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    秋の甘味《SS》
     夏の暑さが少し過ぎて、秋の涼しい風が吹くようになったこの頃。
     そう、栗の季節だ。栗といえば前世から大大大人気の秋の味覚である。秋の味覚といえば栗、秋といえば栗、涼しくなったら栗、みんなもそうだと思う。そして我が家もそうだった。
    「届いたよ、しらたま!」
    「マチュ!」
     しらたまと一緒に開けたのは、実家からの贈り物。そう、栗のお菓子が入っている。
     しらたまはいつも栗向きを手伝ってくれるのだが、家に来て栗の季節がきた初めての年は、鬼皮を剥いた後すぐに食べてしまったのだ。ずっともぐもぐと口を動かしているなあと見ていたのだが、母が「もしかして、お口の中がからからになっているんじゃない?」と言ってくれ、すぐにお水を飲ませた。危ない。栗は美味しいのだが、それをちゃんと調理した方が美味しい、と母がしらたまを説き伏せた……とそんな初年度の思い出がある。
     そんな母のお手製の栗のお菓子、そう、栗のお菓子と、甘味といえばこれしかあるまい。
    「栗の渋皮煮だ〜〜!!」
    「マチュ〜〜!!」
     やはり栗といえば渋皮煮、渋皮煮しかあるまい。渋皮煮しか勝たんやろ。
    「わあ、結構たくさん入ってる。これ作るの大変だっただろうな〜」
     と言いながら、袋を開けて、一口ぱくり。とびきり甘い、私好みの渋皮煮だった。栗のお菓子はどれも甘いのだけれど、渋皮煮なら栗をそのまま口に運んで、たっぷりと堪能できることが魅力だと思う、甘露煮もいいのだけど、渋皮煮の方が好きだ。手間のかかるおやつで、なかなか食べられないこともあり、毎年渋皮煮だけは特別楽しみにしている。
    「マチュ、マチュチュ」
    「大丈夫、はい、しらたまの分だよ」
    「マチュ〜!」
     しらたまの口に放り込むと、とびきり幸せそうに微笑んで、頬を膨らませてもきゅもきゅ言いながら食べていた。やっぱり私たちにとって、栗といえば渋皮煮なのだ。
    「もう秋になったんだね〜しらたま」
    「マチュ!」
    「そうだね、秋には秋の、美味しいものたくさんあるもんね」
     食欲の秋というぐらいだ。これからもっと美味しいものを食べなくちゃね、としらたまと笑い合った。
    ゆずもち Link Message Mute
    2020/10/13 11:51:07

    秋の甘味《SS》

    ##小説 ##SS #pkmn夢
    秋の味覚といえばあれしかあるまい!!!!

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