イラストを魅せる。護る。究極のイラストSNS。

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    しおり
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    しおり
    ロキドログ奪ってやりたいゆめみる船長病気と本とエスパーこの行為に名前をつけて △◆侵食 X雨の日でも有り余っている何か男が彼を口説く時ジャンキー御免切断の愛憎 X◆呼ばれた訳じゃないけれど、ダウン物欲行動矛盾の上もしも、狂騒の日常にて第三者が告げる話一戦先は、恋とある梅雨日 X奪ってやりたい

    暴力的な四肢を。
    怒鳴り散らす声を。

    それを吐き出す唇を。
    強い視線を投げる目を。


    何より、動く事しかまだ知らない心臓を。









    「テメェは・・桁外れのイカレ野郎だぜ」

    「それは最高な言葉だな、ユースタス屋」

    「黙ってさっさと退けやがれ。このド変態医者がっっ」





    さぁ、全ては組み敷かれてる
    笑って喰らおうか

    四肢を
    声を
    唇を





    心臓を。






    だってお前は俺の何もかもを掴んで離さないじゃないか








    『不公平は良くないよなぁ?ユースタス屋』






    ゆめみる船長
    南の生まれ。と、
    どこかで耳にしていたのに、やたらと白を張り付けてる肌
    何をしてればそこまで白くなれるのかと思う程に。
    だから俺が傍に居ると余計にユースタス屋の色白さが増すのだ
    自分の手がユースタス屋の皮膚に触れる時、それが一番にやってくる恍惚になる
    傷つけたくて汚したくて、痣なんかを俺がつけてやったら最高なんじゃないだろうかと思う
    俺以外がつけても構わないが、顔は駄目だな
    やられたら俺がキレる。
    色々と細かい注文がそこは多いから

    あ。でも待てよ?

    顔をユースタス屋が怪我して俺が治療して舐めンのもアリだな・・・
    目元をぶん殴られて、青赤の変色に染めた皮膚を潰すように舐めてやりてぇよ
    泣かないかなぁーユースタス屋・・・











    『何考えてるかなんて想像もしたくねぇ!!!!!』







    ソファーの向こうに寝転がる奴は寝ながら不気味に笑っていた。











    『トラファルガー、さっさと自分の船に帰らねぇかな』



    何となく自分の身に危機感を感じているキッドだった



    病気と本とエスパー
    どんな病気に掛かってンだか知らねえが、頭の壊れた言動を毎日のように俺に繰り返すトラファルガー
    うざいし、気持ち悪いことこの上ない。
    そんな奴が唯一、大人しくなる時が実はあったりするんだよな









    「・・・」

    「・・・・・・。」





    ほら見ろ。
    信じられないことに一ッッ言も口にしない
    真面目ぶってキラーの本(人体について書かれてるやつ)を熟読してるところだ
    姿勢もよろしく、ソファーから微動だにもしない
    まるで呼吸だけする人形のようだ







    『いつもの調子も迷惑だが、これもこれで迷惑だな』









    何故なら、
    音を立てたらいけないとでも言わんばかりに静かなんだよ
    波の音と鳥の声がこんな時だけは響くように聞こえねぇ。
    なんだお前らもトラファルガーと共犯か!?
    おまけに奴がたまにページを捲る音に、俺は情けなくビクつきそうになるからやってられねぇんだよっ!!



    だから終いには、いつも奴が視界に入らないように
    背を向けてその場で寝転がる



    ムカつくことに部屋の主は俺なのにソファーで寝れないのは癪だが(行けばトラファルガーの病気が始まる気がする、多分)









    『うぜぇーなー・・・・・・アイツ』









    いつもは俺にやかましく訳分からんことを言いにくるのが目的なんだろうが、この場合何がしたくて来ンのかさっぱりだ
    それでムカつく
    結局、頭痛くなるような事をしなくてもコイツのせいで頭が痛くなる
    帰ってくれ。って、言えばエセ正論を返されかねないから言えない
    いつもは煩いって口実があるからさっさと帰れ。と、言えるんだ



    ああ この空気も きらいだ
    気持ち悪い





    「・・・・・・。」

    「---・・・・・・」

    「・・・なーんか、スネてる気配がするな?ユースタス屋ァ??」

    「スネてねぇよ」











    しばらく顔も見たくなくて、俺は身に纏ってた毛皮の中で眠ることにした











    が、
    10秒もしない内にヤツが添い寝と称してカラダをまさぐって来たモンだから、俺が飛び起きねぇワケがねぇ!!
    まじで死ねっっ!!

    この行為に名前をつけて △◆
    互いに互いで
    噛みついて、引っ掻いて、痣つけてと
    綺麗とは縁遠いデコレーションをした後に、俺は隙をみてユースタス屋の左耳の上部に噛みついた
    「痛ッッ」と小さな主張が聞こえたが無視。
    軟骨をガリガリ噛んで、赤くなったのを見計らってそこをねっとり舐めあげる
    ビクついてくれたが、次の瞬間には
    強烈な右ストレートが俺の頬にようこそした
    歓迎はしてなかったんだがなユースタス屋。
    いくら俺が医者とはいえ、顔面の手術を自分でするのは楽じゃねえのに
    まあ骨は丈夫だったから折れてないみたいだな?
    とりあえずなんだっていい。
    人にこれだけのパンチ喰らわせたんだ





    おら、次はその鎖骨の味を教えてくれよ









    殴られるのが面倒で右手を没収したら左フックが案の定、俺の顔にご来店した







    『だるまにすると治したくなくなるから、今までやらなかったんだぜ?!!このままじゃヤっちまうだろッ!!?』

    『ふざけんな!!それよか両脚と右腕を返しやがれっっっ!!!!』

    侵食 X
    「ユースタス屋、」



    耳障りで愉しげな声
    俺が嫌いな声
    ムカつく声
    死ね、百遍は地獄に逝け
    こっちは苦くキツい気持ちしか今は持ち合わせてねぇンだよ



    片腕で目元を覆えば、







    「面隠すつもりか?なァ、腕切り落としちまうぞ??」







    少し腕をずらせばそこに。
    えげつない笑い方浮かべて吐き出された本気に、
    心底うんざりした
    俺ぁ、あの能力をこんな時に使われるとどんな末路を見るか、嫌という程知ってる
    冗談じゃねえ
    反抗の意思を込め、
    繋がれた体を引き離す為に腕を使えば、笑みが相変わらず張り付いたままのヤツと目がかち合う







    「堪んないな・・・ユースタス屋のナカ、最高・・・・ッ」

    「っ・・・のっ!!いつか、ブッころ、す」

    「腹上死、で?」







    バカなことばかり舌先に並べるのに頭にキて、
    染め直したばかりの黒い爪をヤツの腕に食い込ませれば、すぐさま血が滲み始める
    ざまあみろ!!と、腹ン中で思った矢先。
    俺が反抗を示した事が仇になって返ってきやがった
    急速に動かれて情けない声を散らす
    最悪だ








    何よりも、コイツに体を侵食されたこと事態が、最悪なんだろう














    『いつか殺す。ぜったい、ころす・・・ッッ』

    『ああ、きっと俺を殺したいんだろうなユースタス屋。凶悪的に可愛いな』



    雨の日でも有り余っている何か
    雨の日にユースタス屋の所へ訪れると、酷く機嫌が悪かった
    どうした生理でもとうとう来たのかと俺なりの気遣いをしてやったが、何故か有無言わずに足を思いっきり踏まれた
    おまけに「とうとうってなんだ?!!俺は女じゃねーぞ!!!?」なんて、言葉も付いてきて。
    いやそんなの見れば分かるし、 女的要素なんてその硬い胸にはないだろうよ

    とりあえず生理になった部分だけを否定しなかったから、突っ込んで聞けば能力を発動してキレられた(そして否定付き)







    「お前、自分の船を壊すつもりか?」

    「ならそれ以上、下らないこと言うんじゃねぇよ。口に金属類突っ込むぞ」

    「悪いが突っ込むのはおr「海ン中に突き落としてやろうかテメェ!!!」









    いかんいかん。
    つい、ムキになるユースタス屋にゾクゾクとしてしまい、口から下ネタばかりが出てきちまった
    一度スイッチ入ると制御するのが下手なんだよな、俺。
    とりあえず、こんな事を言おうと思ったわけじゃあ無い



    俺が知りたいのは、







    「雨が嫌いか?ユースタス屋」

    「あ゛あ?」

    「雨の時、機嫌が悪ィのを俺が知らないとでも思った?」







    急に変わった話の方向性に、何か言いたげに口が動くユースタス屋
    だが動くだけで、言葉が発されることは無い
    ついでに顔も横に逸らされ、ユースタス屋の赤い目に俺は映らなくなる

    前から思ってはいた
    不思議だったが聞こうと今日まで思ったことが無かった
    理由はなんなのだろうか?
    しばらく雨の音だけが外から聞こえた







    「・・・・別に。嫌いってわけじゃねえよ」







    赤い目に映る俺が戻る
    どこか言葉を選んだ様子だ







    「嫌いじゃないなら不機嫌の理由は?」

    「・・・」

    「無いのか?」







    口を真一文字にまた俺から目を逸らす
    吐かないつもりなのだろうか?
    その強情さも悪くないが。









    「・・・・~から、だ」

    「?なんだって??」

    「雨の日は体冷えンだ、って・・・・言ってんだ!!・・もー言わねぇぞ」







    言い切ると苦虫でも噛んだような顔をしていた多分、これは照れてる。(可愛げのない照れ方だな)
    俺はしばらく考えを巡らせる
    つまり、何か?
    ユースタス屋は冷え性だったのか
    さすが南の海産の体だな





    しかし、俺はここで重要な事態に気づいた









    『って、事は。俺は今までユースタス屋を温めてやるよプレイのチャンスをかなり逃してるんじゃねーかァァァアアアっっ!!!』













    早速その事を口にしたところ「だからテメェに言いたくなかったんだよ!!この変態医者がぁああああッ!」などと返された
    形相と声量凄まじく、キラー屋が思わず何があったかと部屋に飛び込んでくる程だ
    おかげで温めそびれちまった。













    『次の雨の日こそは・・・フフフッ』



    男が彼を口説く時
    「本当にお前はワケが分からねェよ」



    自室に帰ってきたユースタス屋の第一声はそれ。

    呆れたような、困惑を覗かせるようなもの
    予想ケースの100通り中、ひとつにコレはあった





    「気に入らないか?ユースタス屋」

    「・・いや。それよか、さっきまで見てたものと大差が無ェから、」





    まだ敵船の中で人ぶっ殺してるみてェで、悪いとは思わねェよ。

    付け加えて言ってきた顔には3億越えの笑みが浮かぶ
    そうやってお前が敵陣を砕いていくのかと思うと、俺は愛しくて堪らなくなるんだよ









    一万本の薔薇の花びらを、床に敷き詰めて待っていたのさ。
    (ユースタス屋の赤でもあるが、血の海も悪くない)









    波打つ赤を踏みつけてユースタス屋は俺の近くへと来る





    「まず、花なんて愛でる気持ちが俺には無いしな」

    「その辺は問題ないだろ。花がお前を愛でてるんだから」

    「言ってろ、気狂い。あーあ、テメェのこれを誰が始末すると思ってやがる」

    「キラー屋だろ?」

    「分かってンならやるなよ。俺がキラーに怒られんだ」

    「薔薇風呂にでもしといてくれと伝えとくさ(キラー屋に叱られるユースタス屋も見たいな)」









    後日、キッド海賊団からは薔薇の匂いがしたとかしてないとか。

    ジャンキー御免
    ここ数日で奴の隈が色濃くなってるのを俺は知っている





    トラファルガーは薬中医者だ。
    日中に人の部屋にやって来たかと思えば、通常の5倍は睡眠作用を及ぼすとかいう薬をガリガリ噛み砕いている
    それも暇さえあれば何十回とも言えるペースで。
    キラーに聞いたがアレは異常で、普通なら死んでるところだとか言ってた
    奴が多方面で異常なのは前から知ってたがな
    トラファルガーの行動と考え方は相当な非常識の塊だ

    勿論聞いた。

    どうして馬鹿みたいに薬を食ってるのか。と、







    「最近寝付けなくてな・・・日中からこーしてないとヤベェのさ」

    「・・どうせ、それやってても大して寝れてねぇんだろ?」

    「なんだ、ユースタス屋。分かるのか?」







    ンなに良くもねェ顔色が更に悪く、いつもらしかねぇ調子なら気づくもんだろうよ
    あのぶっ飛んだテンションは、今はどこにあんだ?

    しかし医者が睡眠不足に苦しんでるなんて笑い話だな
    トラファルガーがどうなろうと、俺たちに影響はないだろうが
    コイツの仲間はどうだろうか

    俺がコイツの立場なら、船長としてこんな姿は見せられない気がする(ああ、だからわざわざここで薬を過剰に食らうのか)







    「・・・」

    「あー・・ユースタス屋が一緒に寝てくれるなら、俺ぐっすりといけるかも(いますぐ殴られるだろうなァ)」











    アホくさい言葉と冗談という笑いを浮かべたソイツに、何故か

    余計な事しねぇならそれくらいは・・・。

    と、自分でも信じられない言葉を吐いた事が自分でも信じられない。
    俺もトラファルガーも直後に変な表情になっていた















    「っっっ!!!(ああ、もうっ、最高だ!!!)」

    「てっ、テメェ何顔隠してジタバタしてやがるっ!?」





    気色悪さが一気に増しだして後ずさると、飛びつかれた
    「さっきの言葉の続きと、《余計な事》の意味を教えてくれよ。ユースタス屋」
    腕を引かれて、そんな言葉が耳に飛び込んでくる
    今のトラファルガーがどんなツラしてるかなんて確認したくもない







    俺は毒されているのか?











    『それでもトラファルガーに好きだの何だのとか、思う事は一生ねえだろうよ』

    切断の愛憎 X◆
    今少しだけ面白いことになってる

    ユースタス屋に新しい娯楽を教えてやろうと、まずは俺の能力で四肢を取り上げた
    すると案の定「何しやがるっ!!このキチガイ切断マニアっっ!!!」などと、光栄なほめ言葉を俺に一通り罵ってキレ始めてしまった
    まぁ待て待て。
    ここから俺が面白い事を教え込んでやると言ってるじゃないか
    そうしてやっとユースタス屋が黙り始めると同時に、
    四肢と同じ手順で陰茎周辺ごと取り上げると、そこからもう先程の比にならない噛み付き声を俺が受けた
    しかし手足の無いユースタス屋はそれほど脅威じゃないわけだ。
    手中のソレをひと撫でする
    ユースタス屋の噛み付き声はすぐさま止んでくれたさ



    そうして目の前で、自分の性器がイジられる様を粗方見せつけ終わる頃には
    俺の腕がユースタス屋の体液でダラダラ。
    勿体無いから自分の肘に舌を這わせ、手のひらに達するまで舐めた
    ユースタス屋と言えば浅い息を何度も繰り返しては、体に汗を浮かべて耐えているご様子だ





    「く・・・・っそ!!!」

    「フフ・・焦らされるのは嫌いだものなァ?」

    「黙っとけ!・・・ぅ、」

    「『今』はラクにしてやるさ。この後はまだ、する事があるし」









    お前の×××をその体内に埋め込んでやったりとか、な?




    さぁ、ユースタス屋
    自分のカラダのナカがどれだけの熱を持ってるか
    その身に体感してみろよ











    二発ほど自分の中に出して果てたユースタス屋を
    更に俺が追い詰めて楽しみ抜いたが
    それでもギリギリまで自分を保っていたことにまるで強姦した気分になった





    『・・・強姦だろう。どう考えても』

    『悪かったよ。で?自分に挿入するってどんな感じだった??』

    『(もう本当にコイツやだ!!!!!)』

    呼ばれた訳じゃないけれど、
    シャボンディ諸島に滞在している間、
    何かとしつこく俺の船にやって来ては問題を起こすトラファルガー(主に被害者は俺だが)
    そんな奴がまた今日も来たか。と、
    そんな時刻になっていた
    そして、いつもの時間に開かれる扉の向こうには


    フサフサとした赤毛のデカい猫を連れたトラファルガーが居た









    「ペットショップでも襲って来たのか?」

    「生憎、動物愛好家じゃないんでペットショップを襲う趣味はないな」

    「全世界の動物愛好家にお前はどんなイメージ持ってやがる」







    会話にならない言葉を投げ捨てた頃には、トラファルガーが部屋へと着々と入っていた
    猫はゴロゴロと鳴きながら、
    その身をトラファルガーの首筋に擦り付ける
    猫の行動に、人らしいまともな笑い方でトラファルガーはくすぐったがっていた(ああいう顔ちゃんと出来たのな、コイツも)







    「ここに来るまでに拾ったんだよ」

    「妥当な話だな」

    「なあ?会って時間もあまり経たねぇのに、この猫すげぇ懐いてると思わないか??ユースタス屋」







    振り返った表情は嬉しさからじゃない笑みだと分かった

    コイツの、良からぬ顔だ

    こうなると不信感と不快感が同時に降ってくる







    「あー・・・そうかも、な」





    返答しねぇと余計に拗れそうな臭いがして、渋々言葉を返すと











    「やっぱりな。俺たち気が合うものなァ?『キッド』」











    ニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべて、トラファルガーは『猫』と鼻でキスを交わした











    「おい・・・」

    「なんだ?ユースタス屋」

    「猫の名前変えやがれ!!悪趣味の極みだッッ!!!」

    「別にた・ま・た・ま、ぐ・う・ぜ・んに同名の猫なんてさ、居てもおかしくないだろうよ??」





    そうじゃ絶対ェねぇから言ってんだろ!??

    俺の悲痛な訴えは奴の肩から聞こえた「にゃー」の一言に消される
    トラファルガーは「『キッド』もそう言ってるじゃねえか」と、またふざけた答えを返す





    『とにかくトラファルガーに名前を呼ばれてるようで気味が悪ィっっ!!!!(ああああどうしてくれようかこのストレス!!!)』

    『そうか、体を震わせる程に俺に名前で呼ばれたかったのか。(一週間くらい名前で呼んでやろう)』


    ダウン
    「おい・・・変態あほ医者」





    座り込んでからどれぐらいの時間が経ったんだ?



    何度こうやって呼んでも奴は返事を返さない
    だんまりを決め込んで
    自慢の赤羽根の羽織り下の、俺の体を抱えて離す気配がまるでない
    行き場が見当たらねぇ手は仕方なく後ろ手に自分の体を支えてる





    普段の俺なら。普段のコイツなら。





    俺ならば許しはしねぇし、コイツを地の彼方まで蹴飛ばして体を触らせるのを阻止するところだ
    そうしねえのはコイツが俺の知る、『いつもの状態』とやらではないから
    触り方が一向に変態的な変化を見せない辺りからして、何か様子が違う
    言うと馬鹿らしい上に自分が可哀想になるんだが。





    「・・・」

    「・・・・いい加減、喋れよ」

    「・・・・」

    「トラファルガー。新手の嫌がらせはもう、うんざりだ」







    なんとか言えよ、この野郎。と
    言わない考えに意味は無ぇのは解りきってる
    反応をこうして十数分待つだけ俺がバカなのか
    抱えられる体に温かさが増えるだけ、考えが冷たさを増してゆくようで嫌だった

    こんな反比例は欲しくねぇんだ





    後ろで体を支える手が、行き場を求めかけそうになる











    『だけどそれをやれば、俺がおれじゃなくなるんだよ』
    (誰がお前に同情や優しさの類なんて持つか)











    「・・ユースタス屋、」

    「(やっとか)あー?」

    「お前を心底解体(バラ)して、部位の一つひとつを調べ上げたいよ」













    奴からすればその言葉は最上級の愛情表現なんだと。
    ・・・今日は一段とトラファルガーの理解に苦しみそうだ
    もうなんだっていいからさっさといつものお前に戻りやがれ、クソッ!!

    物欲行動
    人間の物欲には際限が尽きない
    溢れては、零れるだけ零れていく
    頼むから止めてくれなんて空のかなたの誰かに頼んだところで、虚しい話
    ユースタス屋の腕が欲しいとか、耳が欲しいとか、踝が欲しいとか
    結局はユースタス屋ぜんぶが自分に取り込めたらいいと壮大に我が儘を胸に唱える



    俺は『心』という言葉が嫌いだ。



    いっくら人体を細切れかつ、綿密に調べた所で出てきやしない
    『心』は心臓とでも言いたいのか?
    残念ながら心臓に思考回路は付いてない(俺の中ではソレには付いてあると考えてるから)
    これは『心』と言えない
    それでも、自分の信念やら譲れないものは俺も『心』にあると考えている
    何故かそれだけは信じたかった
    体のどこにも在りもしない上に、嫌いだというその器官を信じたいなんて笑えるが。

    際限のない気持ちは、どこからやって来るのか

    腹の底か、或いは脳の奥底からか
    それこそ『心』から来るのか。
    ああユースタス屋に会いたい禁断症状が出てきた
    三秒以内に抱きしめて、アイツのフワフワした上着の感触を確かめたい
    決まって嫌そうな顔するがそれで上等さ
    俺の意識優先!!
    ユースタス屋の脇腹も触りたい、肘も手も。
    どこから触るべきか悩んじまうよ








    いっそ足を舐めてやってもいいな
    (船長としてやっちゃあいけない格好になるだろうけど)



















    「・・奴が来る。キラー」

    「奴?トラファルガーか??・・どこにも姿見えないぞ」

    「凄まじく寒気がするンだよ!!!恐らくロクでもない事考えてコッチに向かってやがるッッ!!!!!」

    「・・・まぁ、頑張れ」


    矛盾の上
    『病気』に掛かったとはこの事だろう
    ああ、こんなこと本当はあっちゃならねぇのに。
    寂しいだとか、居ないよりは居た方が何故か自然に思えるとか、
    まったくダメだろうよ。
    それは本当に本気で考えちゃいけねぇんだよ







    「それは恋だな。ユースタス屋」

    「恋?変って漢字違いじゃねぇか??」

    「認めねえのが、可愛くないけど可愛いな」

    「テメェ盛大に矛盾してるぞ」







    大体、可愛いなんざ思われたくもない。
    寝言は寝てから言え、トラファルガー
    それよか柔らかさも何もない男の脚を枕にして何が楽しい?
    笑ってんな気持ち悪ィ
    目を合わせんな、さっさと閉じろ

    潰すぞ?











    頭がジャマくせぇよ、さっさと脚から退けよ。
    貸してやるなんて一言も言ってねぇぞ













    『お前の方が矛盾ばかりだな、ユースタス屋(さっさと俺を好きと言えばいいのにな)』
    もしも、






    転生説を信じてるわけじゃないけれど、なれるならば。
    心底妬ましいのは本音
    ユースタス屋を殺すも生かすも俺の手の中にある、そんな存在が羨ましいことこの上ない
    ヤツはユースタス屋が死ぬという時を決める存在だから
    ヤツが死ぬ時はユースタス屋が死ぬ時だから。





    もしも、生まれ変われるなら俺はお前の心臓になりたい
    (生かすも殺すも俺次第。)















    『ああ、でも、臓器になってしまったらユースタス屋の表情や仕草を見れないじゃないか』

    それは心臓には出来ない、人間である俺の特権だった
    どちらも捨てがたい
    いっそ結合双生児にでもなればいいのか?(似ても似つかない双生児になるが)
    いやダメだ、その状態じゃユースタス屋と××××出来ないだろ







    「結局、俺は俺で在りたいんだよな・・・」

    「あ゛ー?なんか言ったか、トラファルガー??」





    この時まで、ここがユースタス屋の自室であったことをすっかり忘れていた
    とりあえず話を逸らすために、別の話題を見つける











    「挙式するならサウスブルーか、ユースタス屋」

    「よし。テメェその口を仲間に縫って貰ってこい」



    *・*・*
    タイトル元/Aコース
    狂騒の日常にて


    「ユースタス屋」

    「死ね、消え失せろ」

    「一秒で着火する俺への殺意か、堪らないな」

    「それ位お前が俺にとって胸糞ワリィ存在なんだよッ!!!気づけ!!!」

    「俺が傍に居なくたってそう思ってんだろ?」

    「まずブッ殺してやりたいランク上位にはいるな」

    「つまりそれだけいつも俺の事を考えてるのか!!!」

    「ダァァァァアッッ!!!テメェはなんでそんな思考なんだよっ」







    「それはお前を愛してるが故の考えさ!お前の事を考えてる時にマイナス要素なんて1つもねえよ・・フフ」















    (解らねぇ・・・!!こいつの言ってること、何一つ俺には理解できねぇ!!!いや・・・もう解りたくもねぇッッ!!!!!)



    なにかカッコ良く台詞を決めたとばかりの様子のローにキッドは絶望と、深ーいふかーい考えの溝があると知りました。

    第三者が告げる話
    長い航海を共にすれば解ることは色々ある
    例えば、雨の日が嫌いだとか。
    朝早くから身だしなみ整えるのに起きてるとか。
    食べ物の好き嫌いが無いように見えるが、実は嫌いなものは我慢して食べてるとか。(それとなく聞けば、船長としての威厳の為らしい)
    多分、俺がキッドを把握している分
    キッドも俺を把握してるに違いない





    そして俺は、また新たにキッドに関して把握した事がある











    「キラー屋、」





    突然現れて、独特の呼び名で人を呼ぶのは間違いなく敵船の船長だ
    が、俺は動じない
    何せもう何度となくこの船に足を運んでは、何事もなく去っている
    かと言って気を許してるワケでもなく。
    それなりの警戒心と日常になりつつある光景の、相反するものを抱えるのにはもう慣れた


    そしてキッドに関して新たに解ったことはこのトラファルガーの事だ





    「キッドなら先刻、戦闘があったから部屋で寝ている」

    「ホントか。それは色々な方面で据え膳って奴だな」

    「・・・トラファルガー。キッドも言っていたが、お前の思考はどうなってるんだ」





    寝ているキッドを据え膳だ。などと、そんな発言するのはこのトラファルガーくらいだ
    恐らくは寝てるキッドに何かしようという算段なのだろうが・・・
    大概、人が勝手に部屋に入ればキッドは必ず目を覚ます
    それは実験として敢えてトラファルガーには伝えないがな





    「キラー屋はアイツを可愛いと思わないのか?!」

    「・・・可愛いと思う経緯がまったく見えないが」

    「あー・・そ。なら、俺の思考がキラー屋に伝わらねーのは仕方ない」





    それに伝わったらきっと同類の印で、俺とキラー屋は毎回殺し合いするだろう。

    口の隅を上げる、戦意を見え隠れさせた笑みがなんとなく獣のように俺には見えた
    やはりトラファルガーの思考がまったく解らない(その前にお前と同類というのは、何となく遠慮したい)
    すぐさまその笑みは、帽子を下げて隠された目元と同じく消えた
    そして目の前をトラファルガーが過ぎ去って行く









    「それじゃあ、お宅の船長サン借りるぜ。邪魔入れないでくれよ」







    扉に手を掛けて、
    振り返りざまに告げたトラファルガーは楽しそうだった













    俺は知ってる
    キッドの部屋に独断で俺がトラファルガーの侵入を許しても、キッドは本気で決して怒らない。
    そして今聞こえてきた大声からすると、キッドはトラファルガーが至近距離に忍び寄るまで
    侵入に一切気づかなかったらしい
    戦闘で疲れてたにしろ、今までなら有り得ないことだ





    それもこれもきっと『トラファルガーだから』なのだろう



    一戦先は、恋
    そうだ
    奴に対して、好きだと思ったことなんて一度もねェ





    あるのは、コイツが二億の首なのかとかちったァまともに戦闘出来るのか?ってぐらいで(そうして奴が勝手に人の船に姿現したら敵船がやって来ちまったンだよ)
    やたら人数だけの海賊(やつら)だと言うのは直ぐに分かった
    うぜェ事この上ない
    そして、奴と背中を合わせるつもりなんて更々無かった
    が、トラファルガーは気づけば俺に背を向けて愉しげに敵連中を片付けていて。
    横目で確認した口元のキチガイ臭い笑みは、日常的に見ていたが
    この状況で見ると俺もそれに釣られて笑っちまう
    気分がいい。
    ここでは今、トラファルガーのように居るべき事こそ正しいに違ェねえからだと本能が知ってる







    見ろ、この笑み一つで怯えるテメェら如きじゃ
    俺の首に触れることすら叶わねぇンだよ!!!!













    「いい運動になったな」





    まともな言葉を呟く頃は、足元は屍どもに埋め尽くされてる





    「まったくだな。だが、」





    ユースタス屋。もうちょっと遊んでやっても良かったんじゃないのか?

    付け加えて言うトラファルガーは、俺を見て更に何か言いたげな目線を送ってきやがる
    戦闘が終わればこの通りだ
    いつものふざけたトラファルガーになってる
    頭が痛ェよ





    「はぁ・・・言いたい事があるならハッキリ言え。ムチャクチャうぜえ」

    「そんな溜め息吐くなよ。これだけの事やった後だと、かなりクる」

    「死体相手にでも突っ込んでろボケ」





    嫌々で目も合わせず吐き捨てたところ、何言ってやがる!!死体相手なら尚更ユースタス屋じゃねぇと無理だ!!!と、目を最大限に見開いて叫び始める
    この瞬間、コイツの側で絶対に死にたくないと本気で思った(響きのある言葉だがこの状況じゃあな)





    「・・・答える気がねェなら俺は部屋に行く。マジで死体の片付けでもやってろ」

    「待てよ、ユースタス屋」





    振り返る気は無かった。
    だが腕を引かれるなんざ思ってもないワケだ
    自然にトラファルガーの方にまた顔が向いて・・・



    何をされたか、解らなかったのは一瞬だ







    唇の熱源に吐き気がしてその侵入した舌を噛んでやる











    「ッてぇ・・・・」

    「ふ・・っっざけんな!!!!何しやがるッ」





    交わっちまった唾液を勢いよく吐き棄て俺に対し、トラファルガーは大層痛そうに口を手で押さえた後
    いつになく不満げなツラをしていた
    珍しい事もあるもンだと思う
    噛まれてたところでコイツは怯んだりテンション下がるとは思ってなかったからな(上がるばっかりのエキサイト野郎だと思ってる)







    「・・・っとに。あーあ、さっきまでのあの愉しげな顔はどこに行っちまったんだよ」







    俺に同調して、背中向けて、暴れてたんだろ?なァ??

    その時、奴が舌打ちして面倒だとばかりに視線を外して頭を掻いてたのは救いだったかも知れねえ
    自分の内情を知られてた。と、顔に少し出てただろうから
    奴があの言いたげな視線の先に乗せていたのは、つまりこの確認だ





    なんだ

    らしくねェトラファルガーだな。







    「そうだ。って、認めたらお前は何か言いてェのか?」

    「別に。ユースタス屋が俺と気分を重ねるなんてセックスみたいで最高だと思ってさ」

    「どうやったらンな思考になんのか考えたくねぇな。ああ、だけど、」







    ついでに自分の思考もどうしてこんなことになっちまったのか。
    気づけば体が先に動き、トラファルガーの胸倉を掴んでた





    初めてお前に対して、そんな気持ち持っちまった自分が嫌いで
    自虐的に笑っちまう









    「それでも戦闘中のテメェだけは、好きだと思ったな」
    (キスも、戦闘中なら吐き気より強い欲情に変わりそうで)


















    「なぁ、ユースタス屋が戦闘中の俺に惚れてンだと。しかもキスしてもいいとか言う位だぜ?最高すぎちまうマジ可愛いよな。それで話なんだがお前らさ、今度俺がユースタス屋んとこ行ったら襲撃してくれないか」

    「無茶言わないで下さい。あとその惚けた面と出しっぱなしの鼻血なんとかしろダメ船長」





    その後、ご帰還したローのトークにイラッと来たペンギン氏でした。

    とある梅雨日 X
    卑怯なんてのはこの事だ。

    俺の体温を奪う為だけにユースタス屋は誘ってきた(誘われたというよか押し倒されたが正解だろう)
    「イヤなら全力で拒否しろよ。」とか、凶悪的な顔で言われた日には愛しくて仕方無いってもんだ
    しかもユースタス屋に誘われ襲われ逆×××され掛かってるのは、俺としてはかなり興奮する
    見下されるのはシュミじゃないが、このアングルからユースタス屋を思う存分舐めるように眺めるのは極上に値するな
    もうお前の全部が丸見えとか分かってやってんだろ?

    何よりも。

    燃焼してる色が絶え間なくいつもユースタス屋を取り巻いてるのに、触れた身体の冷たさときたら。
    そのギャップに俺が馬鹿になりそうだ(どこかから、もう馬鹿だろ。って聞こえた気がする)





    最初にも言ったが
    ユースタス屋がこうやって俺に向かってきたのは、あくまで俺の体温を奪うのが名目となってる









    「ン・・・!ぅ、くっ」

    「まだ、ダメ・・か?」

    「っせ!!だ、まっ・・・テメェは」





    ゼッテェに手ぇ出すな。



    付け加えて言われたこの言葉は、実は最初にも言われてる
    ユースタス屋、気づいてるか?
    これは俗に言う女王様プレイの一つに入ると思うぜ
    そのコートだけ脱がない辺りが更にそれっぽくて考えが膨らむ程、下半身の膨張もヤバい具合に進んじまうよ
    その上目の前ではユースタス屋の体温を喰い潰そうとする食欲がダラダラ半透明な汁を纏って勃ち上がってる
    ・・・どうしてくれんだこのパトス
    今日のユースタス屋は最高にエロすぎる





    一見俺の手は暴れるユースタス屋の身体を押さえてるようで、そうじゃあない
    目と一緒で舐めるように脚を触って感触を楽しんでいる
    それはユースタス屋も黙認していた
    なぞる脚の皮膚もまだ、俺の体温には及ばない


    本当に今のユースタス屋には体温が足りてねぇんだと知る







    『欲しいなら無くなるまでくれてもいいのにな・・・』







    思ったところで体温が出てかないのは解ってる
    可哀想なくらいに体温に飢えた身体は、白すぎる肌のせいかとすら思えて。
    与えても片っ端からこの色が俺の熱を拒んでるみたいだ
    でも、ナカはユースタス屋の髪や目のような熱さを徐々に持ち始めてる



    全部内部吸収されてんだろうか?







    「なぁ・・・ユースタス、屋」



    「ンだ、よっ・・ふっ・・・ぅ」



    「もっと、触りてぇよ・・」



    「あ!!テメェっ、やんじゃね・・・うぁっっ!!!」







    いくら何でもこれ以上の待ちは俺には無い
    容赦なくガツガツその奥へナカへと進んで行けば、俺をくわえ込む周囲がヒクヒクと動き出す
    ユースタス屋が喘ぎを両手で塞ぎ、押し殺そうとする目の前の状況に
    俺は上半身を起こして、塞ぐ指の一つを噛んで止めるように主張する



    そして不思議とユースタス屋の熱が上がりだしていく事に、俺は気づいたんだ







    『なら、最初っからこうすりゃあ良かったな・・・』







    ただ残念なことに。

    差し出したい熱の総ては、繋がってるユースタス屋に奪われるのを止め
    どんどん自分の中に増えていったのも確かだ
    それでもユースタス屋に熱が満ちてく


    こんなにも嬉しいとも、愉しくともおかしいとすら思えることは他には無いだろう













    翌朝、雨は綺麗なまでにその姿を消していた




    錦シギノ Link Message Mute
    2019/11/04 11:00:31

    ロキドログ

    サイトに載せてたロキドまとめ。
    ルーキー組登場したての頃のものです。当時のローの解釈が酷い事になってるので本当にすみません。
    記号表記意味↓
    R15=△ R18=X 猟奇=◆

    表紙はこちら(https://www.pixiv.net/member.php?id=20868979)からお借り致しました。有難うございます。
    #ロキド

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