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    木乃伊取り 自動販売機と地面の間にネズミの木乃伊がありました。魔界ではなんでも死ぬと真赤な光になるのですが、東京がそっくり魔界に変わりました瞬間に、偶然ネズミが自動販売機の下を走りましたので、妙な具合になりました。
     なんといっても魔界の自動販売機ときたらいつまでもぼうっと光って、まったく不思議じゃありませんか。魔界に住んでいる人間はおりません。紛れ込む人間はいたにはいたのですけれど、それにしたって人間社会を動かそうとして来るのではありませんから、自動販売機だけがいつまでも光る道理はないのです。魔界を見渡して光るものといったら、悪魔の炎や雷を別にすれば、自動販売機と龍穴のふたつきりです。龍穴は言ってみればエネルギイの吹き出し口です。龍穴と同じ原理で龍脈から動力を得ているのなら、電力に代えることもあるいは可能でしょうが、そのような自動販売機がなんのために設置されたのでしょう。きっと秘密裡に進められた計画があったに違いありません。私などはこの想像を真実から遠からぬものと信じるものでありまして、龍脈が作用したためにネズミは木乃伊の形で残ったのだと考えております。
     このネズミは随分風化が進んでおりました。一匹のガキが通りかからなかったなら、自動販売機と地面の間に差し入れられた指がねじくれた前肢を触らなかったなら、いずれ一切が崩れて風に吹き散らされたはずでした。
     ガキと申しましても悪童のことではありません。そういう幽鬼がいるのです。紫色の体は人間の大人の半分ほどの背丈をして、茄子のような長い頭が腹ばかりが突き出した痩せた体に支えられて揺れております。彼らは飢えから決して逃れられないよう定められているために、馬を飲もうと象を飲もうと腹は満ちないと分かりきってはいるのですが、飢餓の苦しみから食べ物を求めずにはいられないのでした。周囲の悪魔たちがものを口にする必要について考えもしないで遊んでいるとき、ガキばかりが底無しの飢えによってあえいでいるのは孤独なことでした。
     ガキは小さな木乃伊を両手の上にそっと横たえて、風を避けて指で覆いました。瓦礫の陰まで歩いてもう一度手の中を覗いたとき、片耳と尾の先が欠けているのを惜しくは思いましたけれど、もしも木乃伊が頑丈なものだったなら、腰を揺らして踊り出したいほどでありました。心細さが報われ、喜びがふつふつと湧いてまいります。貴重なネズミを誰に分け与えずとも良いのです。
     ガキの中にはまとまって生活するものもありました。どれだけ多く食べてもまったく腹が満たされないのであれば、どれだけ少なく食べても同じということも言えましたから、食べものが乏しい魔界では、取り分が減っても食事の回数が増えるほうを選ぶガキが寄り集まったのです。ネズミの木乃伊を拾ったガキも、なるほど腹が膨れないことに変わりはないと、かつては群れのひとつに加わりましたけれど、おのれ以外の手の内に食べ物が残っているなど目の毒で、あまり長くはとどまりませんでした。
     さて、賭けには勝ちました。このネズミの木乃伊をどうするか、好きに決めて良いのです。群れではこうはいきません。木乃伊が十に分かれて脚の一本限りに減るなんてまっぴらです。ネズミはすっかり水分を失って、ガキが手を震わせまいと気を付けていても、短くなっていた尾がまた折れてしまいました。なるべく早く口に入れてしまったほうが、風に盗られる心配もないでしょうし、腹もさっきからそうするようにせっついております。それでいて腹のほうはいざ飲んでしまえばネズミが喉から落ちてきたことなどすっかり忘れてしまうのです。そうすると最も幸福なのは噛りついてから喉を通るまででありましたので、ガキはネズミの木乃伊を口に含んで歩いていくことにいたしました。まずはネズミの頭を頬の奥に逃がして、それから尾のほうを、慎重に折りながら押し込みます。かさかさと落ちた欠片が喉のほうへ落ちてきて、危うくむせるところでしたけれど、それを堪えますと、ものを食べている感じが心身に休息を与えました。ガキはこれからはどれだけ驚くことがあっても決して叫ぶまいぞと決めました。次に食べるものが見つかれば、このネズミを飲み込んで、新しいほうをしゃぶっていれば良いのです。
     妙案ににんまりとしながら通りの端を歩いていったガキでしたが、意思の力で必死に抵抗を試みても、残念ながらガキをどこまでも縛り付ける空腹のほうが一枚うわてでありました。はじめは喉元をくすぐる欠片がありましたので、咳き込んでネズミが飛び出してはいけないと、うまくそれだけ飲み込みました。上手なものでした。するとなんとしたことか、次々とネズミを飲まなくてはならない理由が堰を切って出てくるようになってまいりました。誰だって急に目の前に悪魔が飛び出せば驚いてしまいますし、砂に足を取られれば息を飲んでしまいます。通りに渡された橋の下を通るなら危険がないか見上げます。ガキはやむを得ず小さくなりゆくネズミを悲しく思いました。飢えた腹があれこれ理由を探して誤魔化すことを覚えたばかりに、月もろくにめぐらぬうちに、ネズミはすべて喉を通ってしまいました。
     ガキは今になってネズミを丸々頬張って一度に飲み込む想像をいたしました。どうして一匹しかいなかったのでしょう。二匹いればそれぞれ試すことができたのです。ひょっとしてあの自動販売機の下をもっと探せば少し砂を被ってほかのネズミも木乃伊になっていたのではないでしょうか。いえ、あれからどの自動販売機にだって注意深くしましたから、戻ったって何もありはしません、頬の内側にへばりついたネズミの皮さえもうないがためにそうしたことも考えてしまうのです。とぼとぼと通りから脇にそれて、木の皮を適当な大きさに剥いで裏返しました。運が良ければ蛾の蛹の殻が手に入りますけれど、ここにはないようなので、そのまま口に放り込みました。ひとつもおいしくはありません。それでも何度も噛むうちに腹の気も少しは紛れてくるのでした。樹皮が潰れてツンとした匂いが上がってきます。口が寂しいときにはこれまでもこうしてきましたので、腹の方でもほしがらず、線路に沿ってひらけた土地に出るまでに、樹皮は随分柔らかくなっていました。
     ここには小さな悪魔がたくさんいます。その向こうに自動販売機の光を見て、ガキは一目散に駆けていきました。壁を背にした二台の自動販売機のうち、片方は下がすっかり埋まっておりましたけれど、赤いほうは片脚が砂から出ているではありませんか。砂を散らしてうつ伏せになると、腕が届く限り、肩口までその下に押し込みました。端から端まで、逆の側から端から端まで。何度探ったことでしょう。砂と小さな瓦礫のほかには何もありません。無理にねじこんだ肩には一直線に傷ができて、ガキが腹立ちまぎれに自動販売機を蹴とばせば、取り出し口の中に缶ジュースが落ちてまいりましたが、落胆が慰められはしませんでした。
     ガキが胸の砂を払いながら自動販売機を探して大岩を回ったところに、三つの巨石が組み合わさった奇妙な門がありました。一匹のガキの頭がその向こうに消えていくところでしたが、門の向こうは上り坂になっていてよく見えません。ただの棲み家かと思っておりますと、薄緑の悪魔がやってきて、同じように門の先へ進んでゆくのでした。ほかの悪魔と群れて何をしようというのでしょう。ガキは気になって門をくぐりました。坂の先はすぐ岩壁につきあたるのですが、そこから下るように裂けていて、隠された路になっておりました。さきほどの悪魔たちはここを通ったに違いありません。ガキは口の中の樹皮を噛むのをやめて、岩壁の奥へ足を忍ばせました。
     輪になった岩壁は、奥のひときわ高い場所だけが狭く開いておりました。遠くにオダイバを望み、そこから手前に広がる海は岩壁の内側まで押し寄せて、断崖に砕けて白く泡立ちます。ガキは断崖の上のいくらか広くなった秘密の場所に出たのでした。集まっていたのはガキのほか、薄緑の頭はコダマ、羽根つきの赤い帽子を身の脇に置いてひざまずいているのがケットシー、数は合わせて二十ほどいたでしょうか。断崖を背にした岩の舞台から見下ろす女神のことを一心不乱に拝んでいるものですから、いかなる女神であることか、ガキはどうしても知りたくなって、ものを尋ねたいがために木の皮を飲み込みました。入り口近くのガキに尋ねると、女神アプサラスは弱き悪魔を導く存在で、飢えの苦しみからの解放を願った彼は、信仰の末に団子も徳利も手放して平気だったと言うのです。団子ですって! 本当に手に入ったのだとしたら、ネズミの木乃伊とは比にならない幸運です。団子の価値すらわからなくなる狂信にぞっとして、ガキは女神に背を向けて逃げ出しました。
     団子の話を聞いた腹は強い飢えを以て抗議しました。自動販売機なんて探していないで、一直線に歩いていれば、ひょっとして団子が手放される前にここにたどり着いていたかもしれないと思うと悔やみようがありません。口の中が寂しくなって、足元の滑らかな小石を口に含んで団子の味を思い浮かべようとしましたが、後悔に乱されて静かな味が伝わるばかりです。甘い味を思い出そうとしてできぬまま、門前の大岩にもたれてうなだれました。ガキは涙を流しはしませんでしたけれども、喉の奥からぐううと声が出て、周囲の耳目を集めました。そこにいたのは力のない悪魔ばかりでしたから、初めは狂暴なガキが来たのかと遠巻きにしたあとで、好奇心が勝った一部の悪魔たちが近寄りました。
     呻く邪魔になったのでガキは口から小石を摘まみ出して砂の上に落としました。一体どうしたのかと毒鳥のチンが尋ねます。普段なら悪魔というものは弱い部分をわざわざ曝したりはしないものですけれども、このときばかりはこたえていて、濡れて光った小石だけを見つめながら洗いざらい話してしまいました。飢えを知らない悪魔たちがなおも首をひねりますので、チンには舞い上がりたくても生涯地を這うしかないのだと、ザントマンには人間の前で眠り砂が一粒もないのだと言ってやりました。ガキが力尽きてしまったことが、これでようやく皆に知れました。女神にすがってはどうかと勧めるものも少なくありませんでしたが、言葉少なに断るので悪魔たちは困ってしまいました。どうにも湿っぽくて面白いことにはなりそうにありません。飽きた悪魔は散っていって、チンとザントマンだけが残りました。
     チンの勧めはここで死んでしまうことでした。自動販売機から缶ジュースを取ってくるなら、いつでも猛毒の羽を浸してやっても良いと申し出ました。自分の毒がどれほど強いか興味がありましたので千載一遇の機会でした。
     ザントマンの勧めは眠ってしまうことでした。空腹も夢の中までは追ってくるまい、魔法で眠らせてやっても良いと申し出ました。人間でなくても構わないから眠らせたいという欲求が心の底にありました。
     好き放題に殺したり眠らせたりすれば仲間や傍若無人な振る舞いを怖れた周囲の悪魔からしっぺ返しを食らいますが、遠くから来たガキが自ら望んだことならば、どうして咎めがあるでしょう。どちらも見返りは求めないからと大変同情した様子で話しかけました。ガキはそんなことより満腹になりたいと思いましたが、ガキである限りそういうわけにはいきません。もう空腹で頭が回らなくなってたまりませんでした。腹の我儘に疲れきってしまって、ただ休みたいちっぽけなガキは、ようやく、起きてからでも死ぬことはできると気がつきましたので、ザントマンに頼むことにしました。案内されて波の音が微かに届く草地に立つと、足の下で葉が柔らかく潰れます。この辺りには悪魔がいませんので身を横たえるには良いのです。ガキは葉を一枚ちぎって口に入れましたけれど、喉に詰めてはいけないと言われて慌てて飲み込みました。団子の夢が見たいと考えながら促されるままに横になって、それきり何もわからなくなりました。
     ブーンと低い音がします。目の前に赤い自動販売機があって、下から二本のひからびたネズミの尾がはみ出しているのが見えました。ガキは慌てて両の手でネズミを押さえて、ゆっくり引き出しました。丸々と太っていたのでしょう、立派な大きさの木乃伊でした。一口に頬張るにも苦労しました。頭も尾も一度に飲み下しました。見れば右手にはずっと自動販売機が連なっていて、それぞれブーンと鳴っております。ネズミは大所帯でいくらでも手に入りました。口からまだ尾がはみ出しているのに、右手にも左手にも木乃伊を握って、速く次の自動販売機へ移らなければと急いで飲み下しました。自動販売機の前でのんびりしていては大事な用事に間に合わなくなるのです。用事の内容が思い出せませんが、別のガキに会わなくてはならないことだけは確かでした。
     後ろに伸びる自動販売機の列が端まで見えなくなる頃に、ガキは口が空なのに両手にネズミの木乃伊を持ったままの自分に気が付きました。両手を見下ろせば、その先に見えた腹がはち切れそうになっています。彼は唐突に満腹というものを理解しました。食欲がそそられないので片手のネズミを自動販売機の下に戻し、一匹だけを手に持って先を急ぎます。絶対に間に合わなくなってはいけないのです。手の中のネズミが崩れていきますが、気にも留めずに駆けていきました。目指す先は薄暗く、青白い光ばかりが道を照らしておりました。
    鴗 滝 Link Message Mute
    2022/06/05 1:42:07

    木乃伊取り

    一匹の幸運なガキが自動販売機の下からネズミの木乃伊を見つけた。群れずにいて正解だと思った。鼻先から尾の端まで全て自分のものだ。どうやってこのネズミを長く楽しもうかと考えていた頃のガキは、自分と飢えた腹とがもっとうまくやっていると思っていた。
    (過去作。2022年3月25日に公開)
    #真・女神転生5 #ガキ #二次創作

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    • 魂にまぎれた卵アイトワラスたちは人間界にやってきた。卵を持ち帰って魔界でオムレツを作りたいだけなのに、群れた天使たちはわずらわしいし、体の大きな悪魔は通路いっぱいに体を広げていて、おまけに恐ろしい青い悪魔まで人間界に来ているかもしれない。命を賭けて卵を求めた邪龍たちのものがたり。
      #真・女神転生5 #アイトワラス #ラクシャーサ #エンジェル #ジャックフロスト #オバリヨン #ツチグモ #アンドラス #マナナンガル #二次創作
      鴗 滝
    • 二十七少年は神造魔人と合一してナホビノにならなければならなかった。砂に埋もれた東京、絶えた人影、無数の悪魔。急激な変化に彼の精神は徐々に不調をきたし、ある記録への執着は程度を増していく。彼と合一した神造魔人アオガミは彼を救おうとした。大戦のための兵器として開発された造りものの魔人は苦闘する。
      ※至高天までの内容を含みます。
      #真・女神転生5 #ナホビノ #アオガミ #二次創作
      鴗 滝
    • 完全な贈り物岩山のセタンタが騎士に憧れたとき、妖精王オベロンは喜ばなかった。セタンタはどのような騎士になりたいのかすら答えられない。それでも騎士になりたいならば、彼は苦難の道を歩き、王のすべての問いに答えを出さなければならない。林へ、岩山と同じ悪魔たちがいる街へ、そして竜が空を飛ぶ広い世界へ、彼は槍を握りしめて歩いていく。
      ※万古の神殿手前までの内容を含みます。
      ※「真夏の夜の夢」をオベロンとティターニアの過去のできごととして扱います。
      #真・女神転生5 #オベロン #オニ #セタンタ #シルキー #リリム #フィン・マックール #ティターニア #二次創作
      鴗 滝
    • 嘘とオムレツアイトワラスはついにジャターユの卵を手に入れた。これは他のアイトワラスには知られてはならない。もしも気付かれたら、温め続けていた計画は台無しになってしまう。アイトワラスの視点から見た「究極のオムレツ」の物語。
      ※この小説は真・女神転生Ⅴのサブクエスト「究極のオムレツ」を取り扱っています。
      (過去作。2022年2月3日に公開)
      #真・女神転生5 #アイトワラス #モー・ショボー #アンドラス #二次創作
      鴗 滝
    • 高位の竜受けた依頼の管理が甘いナホビノのはなし。
      もしも手に入ったらイッポンダタラは心の底から喜ぶと思います。硬すぎて素材としては使えなくても、手放すことはないでしょう。
      #真・女神転生5 #イッポンダタラ #ナホビノ #二次創作
      鴗 滝
    • 嫉妬の腕飾りあるとき妖精王オベロンは一人の少年が女王ティターニアの切れた髪を手に入れるところを見た。隠れて美しい金の髪を愛おしむ少年から王は目が離すことができなかった。髪一本であっても体を触れ合わせる姿が許せずに、嫉妬に駆られた王はその髪を取り戻そうとする。
      ※この小説は妖精の集落までの内容を含みます。
      (過去作。2022年4月20日に公開)
      #真・女神転生5 #オベロン #ティターニア #ピクシー #二次創作
      鴗 滝
    • 今際にいたりて主天使斃れたる兵士を思う過去に投稿した小説「燃える天秤」に関連しています。魔王城にいたドミニオン隊のドミニオンを描きました。 #二次創作 #真・女神転生5 #ドミニオン鴗 滝
    • 遥かなる光なりそこないの悪魔スライムは、ひょんなことから自分のことばが他種族に通じると気がついた。はじめて話しかけた相手は怒らせてしまったし、仲間はこの驚くべき事実に関心がない。彼は「会話」に憧れて、ひとり行動を起こす。
      #真・女神転生5 #スライム #ガキ #マンドレイク #アガシオン #二次創作
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    • 消えない契約ナホビノが堕天使アンドラスから引き受けた依頼は、妖獣バイコーンの角の収集だった。単純な依頼だ。ところがナホビノは知らなかった。悪魔と契約するのであれば、目的と期間を明確にしておく必要があることを。人の子が意識を握ったこの神は、己が屠った悪魔に何を思うだろうか。まだあまり強くなかった頃のナホビノの物語。
      ※この小説はサブクエスト「呪いの秘薬」「東洋の呪術」の内容を含みます。
      (過去作。2022年4月14日に公開)
      #真・女神転生5 #ナホビノ #アンドラス #バフォメット #イッポンダタラ #二次創作
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    • 愚者の蝋燭祝え、太陽神の再生を。
      冬至を越えると日が長くなります。だから十二月二十五日は太陽神ミトラスの大祭でした。
      四世紀にキリスト教がローマ帝国の国教になったために、異教であるミトラスの祭はクリスマスに姿を変えてしまいました。彼はクリスマスに怒っても、天使を不快に思ってもいいのです。
      #真・女神転生5 #ミトラス #エンジェル #二次創作
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    • 燃える天秤邪教の儀式によって世に現れた天使は果たして創造主の意に沿う存在だろうか。正規の天使と同じ規格であり続けようとするドミニオンは、ベテルの天使と自分が同じように機能するかを比較することが習慣となっていた。彼を呼び出した神、人の子の半身を持つナホビノは、ドミニオンの隣で徐々に人から神へと均衡が傾いていく。悪魔と過ごす時間が自我に作用することを恐れながら天使は生きた。
      ※この小説にはオリジナルのパーティーが含まれます。
      ※至高天手前までの内容を含みます。
      (過去作。2022年3月10日に公開)
      #真・女神転生5 #ナホビノ #ドミニオン #アモン #ジークフリート #二次創作
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    • 英雄の難事「私は街に暮らす妖精の身を案じています」。妖精王オベロンの頼みを引き受けてフィン・マックールは倉庫街へと向かった。そこには好奇心がおもむくままに危なっかしく生きているジャックフロストたちがいる。久しぶりに顔を出したフィンはさっそく厄介な探し物に付き合わされることになった。
      ※この小説は妖精の里までの内容を含みます。
      (過去作。2022年3月15日に公開)
      #真・女神転生5 #フィン・マックール #ジャックフロスト #キングフロスト #オベロン #二次創作
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    • 蓮華舟魔界に転じた後もウエノの不忍池にはハスの花が咲いている。オオクニヌシたちは花を見ながら酒を飲もうと不忍池を訪れた。池に暮らすサラスヴァティと共に開いた宴の中で、彼らは世界から失われた音を聞く。
      ※この小説はサブクエスト「明神の森へ連れてって」「オオヤマツミ捜索」「魅惑の甘露」の内容を含みます。
      (過去作。2022年2月27日に公開)
      #真・女神転生5 #カハク #サラスヴァティ #オオクニヌシ #スクナヒコナ #二次創作
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    • 兎の耳タケミナカタはカンダの社からよく散歩に出掛けた。周辺の悪魔にとってみればタケミナカタは暴れ回っているのであって、カンダの社はその根城として遠巻きにされていた。魔界の中にありながら静けさが保たれているこの社の平和は、時として闖入者によって乱される。オオクニヌシはタケミナカタに崖を下り、そこにいる者を救ってくるようにと言いつけた。
      (過去作。2022年3月20日公開)
      #真・女神転生5 #タケミナカタ #オオクニヌシ #二次創作
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    • 桃色の氷雪の妖精ジャックフロストが妖精の里に「桃色の氷」を持ち帰った。妖精王オベロンと女王ティターニアは、不思議な氷を今一度手に入れようと護衛を依頼する。
      (過去作。2022年1月31日に公開)
      #真・女神転生5 #オベロン #ティターニア #ジャックフロスト #ナホビノ #アオガミ #二次創作
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    • 黄色いリボンパーティーの悪魔とは別れることができる。別れたあと、彼らはどのように生きていくのか。特別なスキルを隠して仲間たちと共に生きていたラミアは、満月に誘われて街を出た。遠く倉庫街まで来たラミアは、そこで死に瀕した悪魔を見つける。その悪魔はラミアと同じように上半身は人間、下半身は蛇の姿をしていた。
      (過去作。2022年2月12日に公開)
      #真・女神転生5 #ラミア #ナーガ #ディオニュソス #二次創作
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    • 天使像倒壊したビルの向こうにナホビノが立ち寄らなくなった通りがある。仲魔に見せたくない小さな教会があったからだ。サラスヴァティはその理由を知っていた。あるとき退屈した彼女はドミニオンに教会の存在を耳打ちしてしまう。
      ※この小説にはオリジナルのパーティーが含まれます。
      (過去作。2022年2月20日に公開)
      #真・女神転生5 #ドミニオン #ナホビノ #サラスヴァティ #ハヌマーン #二次創作
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    • 口紅ネコマタが拾ったのは女子生徒が落とした小さな化粧ポーチだった。中にはほとんど何も入っていなかったが、一本の口紅が彼女の興味をそそった。彼女はもう前足でものをつついていた猫ではない。細い指先が小さな筒を手に取った。
      ※この小説には特殊会話の内容を含みます
      ※南シナガワ周辺の内容を含みます
      (過去作。2022年3月26日に公開)
      #真・女神転生5 #ネコマタ #リリム #二次創作
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    • 海と希望ザントマンは眠れなかった。崖を越えて、川から嘆きの声が響いてくるからだ。呪いに支配されたマーメイドの仲間たちを元に戻すため、ザントマンとマーメイドは海を目指して広大な砂地を渡る。
      ※この小説は真・女神転生Ⅴのサブクエスト「呪われたマーメイド」「清浄なる源泉」「睡眠砂の補充」を取り扱っています。また、コマガタ近辺までの情報に触れています。
      (過去作。2022年2月8日に公開)
      #真・女神転生5 #マーメイド #ザントマン #二次創作
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    • 3今際に至りて主天使斃れたる兵士を思ふ(全文)過去に公開した小説「燃える天秤」に繋がる絵の全文公開版です。小説の内容に関わるためパスワードを掛けています。鴗 滝
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