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    しおり
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    寂寞群玉閣が再建されてからというもの璃月において旅人の名声は更に上がった、と俗世に疎い魈ですら肌で実感していた。仙である魈を過度に恐れず、崇めず、かと言って礼儀を欠いているわけでもない彼に魈も親しみを覚えている。望舒旅館を訪れる客や道ゆく旅商人、すれ違う人々が口々に彼の話をしているのを見て、知己が他者に高く評価されることは良いものだ、と魈は少し誇らしい気持ちですらいた。
    「皆に助けられてるだけだよ」
    以前その旨を本人に伝えたことがある。しかし彼は眉を八の字にして苦笑をこぼすだけだった。神の目を持たないとはいえ、ただの人間ではないと魈でも察しがつく。自身の能力の高さを自覚しているが、自身の能力だけで全ての功績を成した訳ではないと理解しているが故の発言だろう。謙遜しすぎだと思ったが、そんなところも好感を持てた。ただ悪い状況に遭遇したら遠慮なく呼べと何度言い含めても彼は頑なに魈を呼ぶことはなかった。やっと呼んだかと思えば料理の味見を頼まれたことならある。そもそも助けを求めるような声色ではなかった、と当時を振り返る。凪いだ風のように穏やかな優しくて甘い声。耳触りの良いその声が自身の名を紡ぐ時のことを思い出していると、遠くで聞き慣れた声に呼ばれていることを感知する。出来うる限りの大声で叫んでいるのだろう。甲高いその声に以前も同じようなことがあったなと最初は思ったものの、何度も繰り返し叫び続けている様子に魈は一抹の不安を覚えた。感覚を研ぎ澄ませても隣にいるであろう彼の声が聞こえてこない。何かが起こったのかもしれない、と思ってからの移動は人の目では追いつかないほどに速かった。場所は奥蔵山の麓、華光林との境目だ。

    「どうした」
    「魈! 手を貸してくれ!」
    涙すら滲ませたパイモンは駆けつけた魈の姿を一目見るなり抱きついてきた。その隣に空の姿がないことに胸がざわつく。奥蔵山では小雨が降り注いでいた。魈は雨に濡れることを厭わないが、彼らはよく木陰や各地に点在する天幕で雨宿りをしていたはずだ。彼はそこにいるのだろうか。慌てた様子でぐいぐいと服の裾を引っ張られ誘導されるが、小さな身体では移動できる速度に限界がある。その遅さがもどかしい、と思った矢先に目に入ったのは地面に倒れ込んだ空の姿だった。駆け寄って抱き上げたその身体はぐったり力を失っており、意識はないのか身体を起こされても瞼は閉じられたままだった。このまま雨に打たれ続ければ身体を冷やして症状を悪化させるだろうと思い立った魈は、雨から彼を守るように背を丸めて言葉をかけるよりも早く走り出す。近くに洞窟があった筈だと運んだ先には魔物が巣食っていた。仙人の中でも強い力を持ち、殺業に長けた夜叉である魈にとって造作もない相手だ。入口の所で彼を一旦下ろし安全を確保すると、おもむろに儺面を取り出す。瞬きの間に片付けた魈の姿に後から追いかけてきたパイモンは感嘆の声を漏らした。

    「朝から調子が悪そうだったんだ。でも石珀を集めたいからって聞かなくて……」
    「そう、か……」
    洞窟の奥深くで魈は依然意識のない空を胸に抱えて腰を下ろしていた。雨足は強まり目の前に広がる湖の水面をざあざあと弾いているのが見える。当分止みそうには見えなかった。とはいえ魈もすぐには動けそうにない。先程、靖妖儺舞をした代償として身体に激痛が走り、隣でパイモンが状況を説明しているが、相槌もおざなりに痛みのあまりこぼれそうになる声や乱れる吐息を噛み殺しているような状態だ。ぎゅう、と彼を抱く力を無意識に強めてしまっては気付いて抱き直すのを繰り返す。この存在だけが痛みに飲まれそうになる精神の支えだった。なんとしてでも守られねばならないと強い使命感が現実に魈を引き止めている。
    「稲妻にいけるってなってから、こいつなんだかずっと焦ってたみたいだし、状況が落ち着いて疲れが出たのかもな」
    小さな手が空の金糸を優しく梳く。彼が唯一旅の道連れとして選んだ相手だけある。自分のことに関してはあまり多くを語らない彼のことをよく見ていた。
    「雨が止んだら医者にみせたい。連れて行ってくれるか?」
    「……やだ」
    パイモンの言葉に反応したのは魈ではなく腕の中の空だった。いつの間にか意識を戻していたらしい。薄く瞼を開けたぼんやりとした表情だが、声ははっきりとしている。
    「やだって、そんな状態でどうするんだよ!」
    「……寝てれば治る」
    パイモンから顔を背け口を尖らせた彼は、そのままぽすっと魈の胸元に雪崩れ込んできて肩口のあたりを枕代わりにするように身体をすり寄せると、ぶるりと身体を震わせて寒がるようなそぶりを見せた。体重をかけられるとその分魈を襲っている痛みを強く感じたが、体調が悪い彼に気を遣わせるようなことをさせたくなかった。しかしやはり意識がある方が良い、と実感しながら魈は努めて無表情で彼を抱き寄せ、露出している肌が冷えないよう身体をさすってやる。
    「壺行く……そこで寝るからいい」
    腕の拘束の中で器用に身じろいで取り出した塵歌壺を開放する空は、身体を動かすのも一苦労なのか一つ一つの動作が緩慢としていた。

    ❇︎

    洞天に入るとあたたかい空気が雨に濡れた三人を包む。魈は寒いと感じていなかったが、冷えてはいたのだと知った。軋むような痛みを訴え続ける身体を叱咤して空を抱き上げたまま魈は屋敷の中へと入っていく。彼は再び瞼を閉じていたが寝ているわけではないようだ。意識のない時と抱き上げた際に感じる重みが違う。先程と違って少しばかり軽く感じながら、慣れた足取りで彼の私室へと向かった。二人で使用することを想定した内装の部屋には暖炉があり、更に空気をあたためることができるだろう。二つ並んだ寝台の手前の方に空を寝かせようとすると、パイモンがちょっと待ったと声をかけてきた。
    「もっとあたたかい格好にしてやろうぜ」
    ここに服が入ってるぞ、と衣装棚の扉を勝手に開けたパイモンは一着適当なものを引っ張り出してそれを手渡した。渡された柔らかい素材からできている厚手の衣服を確認してこれならば露出もなく、そのうえ楽に着られるだろうと納得した魈は何の声かけもせずに彼の衣服に手をかける。驚いたのは夢と現実をいったりきたりしていた空だ。いきなり服をひん剥かれる感覚にぱちりと瞼を開けて状況確認する。
    「え、な、なに……?」
    「着替えさせる。ここに腕を通せ」
    たった一言の簡潔な説明と共に袖を指し示されて、混乱のまま腕を通す空の様子にパイモンは魈の背後で苦笑していたが、他者と関わりを持たない魈が不慣れな手つきながらも甲斐甲斐しく面倒を見ている珍しい光景を微笑ましく見つめていた。

    なんとか本人の力も借りて着替えさせ終わり、横になったのを見届けた魈は洞天を後にしようとしていた。
    「えっ! 帰っちゃうのか!?」
    驚いた様子のパイモンは眉を寄せて自分一人では不安だから、と前置きして魈に空のことを頼みたいと言葉を続けた。確かにこの体格差では色々と不便なことも多いか、と魈も考え直す。彼の面倒を見ているうちに靖妖儺舞の代償の痛みも収まっていた。とはいえ、人の子の世話などしたこともなく、俗世の生活の知識ですら理解が危うい魈に果たして務まるだろうかと不安が残る。表情が翳ったのに気付いたのだろうパイモンは明るい声で笑顔を見せると胸を張った。
    「オイラもついてるし大丈夫だぞ。ちゃんとサポートするからな!」

    まずは部屋を暖めようと、暖炉に火を入れるところから始まった。既に毛布を一枚かけているが悪寒が生じているのだろう、何をしても空はぶるぶると背筋を震わせていた。寝付くこともできずにただ寝具の中でじっと丸まっている姿は確かに気の毒だ。悪寒が過ぎれば次は発熱し出すかもしれない、との言葉に水分を準備するために厨房へ行く。パイモンは細かく洞天内の勝手を魈に教えた。
    「水は喉が渇いたらすぐに飲めるようにベッドの所に持って行ってやろう」
    ピッチャーはこれだな、と抱きかかえたそれは体の丈とそう変わらない大きさだ。危なかろう、と魈は何も言わずにその小さな腕からその陶器でできた瓶を奪い取って汲んできた水を注ぐ。改めて厨房を見回してみると色々な調味料が所狭しと並んでいるが食材そのものはあまり置いていないことに気が付いた。魈の視線を追ったパイモンもどうやら同じことに気付いたらしい。これでは彼の食事はもちろん、自分たちの食事も用意することができない。
    「買い物も行かないといけないな。ついでに氷嚢とかも揃えて来ようぜ」
    「……我も行くのか?」
    「お前が来ないで誰が荷物を運ぶんだよ!」
    だんだん、と地上に足をつけていれば地面を踏み鳴らすような動きをするパイモンはたとえ喋っていなくても存在だけで賑やかだ。このような相方がいれば一緒に過ごす日々もきっと楽しいのだろう、と彼とパイモンの旅路を想像する。
    「注文はオイラがするから魈はただ荷物を持ってくれるだけでいいぞ。それならいいだろ?」
    買い物をするとなると璃月港に赴くほかないだろう。気乗りはしないが、空のためだと割り切って同行することにした。

    ❇︎

    晴天の璃月港に着いた魈とパイモンが真っ先に向かったのは璃月港でも最北端にある薬屋だ。いつも賑やかな璃月港でも昼過ぎの緋雲の丘は人もまばらで、道中魈は少しほっとしたが、それでも人目を気にしてその足取りはどこかぎこちない。長い階段を登り切った先にその店はあった。
    「こんにちは。旅人が風邪をひいたみたいなんだけど、念のため解熱剤が欲しいんだ」
    店員とは顔見知りらしいパイモンは商品を購入する以外にも喉が痛んだ時にはどうすれば良いか等、症状に対する対処法を尋ねている。魈はただ口を閉ざし視線も逸らしてなるべく目立たないようにしていたが、パイモンから購入品の入った袋を受け取ったことで興味を抱かれたようだ。物珍しそうな瞳とかち合って慌てて踵を返すが、そちらの方はと尋ねる声が背中に投げかけられて返答するかどうかを躊躇う。
    「あぁ〜っ、えーと、こいつは空の友達で、今日はあいつの看病に来てくれたんだけど、すっごくシャイな奴なんだ。あー……じゃ、じゃあ、ありがとうな!」
    苦し紛れの嘘と礼を同時に言ったパイモンは魈の背中をぐいぐい押して前進の合図をするので、促されるままに魈は店を出て長い階段を下っていく。
    「氷嚢も手に入ったし、次は食材を買いに行こうぜ」
    いつの間にか隣に並んだパイモンがにこにこと笑顔を向けてくるので、魈は小さく頷いた。先程店員から金柑が喉に良いだとか生姜で身体が温まるだとか色々と教えられたため、それを参考に食材を選ぼうと話すパイモンに逐一頷いて返す。
    「空にはお粥を作ってやるとして、オイラたちは何を食べるか考えなきゃな」
    口数が少ない魈に気を遣っているのかそれとも普段からこうなのか、パイモンはずっと喋っていた。しかし次第にこくこく首を振るだけで会話をしない魈の姿に怪訝そうな表情になっていく。
    「今は周りに人もいないし、喋っても良いんじゃないか?」
    世間話をする機会もほとんどない魈は、喋っても良いと言われても何を言えば良いのかよく分からない。長いこと言葉を詰まらせているとパイモンはおろおろとした様子で、別に無理して喋らなくても良いぞ、と続けた。緩衝材になる空がいないと物静かで孤独に慣れている魈と人懐っこく賑やかなパイモンだけでは相性がそこまで良くないとお互いに勘付いてしまった。微妙な空気感の中、緩やかな坂道を下り続けてチ虎岩の辺りに来た二人は広場のそばにある八百屋を覗いていた。食材を買うならまずここは外せないと言われて連れられてきた魈だが、ここでもやはりパイモンの一歩後ろでじっと佇むばかりだった。米や野菜、果物などを少量ずつ買っているのを一瞥して背後の港に目を向ける。海に反射した陽光が煌めいていて、そのそばからは元気な魚売りの呼び込みが聞こえる。商品を買い求める客と店主の談笑、玩具を強請る子供と親の会話。ここには色々な声が溢れている。
    『しょう……? いないの……?』
    その中で聞き逃してしまいそうなほど小さな掠れ声が自分を呼んだ。空だ、と直感した魈はすぐさまパイモンの小さな肩を叩く。
    「先に戻る」
    「えっ!? あとオイラたちのご飯を買うだけだぞ!」
    「我に食事は必要ない」
    パイモンの返事も聞かずに魈はその場を後にする。人前で仙法を使ったからか、周囲の人間のざわつく声が耳に残った。

    ❇︎

    「……空」
    彼の私室に戻ると、部屋の主は頭まで毛布を被って丸まっていた。その毛布をそっと捲ると顔を真っ赤にした空と目が合う。随分つらそうな顔をしているので、首筋に指先を当てると驚くほど熱くなっていることに驚いた。
    「のど……かわいた」
    彼の言葉に寝台のそばに用意した水差しを持ち上げてみると底が見えており、璃月港で魈たちが買い物に出ている短時間で飲み切ってしまったのだと知る。
    「喉が痛むのか?」
    こくりと小さく頷いた空は声を出したくないようだ。喉が痛い時は梨が良いと薬屋は言っていたが、あいにく食品を買い終わる前に離脱してしまった。魈が今持っている袋の中にあるのは氷嚢と解熱薬だけだ。氷嚢ぐらいなら準備できるかもしれない、と空の潤んだ目尻に滲む涙を拭ってやってから厨房に向かう。
    水差しに汲んだ水を移し替え、氷嚢の作り方を説明している字は読まずに添えてある図を見て判断する。どうやら凍結反応を利用してすぐに作れるようだ。そして凍ったそれを頭の下に敷いて使用するらしい。今の俗世にはこういうものがあるのだな、と思いつつ魈は図の通りの手順をたどたどしくもこなす。本当に簡単に凍った姿を見た時には少し驚きすら感じた。水をなみなみ注いだ瓶と共に空のもとへと戻ると、帰ってきていたらしいパイモンが室内におり、果物をいくつか並べていたようだ。
    「……氷嚢を作ってくれていたのか?」
    魈の姿を見て何か言おうと口を開いたパイモンだったが、手に握られたものを見て一瞬の無言の後に言葉を紡ぐ。あっけに取られた表情をしているので、おそらく魈が自ら氷嚢の準備をしていたとは思わなかったのだろう。パイモンに頷き返して、再び毛布に潜っている空の頭があるだろうと思われる辺りを狙って少し持ち上げるとそこに氷嚢を枕代わりに置いて身体を戻す。するとひょこりと毛布から顔を出した空は少しばかり気分が良さそうに目元を細めた。熱い身体にはその冷たさがちょうどいいらしい。
    「なあ空ー、本当に夕飯まで何も食べなくていいのか?」
    「うん……」
    視線だけパイモンに移した空は掠れた声で返事をすると、人前ですることを気にしたのか再び毛布に潜ってこんこんと咳をしている。だがここにいるのは人ではない。感染症だとしても感染ることはない。魈が気にしなくていいと毛布を捲り食欲がないのかと尋ねると、咳の止まらない口元を手で押さえながら彼は小さく頷いた。
    「で、でもお前朝から何も食べてないだろ? 蜜柑なんかどうだ? これなら今ここで皮を剥いてすぐに食べられるぞ」
    ぶんぶんと握った橙色の果実を振り回して訴えるが、空の気持ちを変えることはできず、緩く首を横に振る姿にパイモンと魈は顔を見合わせる。思っていたよりもだいぶ体調が悪いらしい。
    「喉が痛くて食べたくなくなっちゃったのか?」
    ふわふわと空に近寄ったパイモンはその小さな両手で空の指先を握りしめた。相当心配なのだろう、声が震えて元気がなくなってきている。初めて見る空の弱々しい姿に魈も動揺していた。眉尻の下がったパイモンと固まっている魈の様子を見た空は二人を安心させるようにふにゃりと笑みを浮かべたが、無理していることだけが伝わってますます心配になるだけだった。

    ❇︎

    「こうなったら空が元気になれるような美味い粥を作るしかないな!」
    片時も離れたくなかった魈だったが、ずっと見られていたら空が休めないとパイモンに言われ渋々厨房に戻ってきていた。次々に買ってきた食材を卓の上に並べられても、料理の心得などない魈にはどのように扱うすら分からないが果たして誰が美味い食事を作るのか。そんな考えが表情に出ていたのか、当然作るのは魈だぞと言われてしまう。料理にこだわりのある留雲ならば発明品を駆使して作れるのかもしれないが、殺業の腕しかない自分に料理など出来るのかと不安だった。深刻な表情をしていると、パイモンに作り方は自分が考えるから言われた通りにするだけで良いと声をかけられる。 

    「じゃあ出汁を取るぞ」
    パイモンは棚の上段に置かれた鍋を取ろうと浮かび上がった。大きくも小さくもない土鍋だったが、あの小さな体格では何をしていても危なっかしい、と魈はパイモンよりも先に鍋を取り上げた。
    「何がしたいんだ」
    「水を張った鍋に昆布を浸けたいんだ」
    昆布とは何か、と考えているうちにパイモンはどこからか取り出した黒い帯のようなものを魈が持ったままの鍋に入れた。水を注ぎ入れるとぷかぷか浮かぶそれを興味深く眺めていると、しばらくは使わないというので作業の邪魔にならない場所へと移動させた。
    「昆布はな稲妻で取れる海藻だぞ。これで取った出汁はすっごく美味いんだ。よし、次は喉が痛いなら梨と金柑を甘く煮るのはどうだ? 金柑は少し苦いけど喉にいいって言ってたし、梨と一緒に甘くしたら食べやすいと思うんだ」
    「粥を作るのではなかったか?」
    「粥ももちろん作るぞ! でもくたくたに煮たほうが食べやすいものは先に作っておいた方がいいだろ」
    パイモンは黄金色の小さな果実の入った袋の中に手をつきこんでいくつか鷲掴み取るが、手のひらとそう大きさの変わらない果実たちはぽろぽろと零れ落ちていってしまう。何度試しても果実を落としているので魈は無言でそばに置いてあった碗を手渡した。受け取った碗に果実を入れ終わったパイモンは塩と水を入れて表面をこすり洗っている。手持ち無沙汰でいると、洗い終わったそれらを木製の板の上に置いて指差した。
    「金柑を切って鍋に入れておいてくれ。梨も同じぐらいの大きさによろしくな!」
    魈は小刀を手に取った。刃物を扱うことなら慣れている、ところんころんと安定しない丸い果実を押さえつけ、小さいそれをさらに小さくする。どのぐらいの大きさにすれば良いのか見当がつかなかったためとりあえず半分にしたが、パイモンが一瞥したものの何も言わないことをみるに、この大きさで問題ないのだと判断する。柑橘の酸味のある香りや梨のほのかな甘い香りが広がると、隣から腹の音が聞こえてきた。視線だけ動かすと、口元をぐっと噛み締めて食欲に耐えている姿があった。空は朝から何も食べていないと言っていたが、もしかしたらパイモンも食べていなかったのかもしれない。少なくとも昼前に魈と合流してから何も口にしていなかった。
    「ひと口ぐらい食べてもそう減らないだろう」
    皮を剥かずに切っていた梨をひと欠片差し出したが、ふるふると首を横に振ったパイモンはこれは空の分だから我慢するとの一点張りで聞かなかった。切り終えた果実を鍋に入れると、言われるがままの分量の砂糖と水を投下して二つ並んだ竈の一つに火をつけた。あとは煮ると甘くて柔らかい果実になるのだと言う。

    「よし、次に粥を作っていくぞ」
    「具は何を入れるんだ?」
    「山芋と卵にしよう。きっと喉が痛くても飲み込みやすい筈だ」
    長細い山芋を手に取ったパイモンはまず水で表面についた泥や砂を洗い落とし始めた。他にも葱も取り出したので、それも具になるのだろうと推測する。
    「魈はまた細かく切ってくれ」
    「……どこまで細かくすれば良い?」
    「ものすごくちっちゃくだ!」
    曖昧な発言に承知した、と魈は口元を緩める。協力しているうちにパイモンの性格にも慣れてきていた。大雑把で現金な一面もあるが、心優しく愛嬌がある。いつの間にか魈も口数が増えて会話が続いていることに気付いた。山芋の皮を削り落とし、半分に切ろうと刃を通したのと同時にパイモンが山芋はみじん切りにした後に包丁横にして叩くと良いと助言する。適当な指示が多いが、ちゃんと魈の作業を確認しているのだと分かり安心感が湧く。魈が山芋を切り刻んでいる間に葱も洗い終えたパイモンは昆布をつけ置いている鍋を竈に運ぼうとしているので、魈は作業の手を止めてそれを手伝った。鍋の中の水が浅く色付いていることを不思議に思いながら、火をつけるまで担当してやると火の番は任せろと胸を張って言うので再び山芋切りに専念することにした。ぬるぬるとしたそれを細かく刻んで、包丁の腹で叩いているうちにどろどろとした糊状に変化していく。大変手間のかかる作業だが、廊下越しからでも聞こえるほど激しく咳き込んでる空のためと思うと苦ではなかった。

    ようやく山芋の準備を終えた、と顔を上げてパイモンに任せている鍋の様子を見ると梨と金柑を煮ていた鍋はすでに消火しており、昆布を煮ていた鍋には既に昆布の姿はなく、かわりに米が入っていた。いつの間に米を洗いに行っていたのだろうか。どうやら移動するパイモンの気配に全く気が付かないほどに集中していたらしい。
    「終わったのか?」
    「ああ。だがまだ葱が残っている」
    「葱は先っちょの青いところだけでいいからな」
    先程と比べて葱を切り刻むのは簡単だ。すぐに切り終えた魈は山芋と共に鍋の中へと入れる。あとはこれを煮込み、溶いた卵を加え混ぜるだけで完成だと言った。
    「一応出汁の味はあるけど、最後に味見したほうがいいと思うぞ」
    ぐつぐつと煮込まれる粥を焦げ付かないように杓子でかき混ぜる。かき混ぜ続けていないと焦がすのではないかと不安で、そのおそるおそるとした手つきを笑われた。焦げたらもう一度作れば良いと微笑みかけられて、その前向きさに空との共通点を見た。
    「よーし、味見しようぜ!」
    溶き卵も加え終わり火を消したパイモンはひと口分を皿によそって魈に手渡す。熱々のそれを流し入れると口の中にあっさりとしたうま味が広がり、ふわふわとろとろとした山芋と卵の食感は確かに喉越しが良い。パイモンの力が大きいとはいえ、作り上げたという達成感が胸に満ちた。
    「なんか味が薄くないか?」
    「……我にはちょうど良い」
    「絶対もう少し塩気があったほうがいいと思うぞ!」
    共同作業で多少仲が深まったとはいえ、味覚の好みまでが同じになるわけではない。塩を足すか足さないか論議は結局空に好きに足してもらうことで一致した。

    ❇︎

    「空ー、ご飯だぞー」
    にこにことパイモンが解熱薬を手にしながら先に入室し、粥と梨と金柑の甘煮をよそった碗で両手が塞がっていた魈はその後ろに続く。外はすっかり暗くなっていたが、真っ暗な部屋の中で変わらず空は毛布にくるまっていたようだ。灯りをつけるともぞもぞと動いたため起きているのだとわかる。
    「少しはお腹空いたか? 魈がお前のために料理してくれたんだぞ」
    「……しょうが?」
    おもむろに顔を上げた空は咳をしすぎて疲弊しているのか、ますます元気がないようにみえて、ぎゅっと胸が締め付けられた。身体を起こして座っているのもやっとの様子だ。魈は碗を寝台から少し離れた位置に置いてあった卓の上に置くと、卓ごと持ち上げて寝台のそばに持っていく。食事の準備が整ったところでパイモンは昼間に買ったものを自分も今から食べる、と部屋を出ていってしまった。空の世話を任され、魈は身が引き締まる思いで彼のふらつく熱い身体を隣に腰掛けて支える。空も支えができると楽なのだろう、背中に回された魈の腕に身体を預けた。
    「ほんとにしょうがつくったの?」
    普段の甘くて穏やかな声からは考えられないほど嗄れてしまった声で空は話しかけてくる。しかし自分でも声がれの酷さに驚いたのだろう。一瞬困惑の表情を浮かべたのちに俯いてしまった。
    「我は具材を切っただけにすぎぬ。……味が薄いと思ったら好きに足せ」
    食べられる分だけで構わない、と付け足して匙を手渡す。普段と変わらない魈の態度を見て空は安心したように薄く口角を上げると、受け取った匙で粥を掬った。湯気の立つそれを念入りに冷まして口に含み、嚥下する様までを固唾を飲んで見守る。
    「……おいしい」
    「そうか……ならば良い」
    会話はそれだけだった。空は鼻が詰まっているのか、時折呼吸のために休憩を挟みながらもくもくと粥を食べ進める。魈もただそれを眺めるだけであったが、心の内は安心と喜びに溢れていた。空が自分の作った食事をとっている。その上美味しいとまで言ってくれた。たったそれだけでこんなにも嬉しいのだと魈は初めて知った。空はよく手料理を振る舞っては食べている様をにこにこと見つめていたが、彼も同じような気持ちだったのかもしれない、と彼への理解が深まった気がしたのも嬉しかった。
    粥を食べ終えた空は柔らかくとろけそうになった金柑を口に運ぶ。が、しかしすぐに顔を顰めた。ちょっと苦い。そう言いながらも必死に飲み込もうともごもご口を動かしている。無理しなくて良いと声をかけても空は頑固だった。数分かけてようやく飲み込んだようで、すぐに水の入った杯に手を伸ばしている。そういえばパイモンも金柑には苦味があると言っていた。そんなに苦いものなのかと魈は好奇心から黄金色の果実を手で摘んでとろりと汁が溢れるそれを口の中に放り込む。酸味も感じられるが確かに苦味の方が強いかもしれない、とはいえ食べられないほどではない。というのが感想だった。しかし空が苦いと感じるならば甘い梨や煮汁だけを飲ませようと金柑だけを口に運んで処理していると、彼がやけに静かなことが不意に気になった。隣を見ると空は瞼が半分閉じかけていて、眠たそうにしている。腹が膨れて心地よくなれたのだろうか。
    「空、寝る前に薬を飲んでおけ」
    魈はそのまま倒れてしまいそうな空を自分にもたれ掛けさせながら腕を伸ばして薬の準備を始めた。粉末状のそれが舞い散らないように慎重に封を切って、飲み干してしまっていた杯に再び水を注ぐ。うとうとしている彼はとても自力では薬を飲めそうにないが、声をかけるとわずかに反応することから、完全に寝ているわけではないようだった。
    「口を開けろ」
    色の悪い唇をつつくと、とろんとした瞳で魈を見つめながらそれからゆっくりと口を開いていくのでまるで口付けをする時みたいだ、と思い至ってしまう。恥ずかしさを誤魔化すように薄く開いたそこを指先で更にこじ開けて、薬と水を間髪入れずに流しこむと空は背を丸めて大きく咳き込んでしまった。慌てて背中をとんとんと軽くたたく。
    「うぇ……にがぁ……」
    気管支に入ってしまったのかと焦ったが、ただ苦かっただけのようだ。顔を上げた空の目には涙が滲んでいる。薬の不味さは魈もよく知っている。金柑に続いて苦いばかりではかわいそうだ、と魈は口直しに梨を手にとって口元に近付けてみる。金柑の隣に並んでいたからか最初こそ少し警戒するような目つきをしたものの、舌先で甘さを確認した空はぱくりと魈の指ごと口に含んだ。ちゅっと音を当てて手指を吸われ、その咥内の熱さに一瞬心臓が跳ねる。そんな魈の内心を知ってか知らずか空はもう一つ食べたいと言い出した。努めて平静を装いながら魈は再度梨を掴んで空の口元へと運ぶと、爪の間まで舐めとられて頬や耳に熱が集まるのを感じる。
    「……揶揄うな」
    「えへ、ばれた?」
    それ以上舐めても味などしないだろうと思うほど丹念に吸っているので、魈も流石におかしいと気付いた。声をかけると悪戯をした子供のような笑みを浮かべた確信犯はそのまま魈の腕の中に雪崩れ込んで背中に腕が回してくる。薄い衣服越しに普段よりもずっと高い彼の体温が伝わってきた。胸元に頬擦りしようとするので、首から下げている装飾品を顔に当たらないように横へと流すと空は存分にぐりぐりと顔を押し付けていつになく甘え始めた。そのまま衣服に手をかけてきてもおかしくない勢いに魈は慌てて彼を制止する。
    「もう寝ろ、早く治せ」
    薬を飲むまでは眠たそうにしていたというのに、寝たくないとだだをこね始めた空を横たわらせ、毛布を肩までかけてやる。何かあればすぐに呼ぶよう言い含めても、まだいやいやと首を横に振るので、そんな幼い様子に珍しいと思いつつ、頭を撫でて彼を宥める。欲求を叶えることよりも安静に過ごさせることを取った魈は明かりを絞って部屋の戸をそっと閉める。ひとりにしないで。痛む喉では、嗄れた声では音にすらならなかったその言葉を聞くことはなかった。

    ❇︎

    一人で食事していたパイモンは厨房の椅子の上で横になっていた。卓の上には空になった容器が置かれているが、室内にはまだ香辛料の刺激的な強い匂いがこもっている。
    「金柑は苦いそうだ」
    「じゃあオイラが食べよっと!」
    すぐさま起き上がって鍋に残った金柑を器に移す行動力に、魈は食後ではなかったのかと感心する。一緒に食べないかと誘われるが先程口にした分で満足していたため断る。そんな魈に対して気を悪くした様子もなくパイモンはぱくぱくと金柑を口に含んでいった。
    「魈も慣れないことをして今日は疲れたんじゃないか?」
    「……問題ない」
    「空が寝てる間ぐらいお前もちゃんと休むんだぞ」
    肉体的には疲労などひとつも感じてはいない。疲れているとしたら精神の方だ。片時も離れたくない。彼のそばにいたい。けれども魈がそばにいると空のことだから無理をしてでも起きて、咳をすることも我慢するだろう。先程のように触れ合いたがるかもしれない。感染る心配がないとはいえ、身体に障ることは本意ではない。壁越しに彼の心配をすることしかできない現状がもどかしく、気を揉みすぎてため息が出る。
    「明日には少し良くなっているといいよな」
    粥はまだ半分残っている。朝はそれを温めようと話すパイモンに頷いていると激しく咳込む音が聞こえてきた。食事をしていた時はほとんど咳をしていなかったので、やはり魈が室内にいると気を遣うのだと様子を見に行きたい気持ちを抑える。けれどもごぽっといった水音までもが聞こえ始めると、途端に顔色を変えた魈は仙法ですぐさま移動した。

    ❇︎

    呻き声に混じって時折ぼちゃぼちゃと水音が聞こえている。嘔吐しているのは姿を見ずとも明白だった。一日中何も食べず食欲もなかったところに、魈が作ったからという理由で無理して胃に入れていたのかもしれない。近づいて見るとまだ形を保ったままの粥だったものが寝台の上に広がっていた。寝具は部屋の外に出しておき、その後どうするかはパイモンと相談するほかない。
    「空、持ち上げるが大丈夫か?」
    返事はなく、過呼吸を起こしているのではないかと心配になるような荒い呼吸だけが聞こえる。埒が開かないので胃液等で汚れている真っ青な顔を軽く拭ってやると、ぐったりとした熱い身体を抱き上げて隣の寝台に移動させようとする。
    「だめ!」
    鋭い声に驚いて動きの止まった魈に、どこから出ているのだろうと疑問に思うほど強い力でしがみついた空はそこは蛍の所だと言い放つ。そのギラつく瞳から怒りにも近い意志の強さを感じて、動揺のまま暖炉の前に置かれた布張りの長椅子に彼を横たわらせた。暖炉には火がついているため寒くはないはずだ、と洗濯が必要であろう寝具を寝台から剥がして部屋の外に持ち出す。戸を開けると心配そうな顔をしたパイモンがそこにいた。空の鋭い声が聞こえてきて入れずにいたという。
    「汚れたのはブランケットとシーツだけみたいだ。普段から防水のシートを敷いていて助かったな。マットレスは無事なんだろう? それならお前の部屋からシーツを持ってくればまた寝られるんじゃないか?」
    状態を確認したパイモン曰くこれらは捨ててしまって良いのだと話した。衛生面的な観点とあとはもう何度もこまめに洗濯をしていてそろそろ買い替えを検討していたからだという。洗濯回数の理由に心当たりがある魈は少しバツの悪い思いをしたが、洗う手間が省けたのは何よりだ。パイモンにはもう休むように伝え、さっさと処理を済ませて空が魈のためにとあてがってくれた部屋にある寝台から寝具の類を移動する。
    薄い布と厚い布を掛ければ良いのだと、魈が見よう見真似で準備を整えている間に一瞬見せた感情は収まったらしい。ぼうっとした表情で、たらたらと頬をつたい落ちる涙を拭うこともせずに脱力している空の冷え切ってしまった指先を温めるように握ると、柔く握り返された。
    魈の知る空はいつも優しかった。他者のために尽力するような人の良さで、誰からも好かれる存在だ。けれども、分け隔てなく平等に慈しんでいるのではなく、ただ唯一の愛を向ける存在を今は失っているからそう見えるだけだったのだと魈は気付いてしまった。あの寝台は魈にとってはただの使用者のいない寝台にみえていても、空にとっては違うようだ。未来への願いを込めた大切な場所なのだろう。どれだけ魈が口づけを交わそうと、彼と身体を重ねようと、敵わない存在に悔しさすら覚える。
    「……ほたる……」
    ここにいるのは璃月を狙うファデュイを倒し、上古の魔神を二度も退けた英雄でもなんでもない、ただ家族と離れ離れになって寂しい思いをしている子供だった。
    となれば、高熱に浮かされて絶え間ない咳や痛みに苦しんでいる間、きっと心細かったであろう。身体の調子が悪いと精神も引き摺られてしまい、良くない想像に取り憑かれる経験は魈にもある。空のためを思って遠ざけたことは彼の抱える寂しさを更に増幅させてしまったのかもしれない。触れ合っていたわずかな時間は、身体はつらくとも温もりに触れることで心は落ち着けたのかもしれない。そう思って魈は自分の至らなさを責めた。彼の愛する妹の代わりにはなれないが、寂しくないようにそばにいてやることはできる。
    「空」
    普段空が自分にかけてくれるような柔らかい声を思い出しながら話しかける。これ以上身心共に敏感になっている彼に刺激を与えたくなかった。
    「一緒に寝よう」
    再び抱き上げると身を強ばらせたが、すぐに自分の寝台に戻るだけだと気付いたようだ。大人しく腕の中に収まって、全てを委ねている様に庇護欲が湧く。空を抱きながら魈も共に横になって毛布を被ると、ひんやりとした寝具はすぐに二人の体温が移ってぬるくなった。
    「……あったかい」
    ほっとしたような声と緩んだ口元。ぽろぽろと目尻に溜まっていた涙がこぼれたが、新たに流れ落ちることはない。たとえ目が覚めても一人じゃないと安心できるように、魈は体格の変わらないその身体をかき抱いた。
    紗紅緋 Link Message Mute
    2022/05/30 19:35:12

    寂寞

    ほぼパイモンと魈の旅人看病記。受けでも攻めでも嘔吐してる姿はかわいい #gnsnBL #空魈

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    • 海誓山盟マルチしようとしたら過去の仙人と出会う話。謎設定と魈の過去捏造しかありません

      何が出てきても大丈夫な方のみお進みください。
      #gnsnBL #空魈
      紗紅緋
    • 碧悟4後ろ向きな空と前向きな魈の話
      *ありとあらゆる台詞、キャラクターストーリーへのネタバレ配慮をしていません。
      *プレイ時中国語音声なので、声や細かい言い回しなどはそちらをイメージしてます。間章で感情大爆発させるCN魈はいいぞ
      *作業用BGM:周深『大鱼』の影響を若干受けています
      #gnsnBL #空魈
      紗紅緋
    • 結婚する空魈6/30の朝、唐突に結婚する自CPがみたいと思ったので書いたら精神が健康になりました。
      現パロです。
      #gnsnBL #空魈
      紗紅緋
    • 結婚する空魈2数年後にちゃんとプロポーズする自cp。1万文字ある蛇足みたいなものです。

      #gnsnBL #空魈

      追記:
      先日、ようやく溺愛の続きもアップしました。興味のある方はフィルターを一般からR18に切り換えてご閲覧ください。
      紗紅緋
    • 暗恋両片想いしていた空魈話です。
      魈の過去を含め全てが捏造。 #gnsnBL #空魈
      紗紅緋
    • 耽溺キスする空魈が書きたかったです。2ページ目は蛇足です #gnsnBL #空魈紗紅緋
    • 碧悟2空がひたすら鬱々している話。少し女々しいかも。

      *ありとあらゆる台詞、キャラクターストーリーへのネタバレ配慮をしていません。
      *プレイ時中国語音声なので、声などはそちらをイメージしてます。kinsenはいいぞ #gnsnBL #空魈
      紗紅緋
    • 碧悟1魈の精神革命の話。ただひたすら魈の精神描写ばかりです。

      *ありとあらゆる台詞、キャラクターストーリーへのネタバレ配慮をしていません。
      *プレイ時中国語音声なので、声などはそちらをイメージしてます。kinsenはいいぞ
      *イメソン:邱振哲『太陽』の影響しかないです #gnsnBL #空魈
      紗紅緋
    • 碧悟3隣で自分の道を歩む人が出来て、見える世界が変わった魈の話
      *ありとあらゆる台詞、キャラクターストーリーへのネタバレ配慮をしていません。
      *プレイ時中国語音声なので、声や細かい言い回しなどはそちらをイメージしてます。kinsenはいいぞ
      *作業用BGM:任然『飞鸟和蝉』の影響を若干受けています
      6/13追記:2.7で判明した情報と整合性を取るために一部修正しました
      #gnsnBL #空魈
      紗紅緋
    • 年末のご挨拶本年はTwitterでの活動を辞めたり、pixivからこちらへ移動したりと精神的に慌ただしい一年でしたが、皆様のお言葉の温かさに救われました。本当にありがとうございました。今後も空魈を書き続けていきたいと思います。良いお年をお迎えくださいませ!

      また、1/8に神の叡智7に参加しますが、全48種ランダム配布予定の無配ハガキの図柄にご希望のものがございましたら取り置きいたします。(※新刊2冊も勿論取り置きいたします)
      無配は余れば通販にも回しますが、その際は匿名配送となってしまいますので個人の特定ができません。もしも通販予定の方で、この図柄が欲しい!というご希望がありましたらハガキのみ別途送付もいたしますのでご連絡いただければと存じます。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
      紗紅緋
    • 日久生情 サンプル契約恋人のはずがマジ惚れしていく話

      1/8開催 神の叡智7にて頒布しました
      (B6/184頁/価格1,000円/R-18)

      ※サンプル部分は冒頭ではありません
      ※バージョン1.3から2.7に至るまでのあらゆるイベントネタが詰まっています
      ※実際はタイトル部分は箔押しとなります
      ※通販はFOLIOを利用しています。どうぞよろしくお願いします
      https://www.b2-online.jp/folio/13072300003/001/
      ※成人指定してあります。表示されない場合はユーザー情報で表示するにチェックする必要があります。


      #gnsnBL #空魈
      紗紅緋
    • 夢で見た人を好きになっちゃうタイプの空くん内容はタイトルのままです。キスから始まっちゃう自cp可愛いなと思って書きたいところだけ書いたので短いです。

      書いてる途中に例のキャラpvが来てしまって、本家(?)の彼はこんなにも苦しんでいるのに、私の書く仙人はなんでいつも旅人メロメロ真君なんだと数日間絶望していましたが、海灯祭イベント見てたらメロメロ真君もあり得なくはないと気を持ち直したので公開です。エピローグが楽しみです。
      追加:エピローグ前にとんでもpv来ちゃって泣いた

      #空魈 #gnsnBL
      紗紅緋
    • 夢の番人 サンプル未来の結末の話

      1/8開催 神の叡智7にて頒布しました
      (B6/44頁/価格600円/全年齢)

      ※キャラクターの死の捏造があります
      ※バッドエンドではありませんが、ハッピーエンドでもありませんので、苦手な方はご注意ください
      ※ フォントの都合上、左綴じ横書きの本となっております。
      ※通販はFOLIOを利用しています。どうぞよろしくお願いします
      https://www.b2-online.jp/folio/13072300003/001/

      #gnsnBL #空魈
      紗紅緋
    • 1/8無配遅くなりましたが、1/8神ノ叡智7ではどうもありがとうございました!通販の方もちょこちょこご注文いただけて大変嬉しく思います。
      無配の方を公開いたします。フォロワーさんからいただいた設定の仙人で書いています。自分だけが気付いちゃったあの子の秘密とか可愛いですよね。
      今年はもう一回イベント参加できたら良いなって思います。今後ともよろしくお願いいたします。
      #空魈 #gnsnBL
      紗紅緋
    • お知らせ1/8開催の神の叡智7に空魈で参加することにしました。取り急ぎご連絡まで。
      スメールめっちゃ楽しい
      紗紅緋
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