完全なる自✗完全なる自✗
ねえねえ…
人ってどうやったら「完全なる自✗」ができると思う?
ーーーえ?
「完全なる自✗」の意味が分からない?
………それはね…
身元の特定ができない、遺体になるってことだよ。
…なぜ身元の特定ができない前提が、「完全なる自✗」になるのかって?
一番は見つからないことだけれど、日本の警察は優秀だから、ほぼほぼ無理だよねぇ…
だったら、見つかることを前提とした遺体になったほうが早いよ。
で、頭の足りない僕なりに「完全なる自✗」について色々考えてみたんだけれど…
1. DNA鑑定ができない状態になる
2. 歯の治療痕からの身元特定を避ける
3. 骨格からの身元特定を避ける
4. 爪の間の組織片からの身元特定を避ける
5. 自✗場所に向かうまでの目撃情報をなくす
が、キモになってくると思うんだよねぇ…
1は割と簡単なんじゃないかな…だって自身の身体を燃やせばいいだけなんだからさ…
場所は山奥がいいかなぁ…山は燃えるけど、多分人的被害は少ないし…
5も多分簡単。靴と洋服とウィッグを複数用意して、トイレで着替えればいい。
トイレは監視カメラついてないらしいからね…
それに複数回着替えることで、靴裏から採取される土、洋服から採取される花粉などからの移動経路の特定も、多分避けられる…
証拠も、自身を燃やす時に一緒に燃やせばいいんだからさ…
で、ここからが問題なんだよ…
歯と骨、爪の間の組織片からの身元特定の回避がネックでさ…
一番いいのは、歯と爪を全部抜いて、両脚を切断して潰すのがいいと思うけど…
自分で自分に拷問かけるの、普通は無理だからね…
モルヒネとか、感覚鈍らせる薬があればいいけど、入手経路で確実に身元特定されるし…
まぁ、現実的ではないよねぇ…
うん、知ってる…知ってるよ…
だから、僕は今日も生きてる。
生きてるんだ…
僕の考えた「完全なる自✗」はどうだった?
良かったら、君の考えた「完全なる自✗」も教えてよ…ねぇ…
ねぇ……
………
この話は、もう終わろうか…
なんの得にもならないし…
帰りにコンビニでも寄る?
行かない?……そう。
だったら僕は帰るよ。
それじゃあね………バイバイ…
fin.