琥珀色の蝶 (前編)義勇視点
夜。
今は蝶屋敷にいる。
我妻と一緒に。
最近、我妻の髪が伸びてきた気がする。
何か髪を止めるものはあっただろうか……
……あっ
蝶の髪飾り。
我妻はこう言うものはつけるのか……?
物は試し、一度つけてみるか。
義勇「我妻」
善逸「はい?」
義勇「少し、後ろを向いてくれないか」
善逸「え?こ、こうですか?」
我妻が後ろを向いてみせる。
少しぼさついた髪を手櫛でとかし、髪飾りをつけるために、髪をまとめる
義勇「できた。」
善逸「何がですか?」
義勇「ん。」(鏡をみせる)
善逸「わぁ!綺麗!」
義勇「髪が伸びてたから。」
善逸「切ろうと思ってたけど、こういうのもいいかも!」
あの髪飾り、どこかで見た気がする……
あ、胡蝶からもらったやつ。
ー数日前ー
胡蝶「あ、そうだ、冨岡さん。」
義勇「なんだ」
胡蝶「これ、部屋を掃除してたら出てきたんですよ。琥珀色の蝶の髪飾り。」
義勇「それがどうした」
胡蝶「私、琥珀色のこの髪飾りはつけないんですよ。誰かにあげたらどうです?女性の方なら喜ぶと思いますよ」
義勇「……」
ーー
琥珀色。
パッと思いついたのは我妻だったが、その時はあまり髪が長くなかった。
とりあえず取っておいて、いつか使えるだろうと思っていた。
義勇「我妻、似合ってるぞ」
善逸「ありがとうございます!綺麗な髪飾りですね。しのぶさんにもらったんですか?」
義勇「ああ。部屋を掃除してたら出てきたと言ってた。」
善逸「へぇ……」
綺麗。
それしか言いようがない。
義勇「あがつ……いや、“善逸”」
善逸「え!?え、な、名前……」
義勇「善逸」
(チュッ)
善逸「!!??」
善逸が離れようとする。けど、離れられない。
離れないように捉えてある。
少し顔を離し、善逸に指示する。
義勇「善逸、口を開けてくれ。」
善逸「へ、へ?」
義勇「早く」
善逸「え、あ、はい……」
義勇「ん」
善逸の口の中に舌を入れる。
善逸は俺の羽織を掴み、何か言いたさげに、
善逸「うっ、ふっ、うぅぁ」
義勇「……」
と言う。
少し涙目になっていて、善逸の目がきらりと光る。
涙のお陰で、とても綺麗に感じる。
善逸「と、みおか、さ、ど、しえ……」
義勇「善逸」
善逸「なに…?」
はぁはぁと息を正しながら喋っている善逸。
義勇「その、っ……」
(ドサッ)
善逸を押し倒し、羽織を脱がす。
善逸「ちょ、ぎ、義勇さん!?」
義勇「すまない。我慢の限界だ。」
善逸「あの、ば、バレちゃいますよ……?」
義勇「なら、部屋だったらいいのか。」
善逸「そ、そうじゃなくて……」
義勇「………」
琥珀色の蝶の髪飾りが取れそうになる。
善逸の髪がまたボサついてきた。
義勇「……場を変えるか。」
善逸「へ?」
続きます!