。

    割れた石階段、
    「都合の悪い割れ方」だったのを
    「都合の良い割れ方」に直したのだろうか。

    うん、まくらには・・・やめておこう。

    ヒラヒラ、雪が振り始める。
    ヒラヒラと、雪振り始める。

    ふと頭によぎった一文がある。

    好雪片片別処に落ちず
    (こうせつへんぺんべっしょにおちず)
    署長は今 どちらに落ち着かれているでしょうか。
    〜山本周五郎「寝ぼけ署長」より〜

    舞台は上野ではないが、
    雪の含んだ禅語(ぜんご)では、
    小説「寝ぼけ署長」のラスト、
    「私」のこの言葉が好きである。

    空から降る雪のひとひらは、
    一見何の意味もなく落ちているのではなく、朝になればその地は平らに、まんべんなく降り積もっている。

    不規則に変化しつつも、実は規則性を持っているという。

    雪も、人も。

    私はこれからの人生、どこに向かい何のために生きていくのか。
    迷いなく講談と言い切れるが、ふと自らを見つめ直すのは不安だからなのか。

    不安という事を認めたとして、その不安を感じてどうしたいのか。
    無駄だと思う先に何かあって、今私はある種の心の探求を図っているつもりなのか。

    行き着く果ては恐怖だろうか。

    そこまで考えてしまうのはただの言葉遊びで、
    実は人生なんてこの雪のように落ち着く先に落ち着くと思っているのだろうか。

    これくらいにしておこう。

    牡丹園の通り道の間に間に、立て札があるかすれた字で何か句が書かれてある。
    調べればわかるのかもしれないが、人の言葉が形を成し、時を経てもこうして残るというのは、言葉を仕事にする者としては一つの自信がある。

    実は最近書かれたもので、「昔っぽい字」にしてあるだけだったら、今こうして思っている事は全てに無駄になるが・・・。

    こんな事を考えるのも、夜に上野で独演会を控えるからである。
    そうかそうか。

    今日のお客はどんな人達だろう。
    今日の体調はすこぶる良いが、だからこそ油断をしてはならない。
    その場で思いついた面白いをただ出して、話を壊さないようにしなくては。

    今日話すつもりの忠臣蔵。
    「卍巴(まんじどもえ)と降る雪の・・・」
    と始まる、雪の降る日の赤穂義士のお話。

    不安というほどでもないが、こうして色々と考えていたのも高座が控えていたから。

    ただそれだけなのかもしれない。

    様々な気持ちを抱えつつも、高座に上がれば全ては目の前の人達に芸を披露するだけである。

    やはりこの雪のように、私の身も心も落ち着く所に落ち着くのだろう。

    出口には黄色いミツマタが匂いを放つ。

    後ろ髪を引かれるような、少し名残惜しい思いである。

    (舞波千景 2/10上野牡丹園での雑感)



    #舞波千景  #講談
    #山本周五郎  #寝ぼけ署長
    #イラスト
    #drawing
    玉本秋人
  • (パキッ)私にも半分ちょうだい。
    ホワイトデーに半分あげるから。

    #川田裕子
    #とってもバレンタイン
    #バレンタイン
    #ふんがっ
    #芸術同盟
    #イラスト
    #drawing
    玉本秋人
  • とってもバレンタイン2020③〜いえい!〜Be mine forever.

    #とってもバレンタイン
    #バレンタイン
    #イラスト
    #drawing
    #芸術同盟
    玉本秋人
  • とってもバレンタイン2020②My heart is always with you.

    #とってもバレンタイン
    #イラスト
    #drawing
    #芸術同盟
    #バレンタイン
    玉本秋人
  • とってもバレンタイン2020①はっぴぃばれんたいん!

    #とってもバレンタイン
    #イラスト
    #バレンタイン
    #芸術同盟
    #drawing
    玉本秋人
  • ブラックめんそーれ(全日本プロレス)中島洋平というレスラーが消息を断った後に、入れ替わるようにして全日本プロレスに現れた、頭にハブを乗せた謎の覆面レスラー。
    手をヘビに見立て入場、試合中、Twitter等で「シャー!」を言いまくり、自身のファンである蛇バディ(へびばでぃ)を増やしている。
    2/11に後楽園ホールで開催されたアジアタッグ戦に、先輩大森隆男とのワイルドめんそーれで挑戦。
    非常にスリリングな良い試合だったが惜しくも敗戦。
    しかし、その奮闘ぶりとヘビのような執念は、ファンだけでなく王者組からも評価された。
    皆からバカにされ、「バカにすんな!」と言い返すのが恒例だったが、そう遠くない未来、彼をバカにする者はきっといなくなるだろう。

    生観戦しましたが本気で勝つと思いました。
    ブラックめんそーれ選手、次こそは悲願のアジアタッグベルトを獲って下さいね。シャー!!

    #ajpw  #プロレス  #全日本プロレス
    #蛇バディ
    #シャーしかいない
    #イラスト
    #drawing
    #芸術同盟
    玉本秋人
  • 神田松之丞山藤章二さんの描かれた談志さんの絵が好きでね。

    松之丞さんも談志さんが好きなんで、思い切り意識して描いてみた。
    まあ・・・こんなもんさ。
    一朝一夕で真似できるもんじゃないな。

    今日と明日、東京2days。
    まずは今日、講談の日。

    #講談
    #六代目神田伯山
    #YouTubeデビュー
    #イラスト
    #drawing
    #芸術同盟
    玉本秋人
  • ボスボロット #マジンガーZ
    #ロボット
    #イラスト  #drawing
    #コックピットはガラスなし

    き〜たかきみ〜はっ!
    ボスボロットォ!
    玉本秋人
  • 筑紫市兵衛(つくしいちべえ)「三馬術」に数えられる、江戸時代に活躍した天才馬術家の一人。
    曲垣平九郎、向井蔵人とはライバル関係にあたり、「出世の春駒」では馬術競べをした。

    舞波千景の寛永三馬術では、平九郎と度々平の出会いの場面が読まれたため、市兵衛は名前だけの紹介に留まるが、講談「孝行市助」では主人公として登場し、母親想いの好人物で描かれる。

    「襲われているだと?戯言を申すな。
    愛馬に肩を揉ませてやっているのだ」

    #講談
    #寛永三馬術
    #drawing
    玉本秋人
  • 度々平(どどへい) #講談  #寛永三馬術  #向井蔵人
    #drawing

    馬術家曲垣平九郎の家に、突如世話役として雇って欲しいと現れた自称百姓の倅。

    その正体は、平九郎と同じ「三馬術」に数えられる天才馬術家の一人、
    「向井蔵人(むかいくろんど)」。

    曲垣流の馬術の秘伝書を盗むため、身分を偽って屋敷に住み込んだのだが、ある事件により身柄引き渡しになるところを、自らの地位と家を引き換えに度々平を助けた平九郎の懐の深さに惚れ込み、生涯の家来になる事を固く誓う。

    平九郎以上に資料が少なく、顔を描いた絵も見つからなかったので、多分こんな顔だろうと思って描いた。

    「曲垣のダンナは馬肉は食べません。
    ただ、悪者に羽交い締めされて食わされたら致し方ないといつも言ってます」
    玉本秋人
  • ドウェイン・ジョンソン(ジュマンジ ウェルカムトゥジャングルより) #illustration  #drawing
    #ザロック  #金曜ロードショー

    さっきまで金曜ロードショーでやっていたので描いた。

    タイムリミットは放送中という事でここまで。

    本名のドウェイン(ダグラス)ジョンソンの方が今は有名かもしれないが、プロレスファンの自分にとっては世界最大の団体、元アメリカWWEの象徴(アイコン)、ザ・ロックという名前の方が親しみがある。

    プロレスラーも俳優も、世界を股にかける事には変わりないよな!
    玉本秋人
  • 夕立くノ一 〜カエル面談〜 #蓮霧  #くノ一  #カエル  #イラスト
    #drawing

    コイツかよ?ウチの忍者部隊に入りたいって言ってるのは。

    何?
    「あなたが隊長の蓮霧(れんぶ)さんですか?」
    だって?
    馬鹿かお前は。これから忍者カエルとしてやっていこうと自分で志願したくせに、隊長の顔を知らないのか。間抜けなカエルだな。

    何だって?もっと大きい声で喋れよ。土砂降りの雨と、繁殖期のアマガエルどもの鳴き声のせいでよく聞こえないんだ。

    「人と話をした事がないので、怖くて目が見れません。ごめんなさい・・・」
    だって?
    だからお前は間抜けなんだ。お前、私がこんな「奇天烈(きてれつ)アマガッパ」を普段から着ていると思っているのか。
    お前ら野良カエルどもが人間とコミュニケーションをとる経験なんかない事を、私が知らないわけがないだろう?

    上の目ん玉を見ろ、私じゃなくてカエルと喋ってると思うんだ。

    ガマーロ「(頑張って!勇気を出して!言い方が厳しいけれど、蓮霧さんはとっても優しい人だから!)」

    まあいい、とりあえずは入れてやる。使えなかったら目の前の田んぼにぶん投げてやるから、それは覚悟しておけよ。
    「やっていける自信がない」
    だって?
    最初からそんなもんがあってたまるか。私が使える奴になるまで教育してやるに決まってんだろ。使える奴になったはずなのに、使えなかったらぶん投げると言ってるんだ。
    それくらいわかれよ。

    いいか?お前は今日から、
    「下呂田 ガマ座右衛門(げろた がまざえもん)」
    と名乗れ。
    いくぞ、ついてこい。何ヘコんでんだ。晴れの日の電線にいるカラスの口に投げるぞ。早くこい!

    ガマーロ「(ネーミングセンスはその、ひどく壊滅的だけど・・・)」

    中忍、蓮霧率いる忍者カエル部隊。
    くノ一組織、「桃忍(ももにん)」の中でも、選りすぐりの精鋭の集まりである。
    玉本秋人
  • 『蜀山人』 #舞波千景  #講談  #イラスト 

    #drawing

    「つ離れ」という言葉がありまして。

    1つ、2つ、3つと数えて、つで数えられるのは9つ、10から10人と。お客様が沢山いらした時に使う言葉でございます。

    前座がコッソリと舞台端、袖(そで)からお客の数を数える際に、
    「師匠!早くも、つ離れしました!」
    なんて言ったりしますね。

    つ離れができない日は「どうも」と落ち込みたくもなりますけれど、却って人が少ない時には、いつも以上のモノを見せよう、意気込んだりなんてする。

    「近き者説び(よろこび)、遠き者来る」
    と言いますから。
    目の前のお客が、次にいらした時に別のお客を連れてくる。

    それを知っていたせいか、師匠に対して
    「力の見せどころですね!」
    と言って叱られた前座がかつていましてね・・・。

    わたくしです。

    (パンパンッ)


    とんちの名人といえば三人。
    一休宗純(いっきゅうそうじゅん)、曽呂利新左衛門(そろりしんざえもん)、そして本日読みます蜀山人。

    一休宗純は、
    「正月は 冥土の旅の一里塚
    目出度くもあり 目出度くもなし」
    と詠んだ句があります。
    割とひねくれた人で、正月なんかメデタくない!と、言ってしまうような方。
    だから物事の見え方も他人とは違うのでしょうか。

    曽呂利新左衛門は落語家の始祖と言われます。
    初代は太閤秀吉の幇間(たいこ)持ち。
    二世と書いてニセと読ます2代目は上方落語で一斉を風靡した方。

    初代の辞世の句は、
    「ご意向で 三千世界が手にいらば
    極楽浄土を 我に賜る」
    御人柄が現れておりますね。


    江戸時代の末は、文化文政期の頃でございます。

    近世文化が日の目を見、関東という新しい風土が生まれまして、それが中心地の江戸によって洗練されていった爛熟(らんじゅく)の時代。
    果物も肉も、腐る寸前が一番美味いとされる。


    姓は大田、名は直次郎。号を南畝(なんぽ)と言いまして、寛延は2年の、3月3日、桃の節句に御徒町の役人の元に生まれました大変目出度きお方。

    いくつもの名前を持ちます方で、杏花園(きょうかえん)、巴人亭(はじんてい)、四方赤良(よものあから)、四方山人(よもさんじん)などなど。

    19の頃に、寝惚先生と名乗り義文を出してその界隈で名を馳せていましたという事で。
    天才は若いうちから頭角を現すものなんですね。歳をとって天才というのは、確かにあまり聞きません。

    川端康成は「伊豆の踊子」を23、山本周五郎は17で小説を発表しております。
    寝惚と聞くと、山本周五郎の寝ぼけ署長を思い出しますが、頭の切れる方は、普段はみんなああして眠たそうにしているものなのでしょうか。人物画の蜀山人もまるで寝起きのような表情をしております。

    (パンパンッ)

    世の中に蚊ほどうるさきものはなし
    ぶんぶ(文武)といひて夜もねられず

    これも夜寝られない時に考えたような気が致しますね。その勢いで田沼藩に捕らえられるという、おちおち寝言も言えない時代。

    (パンッ)

    蜀山人という名は、師匠平賀源内が風雷山人と名乗っていたので、四方山人(よもさんじん)。
    そこにある時、中国、昔は唐(から)と言いまして、そちらの役人に
    「唐人へ ここまでこいよ 天野原 三国一の富士が見たくば」
    と、手紙を書きましたら、礼状の宛名に「蜀山人(しょくさんじん)」
    と書いてあったのが由来とされております。

    縦書きの四方山人の四方の字が、「蜀」に見えたので「蜀山人」と名乗りなさいとしてあり、こりゃ面白いと雅号に用いたのが始まりとされております。「明治のおもかげ」を書きました鶯亭金升(おうていきんしょう)も、「おうて いきんしゃい」から、ニ葉亭四迷(ふたばていしめい)も、「くたばってしまい」から来ましたしね。名前の由来を辿ると意外な成り立ちに出会えます。

    (パンパンッ)

    豪気な方で、当時の文句は
    春のに、
     澄さんも 富士のつく間も一同に
     どっととわろう 

    春の一国を
     千金ずつに締め上げて六万両の春の曙

    夏のに、
     いかほどに 堪えてみてもホトトギス   鳴かねばならぬ村雨の空

    秋のに、
    もみじ咲く 菊やススキの本舞台  
    まずは今日のこれ切りの秋

    冬のに、
     雪降れば 炬燵やぐらに閉じこもり
     打って出べき勢いは無し

    紀州の殿様に呼ばれ、歌に五色を入れ詠めと言われ、

    色白く 羽織は黒く裏赤く
    ご紋は葵(青)紀伊(黄)の殿様

    借りて着(黄)る 羽織は黒し裏白し
    ここは赤坂行は青山

    を詠んだ。

    蜀山人先生、お酒が好きな方で家来はいつも大変な目にあっていましたそうで。

    ある夜、履き物を履こうとしたら、
    その上に短冊が置いてあった。

    いつ来ても 夜ふけてよもの長話
    あからさまには申されもせず


    本郷に差し掛かって来ますと、加賀様水戸様のご家来がいまして、

    小石川 本郷を指して鳩が二羽
    ミトッポにカナッポ

    武士が蜀山人先生とぶつかった。足がもつれた蜀山人先生、水溜まりに飛び込みそのまま寝込んでしまった。

    家来が慌てて屋敷に連れ戻し、先生に禁酒の願いを持ち出しますと、先生は紙に、

    黒金の門よりカタキ我が禁酒
    ならば手柄に破れ朝比奈
    (朝比奈三郎の門破りのもじり)

    としたためて神棚へと上げます。

    そこに馴染みの魚屋さんが鰹はどうですかと来ましたが、禁酒宣言をした先生、鰹だけ食べても美味くないからと断った。

    しかし、魚屋さんに「酒が飲めて人生ですよ」と言われ、先生あっさり禁酒をやめてまた飲み始めた。

    鎌倉の海より捕れし初鰹 みな武蔵野の腹に入れ

    家来が来て先生約束したじゃありませんかと言われますと、神棚に上げた誓いの紙は書き直されておりました。

    家来が読み直しますと

    我が禁酒 破れ衣になりにけり
    やれツイでくれサシてくれ

    こういった具合で例外を沢山作りまして、春は桜、夏は星、秋は満月紅葉、冬は雪を肴に酒を飲む。
    友がいればいつもより飲み、二日酔いの時も調子を整えばと長薬代わりに飲む。

    生憎わたくしは未成年ですが、酒はそこまで飲みたくなるものなのでしょうか?以前タバコをお吸いになる寄席の案内の方に「タバコってそんなに良いものなのですか?」とお聞きしたら、
    「良いかというより、吸わないと落ち着かないんだ」
    と返された事があります。
    お酒も同じような気がしますけどねえ、講釈を演るにあたり、やはり成人したら芸の勉強のために飲むつもりですが、良く聞くあの言葉。

    「酒は飲んでも飲まれるな」

    蜀山人先生の生き様を、反面教師とする事で次にいきたいと思います。

    (パンパンッ)

    今例に出しましたが、蜀山人先生、煙草も同じでやめられない。

    煙草の火玉、当時は煙管(きせる)でこざいますから夢で火玉が襲ってきたので先生逃げます。かろうじて逃げたらそこは鉄火場で、ここで一服。その火玉がまた襲って自業自得。なんて夢を見たとか見ないとか。
    (パンパンッ)

    博打も大好き。
    しかし自戒の念がありました蜀山人先生、もう博打は止めようと、愛用のサイコロを橋の上から捨てました。
    どんな目が出たのだろうと橋からのぞきこむ始末。何もやめられておりません。

    (パンパンッ)
    旅が大好きです蜀山人先生。

    俳句の名人、松尾芭蕉が芭蕉と知らず、爺さん何か詠んでみろと、訪れた農村でゴザを敷いた村人達に無理難題をふっかけられた事がございました。

    ムッとした芭蕉さんが
    「三日月の・・・」と書いた。
    その時は満月の晩。そんなときに三日月とは何だよ!と笑われておりましたら、その後に、

    三日月の 頃より待つ 今宵かな

    と詠んで、村人達を黙らせたという話がございます。

    近江八景に来たときに蜀山人先生も、籠屋に近江八景をお題にして、全ての場所を詠んだらただで乗せてやると言われました。芭蕉さんと同じ無理難題、無茶ぶりというヤツです。そしてムッとしたというところも同じでございます。

    そりゃあ、詠むのはタダですが大変なんですよ?

    わたくしも講釈を読んでおりますが、知り合いに読売ジャイアンツの坂本勇人選手が大好きな子がいましてね・・・。

    坂本選手と自分の馴れ初めを講釈にしてと頼まれまして。

    断っておきますが、その子は坂本選手とは知り合いでもなんでもなく、観客席でただ見ていて応援をした事しかない、ただのフアンでございます。
    しかしつぶらな瞳で、
    「お願い!舞波さん♥」
    彼女もわたくしを舞波さんと呼びます。屋号(亭号)だからやめてって。

    (パンッ)

    そこをなんとか、「to be or not to be 」
    ハムレットの独白みたいにしたりなんかして。

    「いったいどうしたらよいのか?」
    坂本選手とお近づきになるには。

    「問題はそこだ、荒れ狂う運命の矢先を
     心で受けて耐え忍ぶのがよいのか」
    会いたくても遠くで見つめるしかできない乙女心を、こう表しましてね。

    「それとも敢然と立ち上がり寄せ来る苦難を跳ね除けて終わらせるべきなのか?」
    史上初の読売ジャイアンツ女性選手を目指す彼女の戦いが始まったとか、ストーリー仕立てにしてみましたり、


    「死ぬことは眠ることそれ以上ではない 眠ってしまえば心の痛みも肉体に付きまとう苦しみも終わらせることができる
    これこそ願ってもないことではないか」

    その切り口から始めてみたけど、ネタに困って行き詰まる。
    とりあえず寝て明日また考えよう。
    それを繰り返して、現在でございます。

    嗚呼っ!

    (パンパン!)

    ムッとした蜀山人先生ですが、次の瞬間!

    乗せたから 先はあわづかタダの駕籠
    ひら石山や はしらせてみい

    瀬田、唐崎、粟津、堅田、比良、石山、矢橋、三井

    近江八景全てが入ってぇおります。
    どうだい!

    わたくしがエバる事ではないんですが・・・。

    籠で雑談しておりますと、蜀山人先生、煙草が吞みたくなります。
    火を借りようとしたら、狂歌を詠んでくれたらと・・・。

    入相(いりあい)の 
    鐘の合図に撞きだせば いずくの里も日(火)はくるるなり。

    入相とは日没、夕暮れに鳴らす鐘でございます。籠の中ですから火玉が追いかけて来たら逃げられませんが、外に出した火玉が追いかけてきたら、籠かきの足と火玉、どっちが速いのでしょう。

    火玉に足はありませんから、これは文字通り蛇足ということで、場面転換。

    (パンパンッ)

    京の三条大橋に来てみれば、さぞ立派だと思っていたのだろうが、穴が開いて継ぎ接ぎだらけ。
    しかし蜀山人先生、橋を見てすぐさま思いつきましたのが

    来てみれば 流石都は歌所(うたどころ)
    橋の上にも色紙短冊

    わたくし、蜀山人先生の歌でこれが一番好きでございます。
    口幅ったいですが、『粋(すい)』でございますね。

    文政の6年頃、身体が弱ってきた蜀山人先生。
    病床に伏せる日々が続いておりまして、いよいよもってという時に詠んだのが、

    冥途から 今にも使いが来たりなば
    九十九までは 留守とことわれ

    この世に未練タラタラでございます。

    もっと狂歌を詠みたかった。
    もっと孫と遊びたかった。
    もっと芝居を見たかった。

    もっと旅をしたかった。
    もっと花見をしたかった。

    もっと酒が飲みたかった。
    もっと煙草を、もっと博打を。
    まだやり足りないのか・・・。


    留守といわば またも迎えに来たならば
    いっそイヤじゃと言い切ってやれ


    最後まで洒落ておりました。
    耳を傾けた家来に対して、最期に小さい声で、

    時鳥(ほととぎす) 
    鳴きつるかたみ初鰹
    春と夏との入相の鐘

    江戸の利口者と言われました狂歌名人、大田蜀山人という方のお話し。
    この辺で読み終わりでございます。

    (パンッ)(了)

    (上野講釈亭にて 
     出囃子 船漕ぎ娘)
    玉本秋人
  • 青春フルスイング② #漫画  #青春フルスイング
    #オリジナル  #野球  #イラスト
    #drawing
    玉本秋人
  • いえいっ! #オリジナル #女の子  #花嫁
    #コスプレ  #JuneBride
    #イラスト #drawing


    いえいっ!
    玉本秋人
  • いえいっ! #イラスト #drawing
    #オリジナル #女の子  #いえいっ


    いえいっ!
    玉本秋人
  • まくら⑤(上野講釈亭にて) #イラスト  #オリジナル  #drawing
    #舞波千景   #講談  #講釈
    #尾仲愛  #矢車翔子


    パンパンッ!(張り扇の音)

    まず、翔子さんは現在「お嬢様キャラ」なるものに挑戦中です。
    いいですね、わたくしもやはりこうした生業をしていますと、男女問わず様々な人物を演じますから、何かになりたいと言う気持ちは良くわかります。

    尾仲愛さんは唐揚げが大好きな方でございます。
    「3食唐揚げでも飽きないんですか?」
    と、以前に聞いたら
    「さすがにご飯とマヨネーズが欲しいよー」
    と、こちらの予想を超える答えをお持ちになっておりました。

    ちなみに「舞波さん」と、わたくしの事を呼びますが、舞波は屋号、お店の名前みたいなものなので、千景か舞波(屋の)千景と呼んでくださいと、これが一応の芸人のルールとなっております。
    再三、愛さんにも言っているのですが、それでもついつい舞波さんと言ってしまう、おっちょこちょいさんでございます。

    もう一つ、説明しなければならない事がありますが、それは一度置いておきます。


    浅草駅に降りた時に、
    「とりあえず唐揚げだね☆」
    の愛さんの言葉、めぐみはあいと書きますので、詰めて「愛言葉」を号令に、唐揚げ屋かあ・・・と、2人を案内しようとしたら、翔子さんが
    「アタシはスイーツが食べたいですわ」
    と異を唱えました。実を言うと、わたくしも気分はスイーツでございまして、心は生クリームを渇望しておりました。

    わたくしの顔が唐揚げの気分ではない、その事を、普段バッターの表情を間近でうかがう、キャッチャーというポジションを任されている愛さんですから、鋭く読み取ったのでしょう。
    プクッ!と頬を、まるで木の実を口一杯含んだリスのように膨らましました。
    愛さん、普段は優しくて控えめな子なのですが、唐揚げが絡むと人が変わります。

    忘れもしません、次の一言。
    「唐揚げ屋さんへの1歩を、今踏んだよね!?舞波さん!!」

    表情だけでなく、運んだ1歩目の足の向きまで見逃さない愛さん。

    踏んだのは事実でございました。しかし、それは唐揚げ屋に行こう!という愛さんの要求に対する条件反射のようなもので、もう一度申し上げますように、わたくしは心はクリーム塗れ。
    つまり、パッフェなのでございます。

    仕方がない、チームの輪を乱したらもうすぐ始まる地区予選に支障をきたすと思い、それでは唐揚げ屋さんに行こうとしました。

    忘れもしません。次の一言も。

    「心を偽るな!本音をさらけ出せ、舞波!」

    実を言いますと、翔子さんもわたくしの事を舞波と呼ぶのでございます。
    芸人のルールなのでやめてって。

    しかし流石は翔子さんです。翔子さんはチームの一番バッターで足がとても速い人です。鮮やかにセンター前を放ち出塁しますと、盗塁で軽やかに2塁ベースを落としいれます。
    盗塁を狙う時には、相手バッテリーの仕草、呼吸、クセ。そして心理を巧みに読み取らなければなりません。
    その人物観察で研ぎ澄まされた鋭い視線が、わたくしの心を射抜いたのでございます。

    と、勝手知ったる間柄ではありますが、友達に往来で自分の体の動きと心の動きを全て暴かれ、何だか恥ずかしくなってしまいました。

    そこで、
    「最初に唐揚げを食べて、デザートにスイーツを・・・重たいですか?重たいですよね?」

    言いながら同意を求めるという複雑な心境でございます。
    すると愛さんが、

    「さっすがだね!舞波さん、機転が効くね!」

    翔子さんも、

    「さすが芸人だな、舞波!」

    その後、愛さんはモジモジして、
    「実は甘いモノも食べたかったんだけど、何だか言いづらくて・・・」

    翔子さんの方も笑いながら、
    「食べたいのは自分だけって思われるのって何かイヤだね!舞波が言ってくれて助かったよ!アタシも今日はガッツリって気分なんだ!みんな同じで良かったー!」

    褒められた瞬間は嬉しかったのですが、最後にもう一つの説明をここで言わせて頂きます。

    わたくし、少食です。

    豆腐半丁の冷や奴と白飯で「今日はよく食べたな、寝れるかしら?」と思うのです。


    対する二人は、非常にご健啖。とっても良く食べるのです。

    結局、人気のお店で唐揚げ定食を食べ、その次にパッフェを喰らうというハシゴを強行する事に相成りました。

    檳榔(びろう)な表現ですが、
    「オエップ」という感じになりました。


    その時の浅草での油とクリーム塗れの思い出を胸に、いや腹に、
    明くる日、ついにココ上野に回ってきます。

    上野はご存知、上野広小路亭に、ココ上野講釈亭、上野演芸場(上野寄席)など、我々芸人達がひしめき合う、大変に愉快な街でございます。かつては上野本牧亭という、講釈師達のメッカとも言える場所もございましたね。

    辻講釈をやりに、上野恩賜公園に良く行きます。
    6月4日から、もう過ぎてしまいましたが、不忍池に佇む弁天堂では毎年「法華教」を読みます。講釈の長編物みたいに数日かけて読むようですね。

    上野周辺を散策がてら、写真を撮ったりなんかしてみたり、後は古地図のアプリで歩いたりなんかも最近はありまして、江戸時代を歩く気分を1人味わっております。

    見ながら歩いていたら以前、側溝に落ちましてね。半身が藻だらけになりましたが、バンザイをしてスマホは濡らさないように努めました。師匠の家にある貴重な古地図を借りていたら破門になる所でしたね。

    パンパンッ!


    上野公園の葉桜。江戸時代は桜の名所でございましたそうで、

     一めんの花は碁盤の
     上野山 黒門前に
     かかるしら雲 

     
    昭和13年、寛永寺総門の黒門跡にて建てられた建碑に歌一首。


    本日お話しをする方は、この方でございます。

    (まくら 了)
    玉本秋人
  • まくら④(上野講釈亭にて) #イラスト #drawing
    #オリジナル   #舞波千景
    #講談  #講釈
    #浅草名物絵葉書クイズおじさん

    空板(からいた)という、講釈師ならではの言葉があります。

    寄席小屋で、講釈師がお客様がまだいらしていない時間に、机を貼り扇で叩き、声を出したりする行為でございます。
    野天での寄席場が盛んだった時代にやっていた事なのだそうで、ホール芸能が中心の今はあまり見られないでしょうね。

    張り扇を叩く音や発声を聴いた外の人達が、「やってるね」と言って、寄席に入って来る。
    朝の稽古と、催し物の宣伝をいっぺんにできる、一石二鳥というやつでございます。

    両国から浅草、田原町から上野までの浅草通りは別名仏壇通り。
    浅草寺と上野寛永寺、仏と仏を繋ぐという事で、仏像屋さんが軒を連ね、今に至るという事ですね。

    店で扱う仏壇は主に北側。
    直射日光があまりささない北向きにしていて、商品が傷まないようにという配慮、ビジネスというものでございます。

    「最近不景気でねえ」
    と丸眼鏡の主の方が言ってましたね。仕事柄、勉強のつもりで伺うのですが、知識欲は働くものの、確かに学校帰りの遊び場や小洒落たデートスポットにはあまり向かないでしょうね。

    空板の話ではありませんが、
    「木魚でも鳴らして御経でも唱えたらどうです」
    と聞いたのですが、
    「坊さん呼ぶ金はないし、適当に唱えて宗派の方を刺激したら面倒だ」
    とすぐに切り替えされました。
    何か良い方法はありませんかね?

    中国では老子が向いた方角という事で西。
    昔の地図では西の方角が上に配置されています。
    だから将軍家の先、西の大阪から来たものは「くだりもの」といって質の良い上品なものとして重宝されたわけでございます。

    逆が、日常でもよく使います「くだらない」と、毎日くだらないという人がどれくらいいるかわかりませんが・・・。

    このあたりの話は、以前ジョイジョイカムカムホールで話しました、浅草名物絵葉書クイズおじさんが教えてくださりまして。

    本名非公開の方なんですが、浅草だったらおじさんに任せてね!とそう言って胸をトンと叩いて咳き込みながらそう言っておりました・・・。

    パンパンッ(張り扇の音)

    雷門通り、あのあたりについても話しましょうか。

    かつては「浅草広小路」と言いましたそうで、ジョイジョイカムカムホールで読みました『浅草風土記』の著者、久保田万太郎氏の生まれたところです。

    両国、上野とかつて3つの広小路がありましたが、今あるのは駅名上野広小路のみでございます。

    広小路は元々江戸時代、江戸の大半を焼いたという振り袖火事の影響でできたものです。

    昔は木造長屋、町の構造上一度火がついたら隣の民家へ次々に燃え移ってしまいまして、建物を壊すしか対処がなかったそうですね。だから広い小路を作ったわけでございますね。

    雷門通りには食べ物屋が沢山ありますので、野球部のチームメイトを誘って食べ歩きをした事があります。

    中でも猛威をふるったのが、
    矢車翔子(やぐるま しょうこ)さんと、尾仲愛(おなか めぐみ)さんの二人でございます。

    「お嬢様っぽいものが食べたいですわ!」
    「浅草で一番美味しい唐揚げを食べさせて、舞波さん!」

    えー、説明しなければならない事が沢山ございます。
    玉本秋人
  • ごぼうルールルル♪
    ラーラララ♪

    #オリジナル #ごぼう #イラスト  #drawing
    玉本秋人
  • ガマガエル #オリジナル #くノ一 #ガマーロ
    #イラスト  #drawing  #蓮霧
    玉本秋人
  • ショート 瀬能 久知子(せのう くちこ) #東京花菱大学附属女子高等学校野球部
    #女子野球
    #イラスト  #drawing
    #瀬能久知子

    夏美の友達で、こちらは野球経験者。高い身体能力で内野の花形、遊撃手(ゆうげきしゅ)を守る。
    非常によく喋る子で、試合中にマウンドに集まると、監督のサインや相手バッターに合わせた守備シフトの確認をしていたつもりが、いつの間にか久知子一人で喋っている事がある。つられて夏美も喋り始め、サードの磯村(いそむら)もそれに加担し、夕月葵(ゆうづき あおい)に3人まとめて怒られる。

    「夏美、夏美!夏美!!ボールいった、ボール!ボール!!それそれ!そういえばさ!試合前お腹痛いって言ってたけど大丈夫!?動けるなら大丈夫だよね!?正露丸あるよ、正露丸!水無しはやめた方がいいよ!そのまま噛むとなんか黄色い粉末が口ん中にブワーってさあ!」
    玉本秋人
  • 上野辻講釈〜おでん兄さんと〜 #舞波千景 #辛子家おでん #講談
    #イラスト  #drawing

    1月東京、上野恩賜公園(うえのおんしこうえん)。西郷隆盛像の向かって左。

    午前中の上野寄席での高座が終わった昼下がりに、辻講釈をやってみた。

    浴衣姿の西郷さんは愛犬ツンを連れて、今日もヨドバシパンダとにらめっこ。
    いや、今はお互いにクリスマスが過ぎ、骨組みだけになったツリーを見て、「なんか寒そうだね、この子」とでも言っているのかもしれない。

    徳川家の菩提寺(ぼだいじ)、上野寛永寺(かんえいじ)から歩いて石段を降り、不忍池(しのばずいけ)を回った先には旧岩崎邸庭園。
    岩崎弥太郎は三菱財閥の創始者で、日本教育講談全集にも登場する人物だ。
    神田神保町の古書店街で買ったものを読んで覚えた岩崎弥太郎物語を、道ゆく人たちの前でやってみた。もう少し構成し直してみたら高座にもかけてみよう。

    そんな事をしていると、階段を駆け上がって、おでん兄さんがやってきた。

    おでん兄さんこと、4代目辛子家おでん(からしや おでん)。私はおでん兄さんと呼んでいる。

    芸談協会所属の元落語家で、今はとある事情で講釈師に転職した、落語家っぽい名前の講釈師である。浅草の老舗おでん屋松でんの店主を営み、新作のおでんができると私にいつもご馳走してくれる、講釈とおでんと阪神タイガースをこよなく愛す、尊敬する先輩の一人だ。

    「お前に食べさせてやろうと思って店から持って来たんだ。行儀悪いが、まあいいだろ?」
    それは嬉しいが・・・、店からここに?
    「兄さん、どうやってここまで来たの?」
    「走ってきたに決まってんだろ!おでん持って電車なんか乗れっかよ!」
    確かに、浅草から上野までは徒歩でも来れるが、それでも30分はかかるだろう。上野駅方面からは信号もあったはずだ。
    おでんを両手で持ちながら信号待ちしている兄さんを想像して、思わず吹き出しそうになった。

    「ほれ、早く食え、遠慮なんかすんな」
    ・・・うむ、美味い。寒風にさらされて表面は乾いているが、まだ温かく、松でんの出汁つゆがちゃんと染みている。
    きっと、兄さんは何事も全力で行う人なのだ。全力で物事を行うには迷ってなどいられない。
    きっとここへも、迷いなく全力で走って来たのだ。
    ・・・おでんを両手で持って。時々信号待ちしながら。

    「もう少しでプロ野球開幕だなあ、去年は最下位だったから、せめてAクラスに・・・」

    嬉しそうに帽子のツバを触る、そんな兄さんとおでんを食べた。
    玉本秋人
  • とってもバレンタイン2019① #とってもバレンタイン
    #バレンタイン
    #イラスト  #drawing
    玉本秋人
  • とってもバレンタイン2019② #とってもバレンタイン
    #バレンタイン
    #イラスト  #drawing
    玉本秋人
  • セカンド 月熊夏美(つきぐま なつみ) #東京花菱大学附属女子高等学校野球部
    #イラスト  #月熊夏美
    #drawing

    友達がいるからというだけで、野球を知らずに入部して、グラブにスパイク、ユニフォームまで揃えた子である。 面倒な事、汗臭い事は嫌いだが、みんなの足を引っ張りたくないので、練習も試合も一生懸命土まみれになる子でもある。
    玉本秋人
  • 節分講釈師(せつぶんこうしゃくし) #舞波千景 #講談
    #節分
    #イラスト  #drawing
    #芸術同盟

    鬼の面をこしらえた手前、逆襲を受ける事も、ちょっと期待している。
    玉本秋人