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    【とな怪】夢の中なら【ヤマ雫】チュー意報!夢の中ならチュー意報!夢の中設定ですがヤマケンと雫がチューします。
    軽いのから濃いのまで。

    『夢でもダメ!』な人は見なかったことにしましょう。
    逆に『どーんと来い!』な人は次ページからどうぞ。
    『ヤマケンくんは、キスとかしたことあるの?』
    『……は?』

    夢の中なら

    『水谷サン、そんなこと聞いてどうすんの?』

    何なんだこの女は藪から棒に……!!
    言葉は冷静を装ってみたが、明らかに動揺が出るのがわかってオレは腕で顔を隠した。

    『ヤマケンくんは女性経験が豊富そうだから、どうなのかと思って……』
    『……まぁ、オレともなればキスの1つや2つ……っ!?』

    ようやっと動揺が治まり、いつもの調子で話し始めた。
    が、オレの言葉は一瞬にして遮られた。


    水谷さんの、唇で。


    何だ今の何だ今の何だ今の……!?!?
    突然の出来事に今度は動揺を隠せず、紅潮する頬を晒す。
    しかし、そんなオレを尻目に唇を離した水谷さんはこう言った。

    『なんだ……』


    『大したことないのね。』


    鼻で笑うように、口の端を吊り上げて。

    『ふっ……』


    「……っざけんなぁああああぁぁああああ!!!!!!」


    そう叫んだところで目が覚めた。
    なんだ夢か……。
    ……って、どんな夢見てんだオレは!?
    アレか?こないだの電器屋帰りのカフェでのこと気にしてんのか?
    いやいや有り得ねぇだろ……。
    気になる女にキスの話されて気になり過ぎて夢にまで見るって……小学生かオレは。

    「ねーよマジで……。」

    叫びながら飛び起きたオレは、そう呟いて再びベッドに倒れ込んだ。
    あー、最悪だ……なんであんな夢……。
    まぁ、でも……


    感触は良かったような……


    ……って何思い出してんだオレは!!
    妙にリアルな感触が離れずに唇を指で覆った。
    あぁ、クソ!胸糞悪い……。
    オレは勢いよくベッドから飛び降りて着替えを始める。
    今日は休日だし、気分転換に外に出よう。




    (さて、どうするか……)

    特に目的があって出て来た訳でもないので、とりあえずテキトーに街をぶらつく。
    暫く歩いていると、たまたま本屋の前を通りかかった。
    そういえばレポートに必要な資料が家になかったんだよな……丁度良いから買っていくか。
    思い立って店内へと入る。
    店内をうろつくと、奇跡的に必要な資料が置いてあるコーナーに辿り着いた。
    店が小さいってのもあるが、一発で辿り着くことがなかなかないオレとしてはかなり良い気分だ。
    上機嫌で資料を物色する。
    結構良いものが揃っていて、更に機嫌は良くなった。

    (あ、この本……)

    そんな中、ある本のタイトルが目に留まった。
    "試験徹底攻略"とか、水谷さんが好きそうなやつ。
    あの人本当に頭ん中勉強のことばっかだからな……。
    そう思いながら何となしにその本へと手を伸ばす。
    だが、オレの手が届く前に別の誰かに本を取られてしまった。
    まぁ欲しかった訳じゃないから良いけど。
    しかしあんな如何にもガリ勉が買いそうな本を誰が……


    「あ、ヤマケンくん。」


    「……。」

    オイオイ、マジかよ……。
    二つ結びの髪にモサイ服……間違いない、水谷さんだ。

    「ヤマケンくんも本を買いに来たの?」
    「あぁ、まぁ。」

    軽く返事をしてみたが、オレは内心かなり焦っていた。
    クソッ、普段は会えないってのになんで会いたくない時に現れるんだよこの女は……!!

    「私はこの本を買おうと思うけど、ヤマケンくんもこの本を取ろうとしていなかった?」
    「いや、それは別に……。」

    いつもなら本をダシに積極的に攻めるところだが、今日はあの夢のせいでどうも調子が出ない。
    チャンスを逃すのは惜しい気もするが、今は一刻も早く水谷さんから離れたいという思いの方が上だった。

    「じゃあオレ行くわ。」

    欲しい資料を手に持ってそそくさとレジへ。
    と、思ったのだが……


    「待って。」


    突然、腕を掴まれて呼び止められる。

    「……何?」
    「レジ、そっちじゃない。」

    そう言うと、水谷さんはオレの腕を掴んだままスタスタと歩き始めた。

    「水谷サン、何のつもり?」

    すんなり離れられると思っていたのに……。
    そう思っていると、水谷さんは前を見たままオレの問いかけに答えた。

    「この前、あなたと電器店へ行ってわかったの。」
    「何が?」
    「あなたといる時は……」


    「"絶対にあなたから離れてはいけない"と。」


    そう言ってコチラを振り返った彼女は、フッと笑みを浮かべた。
    わかってる、この笑顔は道に迷うオレを嘲笑うものだと。
    今日の夢に出て来た、あの笑みと一緒だ。
    本当に腹が立つ。
    なのに何で……


    何でこんなときめいてんだオレは……!!


    「ヤマケンくん、この後の予定は?」
    「……ない。帰る。」

    会計を済ませて店を出ると、この後の予定を聞かれたのでそう答えた。
    今度もまた引き止められるか?

    「そう。帰り道はわかる?」
    「あぁ。」

    なんだ、今度は引き止めないのか。
    クソッ、どうも思った通りにいかない。
    別に引き止めてほしかった訳ではないが、自分の予想とは裏腹な行動をとる彼女に苛立ちを覚えた。
    まるでオレが水谷さんに振り回されてるみたいだ。
    そんなことあるはずがない……いや、あってはならない。
    オレの人生で、今まで思い通りにならなかったことなど一つもなかった。
    それがこんなモサくてガリ勉で、おまけにハルのことが好きな女なんかに……!!

    「それじゃあ、私はこれで……」


    「待て。」


    オレは背を向ける彼女の腕を咄嗟に掴んだ。

    「……何?」

    突然のことに少し驚いたような表情の水谷さん。
    ここでキスをしたら、彼女はどんな顔するだろうか?
    見たい。オレに翻弄される、水谷さんの顔を。
    やっちまえ!キスなんて他の女と数え切れないほどしてきただろう?
    出来ないわけない……出来ないわけないんだ……!!

    「ヤマケンくん……?」

    腕を掴んだまま押し黙るオレに、少し不安げに水谷さんが問いかける。
    その表情に、キュッと唇を噛んだ。
    そして……

    「や……」


    「やっぱタクシー乗り場まで連れてけ!!」




    家に着いて、オレはベッドに倒れ込んだ。
    結局、オレは何も出来なかった。
    水谷さんのあの表情……


    "嫌われる"……そう思った。


    他の女ならそこから振り向かせる自信がある。
    でも水谷さんは……。
    ……あークソッ、何ビビってんだオレは!?
    上手くいかないことを恐れてるってのか……?
    今まで何でも思い通りにしてきたこのオレが?
    ……いや、全てが思い通りに行きすぎているから恐れているのかもしれない。


    思い通りにならなかったら、オレと水谷さんの関係はどうなるんだろうか……。


    「……はぁ。」

    バカバカしい。
    考えるだけ無駄だ。
    そう結論付けて、オレは静かに目を閉じた。




    『ヤマケンくんは、キスとかしたことあるの?』
    『……は?』

    なんだ?また同じ夢……?

    『……そんなこと聞いてどうすんの?』
    『ヤマケンくんは女性経験が豊富そうだから、どうなのかと思って……』
    『……まぁ、オレともなればキスの1つや2つ……』

    すると、また同じタイミングで唇を塞がれた。
    この唇が離れたら、オレはまた嘲笑われるのか……?
    そう考えると腹が立った。
    おかしいだろ……思い通りにならないわけがないのに。
    だってこれは……


    オレの夢なのだから。


    『んっ!?』

    そう、これは夢だ。
    そう思ったら今までされるがままだったのがバカみたいに思えた。
    夢と割り切ったオレは、離れようとする水谷さんの唇を逃がすまいと彼女の頭に手を回して押さえつける。
    苦しそうに息を漏らしながら離せと言わんばかりにオレの胸を叩く水谷さん。
    その様子に、夢だとわかっていてもゾクゾクした。

    『んはっ……んっ!?』

    水谷さんの口がわずかに開いたのを見逃さず、オレは舌を差し入れた。
    逃げる彼女の舌を追い詰めて絡めとる。
    すると、観念したのかされるがままになる水谷さん。
    オレは自分が満足するまで彼女の口内を堪能した。

    『はぁ……はぁ……』

    満足して唇を離すと、夢であることを忘れそうなほどリアルに糸が引いて切れた。
    水谷さんは息も絶え絶えにうつろな瞳でオレを見やる。
    そんな彼女に、オレはフッと笑って言った。


    『可愛いね?水谷サン。』
    ショコラ Link Message Mute
    2018/07/20 19:00:00

    【とな怪】夢の中なら【ヤマ雫】

    ヤマケン視点。電器屋デート後のカフェでの『キスしたことある?』という雫の発言を実はヤマケンもの凄く気にしていたんじゃなかろうか、という妄想。
    #となりの怪物くん #とな怪 #ヤマ雫 #ヤマシズ #ヤマケン #山口賢二 #水谷雫

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