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    しおり
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    しおり
    物騒サンタ

    ぶるるると、サイドテーブルに置いてあった携帯電話の端末が振動を起こしていた。気づいて手を伸ばして、深く考えずにミュートボタンを押す。それからまたごそごそと布団の中に腕を戻して……
    「――はっ」
    ぼくは驚いて飛び起きた。
     こんななんでもないような日の早朝に電話がかかってくるなんて、なにか緊急の要件だったかも。そう思い直して改めて端末を拾い上げると、時刻は出勤よりも二時間早い時間。けれど、着信元はやっぱり公務先の外線番号だったため、大慌てでリダイアルを押した。
     電話が繋がるや否や、背後に雑音を背負った部下に『緊急事態だから早急に来てくれ』と求められて、追い立てられるようにベッドから飛び出る。クローゼットから着替えを出して、着いてから紅茶を一杯飲めばいいかと、そのまま家を出た。
     道中、ラジオから流れる声で今日は世界的にお祝いする聖なる日だということを思い出させられていた。……道理で少し身体が重いんだと理解した上に、昨晩のことも思い出していた。
     世間ではキリストの誕生で、サンタクロースが世界を奔走して……と大々的にお祝いをする日ではあるのだけど、ぼくにとってはそうめでたい日でもない。……国民はどうかはわからないけど、ソ.ビ.エ.トが崩壊したのが、ちょうど二十五年前の今日だからだ。――だけど、数日前から続くこの身体の気だるさは、今年でちょうど四半世紀経ってしまうことと関係はしている気がする。ぽろりと部下が吐いた『もうそんなに経つのか、思い出すなあ』という言葉で、あのころを懐かしむ人も少なくないのだと知ったからだ。きっと国民が知らずの内に抱いているそういう郷愁がぼくの胸に詰まって、こんなに気だるいんだと思う。
     なんとなく落ち込む気持ちが嫌で、昨晩、ぼくは珍しく自分からギルベルトくんに連絡を取った。メールで『電話したい』とだけ。そうしたら返事はわりとすぐに来て、その文面はぼくに追い打ちをかけてきた。――『わり、ちょっと今日は立て込んでる』そう一文だけ。端末を握りしめて、まあ、そうだよねと自分に言い聞かせた。ここ最近、ド.イ.ツでもいろいろと起こっているし、仕方がない、うん、仕方がない。けれど、この渦巻く憂鬱もなんとかわかってほしくて、ぼくは一つだけ返事をした。
    『気づいたら明日が終わってればいいのに』
    これに対する返事はなかった。ただ、彼にとってはこのクリスマスという浮かれ過ぎたイベントが終われば、そしてぼくにとっては、十二月二十五日という深く刻み込まれた日が終われば、こんな気持ちも晴れるだろうにと思ったから。
     思い出している間に、ぼくは勤務先に到着した。真っ先にぼくの執務室がある棟に歩みを寄せて、その出入り口が目に入る。少し早めに咲いてしまったスノードロップが、咲いた向きのせいで今朝も太陽を見上げている。そんな些細な光景に少し気持ちが和らぎ、建物の中に入って、それからエレベーターに乗って。ぼくはいつになく歩幅を大きくして執務室に向かった。
     該当の階に到着するやいなや、ぼくは廊下の途中で数人がうろうろしていることが気に留まる。近づけばそれはぼくの執務室の前だとわかり、ぼくの部屋に勝手に何人もの部下たちが出入りしているのだとわかった。……なるほど『緊急事態』と言っていた。なにかあったのだろうか。
    「あ! 祖国! お待ちしておりました!」
    一人が気づいてぼくのほうへ駆け寄った。
    「なに? なんの騒ぎなの?」
    「それがですね! 昨晩、不審な男が!」
    絨毯の張った廊下を、ぼくの歩幅に合わせて部下が隣につく。二人分の布をすり合わせるような足音が続いたあとに、ぼくの見慣れた執務室に到着した。外から見ている限り、なぜか荒らされているのだろうと思っていたぼくは拍子抜け。まったくもって、ぼくが使っていたままだ。
    「……ん?」
    「とにかくこれをっ、」
    目の前にいた別の部下が、質素で雪のように真っ白な封筒を突きつけてきた。この机の上に置かれていたと付け加えられているところを受け取る。手のひらに収まってしまうほどの大きさのそれには、宛名も差出人もなく、どうしたものかと中に手を入れるとカードが一枚入っていた。これもやはり真っ白で無地のカード。そこに、印刷されたキリル文字。

    『親愛なる我がロ.シ.アへ
    この聖なる日、貴方だけに衝撃と忘失を贈る
    これが私ができる最大の贈り物』

    ひらりと翻すと、裏にも文字が印刷されていた。

    『貴方の近くに爆発物を仕掛けた
    時が来るまでに鍵を探せ
    その時はこの日が終わる時
    初めに出入り口にある〝朝だけ向日葵〟の影を探せ』

    もう一度元の面に戻して、同じ文言を読み、また翻して文言を確認した。
     隣でそれを覗き込んでいた部下と目が合って、
    「……なんだろ? 爆破予告?」
    「我々もそのように捉え、ただいま数名ずつ分散して至るところの『出入り口』付近の捜索にあたっております」
    ひどく心配そうな顔で見上げている。まあ、こんな官邸の中で爆破予告なんか来ていたら、そりゃ慌てもするけど。けれど、この文面だけでは到底、この棟の中だけでも山ほどある『出入り口』の中で、正しいものは見つけられないでしょう。なんて言ったって、人手を割きすぎる。年末のこの忙しいときに。
    「……なにか見つかった?」
    「今のところはまだなにも。……そもそも〝朝だけ向日葵〟がなにを指すのか……」
    嘆息に似たそれを落として、部下はぼくの意見を待って言葉を止めた。けれど、これだけでは判断材料が少なすぎる。そもそも、このカードの差出人が指している範囲はどの程度なのかもわからない。もしこの官邸の正門すらも『出入り口』に入るのだとしたら、これはもうお手上げにも近いかもしれない。……というか、そもそもね?
    「……カメラの映像は? 監視員はなにをしてたの?」
    文句の一つも垂れたくなる。この忙しいときにこんなことをするような人物を管内に入れてしまったということで。
     部下は持っていたバインダーを一目だけ確認して、またぼくを見上げた。
    「それが、夜間の監視員の補給水分の中に少量の睡眠薬が混入されていたらしく、交代要員が出勤したころには意識が朦朧としていたらしく……」
    ……薬を盛られていた。犯人は用意周到な人物。けれど、違和感は拭えなかった。
    「命に別状は?」
    「ありません」
    「そう」
    なんていうか。……盛られたものが〝少量の睡眠薬〟に留まることに対しての違和感だ。とにかく命に別状がないのはなによりも喜ぶべきことではあるけども。
    「それで、『不審な男』ってのは、監視カメラとかに映っていたってこと?」
    「はい、ただいま解析中ですが、祖国のお部屋の前までは変装していたようで、祖国の部屋に入ってからサンタクロースのような格好に代わり、この手紙を書類の上に置いて出ていくような映像でした」
    ――サンタクロースのような格好。眉間に皺が寄る。
    「……愉快犯かなあ」
    正直に言うと、呆れてものも言えない。今のぼくの気持ち的にはとてもじゃないけどそれどころじゃない。ほんとう、勘弁してほしい。
    「……我々はテロである可能性も視野に入れて、上層部への報告の準備をしております」
    また部下がつらつらとなにかをバインダーに挟んだメモに書き留め始めた。未だに周りで他の部下たちはやんややんやと騒いでいる。
     けれど、この忙しい年末のこと。ぼくは部下から聞いた話を自分なりに総括して、これはそんな危険性のあるできごとではないのかも、と結論づけた。不思議と緊張感を持てないのも、そう行き着いた要因の一つであり、なぜなら、今まで歴史に残るようなできごとが起こるときは、だいたい前後に酷い緊張感を抱えていた。……だから、今回は違う。そう、思っている。
    「……うーん、話の感じ、それは時期尚早かも。この時期はみんなピリピリしているし、この手紙の『貴方だけに』って部分が気になる。監視員も劇物入れられた割に少量の睡眠薬でしょ? ぼく以外には危害を加えるつもりはないのかも」
    部下の見上げる瞳が見開かれる。この見解はそこまでおかしいだろうかと考え直してみるには十分な間のあとに、「……ですが……」と零された。けれど、何回考え直しても、やっぱりそんな顔するほどのできごとじゃない……ような気がする……。
    「ええ、っと。みんなも他に仕事あるんでしょう?」
    尋ねると、言いにくそうに口元がもごもごと動く。言い切れないほどのものが山積みなんでしょう。
    「この件、ぼくがどうにかするよ。日が暮れるころまでにどうにもなってなかったら、そのときは応援要請するから。リミットが日付が変わる時間なら、日が暮れてからでも十分時間はあるよね」
    「……ですが、」
    「もういいよ。ほら、それ貸して。君たちはちゃんと仕事に戻って。迷惑かけてごめんね」
    とっていたメモが挟まったバインダーと、なにも書かれていない真っ白の封筒を受け取るというよりは、少し乱暴に奪い取っていた。
    「いえ、祖国に責任は、」
    「標的はぼくだからね。あえて上司じゃなくてぼくだってところにも、違和感はあるんだ。――とにかく、犯人はなにがしたいんだろう。映像も解析が終わったらぼくのとこに持ってきて、一応見てみる」
    「承知いたしました」
    ずっとぼくに報告していた部下が、その周りであれやこれやとしていた他の部下たちに声をかけて、それから一人が無線を使って……ぼくの下した指示が末端まで広がっていく。部下の一人に紅茶を一杯よろしくと言いつけて、すぐに一人残らずぼくの部屋から出ていった。
     一息つくために、手袋を外してコートを脱ぎ、一度椅子に座る。手紙に書かれた手がかりについて考えようと、その封筒からカードを取り出した。改めて光にかざしてカードを眺めてみる。

    『貴方の近くに爆発物を仕掛けた
    時が来るまでに鍵を探せ
    その時はこの日が終わる時
    初めに出入り口にある〝朝だけ向日葵〟の影を探せ』

    紅茶が運ばれてからも、それで身体を温めながら思考を巡らせる。
     ――『出入り口にある〝朝だけ向日葵〟の影』
     ここが犯人の指定している場所。この官内に『出入り口』なんて山ほどある。けれど、きっとこの〝朝だけ向日葵〟というのが特殊なのだろう。朝だけ向日葵とはどういう意味か。なにを指すのか。
     紅茶をもう一杯、ずず、と喉に流し込む。少し喉がひりりと痛み、昨晩ウォトカを浴びるように流し込んでいたことを思い出した。
     向日葵は、この国の国花であり、ぼくの大好きな花。花言葉は『私はあなただけを見つめる』。それはその可愛らしい見た目に加えて、ずっと太陽を向いているから一途を連想させることが由来なのだと思う。――ずっと太陽を向いている……?
     ようやく一つ、引っかかりを覚える。
     そういえば、つい今朝『太陽を見上げている』と思った気がする。……なんだったかな。なんだったろう。無心に紅茶を飲み込みながら記憶を辿って、ついに。ぼくは確信した。
    「玄関に植わってるスノードロップのことだ」
    咲いた向きが東向きせいで、午前中だけそのスノードロップは太陽の光を正面から浴びている。しかも、それは『玄関』にあるわけで。この手紙の通り、『出入り口にある〝朝だけ向日葵〟』に合致させられる。
     飲み干した紅茶のカップをそのままに、ぼくはコートと手袋だけを鷲掴み、部屋を飛び出していく。物騒な爆破予告のはずだけど、どうしてかワクワクと胸が踊って、急いでそのスノードロップの植わっている玄関へ向かう。
     玄関から建物の外に出ると一気に冷気が顔を刺すけど、構わずに未だに太陽を見上げているスノードロップの鉢植えの中を覗いた。一見ではそこにはなにもなかったけども、『――の影を探せ』と書いてあったことを思い出して、少し大きめの鉢植えをずらして見る。
    「……ん? なんだろ」
    その影に落ちていたのは、小さな向日葵の模型……いや、オブジェ? なにか、置物の一部のようなものだった。向日葵が何本も束になっている。そしてそれには雑然と紙が巻きついている。その紙のお陰で、ぼくはこれが犯人の意図していたものだと確信する。急いでそれを拾い上げて、逸る気持ちを抑えながら紙を剥ぎ取った。
     さきほどの封筒に入っていたのと同じくらいの大きさの、無地の紙。なにかの文字が印刷されているのが、裏写りからわかる。

    『続いて探すは、よく見る星の後ろ側
    この星は夜でなくても見られます』

    ――首を傾げる。
     手中に収まる向日葵の模型のようなものを見ても、ほかに手がかりはなにもない。つまり、犯人はこの手紙を手がかりに、ぼくになにかを集めさせようとしている。それが爆破を止めるための鍵……?
     もう一度文言を読んで、もう一度律儀に首を傾げてしまう。
     えーなに……さっぱりだ。よく見る星? この〝よく見る〟はぼく視点でいいのだろうか。そして〝夜でも見られます〟……夜でも見られる星。ぼくがよく見る、夜でも見られる星。
     ぶつぶつとくり返しながら、とりあえず執務室に戻るまでの道中で〝星〟を連想できるものがないかを探してみた。けれど特にピンと浮かぶものはなく……到着してしまったぼくが〝よく見る〟執務室のドアを仕方なく開ける。
     一旦机の上に向日葵の模型を置いて、空になっていたカップを机の端に寄せた。気づけばもう午前中も後半に入っていた。窓の外に見える隣の棟の壁にかかった大きな時計から目を放す。ぼくの部屋には現在、時計がない。もともとはあったのだけど故障して修理に出してから、その窓の外の時計に目を向ける癖ができてしまい、ぼくはよく時間をそれで確認していた。
     ――また、ぼくは引っかかりを一つ。
     遠い昔、人は星の動きで時刻を追っていた。……つまり、時計は〝星〟に置き換えることができる……? 加えてぼくが〝よく見る〟……としたら、もしかして。
     確証はなにもなかったけど、他に目ぼしい情報もない。もしそこになにもなくても、〝そこにはなにもない〟という情報が手に入れば、それだけで前進だ。
     ついに棟外に出るのかと思いつつも、またぼくはコートを羽織って、急いで玄関から外へ出る。またワクワクと踊る心が抑えられない。隣の棟の最上階を目指す。その時計が設置されている部屋は、今は倉庫として使われているのは知っていた。時計を見るときに、たまに窓を開けて換気していて、ものがたくさん積まれているのが見えていたからだ。
     棟の中盤まで差し掛かったときに、そういえばその倉庫には鍵がかかっているかもしれないと気づき、もう一度階下へ向かって管理室に問い合わせる。いろいろとオブラートに包んで事情を話すと、扱いに十分気をつけるなら鍵を貸し出してくれると言う。ぼくは責任を持って返しますと応えて、倉庫の鍵を受け取った。
     改めて最上階を目指し、到着した倉庫の鍵を開ける。ちょうど時計がかかっている面の後ろ。そこには使い古されたロッカーがいくつか積まれていたけど、そこを一つ一つ開いていくと、
    「……あ、」
    それはそこに置かれていた。
     今度は、低い円柱の土台のようなもの。真っ黒なそれを拾い上げてよく見れば、穴がいくつか開いていた。その幅を見て、おそらく執務室においてきた向日葵の模型を、そこに差し込める仕様になっているのだと期待する。
     その土台らしきものから目を放し、もう一度ロッカーの中を確認する。そうしてようやく、そこに、ともに置かれていたカードがあったのだと気がついた。厚みのある今回の紙では裏写りはしていなかったけど、そこになにかが印刷されているのはわかる。
     慌てて拾い上げる。

    『続いて向かうは、雪解け水の溜まる場所
    もう一人の貴方の咲く所』

     期待に胸が膨らんでいた分、今度は訝しみに眉根が寄る。またしてもまったく優しくない指示文に、不満というよりはもどかしさを感じている。
     わかんない……なんのこと……まっったくわかんない……そもそも雪解け水は、春になれば川や池にも溜まるけど、今は雪も溶けない冬真っ只中。そんなときに雪解け水? しかも、もう一人のぼくが咲く所? ――もう一人のぼくってなに?
     不意に口元が緩む。どこかの水辺でぼくが地面から生えている想像をしてしまったことが原因だけど、すぐにそれを払拭する。緊張感が持てないのは今に始まったことではないのだけど、まだ笑っていい案件なのかの確信はない。
     とりあえず今回は執務室には戻らず、そのまま敷地内の溜池などを回った。……もちろん、どこも雪に埋もれて〝水〟なんてなかったけど。敷地内にそれっぽいものがなにもなかったことに落胆して、周辺の川まで足を伸ばそうかと考えていたとき、正午を知らせるベルが辺りに鳴り響いた。――もうこんな時間になってしまったのか。
     机の上に残して来ていた書類の数々は、思い出さなかったことにして。とりあえず、そのまま敷地を飛び出していった。目を瞑っても思い出せる街並を想像の中で巡り、失念している〝水辺〟がないかを注意深く思い出す。けれど、これ以上あるとは思えない。
     仕方がないので近くの川に沿って歩いて見ることにした。
     これまでの文言を考えるに、きっとこんな風に闇雲に探さなくても場所を特定できるキーワードが紛れ込んでいるはず。そう思ってまた思い出して、やっぱり引っかかるのは〝もう一人の貴方の咲く所〟。
     もう一人のぼくとは……? それが明らかな鍵だった。
     歩いていると、葉を持たぬ並木道に誘われて、例の広場の前に来ていた。もともと『美しい』という意味合いから名付けられたところだけど、時間を経て誤解も広がっていると聞く。
     ――赤。〝もう一人のぼく〟
     脳裏を掠めるけど、今回はまったくわくわくできなくて、むしろ目を背けるように思考をかき消した。
     そういえば、この辺りは温かい季節になるとよく気分転換に来ていたなあと、半ば強引に思い描いて、そのときいつもやるように川辺の柵に腕を置こうとした。雪が積もっていて、今はそんなことできそうもないと思い直して、一気に落ちてしまった心持ちにさらに落胆を重ねてしまう。今まであんなに心が踊っていたのに……そういえば、今日は。ついでにまた余計なことを思い出してしまい、自然な流れでそこから川を覗き込む。落ち込んでいるとき、そこをサラサラと流れる水面に映る自分の顔を見て、笑顔を保てと心を落ち着けていた。
     ――〝もう一人の貴方の咲く所〟
     はっ、と閃きが駆け巡る。
     水面に映ったぼくが、『もう一人の貴方』? けれど、もしあの文言がこのことを指しているならば、犯人はよほどぼくのことを尾け回しているか、ぼくの内面を覗ける能力を持っているような人物になってしまう。……そんなはずはない、と思った途端に、存在を主張するようにきらりと輝きが視界へ差し込んだ。
     にわかには信じられずに、まじまじとそれを凝視する。雪が積もって今は到底〝水辺〟とは言えないけれど、いずれはそうなるこの場所。向かい側の柵の足元で、その煌めきはぼくを呼んでいた。
     唐突にまた踊り出すぼくの心に急かされて、慌てて地面を蹴った。陸橋を渡って、滑りそうになりながらその煌めきのもとを探した。
    「……!」
    見つけた。
     落ち着きのない仕草のままそれを拾い上げると、それは球体をしていた。ガラス製で少し重く、球体の端を一箇所だけ切り落としたような、そんなもの。
     今まで拾ったものを思い浮かべる。……向日葵の模型に、それを立てられるような土台。そして、今度は……それに被せられるくらいの、ガラスの……
     ポケットに先程しまった土台を取り出してみると、やはり今拾ったガラスはぴったりと土台に覆いかぶさった。その形状はまさしく。
    「スノー……グローブ……?」
    中に向日葵を差して、そしてそこに雪を降らせるのかと、想像しただけで心が弾んだ。早く完成品が見たいと切実に思った。
     それから、そういえば次の指示は、と足元を見回してみると、雪の真っ白に溶け込むような、真っ白なカードは、そこにちゃんと落ちていた。待ちきれずに乱暴に拾い上げて、そのカードの文字が印刷された面を自分に向ける。

    『貴方はやはり優秀だ
    最後の場所は、貴方が愛する街の中
    寄り添う額縁を探しなさい』

    思わず顔を上げて、すぐに周りを見回してしまった。
     今回もこの文言はわけがわからない。けれど、胸には期待が満ちていた。これが最後の指示カード。ということは、このスノーグローブはもうじき全容が見えるようになる。
     ぼくを囲む雪景色を忙しなく見回す。……愛する街の中って、範囲が広すぎる。ぼくはこの街を愛している。愛してやまない。ということは、今回はこの〝寄り添う額縁〟が特定の鍵……だ。――額縁ってことは絵画のことだろうか。……この街の絵画? 絵画と言えば、もうあそこしかない。思い立ったが吉日、ぼくは早速近くの美術館に向かうことにした。
     この時点で既に午後の二時を回るところだった。けれど、ぼくは手がかりを求めて、そのまま美術館に入り、一番好きな町並みの絵画の前に立った。――結果、そこは不正解だとわかったのだけど。
     その結論に至って美術館を退館するころには、既にもう夕陽が覆う時分になっていた。より一層冷え込んだ空気に身体の端々が悴んで、呼吸すらも少しの痛みを伴っている。日暮れまでに解決できそうになかったら、応援を頼むよと伝えていたことを思い出して、一度執務室に戻ることにした。
     廊下で様子を見に来た部下とすれ違って、まだ解決はできていないけど、たぶん応援は必要ない旨を伝える。あと、監視カメラの映像の解析が終わっていれば、持ってきてほしいと。それに紅茶も添えて。
     部屋に入り、ぼくはコートを脱いでハンガーにかけた。それから手袋を外して、悴んでいた手を擦り合わせる。もう日が暮れて、大好きな町並みが見えなくなるのもすぐだ。
     歩いて窓際に向かう。先ほど〝よく見る星〟という暗号で活躍した窓だ。立つ位置によっては町並みも多少は見えるので、この窓から景色を覗くこともしばしばだった。そのどれも、いろんな心情を抱えていて、いつも違った色に思わせたこの街を、瞼の裏に刻んでいた。
     窓枠に手をかけて身を乗り出し、もっとよく暮れていく街の色をみようとした。
     ――『寄り添う額縁を探しなさい』
     ふわりとその文言が思い浮かぶ。
    『貴方が愛する街の中 寄り添う額縁を探しなさい』
     額……縁……?
     呼吸が浅くなる。触れていた窓枠を思わず凝視して、またその文言を口の中で反芻する。
     今日の中だけでも何回くり返したか、忙しない動きで窓枠を調べてみると、下方のほうでなにかが指先に触れたのがわかった。どくりとまた興奮から、血液の巡りが早くなる。
     ゆっくりとその指先に触れたものを摘むと、そのビニールのような素材のなにかは、そこに簡単にセロハンテープで貼り付けにされていることがわかる。視認したらそうだ、やはり、なんともチープだけども、セロハンテープでくっつけられていた。丁寧に剥がしている余裕は持てず、力いっぱいに引き剥がしてそれの正体を確認する。
     それは、おそらくスノーグローブに入れるための雪。ビニールの小袋いっぱいに小さな白いつぶつぶが詰められていた。そしてもちろん、それにもカードはついていた。折れ曲がっているカードを正して、そこに書かれた文字を目で追う。

    『おめでとう
    貴方の日が暮れるころ、〝終わった日〟に向け電話をしなさい
    それが全ての鍵だから』

    どきどきと上がる心拍数が治まらない。胸が高鳴って、ようやく最後のカードに辿りついたことよりも、『〝終わった日〟に向け電話をしなさい』という言葉に好奇心が掻き立てられて、胸が踊っていた。
     窓の外を見ても、もうすでに日は暮れている。いや、まだ少し夜空の端っこにオレンジ色が残っているけど、それももう時間の問題だ。
     今日一日の中で、今回の一件は確実にぼくへ危害を加えるものではないと確信して、どうしてもあの顔が浮かんで仕方がなかった。現在「立て込んでいる」らしくド.イ.ツにいるはずだから、そんなはずはないのだけど。一連のことに関して、彼を連想して期待してしまっている。ぼくの周りでこんな手の込んで回りくどいことをするのも、きっと彼だけだし。
     とりあえずぼくは、日が暮れたことをもう一度確認して、待ちきれずに携帯電話の端末を取り出す。この電話の先で待っているのは、彼だろうか。なにを伝えようとしてくれているのか。
     ――あの日に向けて電話しろということは、
     抑えられずに、声まで出して踊る指先を見守った。

    「один(1)」
    「девять(9)」
    「девять(9)」
    「один(1)」
    「один(1)」
    「два(2)」
    「два(2)」
    「пять(5)」

    そして、通話ボタンを押して、それを耳元に当てる。呼び出し音が鳴るよりも早かったか。パチパチと夜の町並みが光って、続けて、
     ――パパアアンッ
     派手な爆発音が受話器とは反対の耳から響き込んだ。
     大層驚いてしまい、端末を耳から離してその光景を捉えた。そのあとも、まだ明るさの少し残る夜空を埋め尽くすように、大きな向日葵のような花火は何発も何発も続いた。ぼくの持っていた記憶の中にはない、新しい街の情景に、声も出ないほどの魂の揺さぶりを覚えて感激して。無心でその煌めきを目で追った。――全部で二十五回だった。
     その花火を眺め終わって、余韻に浸っていたとき。ぼくはほとんど確信を抱いていた今回の不審な『サンタクロース』に、なんと言って連絡を取ろうかとゆらゆらした気持ちの中で考えていた。
     執務室のドアがノックされて、
    「祖国、失礼します。今の派手な花火は……」
    と部下が驚きながら入室した。手にはお盆を持っていて、その上にはカップとティーポット。ほくほくと湯気が上がっていた。
    「うん。きれい、だったね」
    お盆をゆっくりと運んでくれて、今日は一度も書類を広げていない執務机の上にお盆を置いてくれた。
    「こ、これのことだったのでしょうか……? 『爆発物』……」
    「さあ、どうだろうね」
    答えたけど、もしそうだったら『止める』どころか、ぼくは爆破時間を早めただけだったなとおかしく思った。
     先ほどの花火について、その部下が二、三感想を述べていたときに、ぼくは手に握っていたものに目が留まる。
    「あ、それがビデオのデータ?」
    「あ、はい、これです!」
    「ありがとう」
    ユーエスビーメモリを受け取って、部下が退室したあと、真っ先にパソコンに差し込んだ。そういえば本日初めて起動する。もう退勤の時間も近いというのに。
     起動が完了して、再生を始めた動画には、まず堂々と歩く若い兵。ぼくの執務室のドアの前に立つと、挑発するようにカメラに向かってはしゃいで見せて、それから手を振ってぼくの執務室に入っていく。……言っておくけど、ぼくの執務室だけじゃなく、重要な部屋にはもちろんすべて鍵がかかっている。それを難なくと開けて、颯爽と中に入っていったのだ。そこらへんに入るような若い兵なわけがない。それから視点が代わって、ぼくの部屋の中を映すカメラに変わる。どこからともなく真っ赤な布を取り出したかと思うと、迷いもなくそれを羽織って、帽子をかぶって。手早い動きで懐から例の真っ白い封筒を取り出して、ぼくの机の書類の上に置いていた。それからまた律儀にカメラに向かってポーズをして見せて、楽しそうに帰っていく。……完全なる愉快犯な上に、相当な手練。ぼくはこんなことをする、もしくはできる人に、一人だけ心当たりがあった。そして、もう一つ、大きなポイントに気づいている。……ポイントというには過小評価な気がする。これはもう、犯人を断定してもいいくらいの事柄だ。
     ――カメラに映る犯人は、左利きだった。
     これはもう確定。まったく。
     携帯電話の端末を握りしめていた。パソコンでまた先頭から再生され始めていた動画を止めて、慣れた番号を入力していく。
     その間、なにもされていないのに、勝手にくすぐられたような心地になって頬が緩んでしょうがない。……けれど、立場上、こんなことをするなんてと小言の一つも垂れてやらねばならないところ。……というか、昨晩のメールで『立て込んでる』なんて言ったのは、大きな大嘘だったんだ。監視カメラの映像は昨晩のもので、それに映り込んでいるならば、まだこの近辺にいる可能性だってある。
     呼び出し音が鳴っていたスピーカーから、がしゃりと通話した音が届く。すかさず口を開いた。
    「ギルベルトくん!?」
    『おう、』
    至って普通のトーンだなと気が抜けかけたところで、ギルベルトくんは付け加えた。
    『どうした、早いな』
    その一言ですべてが繋がる。ギルベルトくんの中でも、ぼくは既に彼がやったことだと気づいている。だからこそ、頭に〝解くのが〟と付くはずの〝早かったな〟を寄越したんだ。
    「信じらんない! やっぱり君だったんだね!?」
    興奮の余り、手に汗を握ったまま抗議をしたら、ギルベルトくんは『は? なにが』と誤魔化してしまった。けれど、そんなことで高鳴りを殺がれるぼくでもない。勢い任せにまくし立てていく。
    「君、今どこ? どうせモ.ス.ク.ワのどこかのホテルに篭ってたんで……、」
    まだ言い切る前に絶句してしまった。彼がこちらに同意を寄越さないことで、嫌な予感が濃厚になっていく。
    「……え!? も、もしかして一日ぼくのこと尾行してないよね!?」
    『あー、うん』
    「なにその歯切れの悪い返事!」
    力説は簡単に流されて、彼はなんの悪びれもなく受話器の向こうで笑っている。
    『スノーグローブの部品、ちゃんとなくさず持っとけよ。今度組み立ててやる』
    これにはさすがに上がっていたテンションを殺がれてしまった。だって。
    「……今度って……君、今近くなんでしょ? 今晩の間違いだよね?」
    近くにいるってことを否定しないということは、やっぱりここモ.ス.ク.ワにいるはずで。なのに、『今晩』会わないなんてどういうこと。威圧するように問いかけたぼくに、否定も肯定も返ってこなかったので、そういう場合はぼくは肯定ととって完結する。 
    「――まったく、こんな時間もお金も労力もかかること……。まあ、君暇人だしいろいろ持て余してるんだろうけどさ。ちょっと今回はやりすぎじゃない?」
    言わなくてはならないと思っていたことを、とりあえず伝えてみる。本心では彼がなにかを謀ってくれたことに、とめどなく溢れるうれしさしか持ち合わせていなかったのだけど。
     彼は静かなトーンのまま、こう続けた。
    『でも……気づいたら今日、終わってただろ?』
    待っていましたと言わんばかりに、記憶から叩き出されたのは昨晩の記憶。確かメールで『気づいたら明日が終わってればいいのに』と送っていた。それを彼は、ちゃんと、読んで、覚えててくれている……そんな些細なことが身に沁みて。彼はきっと、ずっと今日この日を気にかけてくれていて、それでこんな手の込んだことをしてくれたんだ。うれしくないわけがない……。
    『それに、お前んとこじゃ今日は祝う日じゃねえだろうけどな、それでも俺様んとこじゃちゃんと祝うんだよ』
    また楽しそうな笑い声を聞きながら「……そうだね」と邪魔しないように返した。
    『いつ仕事終わる?』
    しれっと問われる。誰のせいで今日一日仕事ができなかったのか、ちゃんと自覚してほしいとは思っているけど、かと言って某国くんのように遅くまで残ってこの仕事を片付ける気力だって湧かない。今はただ、早く会いたくて仕方がない。いつ仕事終わるのかなんて、そんな反則のような質問をする彼に、一刻も早く会って……。
    「……きみって、本当、もう……。じゃ、終わったらまた連絡する」
    『わかった。ホテルに戻って待っとく』
    なんの気なしに言ったであろう最後の言葉を前に、やっぱり外に出てたんだ……と嫌な予感が巡ったけども、それは後でゆっくり問い詰めて……追い詰めてあげればいいかなと思った。
     だらしなく綻ぶぼくがいて、今はただ電話越しでよかったなんて思ってしまった。こんな顔、見せたらまたからかわれちゃうから。今なら思う存分、破顔できる。
     待っててね、ギルベルトくん!


    おしまい

    あとがき

    めりーくりすます〜!
    というわけでいかがでしたでしょうか!
    去年は勢い余って暗いものを書いてしまったので、
    今年はなにもしない予定だったんですが、
    結局書いちゃいました。

    これのギルくんサイドを考えるだけで、胸のときめきを禁じえません。
    かわいいなこのカップル、ほんともう。
    末永く爆発してろ〜。(主にベッ/自主規制)
    だれかこのあとの二人を書いてください。笑

    お粗末さまでした(*^^*)
    飴広 Link Message Mute
    2023/07/26 22:57:01

    物騒サンタ

    【露普】

    メリークリスマスみなさま。
    今年は本当に今日のためになにかしようとは思っていなかったのですが、
    某ワンドロさんがコルケセちゃんをぶち込んでくださったので、
    (ありがとうございます/五体投地)
    便乗しようと思って、結局考えてしまったお話です。

    だけど、12/24の22時に書き始めたのに完成したのが翌3時だったので、
    関係ないことにしてしまおう……という魂胆です、すみません。

    当然ながら腐向けですが、ぷろいせんくんほぼ登場しません。
    ブログにあげようと思って書いたので人名ですが、国設定です。

    それではよい露普のクリスマスを〜。
    私の代わりにろぷちゃんがリア充してくれるからハッピー!!笑

    Pixivへの掲載:2016年12月25日 11:10

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    • こんなに近くにいた君は【ホロリゼ】

      酒の過ちでワンナイトしちゃう二人のお話です。

      こちらはムフフな部分をカットした全年齢向けバージョンです。
      あと、もう一話だけ続きます。

      最終話のふんばりヶ丘集合の晩ということで。
      リゼルグの倫理観ちょっとズレてるのでご注意。
      (セフレ発言とかある)
      (あと過去のこととして葉くんに片想いしていたことを連想させる内容あり)

      スーパースター未読なので何か矛盾あったらすみません。
      飴広
    • ブライダルベール【葉←リゼ】

      初めてのマンキン小説です。
      お手柔らかに……。
      飴広
    • 3. 水面を追う③【アルアニ】

      こちらは連載していたアルアニ現パロ小説「海にさらわれて」の第三話です。
      飴広
    • 3. 水面を追う②【アルアニ】

      こちらはアルアニ現パロ小説「海にさらわれて」の第三話です。
      飴広
    • 最高な男【ルロヒチ】

      『現パロ付き合ってるルロヒチちゃん』です。
      仲良くしてくださる相互さんのお誕生日のお祝いで書かせていただきました♡

      よろしくお願いします!
      飴広
    • 3. 水面を追う①【アルアニ】 

      こちらはアルアニ現パロ小説「海にさらわれて」の第三話です。
      飴広
    • 星の瞬き【アルアニ】

      トロスト区奪還作戦直後のアルアニちゃんです。
      友だち以上恋人未満な自覚があるふたり。

      お楽しみいただけますと幸いです。
      飴広
    • すくい【兵伝】

      転生パロです。

      ■割と最初から最後まで、伝七が大好きな兵太夫と、兵太夫が大好きな伝七のお話です。笑。にょた転生パロの誘惑に打ち勝ち、ボーイズラブにしました。ふふ。
      ■【成長(高校二年)転生パロ】なので、二人とも性格も成長してます、たぶん。あと現代に順応してたり。
      ■【ねつ造、妄想、モブ(人間・場所)】等々がふんだんに盛り込まれていますのでご了承ください。そして過去話として【死ネタ】含みますのでご注意ください。
      ■あとにょた喜三太がチラリと出てきます。(本当にチラリです、喋りもしません/今後の予告?も含めて……笑)
      ■ページ最上部のタイトルのところにある名前は視点を表しています。

      Pixivへの掲載:2013年7月31日 11:59
      飴広
    • 恩返し【土井+きり】


      ★成長きり丸が、土井先生の幼少期に迷い込むお話です。成長パロ注意。
      ★土井先生ときり丸の過去とか色んなものを捏造しています!
      ★全編通してきり丸視点です。
      ★このお話は『腐』ではありません。あくまで『家族愛』として書いてます!笑
      ★あと、戦闘シーンというか、要は取っ組み合いの暴力シーンとも言えるものが含まれています。ご注意ください。
      ★モブ満載
      ★きりちゃんってこれくらい口調が荒かった気がしてるんですが、富松先輩みたいになっちゃたよ……何故……
      ★戦闘シーンを書くのが楽しすぎて長くなってしまいました……すみません……!

      Pixivへの掲載:2013年11月28日 22:12
      飴広
    • 落乱読切集【落乱/兵伝/土井+きり】飴広
    • 狐の合戦場【成長忍務パロ/一年は組】飴広
    • ぶつかる草原【成長忍務パロ/一年ろ組】飴広
    • 今彦一座【成長忍務パロ/一年い組】飴広
    • 一年生成長忍務パロ【落乱】

      2015年に発行した同人誌のweb再録のもくじです。
      飴広
    • 火垂るの吐息【露普】

      ろぷの日をお祝いして、今年はこちらを再録します♪

      こちらは2017年に発行されたヘタリア露普アンソロ「Smoke Shading The Light」に寄稿させていただきました小説の再録です。
      素敵なアンソロ企画をありがとうございました!

      お楽しみいただけますと幸いです(*´▽`*)

      Pixivへの掲載:2022年12月2日 21:08
      飴広
    • スイッチ【イヴァギル】

      ※学生パラレルです

      ろぷちゃんが少女漫画バリのキラキラした青春を送っている短編です。笑。
      お花畑極めてますので、苦手な方はご注意ください。

      Pixivへの掲載:2016年6月20日 22:01
      飴広
    • 退紅のなかの春【露普】

      ※発行本『白い末路と夢の家』 ※R-18 の単発番外編
      ※通販こちら→https://www.b2-online.jp/folio/15033100001/001/
       ※ R-18作品の表示設定しないと表示されません。
       ※通販休止中の場合は繋がりません。

      Pixivへの掲載:2019年1月22日 22:26
      飴広
    • 白銀のなかの春【蘇東】

      ※『赤い髑髏と夢の家』[https://galleria.emotionflow.com/134318/676206.html] ※R-18 の単発番外編(本編未読でもお読みいただけますが、すっきりしないエンドですのでご注意ください)

      Pixivへの掲載:2018年1月24日 23:06
      飴広
    • うれしいひと【露普】

      みなさんこんにちは。
      そして、ぷろいせんくんお誕生日おめでとうーー!!!!

      ……ということで、先日の俺誕で無料配布したものにはなりますが、
      この日のために書きました小説をアップいたします。
      二人とも末永くお幸せに♡

      Pixivへの掲載:2017年1月18日 00:01
      飴広
    • 赤い一人と一羽【露普】

      こちらは露普小説「ケーニヒスベルク二十六時」シリーズの続編です。
      飴広
    • ケーニヒスベルク二十六時 / プロイセン【露普】

      こちらは露普小説「ケーニヒスベルク二十六時」シリーズのプロイセン視点です。
      飴広
    • ケーニヒスベルク二十六時 / ロシア【露普】

      こちらは露普小説「ケーニヒスベルク二十六時」シリーズのロシア視点です。
      飴広
    • ケーニヒスベルク二十六時 / リトアニア【露普】

      こちらは露普小説「ケーニヒスベルク二十六時」シリーズのリトアニア視点です。
      飴広
    • 「ケーニヒスベルク二十六時」シリーズ もくじ【露普】

      こちらは露普小説「ケーニヒスベルク二十六時」シリーズのもくじです。
      飴広
    • 最終話 ココロ・ツフェーダン【全年齢】【イヴァギル】

      こちらはイヴァギルの社会人パロ長編小説「オキザリ・ブロークンハート」の最終話【全年齢版】です。
      飴広
    • 第七話 オモイ・フィーラー【イヴァギル】

      こちらはイヴァギルの社会人パロ長編小説「オキザリ・ブロークンハート」の第七話です。
      飴広
    • 第六話 テンカイ・サブズィエ【イヴァギル】

      こちらはイヴァギルの社会人パロ長編小説「オキザリ・ブロークンハート」の第六話です。
      飴広
    • 第五話 カンパイ・シャオ【イヴァギル】

      こちらはイヴァギルの社会人パロ長編小説「オキザリ・ブロークンハート」の第五話です。
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    • 第四話 ムチュー・スィエッツァ【イヴァギル】

      こちらはイヴァギルの社会人パロ長編小説「オキザリ・ブロークンハート」の第四話です。
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    • 第三話 ヤブレ・シュトーロン【イヴァギル】

      こちらはイヴァギルの社会人パロ長編小説「オキザリ・ブロークンハート」の第三話です。
      飴広
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