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    結婚する空魈2(ようやくこの日が来た!)
    今日は魈に正式にプロポーズをすると、今の会社に内定を貰った日から決めていた。土日休みと彼の誕生日が合わさるのが今年だからだ。目標があると努力をしやすい。プロポーズの日までに何をしなければいけないか、どんな準備を終えている必要があるか、逆算して空は今日までを生きてきた。渡航費と結婚にかかる費用の準備、それから婚約指輪と誕生日プレゼント。全てがこの手に揃っている。自分で立てた予定の時刻を待ちきれずに自宅を出発した空は始発の電車に揺られながら、慣れ親しんだ地元へと帰った。
    長期連休の度に空は魈に会いに行っているため、今日は正月ぶりの再会だ。彼は変わらずに単身者用のアパートに住んでいる。仕事では数年前から部下を持つようになったと聞く。魈は適当に選んだ会社だと言っていたが、人付き合いが苦手なところはあるものの、律儀で真面目な彼をちゃんと評価してくれるところのようで安心していた。
    (まあ最終的に移住するから辞めてもらうことになるんだけど)
    そうだ、結婚しよう。と奮起した空にとって魈が同性であることなど最初から問題ではない。魈が魈である限り染色体の違いなど些事だったが、生まれ落ちたこの国では違った。とはいえ結婚という儀式だけを他国で行えたとしても、彼我の間に結ばれたものを他人が認めてくれないのであれば意味がない。魈がこの世界で生きていて少しでも息をしやすくなるのであれば、例え母国を出ようとも、大事な片割れを含めた家族や友人と離れることになろうとも構わなかった。元々語学の勉強が出来る方だったことも移住に対する抵抗感が少なかった理由の一つだ。魈と結婚してみんなから彼を伴侶として認めてもらう。それが空の夢だった。

    地元の花屋で予約していた花束を受け取るため、約束の時間までを駅前の喫茶店で暇を潰す。茶文化が根付いている璃月の出身だった魈は、今世においても茶であれば基本的に何でも飲んだが、コーヒーはいつまで経っても飲み慣れなかったらしい。彼の舌に合わせて茶を飲んでいるうちに空もすっかり紅茶派になってしまった。砂糖も入れずにホットティーを啜りながら、スマートフォンでメッセージが届いていないかを確認する。夜中に魈に送ったおやすみの挨拶はまだ既読になっていない。眠っているところに訪問して起こしてしまうのは気が引ける。おはようとだけスタンプを送って、彼からの返事が来るのを待ってから出発することにした。

    高校生の時は世間話と同じノリで結婚して欲しいと申し込んでしまったが、今回は違う。空はぴっちりとスーツを着込んで髪型もしっかりきめてきている。今日の演出のプロデューサーは蛍だ。魈が結婚を了承した翌朝、空は舞い上がりながら彼女に報告した。「家」のある二人にはかつてほどの強い結びつきはない。しかし言葉にせずともお互いに通じ合うような感覚は残っていた。テイワットの記憶がない彼女に詳しく語ったことはなかったけれども、蛍は無意識のうちに兄と魈の間に何かがあることと、それが強い執着心を生み出していることに気付いていた。そして魈を想うあまりに時折動けなくなる空に対して助け舟を出してくれた。

    今回彼女から命じられたことはまず真っ赤な薔薇の花束を準備すること。これは百八本なければダメなのだという。曰く「永遠に」という語呂合わせからきておりプロポーズにはぴったりとのことだ。そして婚約指輪を用意すること。アクセサリーの類を身につけない魈に必要なのかと思ったが、物として存在している方が実感が湧くから渡せと強く言われた。
    世俗に疎く、趣味もない魈の1日はわびしいものだ。テレビ番組を目にしなければ、もちろんスマートフォンでの動画配信サービスも利用しない。読書だって必要がなければしない魈の部屋には娯楽の類が何一つなかった。ただ仕事をして、食事をとって、眠るだけの毎日。世の流行りを知らないまっさらな彼だからこそ、少しくらいクサい演出をしたところで引いたりしないというのが蛍の持論だった。最初こそ蛍の意見に空は渋ったが、夜叉としての彼を知り余計な情報を持ちすぎている自分よりも、今世の魈だけを見つめている彼女の方が彼自身をよく理解していると思い直して、少し気恥ずかしい演出を受け入れることにし、今日はいっそ漫画のようにオーバーな演出をして、一生忘れられない笑い話にしてやろうと開き直っていた。

    受け取った花束は空の予想よりも遥かに大きかった。花束を大事に抱えていると持ってきた荷物を同時に運べないことに気付き、バスで彼の元へと向かうのを急遽取りやめてタクシーを使うことにした。花屋まで呼び寄せた運転手が空のこれからの予定に気付いて、にこやかに話しかけてくる。幼馴染にプロポーズしに行くのだと返すと笑顔で送り出してくれて少し照れ臭かった。

    「魈ー、結婚しに来たよー!」
    花束で両手が塞がってもらっている合鍵で玄関扉を開けることはおろか、玄関ベルを鳴らすことも出来ないため空は大きな声で魈を呼ぶ。毎年誕生日だけは有給を使ってでも会いに来ているので、事前に何も言わなくても彼も空の訪問を予想しているはずだ。既に起床していることは花屋を出る頃に返ってきたスタンプで把握している。
    「近所迷惑だ」
    ドタドタとした足音の後に勢いよく扉が開く。四ヶ月ぶりに会えた魈はすこぶる不機嫌そうな表情で空を睨んだが、すぐさま抱えている巨大な花束を見て目を丸くした。いつも冷静な彼は驚きを表すことも少なく、珍しい表情を見られたことが嬉しい。しかし彼を呼び出す声がいささか大きすぎたようだ。近隣の住民たちが何事かと窓から様子を確認しているのが視界の端にうつる。
    「お誕生日おめでとう魈。先にこれを受け取って」
    魈に気づかれないように慌てて後生大事に運んできた花束を押し付ける。直径が大きいため扉に花弁が当たらないよう魈は慎重な手つきで花束を室内へと迎え入れた。
    「……ありがとう」
    困惑と喜びが混じったようなうわずった声で言葉を返した魈は薔薇の花束を受け取ると、どうしたらいいのかとリビングに続く廊下で立ち尽くしている。その表情は驚きもあれど口元は緩んでいて、頬が少し赤らんでいた。そんな彼を見てプロポーズするのなら今だと直感した。欲を言えばせめて広く片付いてるリビングでしたい。こんな通路の真ん中ですることではない。けれども見たこともない大きさの花束を貰って意外にも悪い気はしない様子の魈に畳み掛けたい気持ちが勝った。しかし蛍監修の元、何度も練習した指輪を取り出す動きを実際に本人の目の前でやるとなると緊張で指先が震える。例えスマートに出来なくても魈なら茶化したり笑い飛ばしたりしないと分かっている。意を決して空は懐で暖めていた指輪をケースごと取り出して魈の前で跪く。
    「魈、俺と……け、結婚してくれませんか?」
    指先はもちろん、声も驚くほど震えていた。この数年間何度も本人に結婚しようねと言葉をかけ続けてきたのにこのざまだ。恥ずかしさも相まって空はぎゅっと目を瞑る。ドクドクと拍動している心臓はうるさく、火照った頬はきっと真っ赤だ。しかしそんな空をよそに、いつまでも何の反応もない魈に恐る恐る目を開けて様子をみると、開かれたケースの中に収まった指輪を見て魈はきょとんとした顔をしていた。
    (ほらー! やっぱり魈分かってない!)
    婚約指輪は当然ながら女性的なデザインが多い。一粒のダイヤが嵌め込まれたオーソドックスなデザインよりも、リング上にダイヤモンドが一列に嵌め込まれたエタニティと呼ばれる形を選んだ。生まれて初めてジュエリーショップに立ち入り、店員のアドバイスを聞いたものの魈に贈ることを考えるとピンとこなかった空だったが、両サイドの金属でレールのようにダイヤを留めた指輪をひと目見た時、これならば彼でも受け入れやすいだろうと興味を引いた。華やかだが形状そのものはシンプルで、すっきりとしたシャープな印象を受ける。そのうえダイヤが全周ついているものよりも半周のものの方がより普段使いしやすいと聞いて即決した指輪だった。しかし当の本人は喜びも拒絶もせずにただぽーっと指輪を見つめるばかりでいる。
    「えっと……は、嵌めてあげてもいい?」
    流石にいたたまれなくなって返答を急かすと、ハッと我に返った魈は花束を抱え直すとおずおずと左手を差し出した。元より血色の良くない手のひらを柔らかく支えて、ようやく自分の手が汗まみれなことに気付く。かさついている彼の手をじっとりと蒸らしながら、あまり肉の付いていない薬指に指輪を嵌めていった。正月に顔を合わせた際にサイズは確認済みだから入る予定だったが、それでもぴったりと合うと空は安堵のため息を漏らした。
    「……あ、ありがとう……」
    魈は相変わらずうわずった声のまま呟くように礼を言う。その視線は指輪に釘付けだった。あまり節くれだっていない自身の白い指に輝く指輪が嵌められているのが気になる様子だ。
    「じゃあ誕生日プレゼントも今渡していいかな?」
    「ま、まだあるのか!?」
    強まった語気に驚いたのは空の方だ。彼が怒涛のプレゼント攻撃に動揺しているのが伝わってくる。少し落ち着きたいとリビングに逃げ出す魈を見送り、空は玄関前に放置していた荷物を詰め込んだキャリーケースを取りに戻ったのちに彼を追う。

    リビングでは魈がキッチンで立ち尽くしている。やはり指輪を眺めているようだ。気に入ってくれただろうか。そっと背後から腰に腕を巻き付けると面白いくらいに跳ね上がる身体を抱き寄せ、首を伸ばして頬にキスをした。
    「……変な気分だ」
    振り向こうとした魈の唇をそのまま捉えて、はむはむと柔く食んだり吸ったりしていると、キスの合間に魈は震える声をこぼす。眉を寄せて感情の整理がついていないといった表情をしていた。
    「嬉しい? 嬉しくない?」
    聞いておきながら返事を言わせないように舌を差し込んで奥で丸まっている彼の舌にちゅるんと絡む。
    「ンむ……ふ、ぁ……」
    正月は空の実家で過ごしたが当然両親や同じように帰省した蛍の目もあり、あまり二人の時間を持てなかった。久しぶりの粘膜同士の触れ合いにグッと腰の辺りが重たくなったのを感じて、このままではまずいと空は勢いよく魈の身体を解放した。折角の誕生日を朝から抱き潰して終わるわけにはいかない。
    「ご、ごめん! また後でにする」
    「ぅ……わ、分かった」
    力が抜けてしまいそうな身体を支えてダイニングテーブルへと誘導する。くたりと座り込んだ魈に聞けば朝食を用意しようと思っていたと言う。自分も一緒に食べたいからと準備を請け負った。

    トーストしたパンと溶き卵やベーコンを炒めてケチャップをかけただけの簡単な朝食をのんびりと食べている魈はようやく落ち着いたようだ。空の膨れ上がりそうになった欲望もなりを顰めて、穏やかさを取り戻している。
    「今日はちょっといい夕飯を食べに連れて行きたいなって思うんだけどどうかな?」
    「コース料理なら断る」
    空の方が食べ終わるのが早いのはいつものことだ。食べるのが遅くその上少食な魈は外食しに行くと大変な思いをして食べなければならないらしい。初任給をもらったばかりの頃、空と蛍はちょっと背伸びをして予約が必要なコースディナーに彼を連れて行った。しかし二人の予想以上に魈は食事そのものを苦手としていたため、喜んでもらう予定が彼を苦しめて終わったのだ。その時のことを思い出したのだろう、青ざめながら首を横に振って行きたくないと主張する姿に苦笑する。
    「言われなくても連れて行かないよ。アラカルトの所か、それかビュッフェの所なら魈も気兼ねなく食べられるんじゃない?」
    「……いいだろう」
    決定だねと微笑みかけると小さく頷いた魈の口元はまだもごもごとパンを咀嚼している。結婚して共に住むようになれば、毎日こんな朝を迎えられるのだと思うと幸福感が胸に溢れた。

    ❇︎

    夕食を終えて魈の自宅に戻ってきた空はかなり酔っていた。魈の好みを踏まえて適当に注文した料理の数々を取り分ける中で、ワインボトルもついでに一本開けたからだ。選んだ店は料理も酒もとても美味しく、盛られた量もそこまで多くなかったためか魈も無理せず食事を楽しめていたように見えた。そんな和やかな彼の雰囲気に舞い上がってしまい、ハイペースで飲んだのが悪かった。
    「大丈夫か?」
    「……少しすれば酔いも冷めると思う」
    心配する魈からは呼気こそ酒の匂いがするが、赤ら顔の空と違ってひとつも赤くなっていない。コーヒー同様、酒も飲みなれないくせに彼はアルコールにはめっぽう強かった。
    「先にシャワーを浴びてくる。お前は横になって休んでいるといい」
    「はあい……」
    ベッドまで誘導され寝転がる空の衣服の襟元を緩め、くしゃりと頭を撫でる魈の手つきはいつのまにか兄のそれだ。抱っこして欲しいと甘えれば嫌な顔ひとつせずに応え、出かける時はいつも手を繋ぎ、転んで足を擦り剥けば泣き喚く空をおぶって家まで連れて行ってくれた子供の頃と何ら変わりない。やっぱり敵わないなと空は酒臭い息を吐いて目を閉じた。

    幼かった空にとってその頃の魈はヒーローだった。新しい環境に慣れず、片割れにも置いていかれて独りで泣いていた自分を拾いあげてくれた人。口数は少ないものの優しく穏やかで、いつだってそばにいてくれる大好きな人。空の記憶に深く刻まれた思い出の数々で、彼はいつも自分を犠牲にしてまで空と蛍を守ってくれてきた。
    まだ出会って間もない頃、土地勘のなかった空は放課後遊んでいる最中に迷ってしまった。次第に雨が降り始めた中で見知らぬ公園にあった遊具の影に隠れて、悪くなる一方の空模様を不安げに眺めながら雨宿りをしていた空を探し出したのもやはり魈だった。いつしか土砂降りになった中を探し回ってきた彼はびしょ濡れで、自分の名前を呼ぶ声を聞きつけて顔を出した空を一目見ると安堵した表情を浮かべた。雨に濡れて冷え切った身体に色の悪い唇。魈の方が余程他者から心配されるような見た目をしていたが、彼は自分のことなど気にせずに抱き上げた空を連れて家まで駆け戻った。当時は知り合ったばかりの他人の子に何故ここまでするのだろうかと魈の両親は首を傾げ、魈の心根の優しさに空の両親は感謝した。今思えば、テイワットの記憶を持つ魈にとって出会ったその瞬間から空は守らなければならない存在であったのだろう。しかし夜叉であった時の彼は雨に打たれることを気にせず外を出歩いていたが、人間の子供であった魈が長い時間雨に打たれれば当然体調を崩す。翌日高熱を出して寝込んでしまったという話を聞き、母親に持たされたフルーツのカゴ盛りを手に彼を見舞った。真っ赤な顔をして毛布に包まっている姿に、子供ながらに自分のせいだと罪悪感を抱いた空は、目に涙を溜めてその熱い身体に縋った。

    全てが変わったのは、それから少しして初めて魈の家に泊まりに行った日だった。両親の他には蛍としか寝たことのなかった空は、同じベッドで他人と寝ることに少し興奮していた。ましてやそれが大好きな魈となれば尚更だ。一緒にお風呂に入って、髪の毛を乾かしてもらって、同じベッドで横になって、眠くなるまでおしゃべりをする。こんな楽しいことはないと胸が躍っていたのも束の間、先に眠りに就いた魈がしばらくして顔を青くして魘され始めたのを見て空は恐怖した。頼れる兄のような存在が小さく呻き声を上げながら、シーツをかいて身悶えている。幼いながらにとても隣で眠れる状況じゃないと判断出来るほどの異様な様子だった。怖くなってベッドを抜け出し魈の両親に助けを求めたが、彼らも悲しい眼差しでいつものことなのだと空の頭を優しく撫でた。大人でも何もしてやれないことが悔しくて魈が苦しむ寝室へと駆け戻り、泣きながら彼を起こした。このまま彼が夢に囚われて起きなくなってしまうんじゃないかと恐ろしかった。必死の空の呼びかけに対して薄く目を開けた魈は自身の顔に流れ落ちる涙に気付くと、まだ小さく細かった空の体躯を簡単に抱き上げて溢れる大粒の涙を拭ってくれた。いつだって自分の苦痛をよそに他人を心配できる優しい彼が、何故夜毎に苦しまなければならないのだろう。その日から空の中で魈は助けてくれる人から、助けたい人に変わった。世界が魈のために回り始めた瞬間だった。それからというもの、彼を想う気持ちが導くかのように空も夜毎に不思議な夢を見るようになった。

    成人した魈と再会した頃の空は愕然としていた。見目の問題だけならば面影はもちろんあった。けれども纏う空気の暗さは夜叉の彼とも違う。世界に居場所がありませんといった表情をしている魈の姿に焦りを感じた。いつからか家族にですら他人行儀になり今では疎遠になってしまったと話し、どこにも属せずにいる彼は目を離せばふらりといなくなってしまいそうな危うさがあった。今世の魈には一生をかけた繋がりも使命も契約も何もない。彼を繋ぎ止めておくためのものが必要だと確信した空は彼と再会し高校を卒業するまでの二年間をがむしゃらに駆け抜けた。なんとか魈を捕まえておかなければと真っ先に恋人になることを強請った。ただの幼馴染のままでは彼の心の奥深くに入り込めないからだ。それでは旅人と夜叉だった頃と変わらない。夜叉と別れた後の旅人は自分の選んだ道が果たして正解だったのか常に苦悩していた。好意を伝える言葉のひとつくらい口にしても良かったのではないか、と。夢の中で見る旅人の強い後悔はそのまま空の執着心として現れる。自分の感情が本当に自分だけのものであるのか不安になったことがないとは言い切れない。けれども幼い自分に手を差し伸べてくれた魈に、今度は自分が手を差し伸べたいと思う気持ちだけは本物だった。しかしどれだけ空が焦がれたところで身体まで許した魈が心を明け渡すことはなく、空が望むから応えているだけなのだと気付いた時、ただそばにいて楽しい毎日を分け与えるだけでは彼の抱えている苦痛を和らげることが出来ないのだと思い知って人知れず泣いた。賑やかな双子の相手をする合間に、遠い目をしてテイワットに思いを馳せている姿を見るのがつらかった。
    そこで考えついたのが結婚だった。血の繋がりをもってしても魈は所属感を得られなかった。しかしテイワットの記憶を共有する自分が『家族』になれば、彼にも帰属意識が生まれるのではないかと考えたのだ。物や言葉だけでなく目に見える契約を結ぶことが、かつて契約の国で生まれた彼を掬い上げる手段だと空は信じていた。

    瞼を持ち上げると、真っ先に直接心臓に繋がっているという指を縛るプラチナの輝きが目に入った。さらさらと撫でられていた感覚が額のあたりに残っている。魈はベッドに腰掛けて眠りこけてた空を撫でていたようだ。きっとその度に月明かりを受けて煌めく指輪が視界に入っただろう。今日一日、贈った指輪をつけて出歩いてくれたが、事あるごとに何度も見つめて上の空でいる様子が印象的だった。
    「……贈ってよかった」
    指輪に他人からの視線を集めたくないだろうと思って細身で控えめなデザインにした。夜叉は法具や装飾品を多々身につけていたが、魈はとにかく自身を飾らなかったからだ。興味関心がないのだろうと思っていたが、熱心に指輪を見つめている姿を見ると、身につけるきっかけが無かっただけなのかもしれないと思い直す。これまでは最低限の物しか持たない主義の魈に物を贈るのが気が引けていたが、彼は他人からの善意を素直に受け取る性格だということをすっかり忘れていた。彼の魂の性質は生まれる前となんら変わらない。これからは今までと傾向を変えてみてもいいのかもしれないと、来年の誕生日を祝うのが今から楽しみになってきた。
    「起きたか」
    あくびをしながら重たい身体を起こすと、魈から事前に注いでいたのだろう水の入ったグラスを手渡される。常温のそれは酒で熱った身体に刺激を与えることなく内側へと流れ込んでいった。ひと息で飲み干して、立ち上がって伸びをする。くるくると回っていた視界は大分クリアになっていた。
    「……どれぐらい寝てた?」
    「三十分ほどだ。酔いは落ち着いたか?」
    「うん。……ねえ、朝の続きしてもいい?」
    ベッドに腰掛けたままの魈の頬に触れるだけの軽いキスを落とすと、くすぐったそうに身を捩る彼は期待を孕んだ瞳で空を見つめていた。それが答えだった。

    ❇︎

    ベッドの上で伸びている魈の身体にこびりついた体液をタオルで拭き取っていく。シャワーを浴び直す気力も体力も奪ってしまったようだ。空も酔いは覚めたとはいえ、アルコールを摂取したからか強い眠気を感じている。終わったらそのほかの始末は朝にして今日はこのまま寝てしまおうかと考えていると、空にされるがままぼんやりしている魈がひっかかったら危ないからと外していたヘッドボードの上の指輪を見つめていることに気付く。自身の指を飾っているという見た目や、指に嵌っているという感覚が気になって一日中見つめていたのかと思っていたが、どうやら違ったらしい。あらかた拭き終えた裸身にタオルケットを掛け直し、目の前で視線の先のものをつまみ上げた。
    「嵌めてあげる」
    二度目となれば空も緊張せず魈の手を取り、指輪を嵌めることができた。旅人と夜叉の頃は彼の素手を見ることもなかったことを思い出し、今の関係性を受け入れてくれた魈に改めて感謝する。初めての出会いから既に十五年以上経過していた。ようやくここまで来たんだと、空は感慨深い気持ちで指輪を嵌めた手の甲にキスを落とす。魈はぽうっとほうけた顔で空を見つめるばかりだ。もしかしたら彼も眠いのかもしれない。
    「じゃあ、おやすみ」
    空も横になってタオルケットに潜り込み、胸に擦り寄ってきた魈を抱き締める。肌を寄せ合っていると心地よい温度にすぐに眠気が襲ってきた。だから腕の中で囁くように話し始めた魈の声をうまく聞き取れない。
    「ん……なに?」
    今喋られても困るという気持ちを抑えて、すごくねむいと強い眠気の中で発音もあやふやのまま彼に告げる。会話をするのなら明日また話そうと。半分眠りに入っている空はもうほとんど目も開いていない状態だったが、むにと柔らかいものが唇に当たった感触だけは伝わる。彼の方からキスをしてくるなんて珍しい。それを最後に空は意識を完全に手放したのだった。

    「魈、おはよー。入るねー?」
    蛍の声と鍵を回す音に素早く反応した魈に腕を踏まれて寝ぼけながら痛いとぼやいて薄目を開けた空は、カーテンの隙間から差し込む明るい陽射しに朝の訪れを感じると共に二人ともまだ素っ裸のままなことを思い出す。やばいと身体を起こした時にはもう魈は着替えており、合鍵を持っている蛍が寝室の様子を覗きに来るのをリビングで押し留めていた。
    「お兄ちゃんは?」
    「まだ寝ている」
    朝食を食べたかどうか尋ねて蛍の関心を空から外そうとする魈の意図を感じる。続いてまだ食べていない彼女に朝食を準備するという会話が聞こえてきた。しかし蛍の行動は読めないことが多く、朝食を食べるからとまだ寝ている空を起こしに扉を開ける可能性もあった。早く着替えて顔を出したほうがいいだろうと、カーテンを閉め切ったままの薄暗い部屋で床に散らかした衣服を確認していると何故か自分の下着がなく、代わりに魈の下着が落ちていることに気付く。すぐに魈が間違えて履いていることを察した。しかし上からズボンを穿いてしまえば他者からは分からないだろうと、仕方なく魈の下着に足を通す。あとでこっそり教えて交換すればいい。
    「ねえ魈、これお兄ちゃんのパンツだよ?」
    「待て蛍! 勝手に下ろすな!」
    遅かった。いつも冷静な魈の珍しい怒声が飛んでくる。下着一枚穿いただけの状態で扉をそっと開けて状況を確認してみると、キッチンに立つ魈の背後から蛍が彼の寝巻きのズボンを腰穿きの位置に下ろして顔を覗かせた下着をつんつんと突いている。
    「だって魈っぽくない柄が見えたから」
    (派手なパンツ穿いててごめん!)
    大学進学を機に地元を出た兄妹だったが、たまたま進学先が近かったため学生時代はずっと二人暮らしをしていた。就職してからは離れて暮らすようになったものの、魈との件で相談に乗ってくれる彼女は別荘感覚でしょっちゅう空の家に入り浸っている。当然一張羅から下着に至るまで空の持ち物を把握していた。
    頭を抱えた魈は大きなため息をついていた。慌てて起きて確認もしなかったのだろう。よく見るとズボンそのものも前後逆に穿いている。彼らしからぬ姿に蛍が違和感を抱くのも無理はない。近付いて確認していたら下着も見えてしまったようだ。
    「そんな魈さんに私からのお誕生日プレゼントです」
    じゃーんといった声と共に上品に包装された長細い小さな箱を見せる蛍に、魈は朝から疲れた顔をしながらパンにバターを塗る手を止める。するともう少し広い所に来てと手を引かれてキッチンからリビングへ移動させられていた。
    「昨日お兄ちゃんから指輪貰ったんでしょ?」
    「ン"ッ……ゴホッ……」
    動揺を隠すための咳払いをして魈は小さく頷く。見せてと纏わりついて離れない蛍に渋々と左手を差し出した。まじまじと輝く指輪を見つめられて恥ずかしそうに視線を逸らしている。
    「うーん、なるほど。お兄ちゃんらしい選択だね」
    ともかく素材が一緒みたいで安心したと笑う蛍は魈へのプレゼントの包装を自分で破き始める。早く見せたくて仕方がないようだが、そんな蛍の行動に魈は目を丸くしていた。びりびりと裂いた包装紙を床に散らかしながら、蛍は箱からネックレスチェーンを取り出す。
    「魈のことだから会社に指輪を付けていくの気にするかなって思って。ネックレスなら服で隠せるから気兼ねなく身に付けておけるでしょ?」
    あとでお兄ちゃんにつけてもらってねと続けて蛍はもう一度指輪を嵌めた左手を眺める。細く柔い指が絡んできて手を引っ込める魈はもう終わりだとキッチンへ逃げていったが、すぐさま拗ねた声の蛍に追いかけられ逃げ場を失って後ろから抱きつかれて捕まっていた。これまでお兄ちゃんばっかりずるいと泣き出せば、ひどく狼狽えた魈は彼女の要求をなんでも呑んできた。そうやって空と同じく彼に甘やかされている彼女は、その上さらに空にも甘やかされて育っている。甘えたモードのしつこさは兄妹そっくりだった。
    「これで名実ともにお兄ちゃんとパートナーになるんだ」
    後ろから抱きつかれたまま左手の甲を撫でさすられている魈は彼女から何かを囁かれると、耳まで赤く染まり始め空いた右手で顔を覆い隠して小さな声でうんと頷いた。この世界に生まれる前から彼を知っているが、照れている所を初めて見た空は素直に感情を曝け出している様子に動揺していると、たまたまこちらを見た蛍と目があう。彼女は呆れた顔をして、大きなため息をついた。
    「……お兄ちゃん、そんな所で覗き見してないで早く魈にパンツ返してあげなよ」
    「パンツ取られたのは俺の方なんだけど!」
    扉の影に隠れるのをやめてずかずかと下着姿のままリビングに入ると、申し訳なさそうな顔をした魈が近付いてきて問答無用で空を寝室まで押し返す。耳の先はまだ赤く色づいていた。
    「蛍、パンを焼いておいてもらっていいか? 交換してくる」
    「ごゆっくりー」

    間違えて悪かったと言いながらベッドに腰掛ける空に尻を向けている魈は衣装ケースから新たに下着を引っ張り出していた。取り敢えずこれを穿けと渡された未使用の下着を受け取りながらも、空は魈が今穿いたままでいる自身の下着を穿き直すことでも構わないでいる。しかし下着のことなど些事でしかない。それよりももっと話したいことがあった。
    「俺、魈が照れてるところ初めて見たよ」
    拗ねた声で告げると、再び顔を真っ赤にした魈は狼狽えた後にぽすんと力なく空の隣に腰掛け、右の手指が指輪の存在を確かめるようにさらりと撫でて俯く。
    「……了承した数年前はあまり深く考えていなかった。結婚といってもどうせ書面上のものだろうと。だがこのように形に残る物を貰って、お前が生涯をかけた契約を結ぼうとしていることにようやく気付いた。……ならば、その……」
    彼にしては歯切れの悪い様子に首を傾げる。覗いて見た彼の顔はやっぱり真っ赤で、眉を寄せて泣き出しそうな顔をしていた。でもその表情は昨朝の指輪を貰った直後とあまり変わらない。やっとそれが彼にとって嬉しさを処理し切れない時の表情なのだと初めて分かった。
    「俺も、……覚悟を決めた。お前と一生を共にする覚悟を。それを蛍が茶化すから恥ずかしく思っただけだ」
    一息で言い切ってしまうと魈は話はこれで終わりだと立ち上がって、そのまま下着を取り替えに物陰に隠れてしまった。堪らず空は彼を追いかけて後ろから抱きつくと、こらと嗜める声がしたが聞こえないふりをする。空の扱いに慣れている魈が腰に巻き付く腕を気にかけずに下着を穿き直している間、薄く平たい腹を撫でまわしていると、早く穿き替えてリビングに戻るぞと急かされる。言葉遣いこそ変わらないものの甘さを溶かし込んだような優しくて柔らかい声に空は違和感を覚えた。彼はこんな声で話す男だっただろうか。空のよく知る魈の声は落ち着いていてほんの少し寂しさを滲ませた硬質なものだ。ひとつの考えに思い至ったその時、ぼたぼたと魈の寝巻きの肩口を濡らすものに気が付いて慌てて彼の身体を離す。そんな空の少し乱暴ともいえる手つきに疑問に思った魈が振り返り、空の顔を一目見るとわずかに目を見開いて、そして眦を下げた。
    「どうした?」
    指輪を嵌めた指先がそっと頬を拭って流れ落ちた涙を払いのける。すっかり兄の顔をして空をあやす魈の身体を正面から抱きしめた。
    違和感すら抱く聞き慣れない声。けれども聞いたことがない声ではない。それは夜叉が家族のように大切にしていた仲間たちに向ける声色とそっくりだった。層岩巨淵にて夜叉と旅人だけが感じ取った英雄たちの記憶。その中で見た、仲間に手を差し伸べる夜叉が発した声色の違いに、当時の旅人は驚きすら覚えていたのだ。彼は心の奥深くへと招いた者に対してこんなにも優しい声色で話しかけるのかと。それを今、実際に聞くことが出来ている。それはつまり魈の中で空のことを真に受け入れたと考えてもいいのだろうか。家族として認めてくれたと自惚れたい。
    胸に抱え込まれた頭を優しく撫でられて、魈のことを想って泣いてきた日々を思い出す。他を顧みずにただ魈のためだけに駆け抜けてきた人生だった。見方によっては旅人が抱いた後悔を昇華してきたともいえるのだろう。憑き物が落ちたかのような感覚は確かにあった。けれども空の胸の中は今、感激で溢れている。涙と鼻水できっとぐしゃぐしゃであろう顔を上げて、魈の顔を見る。長く付き合っていなければ分からないような微かな笑みを浮かべている彼はもう寂しい顔をしていない。どこかに消えていなくなりそうな儚さもない。この時のために空は今まで頑張ってきたのだと思うと、更に涙が溢れた。
    「うっ……うぅ……っ」
    嗚咽を漏らして泣き出す空の熱く高まった身体を、魈の低い体温の素肌がひんやりと包む。彼は何故泣いているのか聞き出すようなことをしなかった。空もこれまでの努力を本人に語るつもりなど毛頭ない。マーキングするように頬擦りを繰り返す魈はいつまでも泣き止まない空の様子にくすりと空気を震わせた。きっと幼い頃を思い出しているのだろう。昔から一度泣き出すと止まらない子供だった。その度に辛抱強く宥めてくれたものだ。
    「……俺、返品交換不可だからね」
    涙を拭ってずびずびと垂れる鼻水を啜りながら呪詛のように呟くと、とうとう魈ははっきりと笑い始めた。今更何を言っているんだと言いたげな表情を浮かべている。もう離したくない。離されたくもない。そんな気持ちを彼も持っていてくれたらいい、と空は願う。
    「蛍がいる内に渡航の日取りを決めてしまおう。早く知りたくて仕方ないようだ」
    魈の腕から抜け出てようやく服を着ていると、その様子を眺めていた彼から結婚式についての話を振られる。まさか彼の方から振られるなど考えたこともなかった。いつものように空の方から話題を出し、彼も特に意見を出さずに流されるようにして決まるのだろうと勝手に思い込んでいたから驚きを隠せない。しかし、覚悟を決めたと彼は話していた。昨日は一日中色んなことに思いを巡らせていたのかもしれない。だってまだ結婚に向けての第一歩を踏み出したに過ぎないのだから。
    「実はもういくつか式場とか見繕ってるんだ。話聞いてくれる? 蛍を満足させられる式を挙げなきゃ」
    もちろん、と薄く笑って答える魈の薄い唇に触れるだけのキスを落とす。これからは独りよがりの努力ではなくて、二人で手を取り合って人生を歩むことが出来るのだと思えた空はやっと心からの笑顔を見せた。
    紗紅緋 Link Message Mute
    2022/08/08 11:18:41

    結婚する空魈2

    人気作品アーカイブ入り (2022/08/08)

    数年後にちゃんとプロポーズする自cp。1万文字ある蛇足みたいなものです。

    #gnsnBL #空魈

    追記:
    先日、ようやく溺愛の続きもアップしました。興味のある方はフィルターを一般からR18に切り換えてご閲覧ください。

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    2022/08/08 13:26:38
    まさか続きが読めるとは思ってなかったので…とてもとても嬉しいです!2人が幸せな形で結ばれて心が満たされました。素敵なお話を書いて下さりありがとうございます!!!
    > BOOO
    2022/08/08 16:37:29
    内容としてはとんでもなく蛇足みたいなものですけど、お兄ちゃんしてる幼少期魈があと100回見たかったので続きを書きました。こちらこそいつもありがとうございます!
    2022/08/10 8:50:27
    めっちゃ幸せなお話ありがとうございます(語彙力皆無)!!😭
    > gensinlove に
    2022/08/10 9:24:19
    お世話になります。こちらこそご閲覧いただきありがとうございます!
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    • 海誓山盟マルチしようとしたら過去の仙人と出会う話。謎設定と魈の過去捏造しかありません

      何が出てきても大丈夫な方のみお進みください。
      #gnsnBL #空魈
      紗紅緋
    • 碧悟4後ろ向きな空と前向きな魈の話
      *ありとあらゆる台詞、キャラクターストーリーへのネタバレ配慮をしていません。
      *プレイ時中国語音声なので、声や細かい言い回しなどはそちらをイメージしてます。間章で感情大爆発させるCN魈はいいぞ
      *作業用BGM:周深『大鱼』の影響を若干受けています
      #gnsnBL #空魈
      紗紅緋
    • 結婚する空魈6/30の朝、唐突に結婚する自CPがみたいと思ったので書いたら精神が健康になりました。
      現パロです。
      #gnsnBL #空魈
      紗紅緋
    • 暗恋両片想いしていた空魈話です。
      魈の過去を含め全てが捏造。 #gnsnBL #空魈
      紗紅緋
    • 耽溺キスする空魈が書きたかったです。2ページ目は蛇足です #gnsnBL #空魈紗紅緋
    • 碧悟2空がひたすら鬱々している話。少し女々しいかも。

      *ありとあらゆる台詞、キャラクターストーリーへのネタバレ配慮をしていません。
      *プレイ時中国語音声なので、声などはそちらをイメージしてます。kinsenはいいぞ #gnsnBL #空魈
      紗紅緋
    • 碧悟1魈の精神革命の話。ただひたすら魈の精神描写ばかりです。

      *ありとあらゆる台詞、キャラクターストーリーへのネタバレ配慮をしていません。
      *プレイ時中国語音声なので、声などはそちらをイメージしてます。kinsenはいいぞ
      *イメソン:邱振哲『太陽』の影響しかないです #gnsnBL #空魈
      紗紅緋
    • 寂寞ほぼパイモンと魈の旅人看病記。受けでも攻めでも嘔吐してる姿はかわいい #gnsnBL #空魈紗紅緋
    • 碧悟3隣で自分の道を歩む人が出来て、見える世界が変わった魈の話
      *ありとあらゆる台詞、キャラクターストーリーへのネタバレ配慮をしていません。
      *プレイ時中国語音声なので、声や細かい言い回しなどはそちらをイメージしてます。kinsenはいいぞ
      *作業用BGM:任然『飞鸟和蝉』の影響を若干受けています
      6/13追記:2.7で判明した情報と整合性を取るために一部修正しました
      #gnsnBL #空魈
      紗紅緋
    • 年末のご挨拶本年はTwitterでの活動を辞めたり、pixivからこちらへ移動したりと精神的に慌ただしい一年でしたが、皆様のお言葉の温かさに救われました。本当にありがとうございました。今後も空魈を書き続けていきたいと思います。良いお年をお迎えくださいませ!

      また、1/8に神の叡智7に参加しますが、全48種ランダム配布予定の無配ハガキの図柄にご希望のものがございましたら取り置きいたします。(※新刊2冊も勿論取り置きいたします)
      無配は余れば通販にも回しますが、その際は匿名配送となってしまいますので個人の特定ができません。もしも通販予定の方で、この図柄が欲しい!というご希望がありましたらハガキのみ別途送付もいたしますのでご連絡いただければと存じます。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
      紗紅緋
    • 日久生情 サンプル契約恋人のはずがマジ惚れしていく話

      1/8開催 神の叡智7にて頒布しました
      (B6/184頁/価格1,000円/R-18)

      ※サンプル部分は冒頭ではありません
      ※バージョン1.3から2.7に至るまでのあらゆるイベントネタが詰まっています
      ※実際はタイトル部分は箔押しとなります
      ※通販はFOLIOを利用しています。どうぞよろしくお願いします
      https://www.b2-online.jp/folio/13072300003/001/
      ※成人指定してあります。表示されない場合はユーザー情報で表示するにチェックする必要があります。


      #gnsnBL #空魈
      紗紅緋
    • 夢で見た人を好きになっちゃうタイプの空くん内容はタイトルのままです。キスから始まっちゃう自cp可愛いなと思って書きたいところだけ書いたので短いです。

      書いてる途中に例のキャラpvが来てしまって、本家(?)の彼はこんなにも苦しんでいるのに、私の書く仙人はなんでいつも旅人メロメロ真君なんだと数日間絶望していましたが、海灯祭イベント見てたらメロメロ真君もあり得なくはないと気を持ち直したので公開です。エピローグが楽しみです。
      追加:エピローグ前にとんでもpv来ちゃって泣いた

      #空魈 #gnsnBL
      紗紅緋
    • 夢の番人 サンプル未来の結末の話

      1/8開催 神の叡智7にて頒布しました
      (B6/44頁/価格600円/全年齢)

      ※キャラクターの死の捏造があります
      ※バッドエンドではありませんが、ハッピーエンドでもありませんので、苦手な方はご注意ください
      ※ フォントの都合上、左綴じ横書きの本となっております。
      ※通販はFOLIOを利用しています。どうぞよろしくお願いします
      https://www.b2-online.jp/folio/13072300003/001/

      #gnsnBL #空魈
      紗紅緋
    • 1/8無配遅くなりましたが、1/8神ノ叡智7ではどうもありがとうございました!通販の方もちょこちょこご注文いただけて大変嬉しく思います。
      無配の方を公開いたします。フォロワーさんからいただいた設定の仙人で書いています。自分だけが気付いちゃったあの子の秘密とか可愛いですよね。
      今年はもう一回イベント参加できたら良いなって思います。今後ともよろしくお願いいたします。
      #空魈 #gnsnBL
      紗紅緋
    • お知らせ1/8開催の神の叡智7に空魈で参加することにしました。取り急ぎご連絡まで。
      スメールめっちゃ楽しい
      紗紅緋
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