応作「そんなに付けたいんですか? じゃあココならいいですよ」
そう言ってエゴロワはズボンの裾を捲った。白いふくらはぎが露わになる。
剥き出しになった右脚に視線を止めていると、何をしているのかと言いたげにエゴロワが首を傾げる。慌ててベットから降りて、エゴロワの前に跪いた。
俺の眼前に差し出された脚を改めて観察する。先から彼女の肌は白いと思っていたが、これはさらに無垢を感じさせる白さだ。こんな綺麗なキャンバスに痕を付けても良いのだろうか。乾く口内の僅かな唾液を飲み込んだ。
震える指で脚に触れる。吸い付くような滑らかな肌触りに感嘆する。不躾にも、つい手のひら全体で撫でてしまう。ずっと堪能していたいような感触だ。
全体で見るとエゴロワの脚は細く長い、だがこうして手で触れてみると確かな筋肉と骨の存在を感じる。彼女には華奢な印象があるだけに、その中の重厚な部分を見つけると悶えるような気分になる。
本当に良いのか? 怖々エゴロワの顔を伺う。彼女は俺と目を合わせると、微笑み頷いた。
彼女の脚を縋るように掲げ、唇を寄せた。鼻面うずめた肌の芳香に噎せそうになる。多幸感に酔って、くずおれてしまいそうなのを堪えて吸い付いた。念入りな秒数を経過して離す。真っ白な肌に、赤い痕が付いていた。
ああ、付けてしまった。背徳感と充足があいまぜになった感情が湧き上がる。脳が沸騰し、頬が緩み、腰が溶けてなくなりそうだ。
またひとつ別の位置に口を付ける。唇で触れると肌のきめ細やかさがより感じられる。彼女の脚に触れた部分から麻薬が分泌されるようだ。ずっと触っていたい。
「もういいですかァ?」
彼女が退屈そうに言う。でも俺は止めなかった、止められなかった。何度も何度も唇で吸い付き、食み、舌を這わせる。彼女の脚を唾液で汚す。
「ん……はぁ…………む」
夢中で接吻を繰り返す。彼女が俺に触れることはあっても、触れさせてくれることはない。だから、こうして慈悲を垂らしてもらったときは恥も無くむしゃぶりついてしまう。
「しつこいです」
こうして顔を蹴られるのも承知の上で、だ。
脳が揺れる感覚すら心地よい。ふと下を見れば、股間にテントが張っていた。それを彼女が見咎めておらぬはずもなく。股に向かって足を伸ばす。
「へえ、こんな程度で反応するんですね。鎮めてあげますから、早く出してください」
下着をずり下ろし、ペニスを取り出す。痛いくらいに勃ち上がり先走りを垂らしていた。
彼女の左足が亀頭を擦り、右足の指が全体を扱く。溢れる先走りが彼女の足を汚す。俺のペニスが彼女の足で扱われている、この状況がより情欲を高めた。荒くなる息とともに、声が漏れてしまいそうになる。
時間をかけぬうちに、俺は射精した。
背中にシャツが汗で張り付いていた。必死に肺を動かして息を整える。
頬に彼女の手が触れた。心地よい冷たさが霧散していた意識を彼女に引き戻す。顎を掴み上を向かせられた。彼女が屈む、反射で目を閉じた。
鼻の頭に口付けをされた。
「だらしないですね。リウビアさん」