妖ウォ擬人化物語にんぎょ視点
長いように感じた怪魔との戦いが幕を閉じた。
私はイザナミ姉さんと避難していた。
Dランクの私は危険だから……
でも、鏡の近くで見た八尾比丘尼姉さんの姿は無残な姿だった。
どうやら、守り鏡を怪魔から守るために戦ってたんだろうと思った。
私は泣きも笑いもしなかった。
ただ、また姉さんが喋るのを待つだけだった。
そんな日が1週間近く続いた。
姉さんが冷たくなったのは、信じたくなかった。
どうして私から幸せを奪ってしまうの?
教えてよ。
いつものように、優しく教えてくれる姉さん……
教えてよ……姉さん……!
ーー
河童視点
信じられなかった。
いや、信じたくなかった。
目の前で、水虎を殺された。
怪魔は見せびらかすように殺した。
許せなかった。
怒りだけで怪魔に打ち勝った。
でも、水虎を殺された恨みは今でも消えない。
畜生、畜生!
どうしてこうも、誰か一人を満足に救えなかったんだ!
俺は何もできない。
亡骸を抱えて泣くしかなかった。
病気で瞬き一つすらできない右目から涙が出たのは、疲労のたまりすぎで見えた幻覚なのだろう。
ーー