ヨルナ「私たちって……実は遅れてる?」「……ねえクメロ君」
「はい?」
「私たちって……実は遅れてる?」
「……と言うと?」
「えっと……なんていうか……うーん……クメロ君はもっと私としたいこととかないの?」
「ヨルナさんとしたいこと?たくさんありますよ!」
「なになに?」
「一緒に映画がみたいです!あとあと美味しいもの食べたいです!それからいろんなところにお出かけできたらいいですね〜」
「……」
「あれ?」
「……クメロ君ってばほんと天然」
「?」
「そうじゃなくて!……いやそれもいいと思うし今度映画行こう?いやでもそうじゃなくて!」
「えーと……違うんですか?」
「……もっと恋人同士がすること、したいと思ったことないの?」
「…………」
「……」
「…………?」
「だから、あの……」
「あ、もしかして」
「!!」
「……えっと」
「うん……」
「ええと……あれですよね、あの」
「うん……いやクメロ君が何考えてるかわかんないけど多分それ」
「え、じゃあ仮にそうだとしていいんですか逆に」
「えっ!?」
「いいんですか!?」
「え、いや何が!?」
「結婚式ですよ!いいんですか今年で!いつにしますか!?」
「何一つ伝わってない!!」
「はあ、ハズレでしたか……」
「ねえクメロ君、本当にわからない?」
「……うーん」
「世間一般的にカップルがすることだよ!」
「……」
「天然だ……」
「えっと、じゃあそれはメヒルくんたちもやってることですか?」
「そりゃあもちろ……ん?したことあるんだろうか……」
「ええ、ないんですか」
「……うーん、不明」
「もっとわからなくなったんですけど…」
「ちょっと待って今聞いてみる」
「いや待ってください、もったいぶらずに教えてください」
「え」
「だめですか?」
「ダメっていうか…」
「ハッ!それはもしや恥ずかしいことですか!?」
「!?」
「恥ずかしいことなんですか!?恥ずかしいことなんですね!?」
「ちょ、恥ずかしいことって連呼しないで!」
「わかりましたもう少し考えてみます。うーん恥ずかしいこと…」
「天然記念物だ…」
「ヨルナさん」
「ど、どうしたの改まって」
「それって今の僕たちに必要なことですかね…」
「え」
「僕はヨルナさんと一緒にいられるならあまり多くは望みません。でもヨルナさんがもし何かを望んでいるなら、僕は応えたい。それは僕たちに必要なことですか?」
「……」
「……ヨルナさん?」
「……ひ、必要だよ!」
「何故?」
「だって……」
「……」
「クメロ君と私は"恋人同士"でしょ……?」
「必要、ですか」
「そう!必要なの!」
「では、最後に聞きます」
「…なに?」
「僕にしてほしいことはありますか?」
「!!」
「何でも、言ってください」
「……ずるい、ずるいよ。とぼけたフリなんかして」
「……ごめんなさい」
「クメロ君」
「はい」
「キスしてください」